1. 許されざる者(1992)
《ネタバレ》 「コイツは善人で、コイツは悪人だ!」というような単純な決めつけがないところが良い。保安官も、相棒も、切り裂き犯も、若いガンマンもみーんな微妙な設定にしてあるから作品に深みがある。特に主人公(イーストウッド)の描写は絶妙。いつも苦虫を噛みつぶしたような疲れた表情が何とも言えません。やっと人間味が芽生えてはきたものの、善行(人助け)を堂々とやるにはあまりにも歳をとりすぎているし、何よりも過去の悪行が悪行だけにいまさらオモテの世界には出られない・・・そんな苦悩を上手く表現していると思います。イーストウッドは少し影がある役の方が似合っている気がします。地味で暗い作品ですが、派手さだけでアカデミー賞を獲るような映画よりは断然良いです。 [地上波(吹替)] 9点(2005-12-06 01:12:39) |