1. 山猫は眠らない
《ネタバレ》 スナイパーになるためのハウツームービーです。スナイパーになりたい!という人からスナイパーって何やるんだろう?と思っている人まで汎用性の高い一本です。 これ見ればスナイパーの仕事が丸分かり。スコープを覗いたらこう見える、とか30cm横を敵が通っても気付かれないほどの適切な偽装の仕方や、現地民とのコミュニケーションによる情報入手の大事さも分かります。 ベテラン先輩におとりに使われることもあるけど、そこはキレても大丈夫。意にも介されません。あと、救出に来たヘリに乗り込む間際が最も危険だということも分かりました。勉強になったなあ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-11-13 15:57:15) |
2. 柔らかい殻
《ネタバレ》 神々しいほどに美しい映像と構図、でも気が遠くなるほどに救いの無いストーリー。画と話の両軸がかけ離れているが故に強烈に記憶に残る一本。 大人側の世界、まあ見事なまでに陰気な材料ばかりだ。荒んだ母親、焼身自殺の父親、兵役から帰還した兄は原爆症の疑いが濃く、そのうえ子供が被害者の連続殺人が発生するときたもんだ。 大人が全員暗い目をしている。なんで誰も彼もがどうかしちゃってるんだろう。ぶつぶつ言いながら道を往く二人組のおばさんは勘弁してほしいくらい怖かった。 病んでる大人の世界は子供の無垢なフィルターを通すと様子は違ってくる。ヤバイ未亡人は吸血鬼で、白蝋化した誰かの中絶胎児は天使なのだ。セスにとってはそうなのだ。自分の世界が優先するから大人の浮き世の騒ぎはピンと来ないんだ。警察に目撃した車のことを言うことなんかより、兄を吸血鬼から守ることの方が断然大事なことなのだ。 だけどラストにフィルターは崩壊し、現実のその意味が降りかかる。8歳の子が悟るその残酷なこと。 シュールで苛烈なまでの不条理が金色の小麦畑に展開する。美しくて怖い白昼夢のようだ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-04-26 16:55:22) |
3. 山の郵便配達
《ネタバレ》 実直そのものの父親と、ラジオ音楽を手放さない現代っ子の息子プラス”次男坊”のわんこ。バランスのよいトリオが織り成す普遍的な親子の姿。父は大人になった息子に涙し、息子は背負った父の軽さに時の流れを知る。ベタといえばベタ。でも控えめな演出と広くて深くて圧倒的な中国の自然に中和された。 訥々と、村人らの素朴さを描きつつ、都市から帰ってこない若者と置き去りにされる祖母という現実や、親子で小声で役人批判をするといったビターな視点も交ぜてほのぼの一辺倒を避けている。 「いい話なんだろうなー」と予想しながら観て、やっぱり予想通りいい話で、なあんだと思いながらも涙が流れているのだった。ぐすっ。 [DVD(字幕)] 7点(2017-05-17 23:18:40) |
4. 闇の子供たち
《ネタバレ》 みなさんのレビューを読んで腰が抜けるほどびっくりした。録画していたのを観直した。愕然とした。だって映画って鑑賞するうえで約束事ってありますでしょう。江口洋介は一介の報道マンとして無力に苛まれながらも「伝える」ことの職務を全うしようとしている。で、その姿勢に寄り添ってこちらは話を追うわけで。律儀に約束を守り続けたワタシは、彼は小児性愛の”被害者”であり、フリーとして犯罪撲滅に乗り出すべく姿を消すラストなのかと思っていた。なんというバカ視聴者だ。だって「気色悪い日本人といっしょにされたくない」って言ってたじゃんか。こんな脚本はどんでん返しなんかじゃないよルール違反だよ。 しかも臓器移植のくだりはフィクションです、って。ここでどう解釈して良いのか頭の中は?でいっぱい。 こんな繊細な問題を、取材に立脚せずに映像にしていいんだろうか。「闇の臓器市場はこんな感じだろう」と想像で描いてはいけない気がする。私の感性がなんか全力で拒否している。いろんな思いを飲み込みながら、移植を望んでいる人たちが実際に存在するのですから。この映画の中にわずかに感じるリアリティの片鱗として、佐藤浩市の存在が抜群に飛び抜けていた。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2017-03-08 01:25:36)(良:1票) |
5. ヤギと男と男と壁と
《ネタバレ》 アメリカが好きそうな大掛かりな設定に、英国風なジョークが見え隠れ。だからなんだかどっちつかずな印象なのかな。笑いもへへっ、と漏れる程度。“地球救世軍”だかって大風呂敷広げておいて結局救ったのは捕虜?とヤギだけ、という尻すぼみっぷりとかクルーニーのキラキラ目線とか結構好きですけども。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-10-25 00:24:35) |
6. ヤングガン
そもそも無法者のガンマンに殺された方はたまったもんじゃないと思うけど、反社会的存在のビリーが伝説的な人気を集める理由をエミリオ・エステベスが好演。若さ故の眩しい傲慢さと漲る生命力、意外や学識ありで恩義に対して律儀であったりと彼の人間性がとても魅力的に描かれている。ひきかえチャーリー・シーンがぱっとしないのも気にはなる。物語からいなくなるのも早い。 [地上波(字幕)] 7点(2012-10-11 00:47:08) |
7. ヤング@ハート
《ネタバレ》 これはちょっと言葉を失うほど凄かった。平均年齢70を軽く超えるじいちゃん、ばあちゃんたちが歌に命の最後の灯を燃やす。肺にチューブを突っ込みながら、歩くのも支えてもらいながら、彼らはステージに立つ。チケット完売だというのは、はっきり言って歌そのものを聴きたいわけじゃない。自らにとって大切なものを命の輝きに変え、放つ姿を見たいのだ、観客はみんな。老人というのは未来より過去の方が多くなった人だと思っていた。間違っていた。彼らは未来を語る。次のステージのことを、生き生きと。“元気をもらう”なんてレベルではなく、人間の底力に圧倒された。自然と、居住まいを正して画面に向き合っていた。観るのが苦しくて、何度か中断したのだけど。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-01-21 02:12:14) |
8. 八つ墓村(1996)
これは本当に市川監督が撮ったのですか。誰かうそだと言ってくれ。 [CS・衛星(吹替)] 1点(2011-11-19 01:48:45) |