1. ローレライ
二時間以上もある大作ではあるが、展開が早いせいか飽きなかった。しかしそれだけに走りすぎている感もある。艦内で次々と起きるハプニングなどエピソード自体は悪くないのだが、人物同士の絡みが少ないため感動が薄い。CGは確かにリアリティが感じられないが、深海の神秘的な雰囲気は伝わってきた。戦闘シーンにもう少し迫力がほしいところ。音楽は文句なし。BGMやパウラが歌う透き通った歌声は小説では得られない、映像ならではの味わいがある。音楽も映画の大切な一要素であることを痛感した。役者も豪華な面々をそろえており、大御所や流行りの若手俳優のみならず、ピエール瀧やKREVAなど意外な人物が出演している点が興味深い。号泣するというより迫力や展開を楽しむ系統の娯楽に徹した映画であり、歴史的背景や辻褄など細かな点は目を瞑ったほうが楽しめる。当時の思想を今改めて振り返り、生きることの大切さを訴えようとする良作であると感じた。但しCGの安っぽさはどうしても目につくので、できれば映画館で鑑賞することをお勧めしたい。 8点(2005-03-09 15:31:11) |