1. ロストクライム -閃光-
《ネタバレ》 原作好きな組です。役者陣についてですが、まず滝口演ずる奥田瑛二が原作とイメージが違いすぎ。「三億円事件の真犯人を上げる事だけに執念を燃やし続ける定年間際のベテラン刑事・滝口」はもっとずんぐりむっくりのオヤジに演じさせるべき。例えば【渡辺てつ】とか、【でんでん】なんかが良かった(後者だと「ボディを透明にしろ!」とか言い出しそうで怖いけど笑)。奥田瑛二はちょっとスマート過ぎ。その滝口とバディを組む主人公の若手刑事役に渡辺謙の息子・渡辺大。最初は不安な感じだが、後半は結構しっくり来る。ここからは映画の内容。映画開始15分後くらいに3億円事件の回想シーンがあるのだが、ここで簡単に犯人の顔を見せてしまう演出には閉口。確かに「犯人は誰か?」という推理モノではないので犯人の顔をばらすのは重要ではないが、あまりにも簡単に出し過ぎ。前出するように「犯人は誰か?」というよりも、「犯人たちの犯行に至る背景」が作品の重しになるので、テレビの連続ドラマでじっくり描いてほしかった。全体的にケレン味の無い古臭い演出で、2000年代の刑事モノ映画とは思わずにいられなかった。「喋る事が許されなかった人たちの人生」と対比させるためにあるラストシーンは、あまりにも唐突で心に迫るモノはない。逆に褒める点は主人公の彼女役で元ヘルス嬢を演じた川村ゆきえ。おっぱいが大きかった。 [DVD(邦画)] 3点(2011-05-22 23:38:09) |
2. LOFT ロフト(2005)
唖然とした観客にまばらな拍手…。『ロフト』上映終了後、それはまさにカオスの世界であった。例えば知人の子供がどんなに不細工でも、綺麗可愛いだのお世辞を言うのはある種の礼儀。ましてそれが子供初お披露目なら尚更な話し。だが今日、黒沢Jr.は余りにもな仕打を受ける。確かに上映前からその危惧はあった。劇場には20代後半~40代後半のマダム風情が大方を占めており、おおよそ黒沢清映画を好む層とは別の族。しかもその族はトヨエツ目当てであり、映画の内容は二の次三の次なのだ。彼女達と黒沢映画は水と油、長渕に桑田であり、確かに大衆受けとは程遠い黒沢映画は、分かる者だけが楽しむ一見さんお断りの店構えだ。極端に説明を省いた演出やキャラクターの不可解な言動(『人は突如として突飛な事をする生き物』という黒沢清の発言アリ)は、黒沢映画の重要な要素。トヨエツの長い足目当ての客がそれを感じ取る事は難しい。上映終了後のまばらな拍手にそれが凝縮されている。しかし本来なら交わらない二つの点が重なったのだから、それを機に黒沢清の世界に入ってくれる人が一人でもいてくれたら幸いである。 [映画館(字幕)] 5点(2006-11-05 22:28:05)(笑:1票) |
3. ロッキー2
《ネタバレ》 ゴロツキボクサーのロッキーに辛酸を舐めさせられた王者アポロが、ロッキーを再度世界戦へ誘うところから物語は始まる。満身創意で挑んだ世界戦後引退を表明し新たな分野に挑戦するロッキーだが、CM出演で打ち砕かれる自尊心、アポロの度重なる挑発、妊娠と心労により倒れる妻エイドリアン。 ロッキー・バルボアは死んだのか…。 誰もがそう感じたその刹那、病床のエイドリアンから「win!」の一言。 ミッキーの「ボヤボヤすんな!行くぞ!」。 ゴーンゴーンゴーン・・・タカタカタタタッタータータラタラララー。 フィラデルフィアの街を疾走するロッキー(無数の子供たちがイタリアの種馬を追い回すそのシーンは良くも悪くも圧巻の一言)。そして美術館前で恒例のガッツポーズ。正直これだけでお腹一杯です。 サウスポースタイルのロッキーが右で戦うという奇襲作戦を考案したミッキー(さすがニワトリを追い回すトレーニングは…)、健気な妻のエイドリアン、貫禄十分のポーリーとなかなかサブキャラが立って来たのも良い。 大団円を迎えるラストにロッキーファンはどう思うのか…。ここで勝ってしまうのは・・・。負けてこそのロッキーなのでは・・・。まさにロッキーサーガにおける踏み絵的作品。 [DVD(字幕)] 8点(2006-07-17 22:51:36) |
4. ロッキー
スタローンの出世作にして代表作、そして名作であり傑作。ロッキーとエイドリアンのスケートデート。生卵五個飲みロッキー。生肉サンドバック。ランニング中に放り投げられるリンゴ。そして朝日の前での雄叫び。『イタリアの種馬』ロッキー対『破壊の帝王』アポロのどツキ合い。「エイドリア~ン」。人間スタローンが120%かけて作り上げたマッスルヒューマニズムの神髄ここにあり。 [DVD(吹替)] 9点(2006-07-17 22:46:02) |
5. ロード・オブ・ウォー
《ネタバレ》 ひとつの銃弾が工場で作られ、戦地へ運ばれ、装填され、放たれ、撃たれ、殺される。この銃弾の生と死がタイトルバックに流れ物語は始まる。全て弾目線で語られるこの一連のシーンだけでも、観る価値はあると思う。ウクライナで家族が経営する飲食店を手伝う主人公ユーリ・オロノフはある日マフィアの抗争に巻き込まれた事から、銃に興味を持つ。この出会いが彼の運命を変え、そして武器商人として成り上がってゆく。その成り上がり劇の中に世界規模での武器やりとりが描かれていくのだが、それはそれはとても興味深い世界。しかし全体的にメッセージ性が強くかなり皮肉めいた印象を受け、もっと娯楽色を出してもいいと思った。 [映画館(字幕)] 6点(2006-01-11 16:00:05)(良:1票) |
6. 蝋人形の館
《ネタバレ》 ティーンホラーのツボをきっちり押さえた展開に終始ニンマリしてしまう。なかでもパリス・ヒルトンの○○○動画よろしくのセルフパロディは素晴らしく、肝の据わった所を見せ付けてくれた。24のキムでお馴染のエリシャ・カスバードも口をボンドで封じられたり、指の第一関節をニッパーで千切られたりと、素晴らしい活躍を見せてくれる。このようなスプラッター描写がいちいち素晴らしくて、特に人間が蝋人形にされるくだりは圧巻。久々に映画を観て目をつぶってしまった。あとホラーの定石を微妙にずらしてきていて、ヒロインの彼が早々に殺されたり、子ちの女性キャラが惨殺される等。展開が読み易い部類だけに久々のハラハラドキドキ。蝋人形映画館のくだりは名シーン。 [映画館(字幕)] 7点(2005-11-01 18:13:48)(良:1票) |