1. 欲望という名の電車(1951)
《ネタバレ》 この作品はまず原作を読んでから映画とセットでご覧になられたほうがわかりやすいです。 原作は戯曲で210ページほどなので簡単に読めます。 映画は原作では描かれていないシーンがあります。 当時はヘイズコードという表現の規制がありました。 原作では、ブランチが10代の頃に結婚していた亭主(青年)がホモだったという告白が、映画では曖昧な表現でミッチに告白しているので、その後、ブランチが精神不安定に陥る理由に説得力がありません。 それから原作では、ラスト、スタンリーに向かって、割れたビール瓶で抵抗するブランチが、力尽くでベッドへ連れて行かれるという描写が、映画では、鏡に映るブランチとスタンリーのシーンでストップモーションがかかり次のシーンへ行くので、映画だけ見た方にとっては、ブランチがレイプされたという意味が伝わらないかもしれません。 ラストが原作と映画では全く違います。 原作では、ステラは「もしブランチの言うことが正しければ、私はスタンリーとは一緒にいられない」と言っていますが、映画の字幕スーパーでは、「もしそれが本当なら」という簡潔な表現のため、読み飛ばしてしまうかもしれません。 ブランチが精神病院から医者と看護婦に連れて行かれた後、原作では、それを見守るステラにスタンリーは膝まづくところで終わりますが、原作では、ステラは、スタンリーの呼び声に「もうスタンリーのところへ戻らないわ」と言い、2階へ駆け込むところで終わります。 私は今回、ディレクターズカットと呼ばれる、公開時にカットされていたシーンを追加したオリジナルバージョンのDVDを観ました。 それに付属されたプロダクションノートを読むと、公開時、レイプシーン(実際には暗喩)のカットと、レイプしたスタンリーに何のお咎めもないラストの描写を変更しろという、上からの命令があったそうで、監督は相当苦労されたそうです。 実際、映画でステラがスタンリーのところに戻らない決心をするのは、そういった意図があったからだと想像できます。 [DVD(字幕)] 8点(2021-03-18 17:08:38) |
2. 妖婆の家
娘が誰のせいで死んでしまったのか、わからない展開で進んでいくので面白かったです。 ベティ・デイビス演じる主人公の名前が「ばあや」っていうのが笑えました。 全体的に、こじんまりしているせいか衝撃がなかったのが残念でした。 [DVD(字幕)] 7点(2020-07-29 19:14:06) |
3. 汚れた英雄(1982)
世の中に、こんなくだらない映画があるのか? と思った。 全く理解できないストーリー展開。 この監督はよほど主題歌が好きなんだね。 全く意味のない使われ方に、ただ爆笑しっぱなし。 木の実ナナの股間がワイングラスに隠れているシーンも笑いどころだった。 [CS・衛星(邦画)] 1点(2017-07-22 18:24:02) |
4. 預言者
他のレビューを読むと、刑務所内でのサクセスストーリーと書かれてあったのが目立ちましたが、私にはサクセスという理解ができませんでした。 ちょっと長いし、それぞれのシークエンスがよく理解できず、ただ流されただけの映画になってしまいました。 預言者の意味もイマイチ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-06-25 02:13:14)(良:1票) |
5. 容疑者Xの献身
《ネタバレ》 アイデアはホームレスから作り上げたのでは?原作の東野圭吾さんは、ある日、陸橋を歩いていて、河川敷に住むホームレスを見て、「こいつら殺しても誰も気が付かないだろうなぁ」と思いついたのではないでしょうか。ホームレスなんて輩は税金も払ってないし、誰も同情しないだろう。アイツら、どうせ俺の本なんて読むわけないし、まさか自分たちが映画の中でネタにされているなんて絶対気づかないだろう。この映画はそこから膨らませていったに違いありません。そう考えると福山なんてのは客寄せの餌みたいなもので、正直、筋にほとんど絡んでいってないことも納得できます。テレビは観たことないけど、そこそこ面白かったです。 [地上波(邦画)] 6点(2013-03-05 19:40:21)(良:1票) |
6. 八日目の蝉
人それぞれ覚えている記憶の時期って違うじゃないですか? 中には10歳以前の記憶がないっていう人も私の周りにはいます(笑)。 私は、この主人公と同じ3歳から5歳くらいなんですね。 5歳の時、両親が離婚して借金を残したまま父は姿を消しました。 それから、およそ40年ぶりくらいに父方の叔母に会い、主人公と同じように記憶をさかのぼったんです。 映画に出てくるカルト教団、東京は勿論、叔母も新興宗教に嵌っていて、観ていてヘドが出てきそうでした。 私の人生経験から、現在私は完全無神論者ですが、叔母に会って父の話を聞いたとき、今歩んでいる私の道と父の歩んだ道が同じように聞こえたんです。 どうしてでしょうか。血は争えないと言えばいいのでしょうか? 叔母から話を聞いて、なんとなく憎しみが薄れていってました。 でも、この映画のように、希望までは持てない自分がいるのも、現実はそれほど甘くないという実感が残りました。 映画自体は最高のエンディングでしたよ。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2013-01-03 23:50:43) |
7. 善き人のためのソナタ
《ネタバレ》 どうも80年代の東ヨーロッパの現状を舞台にした映画って、ピンとこないんですよ。 くるわけないですよ。あまりに遠くの世界だし、行ったことないんだから。 盗聴していた男の心境が一番のポイントだと思うのですが、観賞中、集中力がなかったせいか、何故自分を犠牲にしてまで……全くわかりませんでした。 ベルリン崩壊の後のシーンは無駄ではないと思うけどダラダラしすぎ。 サスペンスっぽいものを期待すると後悔します。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-11-15 03:32:00)(良:1票) |
8. 夜の終りに
《ネタバレ》 私が一番嫌いなタイプの映画。当時ポーランドではジャズは禁止で、たまたま検閲が緩くなった時期に上映することができたと監督は言っていたが、酒場で偶然知り合った男女が、映画の3分の2を二人だけで語り合う会話劇である。因みに野球拳みたいなゲームをするが、男には性欲が全くない。 しかし、翌朝いなくなった女を男は必死になって探す。 戻ってくると女はお茶を作って待っている。 お互い心を寄せ合う二人。(…?) 男は医者でジャズドラマー、そしてプレイボーイ。女の謎に包まれているが、どこが魅力的なのか全くわからない。 とにかく、二人のスリルの全くない会話には退屈極まりない。 裕次郎と北原三枝の映画のほうが、数段レベルが高い。 当時のポーランドの社会情勢を考えれば仕方ないのかな。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2009-12-12 20:54:01) |
9. 夜の大捜査線
《ネタバレ》 この映画、吹き替えが最高にハマっているんです。昔は土曜の洋画劇場で頻繁に放送されていました。署長さんの嫌味ったらしい「バ~ジルぅ」の言い方が最高なんです。 けど、DVDには吹き替えが収録されていないのでガッカリ…。メーカーには是非吹き替え収録版の発売を切望します。 先日、久しぶりにテレビで吹き替え放送されたのですが、やっぱり最高なんです。 初の黒人オスカー俳優、シドニー・ポワチエ、ルックスも含めて全てめっちゃカッコいい。 白人署長が自分を見失って熱くなる黒人刑事に「バ~ジル、お前も人間なんだなぁ」と言う嫌味なセリフに加えて、反対に黒人刑事が署長に「アンタも淋しいんだな…」と同情され、逆切れする署長に、人間は皆一緒なんだと痛感します。 スパイク・リーの人種差別映画とはまた違うメッセージを受ける映画です。 主題歌のレイ・チャールズのナンバーも最高です。 でも、デンゼル・ワシントン主演のリメイクは観たいとは思わない。あの役者は、なんか偽善的なイメージがあって、オリジナルの本作を台無しにしそうです。 オバマさんが主演なら興味は湧きます。 [地上波(吹替)] 10点(2009-07-18 03:48:47)(笑:1票) |
10. 4ヶ月、3週と2日
完全予備知識0(ゼロ)で観たせいか、なんだか銀河鉄道999で、どこかよその星に行ったような気分になった。 この映画を日本へ持ってきた配給会社は凄い賭けをしたと思う。 全編主人公追っかけの雰囲気は、どことなく「バッファロー66」に似ているが、本作は限りなくリアリティを追求している。DVDに吹き替えを入れなかった理由が分かる。 親友じゃなければ絶対に成り立たない会話のやりとりは、国、時代を越えて、今の日本のどこかでも聞こえてくるような気がする。 でもタイトルの「4ヶ月、3週と2日」って……やっぱりズルいよ、嘘ばっかついて! もうじき5ヵ月じゃん?!(←半分冗談) [DVD(字幕)] 8点(2009-02-07 12:06:07) |
11. 40歳の童貞男
《ネタバレ》 タイトルを見つけた時は凄くウケた。 しかし、いくつか爆笑するシーンはあったものの、やはり日本とアメリカの笑いのズレを感じる。 主人公は童貞だがキスや会話は普通にできてしまう。そこが日本の一般的な童貞と違うところで、いまひとつ感情移入できない。 「アメリカン・ヒーロー」のテーマソングなど、70年代のなつかしい曲がたくさん流れる。40歳以下の人は「アクエリアス」なんて知らないだろう……。 似たような作品で「ウーマン・イン・レッド」があるが、私はそちらをお勧めしたい。 この程度の話しで2時間超すのはダラダラして疲れる。 [DVD(吹替)] 5点(2008-12-30 02:46:01) |