241. 童貞放浪記
せっかく山本浩司を起用しながら、なんでこんなことになるんでしょう・・・。致命的なのは相手役の女性の描き方。脚本がダメなのか、演出のセンスがないのか、女優の演技がヘタなのか、とにかく何もかもが薄っぺら過ぎて、ただのエロ映画に成り下がってました。話のテーマは面白し、リアルだし、これが山下監督なら・・・。アングルに凝ったり、映像に対する細かいこだわりはあるようですが、結局、作り手の自己満足的な印象しか残りませんでした。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2013-12-27 14:40:56) |
242. セロ弾きのゴーシュ(1982)
素晴らしいですね!セリフもほぼ原作通りだし、宮澤賢治の世界観を見事に表現していると思います。チェロの演奏シーンでは、運指がかなり正確なのには驚きました。最近のアニメならともかく、あの時代にここまでこだわっていたなんてすごいです。ただ「インドの虎狩り」の曲のイメージは、自分のとは少し違っていたのが残念でした。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2013-12-25 12:37:52) |
243. スライディング・ドア
地下鉄に乗れた&乗れなかった後のストーリーをそれぞれ並行して見せてラスト、というアイディアが面白かったです。でも途中の展開は平凡過ぎるのでは?退屈せずに最後まで見ましたが、もう一度DVDで観てみるほどではありません。たいして映画好きというわけでもない女性とデートで観るにはちょうどいいかも。個人的には、ヘレンよりもリディア役の女優の方が好きですね(笑) [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-12-19 22:37:38) |
244. バベットの晩餐会
ひさしぶりに見ました。何度見ても心にジワ~と沁みてくる、良い絵画を目にした時のような静かな感動をおぼえます。いつも寒々しい部屋で口論しているみんなが、美味しい料理を口にすると、「料理の話はしない」のに、心が温かくなって、ムードまで温まる。そういう雰囲気が素晴らしく素敵でした♪ ゴテゴテした余計なドラマ色を排しながらも観る側を飽きさせない大人向けの作り、傑作だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-12-13 21:50:03) |
245. 歓びを歌にのせて
音楽を中心に、関わる人々の人間模様を描くというパターンはよくありますが、肝心なのはその表現方法。聖歌隊がレベルアップしていく様子にまったく現実感がないため、話そのものに対する印象も、底の浅い内容に感じられ残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-12-11 16:03:47) |
246. カルラの歌
《ネタバレ》 重苦しい内容で辛かったですが、でも観て良かったです。理由はカルラがとても魅力的だったこと。辛く悲惨な話だっただけに、最後のカルラの歌がとても素敵に聴こえました。政治絡みで人々が苦しむ話はあまりにもやりきれないので、おそらくこの映画は2度と観ないでしょう。でもニカラグアの事情についてはもっと知りたいと思いました。血を流すことに賛成するわけではありませんが、そうした中からでしか得られないものがあるような・・・ [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-12-10 21:55:10) |
247. クリスマスのその夜に
とてもいい映画にめぐり会えました!画面の雪景色のように、静かな話の流れでありながら退屈ではなく、とても濃密で、ストーリーはハッピーではないのにジワ~っと心温まる群像ドラマです。複数の話が交じり合うわけでもなく、奇跡が起きるわけでもない、それがかえってリアルさを増していました。センスのいい映像、そしてラストの曲は最高でした!クリスマスに大切な人と過ごす場所、それが「home」ってことですかね?一般ウケを狙ったような底の浅いドラマ的展開やゴテゴテした装飾感を一切排除した、大人が楽しめるクリスマス映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2013-12-10 00:19:56) |
248. エリックを探して
なんとなく気持ちが入り切らないまま終わってしまいました。いい映画だとは思いますが、紙一重で自分の守備範囲外といった感じです。エリック・カントナのことやサッカーのこと、もう少し知っていれば印象が違ったかもしれません・・・ [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-12-09 21:53:55) |
249. 死の十字路
原作の面白さを上手に映像化した、いい作品だと思います。証拠物件やら目撃者やら都合よく出てき過ぎる・探偵が行方不明の兄さんにソックリ等、やや強引な設定ですが、犯人当ての内容ではなく、完全犯罪のつもりが徐々に綻びを見せ始め、追い詰められていくところが見どころだと思うので、それほど気にはなりませんでした。乱歩の作品の中ではちょっと異色というか、やけに現代的でリアリティのある作品です。それにしても大坂志郎、ちょっとタバコ吸い過ぎ(笑) [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-12-07 15:28:50) |
250. 愛の神、エロス
ウォン・カーウァイ監督の「若き仕立屋の恋」、これはほんとに素晴らしい作品ですね!これ以上の感動が味わえる恋愛映画、しばらく出会えないんじゃないかと思えるほどの傑作でした。おかげで、あとの2本の印象、自分の中ではちょっと弱くなった感じでした。それにしても、もうちょっとマシな邦題はなかったのでしょうか?タイトルだけ見た時は「きっとB級エロ映画だろう」としか思えませんでした(笑) [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-11-23 20:21:42)(良:1票) |
251. ファム・ファタール(2002)
《ネタバレ》 これはかなり面白いですね! もしあの時、こんな行動をしていたらという『if』の話、その表現手段が夢オチ・・・となると、普通はトホホな内容になってしまいますが、これはその類の映画の中でも群を抜いて面白いです! 窃盗団を裏切って仲間に殺されかけた女・ロールが、どうやら主人と子供を亡くしたらしい女性・リリーの家のベッドで目を覚まします。テレビのニュースが「夢で未来を見たら人生は変わるでしょうか」という、この映画の主題のセリフが流れ、そしてお風呂に入ると・・・。 その時の時間が3時33分。その後、結婚式が行われている教会の時計も3時33分、パパラッチが警察に捕まって取調べを受けている部屋の時計も3時33分。つまり、「これは夢の中のストーリー」であることを示唆しているのでしょう。また、窃盗団のリーダーが7年の服役を終えて出所すると、例の事件の日と同じ服で、シャツには血がついたまま・・・。これは、ロールが最後に見た彼の姿。これで明らかに「現実ではない」ことが示されています。 作り手が「これに気付く人はいるかな?さあ、これでわかったかな?」とニヤニヤしながら作っていた様子が手に取るようにわかります(笑) ロールがリリーの自殺を止めた結果、リリーはニューヨークで新生活を送ることになり、引越しトラックの運転手にペンダントをプレゼントします。それが運命を大きく変えるラストへ。そして最後に、転んだロールをパパラッチが助けて「あれ?どこかで会ったような・・・」「夢の中でね」。映画におけるこういう遊び、大好きです! [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-11-12 22:02:30) |
252. ミケランジェロの暗号
自分が、ユダヤとナチスの関係や、あの時代のヨーロッパ事情に疎いために、印象としてはいまひとつ・・・という感じになってしまいました。おそらくもっと、心理的な葛藤などが表現されていたんでしょうねぇ。ミステリーとしての内容は薄く、ラストも期待したほどではありませんでした。悪い映画ではないと思いますが、自分には合わなかった、そんなところです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-11-11 18:18:29) |
253. 二十四の瞳(1954)
《ネタバレ》 初めて観たのは小学生の頃で、「感動して泣く」ということが自分的に恥ずかしいと感じる年頃だったにも関わらず、号泣でした。数年後にももう一度観ましたが、初めて観た時の感動をそのまま持っていたいので、もうそれ以来観ていません。この作品を子供の頃に観たのは運が良かったと思います。もしいま初めて観たとしたら、しょーもない映画論や大人的な理屈を持ち出したり、素直に感動する心がなくなっていて、10点はつけられなかったかもしれません。 [地上波(邦画)] 10点(2013-10-28 21:15:34)(良:1票) |
254. ドライビング Miss デイジー
徐々に距離が縮まっていく2人の関係を、様々な重い問題を堅苦しくなく織り交ぜながら、素敵に描いた良い作品です。シンプルな話なのに飽きることもなく、意外な展開もないのに目が離せませんでした。見終わったあとは、心が成長したような気分でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-28 20:52:42) |
255. あしたのパスタはアルデンテ
《ネタバレ》 このマヌケな邦題のおかげで観るのをスルーしそうになりました。まるでアイドル主演のB級ラブコメみたいなタイトルですが、実はかなり上質のヒューマン系ドラマです。原題の「Mine Vaganti」とは、機雷とか爆弾とかいう意味らしく、「なるほど、うまいタイトルだ」と思いました。いろいろなサイトで「コメディ映画」と紹介されていますが、ドタバタ劇ではなく「笑いあり涙ありのイタリアホームドラマ」といった印象。アメリカ映画などによくある、過剰なドラマ仕立てや演出とはひと味違うテイストです。正直、途中まではちょっと退屈で、消化不良のようなところもあったものの、後半、主人公トンマーゾの告白からおばあちゃんの死、そしてラストまでの数十分で一気に引き込まれました。ただ、美人のアルバは、登場のインパクトからすると、もっと話の展開の軸になるのかと思っていたら、そうでもなかったところがちょっと不満・・・。音楽はとても良かったです。主題歌である「五万粒の涙」の“♪チンクワンタミーラ~”というフレーズが耳から離れません(笑)。ポップスだけどカンツォーネ風なところがイタリアらしくていいですね。好き嫌いはあるでしょうが、映画そのもののクオリティーはとても高いと思います。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-10-22 10:43:55)(良:1票) |
256. メッセンジャー(1999)
なんのひねりもないベタな内容でしたが、5人が集まるあたりからテンポ感も増して一気に面白くなりました。こういう娯楽映画は、見終わって「あー面白かった!」のひと言で充分でしょう。あれこれと批評するようなものでもないかと・・・(笑) [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-10-05 12:35:22)(良:1票) |
257. 桐島、部活やめるってよ
《ネタバレ》 最初に観た時はちょっと消化不良気味でしたが、なんとなく気になっていたのでもう一度観ると、面白さをじっくり味わうことができました!「できるヤツは何でもできるし、できないヤツは何もできない」という前ふりのセリフ、そして屋上での「デキるヤツ」が「デキないヤツ」の前で流す涙、それをつなぐ「ドラフトまでは引退しない」野球部のキャプテンのくだり、ラストの野球部の練習への話の展開がとても良かったです。 [DVD(邦画)] 9点(2013-09-29 22:27:40) |
258. ラブホテル
山口百恵ともんたよしのりの曲が効果的に使われているのが印象的でした。この時代、滑稽なくらい自分に酔ってるタイプの女性、多かったですね。その描写と主役女優の演技力の低さが妙にかみ合っていて、ちょっと鼻につきましたが、ポルノ映画というジャンルで扱われるにはもったいないほどの、いい映画だと思います。個人的には、主役の二人よりも、寺田農の別れた奥さん役の人に惹かれました。控えめでありながらも存在感があり、もう一度この映画を観たいという気にさせてくれました。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-09-28 20:35:21) |
259. リアリズムの宿
《ネタバレ》 予想を大きく上回るクオリティの高さに驚きました。映画やドラマの「作り物」的な要素を排除して、演出と役者の演技力で日常の中の可笑しさ・滑稽さを表現する山下監督、やっぱりすごいです!セリフやアクションではなく、沈黙とか、バツの悪さで笑わせるのってそう簡単ではないはず。それをさりげなくやってしまうセンスはさすがとしか言いようがありません。特に、あのタイミングでの「異邦人」、あれこそが「リアルな笑い」ですよね? [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-08-18 19:44:15) |
260. THE 有頂天ホテル
最初は無関係だったいろいろなパーツが徐々に絡まり始め、最後はひとつにまとまってめでたしめでたし・・・という、三谷幸喜お得意のパターン。これ、舞台で観たら面白いでしょうねぇ。ただ、今回はちょっといろんな人物を登場させ過ぎて、これといった落としどころがなかったような印象でした。それにもうちょっと尺を縮めた方が良かったのでは?でも気楽に楽しみたい時にはピッタリの映画だと思います。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-17 18:39:49) |