1. 楊貴妃
基本的にメロドラマなので、そういう場面はいいのですが、政治的な話になると、とたんに面白さ半減(以下?)。全編セットというのもいろいろと事情があるのでしょうが、マイナスの要因では。物語的には、楊一族の贅沢ぶりがたいして描かれていないので、後半の展開に説得力がありません。でも最後の締めは、そう悪くはなかったと思います。 [地上波(邦画)] 6点(2015-08-12 19:53:45) |
2. 喜びも悲しみも幾歳月
今となっては完全にドラマ(特にNHKの朝ドラあたり)向けの題材で、あちこち転勤するので各地でのエピソードが散発的で物足りなかったり、話の内容も人畜無害で当たり障りのないものが多かったりするのですが、そういった「普通さ」がかえって本作の魅力になっていると思います。その一方で、職業柄日本各地を転々とするという「普通でない」部分もあり、それに伴う風景の美しさも堪能できます。公開当時は戦争を体験した観客が大半だったでしょうから、こうした映画は共感を呼んであたりまえともいえます。今見ると彫りが浅くのっぺりとしていますが、楽しめないわけではありません。というか、こういう映画にはどうもあまり低い点数をつけたくない、というところがあります。戦前から戦後にかけての、日本人の記録という側面も持っていると思いますので。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-05-25 22:25:39) |
3. 妖精は花の匂いがする
《ネタバレ》 題名が意味不明ですが、原作を読めばわかるのでしょうか。映画化に際して変更するという考えはなかったようですね。 内容についてはできの悪い少女漫画のよう。教官をめぐる女学生のさや当て。それに貧乏とかモデルのアルバイトとかがからんでくるのですが、うまくかかみ合ってなくて何かチグハグ。あるいは妙にベタベタ。登場人物に魅力が感じられないんですね。特に丹下センセイは、あからさまにヒロインをひいきして公私混同もはなはだしく、なぜ人気があるのか解せません。ライバルの水絵お嬢様は、わがままなのはパターン通りとしても、勝手に学費を肩代わりしちゃあダメでしょう。そのあたりが世間知らずのお嬢様らしいのかもしれませんが。主人公は最後に「友情のために先生をゆずる」と言っていましたが、むしろこの借りがあることが大きいと思います。 あと、画家の見合い相手が水絵さんだったり、ガールフレンドがやはり学友だったりと、都合がよすぎる人物関係でした。音楽が大沢壽人だったことだけが収穫です(ネットのデータでは音楽は斎藤一郎になっていますが、クレジットは大沢壽人)。ピアノを中心にした、いい曲でした。 [地上波(邦画)] 5点(2013-09-06 21:33:48) |
4. 夜を楽しく
《ネタバレ》 よくも悪くも、ありがちな典型的ラブコメですね。あまりにパターンすぎて、話が読めてしまうのが欠点か。しかしコメディとしてはけっこう笑えました。特に男性妊娠のエピソードは、基本の3度繰り返し! なかなかおかしかった。しかし、プレイボーイのロック・ハドソンがドリス・デイをからかって引っかけようとするのは、見ていて気分のいいものではありません。まあ結末は、予想通りなんですけど……。通常のラブコメと違うのは、ドリス・デイの歌声が堪能できるということでしょうか。ロック・ハドソンも歌っていたけど、本人の歌なんだろうか(なんと作曲家役)。ごひいきセルマ・リッターも健在で、それなりに楽しめました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-02-18 22:15:04) |
5. 欲望という名の電車(1951)
《ネタバレ》 ブランチがなんで最後にああなってしまったのか、よくわからないんですけど。それ以前に情緒不安定なところもあったし、新聞集金人を誘惑したりしているわけですが、それにしてもあれはねぇ……。不可解といえば、ブランチの過去も今ひとつわかりづらい。当時ははっきり言うのが憚られたのか、あるいは言わなくても理解されたのか? いずれにせよ、私は前の町でブランチが「頭がおかしいことで有名」だった理由がよくわかりません。そこが肝心なところだと思うんですけど。主役4人はそれぞれ個性がよく出ていていい芝居をしているだけに残念です。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-02-08 19:08:09) |