1. ワン・ツー・スリー/ラブハント作戦
ベルリンの壁建設ドンピシャのタイミングで作られた本作でのビリー・ワイルダー監督が東側と西側陣営に向ける冷ややかな視線は真骨頂。監督特有のユーモア部分のまろやかというかマッタリしたところが感じられなかったのはジェームズ・キャグニーの存在に依るところが大かと。 出世欲に取り憑かれたコカコーラ西ベルリン支社長を演ずるキャグニーは、お顔体型共に62歳相応にふっくらしているものの、台詞回しと眼力は往年と変わりなく、超ハイテンショントークでの出ずっぱりな姿に感動しきり。いやぁ物凄かった。 半切りのグレープフルーツを手にするのに「民衆の敵」の迷?シーンが蘇ります。 キャグニーに合わせて他のキャストもキビキビしており、展開も超怒濤、剣の舞が更に拍車をかける。 結末のオチがこれまた素晴らしい。キャグニーのホロリとした直後のコーラを手にして「シュレマーァァァァァ」は最高!!! 惜しかったのはホルスト・ブッフホルツ演ずるオットーで、肩に力が入り、過ぎたるは及ばざるがごとし、だったところが-0.1点。 壁封鎖のタイミングの良さで当時はヒットしなくて後年に再評価を受けたという本作は、ドタバタコメディとしてワイルダー作品としてキャグニー出演作として紛れも無い傑作です。 [DVD(字幕)] 9点(2024-05-27 01:14:29)(良:1票) |
2. わんぱく戦争
《ネタバレ》 冒頭、郷愁誘う音楽に期待値急上昇。隣村同士児童の小競り合い。指揮官がいて知恵袋がいて作戦があって、裏切りに捕虜に捜索隊にと盛り沢山。全編に溢れる微笑ましさと「貧乏人に恥をかかせるのが平等なのか!」等のシリアスさの塩梅が絶妙。特筆ものの胸キュンキュンな弟おちびチャンが忘れられない掘り出し物お薦めの秀作。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-11-28 14:21:24) |
3. ワルツ・オブ・ザ・トレアドールズ
ピーター・セラーズ老将軍の見た目役作りは通常運転で流石ではありますが、艶笑コメディとして色気も無く笑えるところも無く。イギリステイストの悪い面を感じる残念な作品・ [DVD(字幕)] 3点(2022-11-17 02:18:34) |
4. ワイルドバンチ
《ネタバレ》 145分ディレクターカット版で。ウィリアム・ホールデン VS ロバート・ライアン冒頭の対決だけしか見どころ無く。以降、ダラダラダラダラ・・・ラストの対決を思っての我慢が報われず。監督持ち味のような独り善がりな作品に舌打ちするところです。 [DVD(字幕)] 3点(2022-08-17 06:21:26) |
5. 若者のすべて
《ネタバレ》 邦題が的外れな作品。蓮っ葉・阿婆擦れナディアにイライラ。泣くか喚くか大喜びしてるかだけのけたたましい母親にイライラ。お決まり過ぎる転落ぶりのシモーネにイライラ、常軌を逸した自己犠牲精神のロッコに最もイライラ。「長い! 何時までやってるのん!」ダラダラとした愛憎劇にもうヘトヘト。母親に代わって一家崩壊を救ったチーロに私も救われる。キャラは置いといて見目麗しいアラン・ドロンのボクシングシーンに加点。 [DVD(字幕)] 5点(2018-09-24 16:25:13) |
6. わが命つきるとも
《ネタバレ》 初見。邦題が結末を端的に著しています。500年前から現在に至るまでこの世に溢れる「ご都合主義の」正義。誰が何と言おうとそれを否定し堂々と信念を貫き通した生き様にひれ伏すばかりです。夫と永久の別れを交わすウェンディ・ヒラー演ずる妻の姿に悔し涙が滲みました。重厚な傑作です。 2017.10.18 DVD購入して再見 妻子との別れのシーンを何度も見る。 娘に「一度誓ったら両手でしっかり支えるのだ。指を開けば自分を失ってしまうのだ」と尚毅然とするも 妻に「この思いをお前に解ってもらえず死ぬのがなお辛い」「実に美味しい、良い妻だ」と作中唯一苦しさを滲ませる。 王の離婚問題で何故こんな事になるのか、悔し涙が止まらない。 刑場での首切り人への言葉「お前を許そう、神の元に送ってくれるのだから」に只々ひれ伏すばかり。 私の棺に納めて欲しいリスト入りの作品。 [DVD(字幕)] 10点(2017-09-30 23:28:19) |
7. 悪い奴ほどよく眠る
現実離れしていた西の素性がばれる瞬間を境に面白味がだんだんと薄れていきました。とりわけ無知でお人形さんのような奥さんに興を削がれました。悪を気取ったところで世間の仕組みには今も昔も勝てないという事を思い知らせてくれるタイトルが強烈です。一番興味深かった人物が、その世間の仕組みを体現していた岩淵。森雅之さんは何処に出ていたのかの答えを本サイトで知り仰天、役者魂に感嘆しております。 [DVD(邦画)] 6点(2012-03-18 19:22:06) |