1. 4分間のピアニスト
《ネタバレ》 心を閉ざした少女と老婆の交流というと聞こえは良いですが、この映画で描かれるのはそんな生易しいものでは無い。老婆は基本的に最後まで芸術でしか何も評価できない人間ですし、主人公も悲惨な境遇に只管抗うのみです。しかしその過程で垣間見える、老婆の慈愛の眼差し、そして老婆のトラウマが自然と発露し氷解するシーンの感動は筆舌に尽くしがたい。老婆の既存の芸術観を覆すほどエモーショナルな少女のピアノ演奏に関しては最早言うまでもないでしょう。最後の4分間の演奏に全てが収斂し結実する。素晴らしい映画でした。 [映画館(字幕)] 8点(2012-04-30 07:25:14) |
2. 40歳の童貞男
《ネタバレ》 映画に出てくる全てのキャラが光っている。これだけの上映時間内にコメディを入れつつも一人ひとりのキャラクターを立たせる手腕には驚きました。ただアラブ系の従業員との絡みやセフレが欲しい店長さんなんかは別にいらない気もしましたが……(しかし「ヤギとヤれ!」には大爆笑してしまった。アラブならではというか)。主人公が40歳でも童貞であることを安直にバカにしないで、彼が真に大人に成長する試練としてセックスを描いている辺りが、非常に丁寧な作品だと思いましたね。アメリカ特有の下品なギャグが苦手な人にはキツいでしょうが。 [DVD(字幕)] 8点(2012-01-22 14:40:32) |
3. よなよなペンギン
余りにもレベルの低い脚本、演出、声優、CGの技術の連続でハッキリ言って映画を観ている間は相当苦痛でした。監督には子ども向けと子供だましの違いをしっかり判って映画を撮って欲しい。またキャラクターの声が酷い、一部は酷すぎる。そろそろ俳優さんに声を当ててもらう風習は止めにした方がいいと思います。 [映画館(邦画)] 1点(2010-02-21 14:12:36) |
4. 夜のピクニック
《ネタバレ》 前半は観ていて単調だし只の青春ロード・ムービーかと思っていると、後半でかなり面白くなってきます。特に夜になってからの高見のキャラは中々良くて要所要所で笑ってしまいました。当たり前のことをサラッと云ってくれる映画です。ベタさの加減も丁度いい感じで好感が持てます。 しかしアニメの部分や杏奈の弟の部分は特に必要無いように思ってしまうなぁ。 [地上波(邦画)] 6点(2009-05-24 09:58:39) |
5. 容疑者Xの献身
《ネタバレ》 ドラマの映画化作品としては上手く出来ていたと思いました。しかもジャンルは映画化しにくい本格ミステリと呼べるモノですし。原作を既読の方なら誰しもが共感してくれると思うのですが、この作品のキャストが発表されてから石神役に抜擢された堤真一の事が非常に気になっていました。だって石神は余り容姿は優れていない設定ですから。でも堤真一が石神の性格面や表情面で熱演していたので観ているうちに「こういうのもアリかな」と感じました。 しかし工藤役のダンカンだけは完全にミスキャストでしょう。どう考えても工藤が石神より容姿が整っていた方が物語に説得力が生まれる筈です。まあ大人の都合というヤツがあったのかもしれませんが……。 [映画館(邦画)] 7点(2008-11-01 10:49:13) |