1. 誘拐報道
タイトルから「報道」を取っちゃった方が良いです。誘拐犯サイドの描き込みが圧倒的なんだもの。身につまされるような犯人側の経済的困窮、愚かさ、哀しさ。加えてショーケンと小柳の濃すぎる熱演。比べてマスコミ側は人ばかり多いけど、ドラマが発生せず盛り上がりも無くて、たった二人のショーケン・ルミ子夫婦に押されっぱなし。 今から見るとバブルに差しかかろうかという日本の世相が色々懐かしく、ちょっとイタイ。 ちょこちょことあんまり意味無く出てくる藤谷美和子の、いつも同じコート姿がやけに印象に残る。 ケータイの無い時代の恋愛ってどうやってたの?とネットに疑問が載る昨今ですが、そう、この美和子嬢みたいに彼氏の職場にまで電話をかけるのですよ時間構わず。って、そんなわけはない さすがに。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-04-17 23:42:45) |
2. ユーズド・カー
《ネタバレ》 懐かしさ漂う30年も前のコメディ。馬鹿馬鹿しさも無駄なお色気もてんこもり。ハリウッドお得意の物量総動員の大仰さ。死んじゃったじいちゃんに、しんみりなどしないのだ誰も。今観るとだいぶ笑えない。でもこういう時代もあったよなあ、と何かを学ぶ。(何を?) [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-04-02 00:37:55) |
3. 遊星からの物体X
“エイリアン(’79)”の有名な場面、食事中に乗員の身体を突き破って“キキーッ”とエイリアンが飛び出す、あの「うわあぁぁっ」というぞくぞく感をきっとカーペンターは1回じゃ物足りなかったんでしょうな。この手の「おわーっ」とか「ひいぃーっ」とかを何通りものパターンで演出してみせました。閉鎖空間という条件も無線の通じない南極基地の設定でクリア。この作品が単なるエイリアンの二番煎じといったレベルとちょっと違うのは、相互不信に陥る人間ドラマをそれはそれは役者陣が見事に熱演していることと、グロテスクなクリーチャーの造形の立派なこと。なんというか、こういう方面への偏愛すら感じる。一生懸命、丁寧に作ったんだろうなあ、このぐちょぐちょしたのを。拍手。 [ビデオ(字幕)] 8点(2013-11-02 00:09:19) |
4. 郵便配達は二度ベルを鳴らす(1981)
《ネタバレ》 不思議なタイトルに、なんとなくサスペンス性の高さを期待して観てみると、鑑賞後はJ・ラングのエロい肢体のみ印象に残ってますというちょっとずっこけ気味な映画。コーラの夫殺しはそんなに大事にならずに処理されてしまうという、えええ?な展開。弁護士の元秘書がゆすりに来て、おおこれから面倒ごとに巻き込まれるのかな、と思ったらジャック・ニコルソンがぶっとばして撃退するだけかい。サスペンス度は低く、中~後半に至っては二人のロマンスというか痴話げんかになっちゃってる。ちょこっと出てきたサーカスのくだり、ちょっとのわりにアクが強すぎ。ありゃ一体何なのかしら。なんだかへんてこな話だったなあ、というのが正直なところ。 [地上波(吹替)] 6点(2013-07-14 01:09:56) |
5. U・ボート
潜水艦乗務を経験したければ是非この映画を。この圧迫感閉塞感息苦しさ絶望感、こんな目に合わされる映画はそう無いです。ソナー音のかん、かんという響き。敵艦の位置を感じる場面で極限状態に顔を引きつらせる乗組員、取材で同乗した記者の憔悴っぷり、諦念すら含んだ艦長の表情。自分もそこにいるかのような喉の渇き。ディーゼルエンジンが生き返った時は、ドイツ人の技術の高さに心から称賛を送りましたよ、ほんとに。非常な幕切れもあいまって、忘れがたい強烈な映画でありました。 [ビデオ(字幕)] 7点(2013-04-25 00:47:04) |