1. ラストレター(2020)
大名作。しかも3行で感想など書かせないような深い映画。 演出も素晴らしい、単純に怒鳴ったり殴ったり号泣したり殺したりする臭い映画じゃない。 いちいち説明がないのでわからない人にはピンとこないと思う。 ただ、「わかってしまった」感受性の強い人は号泣だろう。 あえていうとカエルノウタの歌詞がさまざまな問題を暗示します。 「墓標に花を手向け 僕らはこの先へ行こう」 ラスト・レターに託された真実。 すごすぎる。 あと少女たちの仕草、一挙一動。 これ全部監督の指導があったでしょう。冷徹に計算されつくされた指導。 さすが岩井俊二。 [映画館(邦画)] 10点(2020-01-17 18:15:49)(良:1票) |
2. Love Letter(1995)
《ネタバレ》 奇跡の大傑作。オープニングからすごい。BGMもとてつもなく良い。 雪原の叫びにはもうウルウル。そして例のラストシーン。負けました。 昔々のあの子との恋を思い出しせつないです・・。 たぶん、監督の岩井俊二も主演の中山美穂もこれを超えることは永久にできないだろう・・と 思えるくらいの傑作。くまさんの演技がすばらしくびっくり! [DVD(邦画)] 10点(2010-02-08 12:52:36) |
3. ランボー/最後の戦場
《ネタバレ》 最後にふさわしい出来。ラストはヒーローのランボーに誰も駆け寄るものもない。 あの女も大事なのは違う男だった。なんのために戦ったのか。せつない。 そして故郷に帰る。帰る意味を見いだしたから?そうではあるまい。 やはり、せつない。 問題になってる残虐描写は、私はプライベートライアンのほうが衝撃的だった。 なんとなく漫画チック。 もしもう一度続編を作るなら、ランボーをほんとに理解してくれる女性と 結ばせてあげて、本当の戦士の休息を与えてあげたい・・・ふとそんなふうに 思ってしまいました。 [映画館(字幕)] 8点(2008-05-30 23:48:51) |
4. 羅生門(1950)
《ネタバレ》 テーマはおもしろいが、いかんせん今となっては テンポが遅すぎる。60分でもいいくらい。 京マチコさんの演技は黒沢が好きそうな 気の強い怒鳴り泣きわめくタイプの女。 しかし、今見返してみると逆のほうがいいと思った。優しく静かでさめざめと泣き、殺してと男にねだる女が本当に怖いんじゃないだろうか。ラストも甘いと思った。 誰かも書いていたが、全編に絶え間なく流れてる音楽もうるさく、合わない。 2点(2004-02-05 21:40:34) |
5. ラスト サムライ
どうせ毛唐が作った侍映画など、変に決まってる。 うわべだけをなぞっただけかも・・・と思っていたら絶句。 これはもう、水戸黄門やNHKの時代劇で満足してしまってる日本では絶対作れない。 日本人こそ侍の遺伝子が喪失してしまったのだと実感。 たぶん、これも考証がどうのとかいう知ったかぶりの輩が 出てくるはずだが、もはや、あずみや赤影や水戸黄門や忠臣蔵やふぬけた大河ドラマなどしか作れない日本人が、文句たれてる姿など、私は恥ずかしいだけだ。 最近作でこれに勝る日本の時代劇を私は知らない。 小雪とのラブシーンの深さ。(妻はこのシーンに号泣) 天皇とトムの最後のセリフ。 なにもかも深い。深すぎる。 逆に今の日本人こそ、この深みがわかるだろうかと 思ってしまった。 殺陣もすごい。もはや踊りか体操と化した昨今の日本の時代劇の殺陣とは全く違うスピード感。カメラアングル。 真田とトムの練習試合すら凄まじい。 本年度ベスト1。たぶんトムクルーズの最高傑作。必見。 9点(2003-12-22 22:54:15) |
6. ラブ&ポップ
青い。なにもかも。妙に懲りまくったカメラアングルなんて プロなら絶対恥ずかしくてやらないことだろうな。でも私は敢えてその青臭いことをやってみたという監督の姿勢に拍手を送りたい。ラストはすごい。 あれに現代女子高生の全てが要約されている感じだ。 ルーズをドブ川(汚らしい世間)に浸しながら、つまらなさそうに、ダルそうに淡々と、 それでも前を向いて歩いていく。 心のどこかには、(音程は)心もとないが「素晴らしい愛」を求めながら。 邦画史上に残る屈指の名シーン。 10点(2003-12-19 05:45:31)(良:4票) |