181. キル・ビル Vol.2
《ネタバレ》 一作目を支持した身としては、この理屈っぽさは辛いなあ。一作目のいい加減さ(もちろんいい意味での)を、理屈づけようとしているだけのかんじがする。悪くはないんだけど、良くもなかった。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-09-14 23:57:00) |
182. オーソン・ウェルズのオセロ
とにかく映像が素晴らしい。構図の大胆さ。これは、もう一級品。でも、それだけ。これだけ短くずたずたに切り刻まれてしまっては、シェイクスピアの物語も立ちあがってこないよ。 [ビデオ(字幕)] 5点(2007-06-17 15:01:52) |
183. 新・兵隊やくざ 火線
《ネタバレ》 『兵隊やくざ』シリーズは、大映のシリーズものの中でも私の一番のお気に入り。特に第一作の増村保造演出は、それはそれは何度見てもほれぼれする出来栄えだった。確か大映で8本作られて、第一作には及ばないながらも、また、出来不出来は多少はあるけれども、全体的にはまずまずの統一を保っている、シリーズとしても優等生だったと思う。大映が倒産した後、東宝でさらに最終作が作られていたことを知ったのはずっと後からのこと。しかも、それが第一作の増村保造によるものだというじゃないか。これは見たい! でも、もちろん版権が違うからDVDのセットには入らないし、ビデオが流通している形跡もない。どうにか見られないものかなあ、とずっと思っていた。そして、やっと見ることができた。日本映画専門チャンネルが、何と、『兵隊やくざ』シリーズ全作品一挙放送などという、酔狂な企画をやってくれたのだ。狂気乱舞! やった、やっと見られる! この興奮! しかし! まず巻頭。タイトルに東宝と出た。ああ、あたりまえだけど、違和感を感じるなあ。やっぱり大映印で始まらないとなあ。この違和感がそのまま本編の展開を予見していた。とにかく全体的に違和感だらけ。こんなの『兵隊やくざ』じゃないよお。冒頭。シリーズ全体を通して、常に冷静だ田村高広の有田上等兵が、いきなり信じられないくらい冷静さを欠き、敵に囲まれて自暴自棄になってしまう。ええ? こんな有田上等兵なんて! 全体のイニシアチブがなぜか勝新の大宮の方に移っている。何で? 逆でしょう? 音楽が、なんだかプロコル・ハルムみたい。というか、完全パクリ? 女は一度抱いた男には素直に従う、って理屈が通ってしまうのがわけわからん。あれだけ巧みに女心を描き出した増村の書いたせりふとは、とても思えないよ。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-03-18 23:11:17) |
184. 愛と死をみつめて
《ネタバレ》 実在の主人公たちの真摯な生き方には心打たれるが、ドラマの持っていき方が私の好みにはあわなかった。いや、個人的に吉永小百合が苦手なのかも。それでも、最後の、吉永小百合と浜田光夫の、空想の信州登山の場面は、二人の迫真の演技もあいまって、ほろっと来てしまったけど。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-03-05 22:14:24) |
185. こころ(1955)
《ネタバレ》 あまりに息苦しく、回想場面が始まる前までは、ホントどうしようかと思った。 市川箟はときにこういう重苦しさに走るむきがある。今回の夏目漱石を見て思ったのだけど、特に文芸モノにその傾向があるみたい。一般には高く評価されてる『破戒』とか『炎上』とか。私にはちょっと苦手。 芥川也寸志の荘重な音楽が聞きモノ。漱石の原作に芥川の息子が音楽つけるなんて、スゴイ。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-02-06 07:53:07) |
186. 華麗なる一族
話は悪くない。長尺でありながら、ほとんど退屈しなかった。でも映画として心踊らなかった。いい素材なのに。本当にもったいない。人物関係は確かに整理するのが大変で、多くの人物が頭に入りにくかった。誰もみな無表情でありながら腹に思惑を含んでいて、みんな同じ顔に見えてしまったからだと思う。主役の佐分利信の役どころも含めて、人物たちの内面を、この映画は描いていない。あえて描かなかったのかもしれない。でも、それではあんまりのような気がする。 ちなみに現在放映中のキムタク主演版は見ていないので、比較はできないが、連続ドラマのほうがこのネタは合っている気がする。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-01-22 21:00:16) |