1. ルパン三世(1978)
《ネタバレ》 初めて観た時はまだ子供だったので、深いところまでは読めなかったのですが、奥深さは感じていました。大人になってから観て改めて傑作である事を実感しました。ギャグ全開のルパンではなく、アダルト、ハードボイルドのルパン。内容も哲学的で社会風刺も盛り込まれてシビアです。登場人物の描き方も素晴らしい。個々の「信じるもの」「生き様」が交差する奥深い脚本にはうならせられるばかりです。仲間とは「同じ意見をもつ者」ではなく「認め合う者」。だから、ある意味銭形警部も仲間です。(最近は違う意見を持つものを悪と決め付け、排除する傾向があって非常に浅い)人は誰でも自分の信じるものを、生き方選ぶ自由がある。例え神であろうとそれを強制する事は出来ない。マモーは死を恐れるあまり「生き方」を失ってしまった哀れな人物。死から逃れようと神になったと思いこむ。ルパンは人間である事を気づかせる男だったのであんなに毛嫌いしていたのではないでしょうか。一番印象に残っている台詞は「ルパンは夢をみない!」ルパンこそがもっとも神にちかい精神をもっているのかも?う~ん、やっぱり哲学的だわ~この映画こそが「クラッシック」になってしまったのは残念でなりません;もう二度と作れないだろう傑作です。 [地上波(邦画)] 9点(2009-06-20 20:50:27) |