21. レザレクション(1999)
《ネタバレ》 うわー、コレ作った人たち“セブン”が大好きなんだろうなあ。でもこりゃいくら好きだからってオマージュというより真似ですやんか。呆気にとられて中盤からは「セブンとの類似点探し」に興味が移ってしまった。聖書の解釈に絡めた連続猟奇殺人事件、どしゃ降りの中ビル小路での逃走劇、追う刑事は二人組(一人はガッツありでもう一人は心を閉ざして陰に籠るタイプ)、危険に晒される刑事の奥さん、中盤で明かされる犯人・・。そっくりエピソードのオンパレード。でもやっぱり本家と違って細部までの目配りが利いてないし、なにより殺人の動機がラストで全て一本に収束するセブンの脚本の見事さ、この一番の美点は真似できなかったとみえる。でも、大好きなものに追いつこうとする一生懸命さがこの作品にはあって、グロテスクな場面の陰影、例えば薄暗い部屋に吊られた死体の後ろから光が射して塵がぱあ~となるフィンチャーテイストをきちんと踏襲してたりして、映像は健闘してるんだ。この美術センスにそこそこの点数を差し上げますね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-07-29 00:52:45) |
22. レッズ
この頃の情勢にはなはだ疎いので、なんだかドキュメンタリーで勉強させられた気分。理想に燃える信念の人が熱く熱く生きる。熱すぎてちょっとひく。洪水のような弁舌が議論の場で延々と続く、何度も。正直疲れるっす。何よりD・キートンに入れ込めなかったのが辛い。仕事に打ち込んでるのかと思いきやあちこちの男にフラフラ、夫が戻ってきてもまたケンカで出て行く、と。何回やってんだよー。歯をむいてキレるダイアンが醜くていやになった。J・ニコルソンの批評が合ってると思うな。「君のやりたいことは革命家と寝て夢を語ることだ」。時々挿入される市井の人々の彼女の人物評も毀誉褒貶しているところを見ると、むしろD・キートンはリアルに好演してたのかもしれないなあ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-12-19 17:50:31) |
23. レイヤー・ケーキ
《ネタバレ》 あ?なんだなんだ分かりづらいぞ。麻薬を巡って入り乱れる人物相関図が作れません。私の頭が悪いのか脚本が失敗してんのか。ただ、ダニエル・クレイグのオーラが007級の色気を放ってる。さすがです。指の長い手も身体つきも色っぽい。麻薬戦争を勝ち抜いたのに、最後に女のいざこざで三下に撃たれちゃうってのがなんか皮肉が利いてて良い。うんさすがだダニエル。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-03-19 23:40:50) |
24. レオン(1994)
それっぽさだけのいわば雰囲気美人な映画。ジャン・レノはやっぱりモデルさんだ役者じゃない。喋って動くとなんか肩透かしな感じ。キャラ当てのシーンが致命的。コミカルな場面を描いて人物に幅を出そうとしたんでしょうが野暮ったさが際立って大失敗。小道具に凝るのもなんだかしゃらくさい。G・オールドマンの安定感はある。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-07-14 11:58:56) |
25. レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い
《ネタバレ》 雄大な風景をバックに展開する壮大な一家族の大河ドラマ、と見せておきつつ内容うっすい。自己中ブラピを筆頭に、人物の誰も彼も「なぜそういうことをするの?」と疑問だらけ。なんにも心の内を掘り下げてくれないの。 なのでスザンナは尻軽女で親父は偏屈じじいでその妻は不思議極まる勝手女。咬ませ犬の長男と三男、置物のような先住民スタッフ。以上がオールキャストのつまらん映画だな、というのが感想です。 [試写会(字幕なし「原語」)] 4点(2023-10-19 22:54:01) |
26. ●REC/レック(2007)
《ネタバレ》 どうやら私も“ホラーがちっとも怖くなくなる年齢”に達したらしい。もっと恐ろしいことは実生活でリアルにあるのだ。 で、このスペイン映画である。事前知識が無かったから、「なんだこれはつまりゾンビじゃないか」と気付いた瞬間から興味は急降下。尺は短く、不必要にだらけずに済んでいるのは良しとするも、でも怖くない。ゾンビものは名作がたくさんあるし、数多の趣向を凝らした先達に比べると、新しいアイデアや演出は何も見当たらない。ヒロインは報道の権利をやたら主張する小うるさいマスコミ気取りで、こいつが咬まれようがどうでもいいや、と客に嫌われるキャラクターになっているんだがいいのか。 ぶれぶれの手持ちカメラ映像とわあわあとアパートの上下を走り回るだけの展開。ゾンビの首を落とすべく、刃物的な武器を誰も取りに行かないのが不満。まあ尺が無いか。でもとって付けたような解説部屋もいらないな。 B級ならば、アイデアで勝負というB級ならではの意地があるべきだ。他人のふんどしで相撲を取りっぱなしの本作にはがっかりした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-09-05 00:24:08) |
27. レズビアン・ヴァンパイア・キラーズ
レズビアンのヴァンパイアだからね。何をかいわんやのB級映画だろうことは百も承知で観たんだけれど、いやーもっとばかばかしくてもいいのに、と思ってしまった。この手の映画にしては美術もしっかりしちゃって、お姉ちゃんたちもそこそこ美形でその上期待されるようなエロさもありませんし。B1/2級映画といったとこでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-06-27 00:07:33) |
28. レボリューション6
《ネタバレ》 DVDの箱に「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズのイノセンス」と書いてあった。やめてくれ全然違う。のびのびと馬鹿を炸裂させてるのが「ロック、ストック~」、馬鹿の自家中毒が「レボ6」。若気の至りとはいっても、アナーキストを気取っていきがってるのにはとても共感できないや。ただの方便で「打倒資本主義」と大上段に構えてるのが大嫌い。スーパーのガラス割って盗んだ圧力鍋で爆弾作って空き家占拠。くだらなくてぽかんとする。反体制の破滅的な美しさは皆無。このみみっちさが40過ぎても変わらないってのが信じられん。パトカーにスプレーとかおっさんのやることか。とはいえ、親の脛かじってつらっと社会に迎合している他の連中も嫌い。この手の青春懐古モノで人物に共感できないと、作品を冷静に見られなくて困る。捕まっちまえ、と思ってしまう。再会して若き頃の郷愁に浸るというのは、決して嫌いな演出ではないのに。泣かせどころの場面はそう悪くなかったのに。やっと生活することの意義に目覚めるラストの二人、成長遅っ。大家さんの厚意にちゃんと答えなさいよ、あんたたち。資本主義打倒云々より、身近にお世話になった人に恩を返すべきでしょうが。 [DVD(字幕)] 4点(2011-11-20 17:12:18) |
29. レフト・ビハインド
《ネタバレ》 これはイカン。久々の大迷走映画を観た。 大体、人が突如文字通り「消えて無くなる」なんて、あまりの大風呂敷っぷり、収めようが無い。普通のやり方では。 だから、まあ百歩譲って、「神の行い」であるとの設定も呑むとしよう。では、その後神様に「置いてけぼりにされた」人たちがどう生きるのか、また何らかの形で消えた者たちが復活するのか、観客の視点はそういうことに移ると思うんだ。少なくとも私は。 ところがところが、映画は登場人物らの観念など一ミリも描かず、ひたすらパニック映画の様相になってゆく。飛行機の燃料はたりないわ、着陸場所はないわ。しかし、機長とその娘(大学生)の機転により、飛行機は見事建設中の道路に着地するのだった。おお、と思わず拍手・・するはずもなく、もうどこに気持ちを置いてこの話を観りゃいいのか、画面の前の異教徒のワタシも若干パニックだ。 で、こんな映画に出るのかN・ケイジは。もういいかげんパニックものにはニコラスを使えのパターンやめてくんないかな。 あいかわらず上手いんだが、その器用さがこんなのに使われると悲しくなる。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2017-08-15 00:36:31)(良:2票) |