2461. 刑事コロンボ/秒読みの殺人<TVM>
《ネタバレ》 生甲斐であるかのように何時も何かと闘っている犯人。その闘いが勝ち目のないものであるところがやるせなく、ファイティングポーズを解かない姿が哀しい、シリーズ中でも印象深いキャラクターです。彼女が銃を早々に処分しなかったのは不自然で残念です。 [DVD(字幕)] 7点(2009-07-30 00:48:39) |
2462. ダイ・ハード4.0
むやみに町を混乱させているだけで恐ろしさのない小悪党な犯人グループ。全くの役立たずな当局。不死身のマクレーン。三者の絡みは、殺るか殺られるかの張り詰めた緊張感、殺られないために振り絞る知恵の感じられぬ、ただただ町や建物や人を破壊しまくるだけで怪獣映画を観ているようでした。同じ人物が演じているマクレーン。自身の風貌や成長した娘に時の流れを見ますが、それ以外で彼の年輪を見せて欲しかったです。固いこと抜きでアクションをお楽しみという点ではボスのあまりにも貧弱な最期がダメでした。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-29 18:02:22)(良:1票) |
2463. 汚れた顔の天使
《ネタバレ》 初めて観ました。執行前の接見からラストまでのシーンが脳裏に焼きついています。とりわけ、人知れず一筋の涙を流す神父の佇まいには胸を衝かれました。子供を導くのは大人の生き様である事を描き出す、ギャング映画の枠を遥かに超越した本作に満点を捧げます。 [DVD(字幕)] 10点(2009-07-29 02:05:11) |
2464. 街の灯(1931)
《ネタバレ》 本作からチャップリンの語る「人生は愛と勇気と少しのお金」が思い起こされます。勇気はへっぴり腰、必要なお金は酔いどれ富豪から調達する。失笑が起きそうな主人公ですが、彼女に注ぐ愛情は損得の足し算引き算の計算が一切無いところに敬服させられます。ラストシーンのその先の展開は観客に委ねられています。娘が戸惑いを覚えたのは無理ありません、しかし、手の温もりを覚えていたのです。仲睦まじく花屋を営んでいく姿が私には見えました。全編に亘って大笑いさせられ、ホロリとさせられ、その計算し尽くされた一つ一つの動きと表情に今更ながらチャップリンの偉大さを感じる作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2009-07-23 15:16:36) |
2465. 刑事コロンボ/ハッサン・サラーの反逆<TVM>
《ネタバレ》 決定的な証拠を突きつけた上での国王のお出ましとなれば尚良かったです。サラーのうろたえる様子は現実味がありますが、国王と警部の心通じ合う様子に現実味を感じられませんでした。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-20 22:37:16) |
2466. イングリッシュ・ペイシェント
《ネタバレ》 ハナの物語によけいなモノがくっついて二兎追うものは一兎も得ず状態となったようです。夫婦や友を死に至らしめ、あまつさえ、Noble obligationに反し国家をも裏切った売国奴の不倫をダラダラダラダラ見せ付けられるのは苦痛でした。アカデミー賞を多数獲得しているようです。他人様の評価に対してとやかく言うのは独り善がりなので「ふ~ん」と言うに止めます。 [DVD(字幕)] 3点(2009-07-19 01:57:13) |
2467. 女囚さそり 701号怨み節
《ネタバレ》 細川俊之と田村正和の最期のみ当時の記憶が残っています。観直してみて、荒唐無稽な話の中にあって工藤の負け犬根性だけが現実味があり、裏切り者に相応しい最期に納得。とは言うものの、寡黙な者の放つ一言の重みが皆無なのは脚本が拙いのか演者が大根なのか、さそりがお粗末なので、観終わっても何の感慨もありませんでした。若かりし細川俊之の懐かしさにプラス2点です。 [DVD(邦画)] 4点(2009-07-18 13:34:24) |
2468. 怪物團
《ネタバレ》 オープニングの演出に見世物小屋の観客となったかのような気分にさせられます。数多くの正真正銘の畸形の方々の第一印象は正直息を飲むものがあります。しかし、決して怪物ではありません。この世に生を受けて懸命に生きているのです。真の怪物はクレオとヘラクレス。二人の笑い声は常にグロテスクでラストのクレオの成れの果ての姿はその醜い心が剥き出しになった正視に堪えない恐ろしさでした。私の中ではホラー映画ではなくサスペンス映画であり、まさに「空前絶後」という形容がピタリと当てはまる作品でした。 [映画館(字幕)] 8点(2009-07-16 00:27:53) |
2469. 刑事コロンボ/忘れられたスター<TVM>
50万ドルの工面はついたのか疑問である動機が弱く、11分間も決め手としては弱く、哀愁漂うラストシーンは「人が一人殺されている。本当にこれでいいのかどうか?」と釈然としない。観終わって残尿感の残る作品でした。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-15 12:56:38) |
2470. 刑事コロンボ/5時30分の目撃者<TVM>
犯人にワナを仕掛けて観念させる。シリーズの魅力の一つですが、本作は「ああ、引っ掛かる」と観てる者にまる分かりのあからさまなワナに、冷静沈着な犯人がコロッと引っ掛かっており、がっくりしました。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-14 02:20:51) |
2471. M(1931)
実話を元にしている事、監督のトーキー初作品という事を本サイトにて知り、リアルタイムで鑑賞された方のインパクトは並みではなかったと想像されます。78年前の私設裁判の模様は現在に通ずるものがあり監督の先見性に驚きました。また、「国家は精神に異常をきたした者の犯罪を裁けるのか?」ナチス台頭に対する監督の不安を表していたのかと考えると不気味さが一層増しました。冷酒と親の意見はではありませんが、あとから効いてきた作品でした。 [映画館(字幕)] 7点(2009-07-12 00:53:14) |
2472. 新幹線大爆破(1975)
《ネタバレ》 初鑑賞。予備知識は「主演が高倉健である」のみ。主犯の理詰めな行動、警察が犯人を特定していく過程、国鉄が爆弾解除を行う過程。結末に向かって片時も目が離せず、山本圭を筆頭に各々の俳優としての個性が役柄に反映されている豪華出演陣の演技も見応えがありました。三者の中で分が悪かった警察ですが、高飛びへの最後の一歩を阻止した手際は忘れられないものとなるでしょう。あの子の姿には衝撃でギョッとしました。惜しむらくは、乗客が事態の好転にも悪化にも絡む事無く、ただうろたえている存在でしか描かれていない点です。あと、どうでも良い事なのですが、一心に太鼓を叩く一団は謎でした。あれも形を変えたヒステリー状態ということなのでしょうか? [DVD(邦画)] 9点(2009-07-10 04:11:16) |
2473. 民衆の敵(1931)
《ネタバレ》 不良少年からチンピラとなり因果応報の最期を遂げたトムの物語。実直な両親と兄がいる平均的な家庭があった事が目を惹いたものの、ギャング映画お決まりの展開はひねりがなく彼の心情も掘り下げられることもなく淡々としています。トムの悪党ぶりが見所となってきますが、瞬間湯沸し器型の凶暴さはあるものの、狡賢さやふてぶてしさに欠けていて物足りないものでした。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-08 15:01:19) |
2474. 刑事コロンボ/殺人処方箋<TVM>
《ネタバレ》 若さ故か、とげとげしさばかりが感じられる警部に違和感がありました。見事な犯人ですが同じ気質を持っていない共犯者はさっさと始末しなければいけません。案の定、そこを責められてお縄になってしまったのが物足りませんでした。シリーズの魅力である警部の反則ワザ、これにもとげとげしさを感じました。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-06 04:53:58) |
2475. 刑事コロンボ/死者の身代金<TVM>
《ネタバレ》 本作の犯人の極悪さ、知的さ、ふてぶてしさは、シリーズの女性の犯人の中で飛びぬけており大いに満足しました。際どい反則ワザを駆使してボロを出させ、彼女の気質を指摘していた警部。言うまでも無い事を長々と語ったのは、飛行機で散々いたぶられた意趣返しだったのでしょうか。娘を始末しなかった事に-2点、取引成立でオチが分かってしまった事に-1点です。 [DVD(字幕)] 7点(2009-07-06 04:30:13) |
2476. 炎のランナー
《ネタバレ》 印象深かったのがリンゼイ卿です。何かの為に誰かの為にという意志は見えないのですが、シャンパングラスを乗せたハードルを越える姿、リデルに出場を譲った姿に、単に何不自由ないボンボンではない、貴族という地位に見合う立ち居振る舞い、心根を見ました。エイブラハムはユダヤに対する偏見を見返す為に、リデルはキリスト教伝道の為に、一途な思いを貫きそれなりに好感が持てましたが五輪での直接対決がなく盛り上がりに欠けました。エイブラハムに「君のやり方は下賎だ」と言った学長が現在の五輪を見れば卒倒してしまうのでしょう。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-05 05:01:46) |
2477. チップス先生さようなら(1939)
《ネタバレ》 チップス先生の赴任から学校の生き字引となっての大往生までの生涯。キャサリンという伴侶を得て生真面目な堅物にユーモア精神、教師である誇りが加味されて歳を重ねる先生は生徒にとっては一生の師であるようです。妻子との別離、教え子の戦死。先生の胸中が声高に描かれていない演出にかえって悲しみが染み入ります。代々途切れる事無くチップス先生が現れる事が国家の存続の重要事項なのではと思わされた、名作と呼ばれるに相応しい作品でした。 [DVD(字幕)] 9点(2009-07-04 04:29:28) |
2478. 刑事コロンボ/ルーサン警部の犯罪<TVM>
ルーサン警部は、シリーズの雄弁な犯人達の中にあって、とりわけ雄弁で役者という設定であったとしても芝居がかりすぎて辟易し、動かぬ証拠となる過ちのショボさとその後の語りに白けてしまいました。こういう人物を見ると「男は黙って」が良いと感じます。もっとも、コロンボ警部が黙ってしまうと魅力が薄れるのですが。 [DVD(字幕)] 5点(2009-07-03 04:01:20)(良:1票) |
2479. 刑事コロンボ/さらば提督<TVM>
《ネタバレ》 犯行の模様、同僚とのやりとり、真犯人の存在とその動機、解決後のエンディング。毛色の変わった作品で、本サイトにて事情を知り大いに納得しました。真犯人判明の決め手がお粗末に過ぎ、期待が大きかった分ガックリ度が激しかったです。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-03 03:40:41) |
2480. オリバー・ツイスト(2005)
人々が生きてゆく舞台の生々しさが伝わってくる目を見張るセットはポランスキーならではのもの。冒頭の病的な程に肥え太った大人達が、オリバーの「御代わりを・・」の申し出に激怒する姿。この如何ともし難い現実に僅か9歳のオリバーが翻弄され続けるのは当たり前で、母を思うこと、7日間歩いてロンドンに向かったこと、恩人に感謝し裏切るまいとする意志を見せる事だけで充分だと思います。小悪党フェイギンは彼なりに子供たちに愛情を注いでいましたが、ラストの命乞いする姿に子供たちの将来が重なり、やるせなさが募ります。作品のインパクト部分であろうビルの描かれ方が効果を果たしていない点が惜しまれます。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-01 16:59:26) |