1. ラビッド
《ネタバレ》 バイク事故で重傷を負った女性が、実験段階にある皮膚移植の被験者となり、吸血ウィルスの保菌者となってしまう。夜な夜な街に繰り出しては他人の血を吸い、そうとは知らず感染を拡大させていく。モントリオールはパニック状態となり、政府により戒厳令が敷かれるが…。クローネンバーグ版『ザ・クレイジーズ』といった趣きの、終末感漂う傑作悲劇。ポルノ女優のマリリン・チェンバースが好演。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-30 08:28:50) |
2. ライジング・ドラゴン
《ネタバレ》 〈アジアの鷹〉シリーズの最新作にして、ジャッキー最後のアクション大作。宣伝文句の「最高傑作!」とは程遠いものの、近年のジャッキー映画の中ではかなり面白い部類に入るだろう。それにしても、齢60になろうかというジャッキー、流石に往年のキレはないものの、頑張ってる感はビンビン伝わってきます。予告編の全身ローラーブレードはてっきりクライマックスに用意されているものかと思いきや、冒頭のアクションで披露。その後もアイディア満載のアクションの連続で、2時間超えの長尺を全く飽きさせない。ひとつ意外だったのは、ジャッキーが既婚者であるという設定。トレジャーハンターのJCが、最初は金目的でお宝を探していたが、やがて国宝を自分たちの国に取り戻すという使命感のために戦うようになる。そういった政治的なメッセージを込めながらも、「やっぱり最後は愛だよね」という締め括りは、ジャッキーらしい大団円。これがラストというのはやはり寂しいが、心からお疲れ様を言いたい。今後こういったアクション映画には出ないかもしれないが、またスクリーンで会えるのを楽しみに待ってるよ! [映画館(字幕)] 7点(2013-04-19 00:43:20)(良:1票) |
3. 楽園をください
《ネタバレ》 奴隷制撤廃を大儀に南部の人間を虐殺する北軍と、自分たちの生活(と風習)を守るため戦う南軍ゲリラとの熾烈な戦闘。しかし結局のところやっていることは単なる殺し合いに過ぎず、武器を持たない一般市民までが多数犠牲になるという戦争の不条理。南軍に籍を置きながらも、マイノリティであるドイツ系のジェイクとアフリカ系のダニエル。親友でもある主人を殺され、「自由になった」と語るダニエルの言葉は深い。彼らの目を通して戦争の悲劇が描かれており、名匠アン・リーらしい詩情豊かな映画となっている。 [DVD(吹替)] 6点(2013-01-06 07:00:08)(良:1票) |
4. ラブ & ドラッグ
《ネタバレ》 全然関係ないんだけど、『キャリー』で狂信的な母親を演じたパイパー・ローリーは、あまりにトンデモな役だったので、てっきりコメディ映画だと思って出演していたらしい。本作のアン・ハサウェイも、『フィラデルフィア』のような社会派ドラマだとでも思って出演したのではなかろうか?パーキンソン病という難病を扱った、一種社会派の側面もあるにはあるが、全体的なノリとしては軽快なラブコメディで、笑える描写が多い。しかし、ただのラブコメに出ているにしては、彼女の脱ぎっぷりがハンパない。これでもかというほど豊満なボディを露にしている。もちろん観ているこちらは嬉しいのだが、彼女は何か勘違いしているのではないかという疑念が最後まで拭えなかった。彼女のサーヴィス精神にプラス1点。 [DVD(字幕)] 6点(2012-11-27 07:56:34) |
5. ラスト・オブ・モヒカン
《ネタバレ》 何かこれ、あまりにも主人公に都合良く話が進んでないか?そもそもホークアイとコーラが恋に落ちる過程がすっぽりと抜け落ちているため、命懸けで彼女を守ろうとする意味がよく分からない。また、脱走幇助の罪で絞首刑を言い渡されながら、英国軍が降伏したためにあっさり釈放。敵の部族に捕まって彼女が火炙りにされそうになると、恋敵の将校が身代わりになって死んでくれる。むしろウンカス(変な名前)とアリスの恋の顛末の方が感動的。たった一人で敵陣に乗り込み、討ち果てるウンカス。そして敵の手に落ちるくらいならと、自ら死を選ぶアリス。う~ん、泣ける!!また、戦闘シーンはマイケル・マン監督らしくリアルに徹しているのだが、『ブレイブハート』や『グラディエーター』に比べたら随分地味~な印象。モヒカン族の親父が最後メチャクチャ強くて驚いた(笑) [ブルーレイ(字幕)] 6点(2012-11-09 20:53:39) |
6. ラスベガスをやっつけろ
《ネタバレ》 ジョニー・“ハゲ”・デップとベニチオ・“デブ”・トロのドラッグ珍道中INラスベガス。ベトナムに行かない『地獄の黙示録』か、サイケ版『悪魔のいけにえ』とでも言いましょうか(1971年というのがミソ)。『ハング・オーバー』を1000倍凶悪にしたような映画。まともな人間が観たら嘔吐しそうな内容だが、好きな人には脱糞ものの傑作だろう(下品な例えですみません)。キャメロン・ディアス、クリスティーナ・リッチ、エレン・バーキンと、女優陣が何気に豪華。テリー・ギリアムはやはり侮れない。 [DVD(字幕)] 6点(2012-04-04 15:11:47)(良:1票) |
7. ラスト・ターゲット(2010)
《ネタバレ》 原題は「ジ・アメリカン」。イタリアの古都を訪れたアメリカ人の主人公=異邦人を表したタイトルだ。邦題のセンスのなさには唖然とさせられる。「退屈」「眠くなる」という評価も分かるが、たまにはこんな大人の映画も良いのではないか?60年~70年代のヨーロッパ産の犯罪映画を思わせ、冒頭のスウェーデンからイタリアの要塞都市まで、ロケーションの全てが一枚の絵画のように決まっている。ジョージ・クルーニーは『オーシャンズ11』のようなお洒落な伊達男の役がお似合いだと思うが、本作は製作にも参加しているだけあって、相当な入れ込みようだったのだろう。この時代錯誤なハードボイルドに陶酔したい。 [DVD(吹替)] 8点(2011-11-04 10:34:02)(良:1票) |
8. 乱暴と待機
《ネタバレ》 始まって10分もしないうちに失禁と嘔吐って…すごい映画を引き当てたものだ。暇つぶしに観るつもりだったのが、途端に目が離せなくなってしまった。最近良い仕事をしている小池栄子とメガネがお似合いの美波が素晴らしい。それに比べ、男共はホント馬鹿だな。「そこんところは積極的に麻痺していこう」って、すげえ台詞!! [DVD(邦画)] 7点(2011-09-15 18:55:26) |
9. ランナウェイズ
よくある「バンドやろうぜ!」ものの粋を出ない内容だが、クールビューティのクリステンと下着姿がキュートなダコたんの『トワイライト』コンビの熱演が楽しい。 [DVD(字幕)] 6点(2011-09-06 18:10:35) |
10. ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト 鮮血の美学
ここ数年、名作ホラーのリメイクが流行っているようだが、本作はかなり頑張っている方だろう。もちろんオリジナルほどの傑作は生まれようがないが、最近のホラーでここまで不快指数の高い映画も珍しい。あまり期待していなかったが、作り手の意欲が感じられる出来だった。前半の問答無用の展開(少女二人を拉致しレイプし殺傷)があるからこそ、後半の復讐劇が活きてくる。復讐の内容はオリジナル版と異なるが(流石にアレはやらないよな…)、緊迫感のある展開にハラハラドキドキした。ただし、かなり強烈な内容なので、鑑賞は自己責任で。カップルにはオススメできない。 [DVD(字幕)] 7点(2011-05-16 18:21:57)(良:1票) |
11. ラブリーボーン
スピルバーグが関わったことからしょーもない家族愛のファンタジーになってしまったようだが、スピは『ポルターガイスト』の失敗から何も学んでいないのか?ピーター・ジャクソン監督とはあまり相性が良いとは思えないのだが…。そもそもこのような内容に、2時間を越える上映時間は長すぎる。100分前後の小品にした方が、心に残る映画になったのではないか?「憎しみより愛を」というメッセージは素晴らしいが、そこに到るまでが長く、美しいCG映像もただ退屈なだけ(手垢のついた天国のイメージ)。ドラマとサスペンス、ファンタジーのバランスが悪く、テーマを曇らせているのも問題だ。ヒロインの頑張りに免じて6点献上。 [DVD(吹替)] 6点(2010-07-07 20:13:02) |
12. ラースと、その彼女
《ネタバレ》 徐々に明らかになるラースの出生。母はラースの出産後すぐに亡くなり、兄は早くに家を出たため、人間嫌いの父親と二人で暮らしていた。父の死後、兄夫婦が実家に戻ってきたため、ラースは離れにひとりで暮らすことになる。ラースがビアンカを連れてきたのは、義姉の妊娠と、自分に好意を寄せてくれる女の子が現れた頃。「大人になるための通過儀礼」としてのビアンカ。一見人間嫌いのように見えて、実は心に愛が溢れているラース。母の死から人に触れられるのを畏れているラースは、「妊娠=死」という概念から逃れられず、愛する人に触れたい、触れられたいという当たり前の感覚があらかじめ失われている。それをリアルドールという形で克服していく様を実に穏やかに描いている。小さな町の人々の温もりも忘れがたい。ライアン・ゴズリングが嫌味なく純粋なラースを演じており、鑑賞後は不思議な感動を覚える。 [DVD(吹替)] 7点(2009-11-14 00:48:28)(良:1票) |
13. らせん
《ネタバレ》 『リング』のテンションで観たら痛い目に遭うが、「呪いのビデオ」解決篇としては悪くない出来。前作では「呪い」の一言で片付けられていた現象を科学的に解明しようとする試みは面白く、「ウィルスによる人類の進化」というテーマも意外性があって良かった。前作は死ぬこと自体が恐怖だったが、今回は生き残ってしまった者たちの苦悩が描かれる。佐藤浩市の演技に助けられている部分は大いにあるが、「Jホラー」ブームの今だからこそ、再評価されるべき作品。 [DVD(邦画)] 5点(2008-06-17 21:55:42) |
14. ランボー/最後の戦場
《ネタバレ》 実際の戦闘では、女性や子供だって無差別に殺されるだろうし、銃弾を浴びれば、手足が吹っ飛び、さっきまで逃げ回っていた人たちが一瞬でただの肉片と化すだろう。『プライベート・ライアン』以降、戦争映画は残虐な描写をエスカレートさせてきたが、これはその到達点と言えるだろう。ハリウッドの不文律として、これまで幼い子供が殺されるシーンをダイレクトに映すことはなかったが、この映画では、臆することなく、戦争の残酷な側面を描いている。ミャンマー軍の圧倒的な暴力に対して、更なる暴力で対抗するランボーの「これが現実だ!」という心の叫びが痛いほど伝わってくる。敵を倒しても爽快感の欠片もない、身震いするほど凄まじい戦争映画の傑作。これだけ濃密な内容ながら、90分というタイトな上映時間。スタローンはまだまだイケる。 [映画館(字幕)] 9点(2008-05-30 09:47:41) |
15. ラットレース
《ネタバレ》 普段コメディはあまり観ないのだが、これは面白かった!ビーンさんが出てくるだけで笑える。思いつく限りのギャグを全編に散りばめ、登場人物の誰かに必ず感情移入できるような群像劇に仕上げている。個人的には、ナチスネタとヘリコプターのお姉さんが良かった。最後の大団円で後味スッキリ! [映画館(字幕)] 8点(2008-05-23 07:39:34) |
16. ライフ・アクアティック
これがウェス・アンダーソン節なのだろうが、今回はいまいちのめりこめず。相変わらずキャスティングは豪華で、絶妙な外しっぷりを見せるが(特にウィレム・デフォー)、前作(『ロイヤル・テネンバウムズ』)ほどのキャラクター性を感じなかった。コメディとシリアスのバランスも微妙で、途中いきなりアクション映画になってみたりと、一体何をやりたいのか分からない。別のコンディションで観たら良かったかも。 [DVD(字幕)] 5点(2008-03-18 11:09:24) |
17. ラスト・ボーイスカウト
ブルース・ウィリスの作品は結構波があるが、これは面白い方。トニー・スコットの演出もスピーディーでパワフル。「探偵」という職業が良い。ラストも爽やか。 [DVD(吹替)] 6点(2008-02-08 21:36:46) |
18. ラブソングができるまで
最近のヒュー・グラントはいい仕事をしている。気楽に観られるラブコメというのも久し振りだったので、結構楽しめました。ドリューちゃん可愛いし。80年代ってやっぱりダサかったのね。 [DVD(吹替)] 6点(2008-01-12 20:47:33) |
19. ラヂオの時間
《ネタバレ》 ラジオドラマというのは深夜にまったりと聴くものだが、その舞台裏ではこんな大変なことに…という、『ダイ・ハード』も真っ青の作品。なぜ『ダイ・ハード』を引き合いに出すかというと、伏線の張り方が半端じゃなく、そのスリリングさはコメディを越えてアクション映画の粋。有名女優のワガママに始まり、音声さんの妙なこだわり(「マシンガンならシカゴ!」)を経て、脚本はすっかり崩壊、事態を打開するのは警備員のおヒョイさん、というのが何とも可笑しい。ところどころで挿入される渡辺謙のトラック運転手も笑える。邦画コメディの最高傑作。 [DVD(邦画)] 9点(2008-01-12 09:42:15)(良:1票) |
20. ラスト サムライ
舞台は日本といいながら撮影はオーストラリア(ニュージーランドだっけ?)なので、風景が妙に異国的だったり、トムクルが「サケ!サケ!」を連発するシーンなどは失笑ものだが、そんな重箱の隅をつつくようなアラ探しはやめて、素直にこの映画を讃えたい。渡辺謙や真田広之がハリウッドで充分通用する俳優だと分かっただけで満足。この映画が日本人俳優の海外進出の足掛かりになったことは間違いない。 [映画館(字幕)] 8点(2007-10-27 21:17:54) |