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1.  雪に願うこと
故郷を捨ててまで都会へと向かったものの、仕事の行き詰まりから挫折を味わい、やがて人生に絶望した挙句、追われるように舞い戻ってくる。その故郷の暗く凍てつくような環境は、都会となんら変わる事のない厳しい現実そのものであり、寒さが殊のほか身に凍みる。人生に失敗した者だけが味わう遣る瀬無さを、凍えるような土地柄に否応なく滲ませる。地方競馬が舞台である事により、その雑然とした殺風景な佇まいは、夕暮れに鈍く光る泥濘の寒々しさで増幅され、故郷の風当たりの厳しさを痛感する男の心象風景と重なり合う。この序段の描写が圧倒的に素晴らしい。ここ帯広にも不況の影は色濃く、ばんえい競馬存続そのものが困難な状況でありながら、必死で家業である厩舎経営を守ろうとする兄。しかし、彼とて目標が定まらず迷い続けている自分の人生を、思わず吐露するシーンは、誰しもが経験する焦燥感を言い表しつつ、奔放な生き方をしてきた弟を羨んでいる事をも感じさせる。弟を許せず辛く当たるのも、鬱積した気持ちの捌け口としての行為であり、単なる恨み辛みだけではないのである。一方、反撥しながらも兄に頼らざるを得ない肩身に狭さを感じている弟。そのあたりの心の揺らぎというものを、佐藤浩市と伊勢谷友介が共に抑揚のある見事な演技を披露する。そんな荒んだ心を癒してくれるのは旧知の友であり、仲間であり、暖かく包み込んでくれるのは故郷そのものである。そっと心の支えになってくれる人がいればこそ、生きる希望も湧いてくるというものだ。凝ったカメラワークもドラマチックな展開もなく、映画は彼らの何気ない日常を点描していく。そして、人生の機微に触れたしみじみとした味わいと、その情景描写のさり気なさは、いかにも土の匂いがする極めて日本的な風土から生み出されたものだと改めて実感できる。坂を懸命に駆け上がろうとする馬の姿は、いかにも絵になる本作を象徴するシーンだが、逆境をバネに、その力強さを自らの再生として夢を託すという意味では、同じようなテーマを扱いながら「シービスケット」とは趣が異なり、あくまでも人間のドラマに力点が置かれ、その表現力の泥臭ささは、どこまでも日本映画的だと言える。 
[映画館(邦画)] 8点(2007-01-21 17:20:15)
2.  ユナイテッド93
「再現ドラマのお手本」あるいは「再現ドラマの極致」。本作をひと言で形容すると、こう言ったところだろうか。秀作の多い今年、そんな中でも本作は特筆すべき作品と言っていいだろう。9・11における無差別テロ攻撃で、標的としてのホワイトハウスへ向けられていたと伝えられているのが、本作に登場するユナイテッド93便。唯一、テロ攻撃が回避されたとされる旅客機であるが、それは単にホワイトハウスへ突っ込まなかったと言うだけの事で、結末は周知の通りである。本作はその顛末を、当時の関係者からの証言などに基づく膨大な資料を微に入り細にわたり分析し、出来得る限りの想像力を働かした結果、“彼ら”しか知り得ない出来事を忠実に再現し、最も真実に近付けたものである。ハイジャックされた機内と管制塔だけの密閉された空間だけのドラマだが、ポリティカル・サスペンスとしての驚くべき迫真性は、映画を観ていると言う事を暫し忘れてしまうほどである。それは純粋な映画でありながら、著名な俳優を一切起用しない事でドキュメンタリー性がより強調され、ノンフィクション・ドラマとしての一貫性を齎せているからに他ならないからである。また、結末云々の映画ではない事は観客の誰しもが認識しているが、それだけに興味を繋いでいく演出力が殊更要求されるものはなく、そういう意味に於いてもP・グリーングラスの緻密な計算に裏打ちされた演出手腕は並外れたものであり、高く評価されるべきである。国家やイデオロギーが違うという理由で、立場を異にする人間たちを描いた本作は、民間人とテロ集団という対立軸の構図をとりながら、どちらに比重を置く事もなく、一つの運命共同体として、そして双方をあくまでも一人一人の人間として描いている点が最大の特徴だと言える。緊張・動揺・躊躇・不安・恐怖・覚悟。行動を起こす方も、被る方も、極限状況で究極の選択を迫られたとき、人間は人間としての当然あるべき感情を露わにする。最悪のシナリオを未然に防ぐ為、勇気を振り絞って闘った人々の白熱のドラマの面白さと、現実の結末とのギャップに虚しさを覚えずにはいられない。何が正義で何が悪であるかは、映画ではついに語られる事はない。それ自体むしろ意味のない事なのかも知れないからだ。しかし、本作は“人間の真価”を問うた秀作である事だけは間違いない。
[映画館(字幕)] 9点(2006-10-28 18:16:51)(良:3票)
3.  Uボート 最後の決断
性格俳優として、また名脇役として近年とみにその重責を担っている感のあるW・H・メイシーの最新主演作。若くもなくハンサムでもない、何処にでも居そうなごく普通のオヤジ、といったキャラのメイシーの名演がひときわ光彩を放つ作品だ。潜水艦あるいはUボートをテーマにした戦争映画も少なくないが、本作はその中でもとりわけ小粒で、いかにも低予算で作られた作品だというのが観ていて良く分かる。それは極限状態に追いつめられた男たちの人間ドラマに焦点が絞られている為であり、ハリウッドお得意の大掛かりな戦争スペクタクルなど敢えて必要としていないからとも言える。戦争映画におけるアメリカ人が描くドイツ人とくれば、ヒットラーに代表されるような、情け容赦のない極悪人といったイメージが相場だが、この映画に登場するドイツ人はごく普通の人間として、そしてあくまでもアメリカ人と対等に描かれている。従って本物のドイツ人の俳優を出演させて、話す言葉もドイツ語なのである。これはロシア人を演じようとドイツ人を演じようと、アメリカ人の俳優を使ってしかも英語で喋らすという、ハリウッド悪しき伝統から見れば、対立する両国を際立たせると言う意味において、至極当然の配慮だと思う。だからこそ、祖国を愛し、大切な人を愛し、生きて帰りたいという男たちの願いは、国は違えども同じであるというテーマがより鮮明に浮び上がってくる。とりわけ機関工を象徴として描かれたように、互いに現場で働く者同士、言葉が通じなくとも血の通った人間として気持ちは通じ合い、やがて友情は芽生えるものだという主張は、痛いほど伝わってくる。どこかの国の某戦争映画のような、余計な泣かせを演出するわざとらしさがないのも好感が持てる。また、閉ざされた空間内で伝染病が蔓延していくエピソードには真実味があり、敵国との戦いとはまた違った、より身近な恐怖を感じさせサスペンスを盛上げていく。それにしても、ここに描かれる男たちには本当のカッコ良さがあり、テーマである男の友情がラストシーンでシンボリックに描かれ、名場面ともなっている。 そう言う意味でも、本作はまぎれもなく男の映画だと言える。
[映画館(字幕)] 8点(2005-05-12 18:13:43)
4.  誘拐犯(2000)
売った喧嘩(もしくは売られた喧嘩)には結果がどうであれ、一歩も引かない男たちの末路は冒頭のシーンとダブる。いくらでも途中で手を引こうと思えば出来たのに、自ら進んで困難な状況にドップリと首を突っ込んでしまった二人のやさぐれ男を、哀れとみるかカッコイイと感じるかは観客に判断を委ねているようだ。それにしても、昨今、ド派手な銃撃戦となるとメキシコの建物や風土は、なぜか絵になるんですよね~。
7点(2001-06-30 22:50:03)
5.  許されざる者(1992)
仲間の一人が殺されたことを知らされるや、それまで断っていた酒をビンごと飲み干すくだりは、この作品の中でも最も凄みの効いたシーンで、そのあと彼は復讐の鬼と化す。若い頃から女子供も平気で殺してきた男だけに、老いて堅気になったとは言えガンマンとしての血は脈々として生き続けている。それがひとつの事をきっかけに、自らをも“許されざる者”として彼本来の姿に変貌させる。これはまさにイーストウッドならではの趣向で成しえた作品と言える。しかしこの作品を語るには、我々はもっと西部劇というジャンルの映画を観る事と、さらに年齢を重ねなければ、本当にこの作品の良さというものは解からないのではないだろうか。夕焼けの平原の大樹のもとに、シルエットでたたずむシーンで始まり、同じ夕焼けのシーンで終わるという、西部劇のもつ美しさと挽歌を表わしていて感動的だ。
9点(2001-03-16 00:40:39)
6.  遊星からの物体X
古典「遊星よりの物体X」のリメイクだが、工夫された特殊効果には格段の違いを感じる。宇宙生物のボディスナッチャーもので、限られた空間内で誰の体内に“それ”が侵入しているかが判らず、皆がお互いに疑心暗鬼になっていくプロセスが恐怖とサスペンスを盛り上げる。正体を現わしたときのクリーチャーや“ぬけ殻”の造形のその凄いこと!
8点(2000-10-17 23:30:49)
7.  U-571
この作品を戦争アクションとみるか、「Uボート」的人間ドラマとしてみるかで、評価が分かれるところ。スペクタクル・アクションとしては、定石をキッチリ押さえて良くはできてますが、可もなく不可もないといった感じで小器用にまとまり過ぎたようにも思います。もっと何か新しさを感じさせるような工夫が欲しかったのが正直なところ。さらに欲を言えば味方の戦艦や潜水艦からも執拗に攻撃されるシーンでもあれば、もっと話が膨らんで面白くなったと思うんですけど・・・。で、人間ドラマっていえば艦長との確執が彼のあっけない死によって、話がそれ以上膨らんでこないのが惜しい。生死を分ける決断とやらで、つまりは若い部下を死に至らしめたんだから、ハービー・カイテルのセリフも偶然助かったからこそ言えるわけで、僕的には何か取ってつけたようで虚しく響くだけです。何か言い残した事がたくさんあるようなそんな印象です。
7点(2000-09-22 23:17:30)
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