1. ラスト サムライ
《ネタバレ》 本作制作決定時にはとても心が躍った。渡辺謙や真田広之が本格的ハリウッド大作で暴れてくれる。これは絶対にトム・クルーズは喰われるな、と。そして、同時に大きな不安もあった。サムライ版『ダンス・ウィズ・ウルブス』になってしまうのではないか、と。結果としては、前者・後者ともに当たった……。海外の人が観るには、それなりに楽しめる作品だろう。しかし、日本人としてみればこれは許せる作品ではない。なんなんだ、この徹底的に美化された日本人像は!『ダンス・ウィズ・ウルブス』のレビューに書いた通り、これは只の動物映画である。サムライ達は只の動物扱いであって、徹底的に人間性を排除されている。意味のわからない方は、本作のサムライを全てゴリラに置き換えてみるといい。シガニー・ウィーバーの『霧の中のゴリラ』と何ら変わりはない。要は、今のアメリカ批判のために題材として扱われただけ。しかも、中途半端に娯楽作品の要素と文芸作品の要素が混在しているからタチが悪い。時代考証を行って、中途半端なリアリティーを出されるよりは、チビでメガネをかけたカメラを常に携帯している日本人像の方が「虚構」とわかってよっぽどましだ。それに、現代日本人の特徴をよくとらえたデフォルメであるしね。(今はカメラからカメラ付き携帯に進化しているが)というわけで、本作には怒り心頭であるが、日本人キャストの頑張りに免じて0点は避けておこう。 ※あっ、シガニーの作品名は『愛は霧のかなたに』だった。『霧の中のゴリラ』っていうのは原題の直訳で最初、邦題の仮題として使われたもの。失礼致しました^^;。 1点(2004-05-29 00:28:42)(笑:2票) (良:6票) |
2. ラヂオの時間
三谷幸喜の演出はぎこちなさもあり、少々不安定。だが、舞台でも高評価を得ていた本作のプロットは、構成が抜群に面白い。しかし、そんな理屈はどうでもいい。日本が誇るエンターテイナー・井上順をこれだけフューチャーしてくれれば、何も文句をつける気になれない。井上順、バンザイ! 9点(2004-05-29 00:04:45) |
3. ラビッド
事故に遭い皮膚移植を受けたヒロインの腋の下から生えてくる男性器のような器官。そこからヒロインの中に眠る何かが目覚めてくる。自身の望まぬ変身、というクローネンバーグが描き続けている題材を、クローネンバーグには珍しく女性を中心に描いている本作。ヒロイン役のポルノ女優マリリン・チェンバースの演技も素晴らしく、見応えのある悲劇に仕上がっている。 8点(2003-12-14 02:56:06) |
4. ラスト・アクション・ヒーロー
《ネタバレ》 小ネタ(カメオ出演・スタローン版T2・現実のシュワの情けなさなど)は楽しめたもののやはりトータルで考えるとだらけすぎていて眠気が起きる。そうそうこの作品、俺、観月ありさと観たんだよ。すごいだろ!!!(といっても、有楽町の劇場のエレベーターに観月ありささんとマネージャーさんが一緒に乗り込んできただけ。当然彼女は指定席。俺は・・・) 3点(2003-11-23 09:01:07) |
5. らせん
テレビドラマ版で『リング』を演出し評価を得た飯田監督が、さらに映像化が困難な原作に挑んだ野心作。しかし、結果としてはやはり全編説明という感が漂ってしまっている。それにしても、飯田監督ありきで始まった『リング』シリーズがすっかり中田秀夫監督や脚本家高橋洋で語られるようになってしまったのは皮肉な現実。 4点(2003-11-21 08:18:23)(良:1票) |
6. ランボー
演技が全くできないと揶揄されるスタローン。しかし、本作を観れば、「観客に感情移入をさせる芝居」が上手いことに気づく。それでいて、ロッキーとも全く別の個性を演じ分けることに成功している。確かにデニーロ、ホフマン程の演技巧者ではないが、「スター」としての華・風格を世間に認めさせる一本。このような演技はシュワでは絶対にできない・・・今でも。 9点(2003-11-21 05:43:13)(良:2票) |
7. ラスト・ボーイスカウト
《ネタバレ》 「もう『ダイ・ハードの』とは言わせない」というコピーが印象深い。ブルース得意のうらぶれたキャラクターにバディものの要素を合わせ、飽きさせない。クライマックスのダンスもとぼけていて、この役者のスターとしての特異性を感じさせてくれる。しかし、予算の都合上ラストが大幅にスケールダウンされてしまったことと、危機を逃れるためとはいえ娘の前で卑猥な言葉をパペットに語らせること。この2点は残念。 6点(2003-11-20 06:38:17) |