1. わが街(1991)
《ネタバレ》 名脚本家のローレンス・カスダンによる群像劇。 「再会の時」のときのローレンス節がみられて、嬉しかった。 ケビン・クラインの偽善が、周囲を振り回すが、 ダニーグローバ演じる黒人は彼のそんな善意を楽しんで受け取る。 不倫した旦那(ケビン)にどこまで気がついているのか、情緒不安定な 奥さんは息子の旅立ちとともに、偶然見つけた捨て子を養女にすることに 邁進する。 ケビンの上司はアメリカの格差がグランドキャニオンの亀裂のようになり、 そこから生まれる怒りを吸収すべく、俺は残酷映画をとるのだと 暴漢からおそわれた怪我が治るとまた思うようになる。 とまぁこんな話だが、あまり不倫に目くじらを立てないのが ローレンス調といったところか・・ この頃のアメリカは湾岸戦争前で、国内とくにロサンゼルスの治安が ものすごく問題になってた頃の話。 そんなロスで暴力に不安を感じながらも、人間性を失わないで 生きていこうとする人たちの人間賛歌である。 特に尺度を持ってきて、裁く話ではない。 中東との戦争で、訳がわからなくなる前のアメリカのヒューマンドラマである。 今となっては懐かしい空気だ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2018-10-18 02:48:16) |
2. ワンダフルライフ
《ネタバレ》 ドキュメンタリー調の前半に、話に入り込めず、自分だったらどの想い出であの世に行くかなとぼ~っと考えてた。一つだけ選ぶいい思い出で、あの世に旅立つ、この世とあの世の際(きわ)の世界の話。しかし、それは一番大切なものを選ぶことでもある。親か恋人か子どもか自分か・・。選べない人も出てくる。それがこの会社の人たち。モラトリアムは次元を超えて、あるもんなんだね。・・にしても協賛にどこかの葬儀会社が入っているのかな?葬儀会社のCMにピッタシの題材。監督の、映画は夢工場ではあるけども、天国工場にもなりうるか?という問題意識を感じました。 [ビデオ(邦画)] 7点(2016-07-31 23:27:09) |
3. わが心のボルチモア
バリーレヴィンソンは「ナチュラル」でもそうでしたが、古き良きアメリカを撮らせると上手いですね。本作品は「東京物語」のアメリカ版といったところでしょうか?何となく切ない。やはり、時代が変わっていく人生の寂しさみたいのが感じられます。安売りの家電量販店や郊外に持ち家を持つ家庭像がこの時代にもうあった、というのが驚きです。しかし、地味な物語といえば、地味な物語ですよ。こんなに大金かけて、創るのがよく許されましたよねぇ。花火がきれかったです。特に映画冒頭の水たまりに映る花火。おお!と思ったんですが、最後まで地味な映画でした。でもこの映画のようにアメリカに渡ってきた人たちには特別の感情をもたらしたのかもしれません。 [DVD(字幕)] 7点(2010-10-05 01:17:52) |
4. ワイルド・マン・ブルース
映画監督を追ったドキュメンタリーは好きだ。この作品は、映画製作にまつわることではないが、人間ウッディアレンを見せてくれる。彼の親がとても印象的だ。なるほど、アレンの女性人気の理由には、このお母さんが関係してるな、とニヤリ。ジャズの演奏のシーンもいい。特にアレンが必死に息をしぼって音を出す辺りは、観客も笑うことで応援して、皆でアレンを盛り立てる。アレンの恋人も魅力的だ。才人アレンに、こんなに大事にされたら、そりゃ女性も輝くわ。アレンの映画を観る視点が変わることになりそうだ。面白かった。 [DVD(字幕)] 6点(2015-12-06 17:51:25) |
5. 私を抱いてそしてキスして
これは、免許証の更新のときに見せられる「教育映画」の豪華版ですね。南野陽子ちゃんを見たくて、図書館で借りました。映画の中での話しですが、南野陽子ちゃんの演じる女性が、きれいな死に方で良かったです。ホント、そればっかり心配して、映画観てました。 [ビデオ(邦画)] 5点(2009-06-26 00:26:30) |