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1.  ライトスタッフ
科学の先端での「職人気質」を賞揚する。人間臭さの連帯感みたいなこと。最後のドンチャン騒ぎのバーベキューパーティで最も優れたパイロットの名を言いかけて、あとはマスコミ向けのジョークに変えてしまう。副大統領に会わないグレン夫人をめぐるゴタゴタで一致団結する。この「誇り高い職人たち」を、夫人たち女の理論がさらに対象化して笑えればもっと良かったんだけど。室内がやたら暗いのは、青空の勇気の世界と対照させているのか。瑣末なエピソードの堆積こそが歴史である、という考え方。出来事を全体で捉えようとする。宇宙ものはSFと決まっていたのに、本作あたりから「歴史」になった。へー、これアカデミー作曲賞とってんのか。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲もどきで、宇宙に出ると「惑星」の火星や木星が鳴って、かなり安易と思ったが。
[映画館(字幕)] 7点(2013-04-30 09:27:28)
2.  ラヴ・ストリームス
「愛の不条理」なんて言い切ってしまうと、途端に安っぽく聞こえてしまうが、でもカサヴェテスの映画って、そう言える。人は本当なら愛の中でこそ安らげるはずなのに、なぜ愛とリラックスは同居できないのか。そんな問いが、いつも聞こえてくる。そして登場人物は、またはしゃぐ。ボーリング場での男あさりは序の口。動物たちを家に連れてきたりして、白眉は30秒で夫や娘を笑わせようとする場。くつろぎを求めて疲れ果ててしまう、という彼のモチーフのエッセンスシーンだ。おどけふざけプールサイドでさんざんはしゃいだ後、後ろまわりでプールに飛び込むまでの30秒、あのまったくコミカルでないジーナ・ローランズが演じるだけに、その痛ましさと言ったらない。「演じること」のモチーフは夢の中のオペレッタになる。どの場もキレよりコクで勝負の監督。本作には姉と弟という神話的構図があり、家畜たちとの嵐の場なんか。神々しくすらあった。カサヴェテスは、じたばたしている人間を、ほとんど神のように尊敬を込めてコッテリと描く。人間のそういうところが好きなのだ、とでも言いたげに。
[映画館(字幕)] 8点(2011-08-08 09:38:37)
3.  落葉樹
作者が取り乱している。息せき切って取り乱している、それを隠そうとしてない、それが良かった。大の大人が「おかあさん」と口にするときの、もうハニカミも何もないみっともなさを思い切って肯定してしまうところに、この作品の立地点があるようなのだから。小林桂樹はかつてテレビで山口瞳の「血族」をドラマ化したときも、母を思い出す初老の男を演じた。たぶん同じ原作者による映画『江分利満氏の優雅な生活』の小林を引き継ぐイメージでキャスティングしたんだろう。でもこのころの小林はかつてのヒョウヒョウよりも深刻な演技をするようになっていて、「血族」原作のハニカんだニュアンスはゴッソリ失われてしまっていた。しかしこの新藤作品では、その深刻ぶりが、かえって生きたようなのだ。照れながら語ってくれる山口瞳のような人もいてほしいし、こう取り乱して語ってくれる新藤兼人のような人もいてほしい。『江分利満氏』の小林桂樹と『落葉樹』の小林桂樹と、演技の変化に合ってうまく出会えたそれぞれの作品という気がした。前半、ほとんど民俗学の教育映画じゃないかと思われるような静かな家庭の風物のあれこれが描かれ、そこから一人ずつ葉が落ちるように家族が減っていく。コウモリ追い、狐火、夏の海、おもちゃを買ってとねだる…、などの記憶が淡々と綴られていく。その淡々の中に母を思う気持ちが、取り乱さんばかりにうねっている。社会派新藤監督作品としては異色作だが、けっこう好きです。
[映画館(邦画)] 7点(2010-08-09 10:35:51)
4.  ラウンド・ミッドナイト 《ネタバレ》 
親切とか友情とかいうよりも、もうこれは献身ですな。身を滅ぼして創造していく芸術家、それにインスピレーションを受ける生活人。この男がイラストレイターってのが、うまい設定。芸術家と生活人の境界にいる。彼の親たちのような「調和のある暮らし」をしてるわけじゃないし、また奏者のように確固とした自分の芸術世界を持っているわけでもない。その両者の間で宙ぶらりんになってるんだけど、ひたすら献身と保護で、芸術家と調和のある関係を生み出してしまう。彼が献身する主人公のサックス奏者のオッサンがいいんだ。デクスター・ゴードン。ボーッと立っててゆっくりゆっくり歩くの。表情はほとんど変化なしで、でもその分、酒をやめると決意するあたりはジーンとしてしまう。あと誕生会のとことか。ただボウゼンと座ってるだけなんだけど、味わいがある(演技の素人を使って味のある芝居を引き出すってのは、イタリアのネオ・リアリズムやら、清水宏やら、ブレッソンやら、映画史で繰り返されてるんだけど、これは映画ってものが「演劇」の発展したものでなく、あくまで「記録」の精神から出発してることと関係があるんだろうな)。日が射す海辺を少女と遊ぶ場面以外は、ほとんど夜か曇天の世界で空気がこもってる感じ。人と人が理想的な組み合わせで出会う、ってのにしみじみ感動させられてしまうのは、そういうことが現実には滅多にないからなんだろう。後を追いかけていったらオレンジジュースを注文していてほっとするところ、などジンワリ。
[映画館(字幕)] 7点(2010-07-24 10:06:12)
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