241. 湖の琴
結構見応えはありました。 しかし、キャスティングが悪いです。 中村鴈治郎がメインを張りすぎです。 脇役だからこそ良い塩梅な俳優だと思うのですが、本作では終始出ずっぱり。 おまけにイヤらしいキャラときたもんですから、始末に終えません。 まあ、あのにやけ顔からすれば、悪役の方が似合っているとは思いますが、ここまで重要な役をやられちゃうと飽きちゃいます。 それと佐久間良子。 確かに清純なイメージはありますが、魅力が中途半端です。 もっともっと汚れなく清楚なイメージの女優をもってくれば、傑作になったかもしれません。 それにしても中村賀津雄の若い頃はやっぱりかっこ悪かった! もう少し好青年的な俳優を出して欲しかったです・・・ [ビデオ(邦画)] 6点(2008-07-29 20:21:10) |
242. 東京ギャング対香港ギャング
《ネタバレ》 鶴田浩二、高倉健、丹波哲郎の三大スター共演で、香港を舞台にしたギャング映画。 ところが、前半40分を経過しても、高倉健しか出てこない。 他の二人が出てこないのだ。 そうしている間に、高倉健演じる主人公らしき人物は、撃たれて死んでしまった(!)。 なんてことだ。 その後に、鶴田浩二と丹波哲郎が登場。 おいおい! 三大スター共演っていったって、三人が一緒に出てこないじゃないか! なんか騙された気分。 それはそうと、冒頭の高倉健が出てくるパートは、とても面白かった。 香港のダウンタウンを舞台にして繰り広げられる、ギャング間の白い粉と金の争奪戦。 いかにも石井輝男作品といった風情のBGMが流れ、興奮と期待が高まった。 そこでいきなり主人公が撃たれて死んでしまい、舞台は日本へ。 ここから一気につまらなくなった。 冒頭の高倉健が出てくる部分の雰囲気が、最後まで続けば間違いなく傑作となったであろう。 本作が石井輝男作品の代表作とは言われてない理由はそこにあるような気がする。 後半の尻すぼみが無ければ、石井監督の代表作と言われたに違いない。 それだけに不満が残る内容だった。 それにしても、鶴田浩二演じる男が、シャブ中だとは思いもしなかった。 ラストも丹波が生き残り、しかも刑事だったというオマケ付き。 なかなか面白い内容なのだが、やっぱり後半がどうも間延びしていた。 あー、もったいない作品だ。 [ビデオ(邦画)] 6点(2008-07-06 12:08:57) |
243. 小間使の日記(1963)
ブーツフェチ老人や片っ端から下女を孕ませる主人、そして少女を強姦する男など、変態男たちが幾人か登場する。 彼らはいずれも地位も金もある男達で、社会的に立派な立場にいるのだが、その裏には、性的倒錯や性癖を隠し持っている。 それらの欲求を、立場を悪用して強要する男達に対し、ジャンヌ・モロー演じる小間使は、至極冷静に受け流す。 その態度は、それらの男達を嘲笑するかのような態度であり、魅力ある女性の前には、社会的力はあっても、男はいかに無力であるかを表現しているようだ。 しかし、全体的に間接的な描写や、遠まわしな表現が多いので、決して解りやすい作品には仕上がっていない。 それが災いしてか、どうもストレートに楽しむことができなかった。 フランス映画的ではあるが、もう少し表現するべきところははっきりと表現し、メリハリの利いた、スキャンダラスな問題作に仕上げてくれると、もっと楽しめたように思う。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-06-18 23:13:52) |
244. 冬の光
非常に深淵なる宗教的作品で、観ていて苦しくなるほどだ。 主演のメガネ女優がとてもウザったく思えたが、なんとそれはイングマール・ベルイマンの意図したものだった。 それは主演の男のセリフによって解る。 「近視までもが嫌だ。」と、男は言う。 これは酷い。 だけど、観ている私もそう思った。 凡才の監督が、意図せず不快な人物を作品上に造りあげたのではなく、不快な人物をベルイマンは意図して造り上げたのだ。 やはりベルイマン監督は偉大だ。 ベルイマン監督の作品は、面白いとか面白くないとかの言葉では表現できない。 ただただ凄いというしか表現の仕様がない。 ベルイマン監督の作品には、面白いと言える作品は少ないかもしれない。 むしろ陰鬱だったり陰惨だったり。 だけど、何故かクセになる深い味わいがある作品が多い。 だから私はこれからも可能な限り彼の監督作品を貪欲に観続けることだろう。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-04-23 01:50:03) |
245. シシリアン(1969)
《ネタバレ》 エンニオ・モリコーネの調べが間抜けな本作。 さて、最大の見所はやはりキャスティングでしょう。 ジャン・ギャバン、アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ。 この3人が揃った時点ですごいのに、脚本にジョゼ・ジョヴァンニまで布陣する豪華さ。 しかし、キャスト・スタッフ負けしている。 どうも全体的に間延びしているし、緊迫感も中途半端。 それとジャン・ギャバンが度を超えて老けすぎ。 元々、俊敏なタイプの俳優ではないが、それにしても衰えすぎ。 セリフをしゃべるだけでかったるそうなギャバンが哀しい。 ジャック・ベッケル作品の様な鋭さもなければ、ジャン=ピエール・メルヴィル作品の様な陰鬱さもない。 アンリ・ヴェルヌイユって、どうも中途半端だなぁ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-04-11 18:40:31) |
246. 特急にっぽん
川島雄三監督の作品は、観ていると何だか幸せな気分になれる。 心が落ち着くのだ。 ドタバタした喜劇でさえも、心が落ち着く。 これはとても不思議だ。 本作は青観さんもおっしゃる様に、特別に秀でた川島作品だとは思わない。 しかし、心が和み、居心地の良い作品である。 愛すべき作品なのだ。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-04-01 22:33:20)(良:1票) |
247. 神々の深き欲望
与那国島が舞台というのが、実際にその場所に行ったことのある私にはすぐ分かった。 「クブラバリ」という、その昔、人減らしの為に妊婦を飛ばせたとして知られる気味の悪い場所が実際にある。 私はその現場を観たことがあるので、鑑賞中は怖くて仕方なかった。 本作で登場する“西の神島”とは、台湾のことであろう。 実際、与那国島(クジラ島)から肉眼で観ることができる。 本作はとても長く、決して面白い作品ではない。 ただ、南方の島国の閉鎖的なムードは良く表現できているように思う。 [ビデオ(邦画)] 6点(2008-03-20 16:39:03) |
248. まぼろしの市街戦
シリアス・コメディ・ラブロマンス・戦争モノ・アクション・風刺劇。 色んな要素を併せ持つ作品。 しかし、どうもコメディセンスが自分に合わない。 楽しさより苛立ちが先に立った。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-01-20 17:29:34) |
249. 暗くなるまでこの恋を
《ネタバレ》 サスペンス仕立てなのは『隣の女』に通ずるものがある。 後半はこういう破滅路線のフランス映画にありがちな収束をみせる。 『隣の女』よりは多少良かったものの、不満も感じた。 ベルモンドは相変わらずマッチョで、ドヌーヴは相変わらず足がキレイだった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-01-04 01:15:36) |
250. 徳川女刑罰史
東京は池袋の「新文芸坐」で鑑賞しました。 吉田輝雄と橘ますみが兄弟愛の末に近親相姦の罪を犯し、残酷で異常な刑に処されるという過激で非常な興味をソソる内容となっています。 橘ますみですが、本作ではことのほか美しいです。 着物姿で、実の兄を演ずる吉田輝雄と情事を交わしますが、これが何とも淫靡で魅力満点。 橘ますみが、石井輝男監督作品以外にはあまり出演していないというのが、非常に残念でなりません。 [映画館(邦画)] 6点(2007-11-30 09:56:35) |
251. 残酷・異常・虐待物語 元禄女系図
同じく石井輝男監督作品『徳川女刑罰史』と混同しがちな本作。 というか、自分が混同してるだけかも。 本作も橘ますみの魅力が全開! それを観れるだけでも十分だ。 [映画館(邦画)] 6点(2007-11-28 17:02:19) |
252. わるい仲間
『サンタクロースの眼は青い』と並ぶ、日本で観ることのできる数少ないジャン・ユスターシュ作品の一つ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-11-26 17:16:54) |
253. 家族日誌
マルチェロ・マストロヤンニと、まだ少年っぽいジャック・ペランが共演した、味のある渋いイタリア映画。 監督は、これまた渋いヴァレリオ・ズルリーニ。 上の二人は兄弟という設定。 兄が病弱の弟の面倒をみる。 ところが、それには深い事情があった・・・ 哀しみの旋律が流れる中、話は叙情的にゆったりと進んでいく。 ゆったりとした気分の時に観るべき作品かもしれない。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-11-23 00:12:25) |
254. ロゴパグ
ロベルト・ロッセリーニ、ジャン=リュック・ゴダール、ピエル・パオロ・パゾリーニらによるオムニバス映画というだけで、その方面に興味のある方からすれば、垂涎であろう本作。 期待した程ではありませんでしたが、そこはさすがにこのメンツ。 大きく外すことはありませんでした。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-11-21 20:49:45) |
255. 四つの恋の物語(1965)
吉永小百合より断然、芦川いづみ! 芦川いづみの美しさが何より際立っていた。 最後も晴れやかな幕切れで気分爽快。 難しいことを考えずに、女優たちの美しさと楽しさを満喫すべき作品である。 [ビデオ(邦画)] 6点(2007-11-21 00:34:10) |
256. サンタクロースの眼は青い
ジャン=ピエール・レオが主演で、撮影をネストール・アルメンドロスが担当の、バリバリのヌーヴェル・ヴァーグ作品。 ジャン・ユスターシュ監督の短篇作品であるが、この監督は短篇より長編で、より魅力を発揮する監督だと感じた。 つまらない作品というわけではなかったが、なんか物足りなかった。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-11-06 16:36:49) |
257. スエーデンの城
“モニカ・ヴィッティが最も美しく撮られた作品”と誰かが評していたが、まさにその通り! ただでさえ美しいモニカが、本作ではことのほか美しさと色気を撒き散らしている。 この作品は、モニカの美しさを、ただただ堪能すれば良い作品なのだ。 スエーデンの孤島に存在する、とあるお城で繰り広げられる怪しい貴族の物語。 そのお城にはモニカ・ヴィッティ演ずる美しき女性が住んでいる。 ヴィッティはこのお城の主である暴君の妻だが、訪れる客人をことごとく誘惑する。 そんな美しき人妻に誘惑されれば、男なんぞひとたまりもない。 一瞬にして恋に落ちる主役のジャン=ルイ・トランティニャン。 しかし彼は妻と関係を持ったことが暴君の夫にバレて命を狙われることに。 孤島のお城という逃げ場の無い場所で命を狙われ、絶対絶命のトランティニャン。 さて、その結末はいかに?! とまぁ、話の展開はこんな感じであるが、ここから先は少し余談を・・・ 監督のロジェ・ヴァディムは、稀代のプレイボーイとしても知られた人物。 彼が今まで付き合ってきた女性はブリジッド・バルドーやジェーン・フォンダ、そしてカトリーヌ・ドヌーヴだ。 その名前を聞けば分かるとおり、女性に関してはかなりのメンクイ。 そしてセンスもいい。 そんな彼に主役に見出されたヴィッティも、これら二人の女優に負けず劣らず美しいが、本作の後にヴィッティとヴァディムが交際したという話は出ていない。 ロジェ・ヴァディムもさすがにヴィッティは口説けなかったのか?! それとも、アントニオーニの影響か?! それは当の二人にしか分からない・・・ [ビデオ(字幕)] 6点(2007-11-01 20:09:23)(良:1票) |
258. 幸福(1964)
《ネタバレ》 前半部分は、まさに“画に描いた様な幸せな家庭”を実写で見せている。 モーツァルトの調べにのってつむぎ出される暖かな映像は、観る者を夢見心地にさせる。 しかしながら、夫に愛人ができてからは雲行きが急変。 それに対する妻の対応は、まったく不満のかけらもみせない慎ましやかなものだったが、自殺という形で激しく抵抗してみせた。 ソフトな雰囲気を漂わせながらも、強い衝撃を与えてくる作品だった。 これが女性監督により撮られたというところに、価値を感じる。 男の独善的な愛を、隠喩めいたストーリーの内に表現し、批判してみせた。 アニエス・ヴァルダの、その痛烈なまでの見事な手腕に脱帽する他ない。 [DVD(字幕)] 6点(2007-10-26 16:27:03)(良:1票) |
259. 華岡青洲の妻
高峰秀子と若尾文子のバトルは、聞きしに勝る壮絶なものでした。 市川雷蔵はトップクレジットながらやや控えめな役どころを巧く演じていました。 ただ、他の作品で見られた様な雷蔵のかっこよさは本作では観ることができませんでした。 そこが残念です。 どうしてなんでしょうか。 髪の毛がボサボサという設定が悪かったのか、それとも役どころが地味過ぎたのか?! 雷蔵ファンの私としては、理由はともかく残念で仕方ありません。 しかし若尾文子は、やはり健気に尽くす妻役を演じると、右に出るものはいませんね。 ただ真面目な妻になるのではなく、そこにエロティシズムまで浮かばせるのが凄いの一言です。 [DVD(邦画)] 6点(2007-10-23 22:43:15)(良:1票) |
260. 人も歩けば
映画館で観ました。 ドタバタ喜劇は苦手な方なんですが、それを補うだけの面白さが本作にはありました。 なんと言っても、小林千登勢の美しさが印象的でした。 ご冥福をお祈り申し上げます。 [映画館(邦画)] 6点(2007-10-15 19:37:36) |