2. レスラー
《ネタバレ》 不器用で、大馬鹿で、自分勝手で、惨めで、痛々しい。自業自得と分かっていても、激しく胸を揺さぶられた。ミッキー・ロークが体現し、繊細に表現する部分も大きいのだろう。監督が彼の主演にこだわって制作してくれて、本当によかったと思う。圧倒的な孤独、忍び寄る老いと不安…同じものを抱えるキャシディと寄り添う場面は、儚くて脆くて、そして美しさがあった。悲哀と揺れを表現するマリサ・トメイも、素晴らしい限り。作品の多くを手持ちカメラで撮影しているせいもあって、ドキュメンタリーな感じに近い。色も抑えめでよかったし、リアルさがより演出されてました。また本物のレスラーが出演し、プロレスの裏側を描いている部分もあって、興味深い部分も多かったです。そしてエンディングに響く、ブルース・スプリングスティーンの歌声が素晴らし過ぎる!「辛いのは外の現実」最後、リングでのスピーチとすべてを確認し微笑む、その表情にビシバシ打たれ劇中ボロボロに泣いた上に、ゴールデングローブ賞受賞式でのミッキー・ロークのスピーチでも涙腺緩んだ大馬鹿もんの私なので、思い入れ強くこの点数で。 [映画館(字幕)] 10点(2009-06-29 10:59:55) |