2521. デイ・ウォッチ
《ネタバレ》 ありゃ~!これ続編だったんですか!?そりゃついてけないのも無理ないですよ~。もうねぇ、あまりに独特過ぎて私の思考範囲内に収まらなかったですよ~。体入れ替わったアントンがスヴェトラーナと抱き合ったらバスタブが楽園みたいなところになるとかね、ああいうシュールさならまだわかるんですけど、それ以外は全部許容外でした。あぁ~、ファンの方平均点下げちゃってごめんなさいね~!! [DVD(字幕)] 4点(2008-09-28 20:16:23) |
2522. アメリカン・ギャングスター
《ネタバレ》 作品の一貫した冷徹なトーンと、黒がしまった褐色の色調がとても格好いいです。盛り上がりに欠けるとか、アクションが足らないとか言う意見もありますが、この作品にそういうドンパチやサスペンスは不必要でしょう。そういうものが入って映画的になったら、この作品が持つ大人な雰囲気、あるいは全体に漂う切ない雰囲気は失われてしまう。実話ということですが、このフランク・ルーカスも実在の人物だそうで、彼が麻薬によって手に入れた資産の額にただただ驚くばかりです。仲介業者を通さず自身で直接東南アジアから買い付け、純度100%のどこよりも良質な麻薬をどこよりも安く売りさばく。扱っている品物がアレなだけで、その様相はまさにハーレムにおける資本主義の王なわけですね。ギャングなんだけど、スーツを着た、もの凄く商いの才を持つ人物。超リッチで家族も大事にしようと努めるフランクと、妻と裁判中の冴えない警官であるリッチーとの対比。フランクは仕事を奪われた仲介業者から妬まれ、リッチーは汚職まみれだった警官達から疎まれる。憎しみ、恨み、妬みが築かれたものを壊していく中で、最後に残ったのはリッチーの信念だけであった。善も悪も渾然ドロドロであるどうしようにない現実をリアルに描きながらも、彼の正直さ、正義の力がこれほどポジティブに訴え出るラストの説得力は、全てが創作のシナリオでは生み出せない実話ならではの賜物であると思う。 [DVD(字幕)] 7点(2008-09-28 01:08:54) |
2523. クローバーフィールド/HAKAISHA
《ネタバレ》 純粋なアトラクション映画ですから、余計な雑念は捨てて乗り物に乗った気分で鑑賞しましょう!戦闘中の軍隊と「やつ」の中を縫う様にして地下鉄に駆け込むシーンや、「やつ」のお子さん達と必死で追いかけっこするシーン、そして斜めに崩れたビルの中でベスを救出するシーンなど、素晴らしい臨場感で画面に釘付けになりました!ただ、不満な点もあります。墜落したヘリから3人だけ助かるのはご都合に感じましたし、その後の、せっかく小出しにして緊張感高めてた「やつ」が突然出てきて全身を曝け出し、こちらの方をかわいい面丸出しで見下ろすシーンはなんだか遣る瀬無いです。それにしても、凄まじい勢いで吹っ飛んできた自由の女神の頭部に周りにいた人が集まり、ケータイで写真撮ってるシーンは何とも言えない皮肉というかユーモアを感じてしまいました。 [DVD(字幕)] 7点(2008-09-27 23:30:29) |
2524. 隠し砦の三悪人
《ネタバレ》 黒澤さんの作品では最も「エンターテイメント」な作品ですね。分かりやすい面白さを徹底してる。そしてキャラが際立ってる。特に百姓の二人組は強烈なまでの個性と愛嬌を持ち合わせており、ルーカスが真似るのも無理はないなと感じさせます。そしてそのストーリー運びや設定も、後世に多大な影響を与えてるんだなということがよくわかる。ところで、隠し砦のある山の風景は、なんだかまるでグランド・キャニオンの様な様相を思い起こさせるし、森の中にある泉も、どことなく西洋的な風景に見えてきませんか?ラストの早川領を一望する抜ける様な風景も、あまり日本ぽくないように思えてくる。そこには、ある種の異国的な壮大さみたいなものが感じられる。音楽だって、旋律こそ日本風ではありますが、ライト・モチーフの使い方やそのダイナミズムさはまるで西部劇そのもの。そう、黒澤作品はたくさんの映画人に影響を与えたけれども、黒澤さん自身もまた西部劇に大きく影響を受けたんだなということが見て取れるわけです。それにしても、日本が舞台でありながらこういう壮大さ異国さを生み出すには、モノクロだからこそ出来る映画の「虚構の力」というのがある様に思います。よく、「黒澤映画はカラーになって駄目になった」という人がいるけど、それはつまるところ、カラーによって映像が現実により忠実になることによって、モノクロが持っていた「虚構の力」が失われたからではないか、という風に思うんです(勿論、カラー作品にはカラー作品の魅力があるわけですが)。その力をアイデアや創意工夫で存分に活かすことが出来たのが、黒澤明の非凡たる証だったんじゃないかなぁと。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2008-09-26 23:19:37)(良:1票) |
2525. 蘇える金狼(1998)
《ネタバレ》 吉瀬美智子が割と好きなもんで、それで出演作ということで観てみたんですが、まさかボコボコに殴られて殺されちゃう役だとは思わなかったですねぇ。映画での蘇える金狼というと松田優作の方しかクローズアップされませんけど、これは松田優作版のやつと比べても、現代風にスタイリッシュに作られていて、これはこれで決して悪くないと思います。ただ、朝倉が銃で撃たれて、なおかつ海に落ちて、それでも這い上がって生きてるというのは、ちょっと不死身としか言いようが無いですねぇ。 [ビデオ(邦画)] 6点(2008-09-24 20:35:25) |
2526. インベージョン
《ネタバレ》 やっぱりこのお話の核心部分はキャロルとロシア人外交官との会話にあるんでしょう。原作は元々「共産主義の脅威」を描いたものらしいですが、今の時代にこういったストーリーを持ってくるとまた別の意味合いに見て取れる。個人的には「情動と理性」の戦いがテーマなのかなと思いましたね。人間の頭脳は、情動を掌る原始的な脳に大脳皮質が覆いかぶさる様に出来ている。数百万年前から進化し続けてきた人類も、ここ数十万年は身体の進化がストップしているそうな。それで人類はどうしたかというと、今度は自分の身の回りのものを進化し始めた。そして現代社会。極度に合理性や抑圧が支配する世界では、人との繋がりは阻害され、人間性は喪失する。養老孟司風に言うと、都市に住むというのは「脳の中に住む」ということ。自然が「融通の利かない世界」であるなら、都市は「全て融通が利かなければならない世界」だといえる。その先にあるのは、全てがコントロール出来るという人間の錯覚であり、それはこの作品では「争いごとの一切無い社会」ということで表されてる。現に都市に住む現代人というのは、この映画でウィルスに感染した人たちの様に、無表情で、無関心で、個人は大きな社会の一構成要素になってるでしょう。そういう「合理性=都市=コントロール」が「情動=自然=大らかさ」を呑み込もうとする、そういうお話なんだと思いました。ただ、そういう割としっかりしたテーマ性を保持していながら、作品自体はこじんまりした在り来たりのハリウッド・スタイルで落ち着いてしまってることが僕としては少々残念に感じるし、ラストでロシア人外交官の台詞をまた繰り返すのは作りとしてちょっとくどいように思える。 [DVD(字幕)] 6点(2008-09-22 22:13:38)(良:2票) |
2527. bird call バードコール
《ネタバレ》 鈴木えみのイメージムービーですね。美しい田舎町、緑溢れる森の中での鈴木えみ。ストーリーもよくあるふわふわ系青春もの。 [DVD(邦画)] 4点(2008-09-22 21:43:54) |
2528. タキシード(2002)
《ネタバレ》 スケボー爆弾に1点。ジェームズ・ブラウンのノックアウトシーンに1点。ジェニファーの谷間に1点そしてジャッキーのダンスシーン&おけつフリフリに2点の計5点。 [インターネット(字幕)] 5点(2008-09-21 23:23:30) |
2529. レニー・ハーリン コベナント 幻魔降臨
《ネタバレ》 「エクソシスト ビギニング」を観た時は、「あぁ・・・僕らが愛してやまないレニー・ハーリンもついに逝ってしまったのか・・・」と肩を落としたものですが、その後の彼はほんの少しではありますが息を吹き返した様な気がします。なんというか、「たとえ予算がなくっても、アイデアと勢いで乗り切ってみせるぜ!」というような、ある種のふっきれみたいなものを感じます。この作品、確かに有名な人は誰も出てないし、ホラーにジャンル分けされてはいるものの全く怖くないし、おまけに日本では未公開だったそうですが、しかしそれでもなお、オリジナリティを出そう、限られた中で創意工夫を施そうという意気込みが僕には見て取れました。ラストの超能力対決は言うならば「ドラゴンボール」そのもので、父親の力を吸収してでかい水玉みたいなものを大きくして相手にぶつけて倒す展開などはまさに「元気玉」を彷彿とさせるのですが、ワイヤーと安っぽいCGであれだけビジュアルにがんばった代物になっているので僕としてはよくやったと言いたい。次に繋がるものがあるはず。 [DVD(字幕)] 5点(2008-09-21 01:08:58) |
2530. 口裂け女
《ネタバレ》 口裂け女の都市伝説は割と昔からありますが、児童虐待と結びつけるというのはまさに今風の解釈ですな。顔の半分近くが避けちゃった女の様相は確かに気持ち悪い。メイクさんよくがんばったねと言いたい。それにしても、幽霊というか怨念というか、「呪怨」シリーズもそうですけど、なにをしようにも無敵の相手というのは、お話として僕は余り感心しないですねぇ。ただでさえ怖くないのに、敵が無敵だったらシラケちゃう。 [DVD(邦画)] 5点(2008-09-21 00:59:10) |
2531. アニー(1982)
《ネタバレ》 いやはや、、、、アニーを初めとする子役達の見事なミュージカル&演技。なんと早熟、おませなんでしょう。アニーや大統領と一緒に皆でトゥモロ~の歌を唄うシーンは見ていてぐっとくるものがあります。「私が信じるものは金と権力だけだ!」という大富豪のウォーバックス氏も、アニーと過ごすうちに段々と顔がほころんでくる。怖い顔だったのにしまいには濡れた子犬みたいな目つきでアニーを可愛がる。アニーはいつどんな時でもくったくのない笑顔を皆に振りまく。背丈も全然違う二人が仲良く手をつないで階段や廊下を歩く。この「少女とおじさんの愛」は、見ていてなんだか癒されるものがある。笑顔は人を幸せにし、幸せは人を笑顔にする。底抜けにポジティブな、良心的チャイルドムービーの王道です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-09-20 01:07:20)(良:3票) |
2532. ボーン・イエスタデイ(1993)
《ネタバレ》 「8つの言葉」で自分を才女に見せるテクや、憲法の歌を披露するシーンなど、観ていて実に愉快。「世の中金だけじゃない」という一見して綺麗事に聞こえてしまうお決まりのテーマを、この作品はちゃんとストーリーで説得力を持ってみせてくれる。わいろをバラされたらたまったもんじゃないハリーは、「いくらほしいんだ」とやはり金の力で封じ込めようとするもポールに「正義」が一番大事なんだと教えられる、あの下りが実に壮快です。最初はただのおばかさんだった彼女が段々と知的になっていくその様がうまく演じられていたと思うし、気の利いた台詞も多く、大人が楽しむコメディ・エンターテイメントの良作。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-09-19 00:39:27)(良:1票) |
2533. デスバーガー
《ネタバレ》 アメリカの若者がこぞってギャーギャー騒ぎながらポップコーン片手に見る、いわゆる量産型のB級ホラー。ピエロが人を殺しまくるわけですが、グロさというよりむしろくだらなさ、笑いの要素の方が強い。だから、きゃっ!こわ~い!という代物ではなく、ぷっ!あほくさ・・・てな印象が強い。つまりはその見事な殺されっぷり、死にっぷりを若者達が皆で指差して楽しむ、そんな感覚ですな。オチに少々無理があるが、そういうありえなさも織り込み済みの一本です。 [DVD(字幕)] 5点(2008-09-18 01:07:34)(良:2票) |
2534. LOVE MY LIFE ラブ マイ ライフ
《ネタバレ》 レズ物でございます。それもかなり良質な作品です。ピュアです。純粋です。一途です。ゲイは世間ではマイノリティですが、劇中の人たちはゲイばかりで、お父さんもそう、友達もそう、ゲイワールドを朗らかに描いております。怜と麻美のおっぱいもてできます。とても清らかなおっぱいです。怜は父にカミングアウトするのをずっと悩んでおりましたけど、実際にああいう風に親にカミングアウトしたくてもできない、八方ふさがりなゲイ達はたぶん日本中にいるんでしょう。愛は無形であり、人間は有形である。「星の王子さま」に出てくるフレーズに「大切なものは目に見えない」というのがあります。愛は無形ですから、目には見えません。それ故に誤解されやすいし、偏見も生まれる。男手一つで育ててくれた父の愛情、そして二人の愛情。当たり前のことをありのままに描いたような、そんな作品。 [DVD(邦画)] 6点(2008-09-18 00:54:47) |
2535. ティム・バートンのコープスブライド
《ネタバレ》 モノクロの生者の世界と打って変わって、死者の世界は賑やかで色鮮やか。死んでる奴らの方が「生き生き」としてるフシギ。ふむ。死後の世界があんなだったら、死ぬのも悪くはないな、な~んて思っちゃいました。それにしてもコープスブライドのラストは実に切ない。普通のハリウッド製アニメだったら、当然彼女も幸せになって終わるはず。そう、いい人は幸せになる権利があるから。だけど断腸の思いで彼女は蝶となって去っていく。もしコープスブライドがハッピーエンドで終わったら、善人はみんな幸せになって終わりだから、見終わった人は「あ~よかった」で終わっちゃう。だけどこういう終わり方だと、ずっと心に残り続ける。皆ハッピーエンドもいいけど、切ない思いを胸に秘めてしっとり終わるのも、それはそれでいいものです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2008-09-17 01:17:35) |
2536. デイ・アフター 首都水没
《ネタバレ》 いやまぁわりとがんばってる方ですよ。ロンドンの街並みが完全に水没するほどの水量が一瞬でやってくるという惨劇はちょっとあり得ないと思いますが、人々の行動規範みたいなものの描き方はリアリティがあってよかったと思います。首相がシドニーに滞在していてほとんど副首相が指揮を執ってるのもなかなか好感が持てる。アメリカ映画だったらああはならんだろうし。ただ、堤防沿いで濁流に飛び込む息子の行為はいささか稚拙な気がする。そのままお父さんと一緒にいてもよかったろうに。 [地上波(吹替)] 5点(2008-09-16 02:00:14) |
2537. リーピング
《ネタバレ》 グリルのお魚にびっしりとウジ虫が集ってる!うっぎぁああああああああ!!頭の上でたくさんのシラミがお散歩してる!ふんぎゃあああああああああああ!!100万人分の佃煮が出来そうなくらいのイナゴの大群が一斉に襲いかかってくる!ぐけぼおおおおおおおおおおおお!!私のような大の虫嫌いにとっては、見ていて体中がかゆくなるような作品でした。ホラー作品ではありますが、正直言うと全然怖くないです。ただ単に見ていて体がかゆくなるだけです。「イナゴ少女、現る」などというアホみたいなキャッチコピーがついてますが、確かにイナゴのCGはよく出来てます。にもかかわらず牛のCGは全然うまく作られてない。イナゴさんの方に予算がとられて牛の方に金が回らなかったのだろうか。最後には主人公は信仰心を取り戻したってのに、サタンの子供を宿すだなんて、ああ、神様はなんと罪深いのだろう。。。 [DVD(字幕)] 6点(2008-09-14 17:03:06)(笑:1票) |
2538. ボルサリーノ2
《ネタバレ》 これはこれで決して悪くはないんですが、そもそも前作で相棒が死んで「その後のロッコは誰も知らない」で終わってるのに、果たして続編が必要なのかというのが一つ。相変わらずドンパチもハデでアラン・ドロンも相変わらずダンディなんですけど、例のテーマ音楽が「これはボルサリーノの続編なんですよ」ということを指し示すためだけの様な使われ方が如何ともしがたい。ラストで「続く」とテロップが出てきたが、3が出てるという話は聞いた事が無い。1作目のラストのテロップのことも考えると、なんとも天の邪鬼なシリーズである(苦笑)。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-09-14 14:48:38) |
2539. 蝋人形の館
《ネタバレ》 あのパリス・ヒルトンが脳天ぶっ刺しの壮絶な最期!どうせ彼女は脱ぎ役だろうと思って観てたんで、予想外の展開に思わずにんまり。ただ単に血やドロドロがたくさん登場するだけで「痛覚」がないスプラッターホラーが氾濫する昨今、この作品には、例えば指チョンパやら、かかとへの刃物奇襲やら、見ていて「痛い」と思わせるシーンがあり、映像としての力もちゃんと備わってる。それに適度に笑いの要素もあり、グロと笑いとの掛け合わせ及びそのバランスが抜群である。館全体が蝋で出来ていて、終盤炎が広がるとどんどん館が溶けていくという発想がまず素晴らしいし、それを見事に映像化したことも凄い。テンポよくサクサク進むし、B級ホラー物ではこの上ない良作&力作です。 [DVD(吹替)] 7点(2008-09-14 01:51:42)(良:1票) |
2540. ハリー・ポッターと炎のゴブレット
《ネタバレ》 ドラゴンとの戦いのシーンや水の中のシーンなど、これぞファンタジー映画と思わせる出来で楽しいものがありましたけど、ストーリーに関してはちょっと微妙ですね。とても長い原作をここまで纏めたそうで、そのせいかどの展開も中途半端な印象を持ちます。内容がダークだから子供に不向きというより、ヴォルデモート卿の下りなんか子供には分かりにくいと思うのよね。まぁ、単なる児童文学ではなしにそういう緻密な構成が原作をヒットさせた要因だろうと思うんだけど、映画と原作はあくまでも別ですからね。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2008-09-12 21:51:01) |