281. 機動警察パトレイバー2 the Movie
《ネタバレ》 初期OVA第5話・6話のリメイク版。 戦争という物がいつ始まるのかではなく常に始まっているという 平和ボケした日本人に対しての痛烈な批判に満ちた作品だ。 柘植行人(告げゆく人という暗示)なる元自衛隊員の 過去の無慈悲な体験(PKO海外派遣でレイバー隊を指揮し専守防衛により部隊が全滅)により 祖国に舞い戻り潜伏してたった1発のミサイルで擬似戦争状態を演出し 首都圏をパニックに陥れようと画策。 事態は米軍による再占領スレスレの状況にまで追い込まれてしまった・・・。 メインキャラが既に大人であり(前作までの漫画然とした雰囲気は限りなく薄い) アニメというよりは実写にする事ができない(諸般の事情)アニメというべきか。 事件の陰の首謀者だった荒川の放った言葉「正義の戦争と不正義の平和にそう大差は無い」 「この国はもう一度戦後から出発するのさ」等かなり過激な言葉が連発して ドラマに一層緊迫感を与えている。 後藤が上司の煮え切らない(現状把握のできない)態度に怒り爆発し 「だからぁ!遅すぎたと言っているんだぁ!!」 と叫んだ瞬間に見ていた自分も本当の現実に引き摺り降ろされた感覚を覚えた。 ラストに首謀者柘植の放った言葉「まだ見たかったのかも知れんな、この国の未来を」 何様のつもりかという怒りの底に【許された】と感じたのは私だけではない筈。 [DVD(字幕)] 9点(2003-11-21 22:28:01) |
282. ファイト・クラブ
《ネタバレ》 とにかくイッちゃってる映画。ここまで空虚な気分になれるのか?エドワート・ノートンが自分の顔や体を殴って上司に反抗するシーン等は滑稽ではあるが人の心の奥底の恐怖を別の角度から捉えたシーン。映画という枠の中で血を見るのが耐えられる人でも目を背けたくなる様なショッキングな場面が目白押しである。少々やり過ぎな感も否めなくはないが、今という時代の空気に合っている映画ではないのか。 7点(2003-11-19 23:31:27) |
283. 機動警察パトレイバー
《ネタバレ》 この作品は初期OVA6作を観た後でないとと言うよりは 観ていないと面白味が沸かない映画だと思う。初心者には辛い設定だ。 自分はタイムリーに観る事ができた世代で今を思えばある意味幸せか。 押井守の作品に共通して現れるのが橋と鳥と犬。 この3点が何故好きなのかは余人の理解する所ではないが 象徴的な場面で非常にタイミング良く使われている。 伊藤和典の脚本であるが元々OVAの時代からのコンビ芸であり 非常にテンポ良くストーリーが展開する。 この当時からコンピューターに依存する社会を痛切に風刺しており 犯罪の全貌が見えた瞬間は薄ら寒さを覚えた。 野明をはじめ遊馬・シゲ・太田・進士・山崎・香貫花・後藤・南雲・榊等 お馴染みのメンバーがそれぞれの持ち味で画面狭しと暴れ廻る姿は OVAの時の姿とダブりある意味同窓会的な懐かしさで見入ることができる。 野明が方舟のメインシャフトを昇り終えた先に 鳩の大群の真ん中に佇むカラスが666の悪魔(サタン)を意味する 帆場の認識プレートを首から下げていて『グァー!』と鳴いたシーンには 飛び上がりそうな程ドキッとした。 今でも想い出す1シーンである。 [ビデオ(字幕)] 8点(2003-11-19 21:56:21) |
284. 幻魔大戦
《ネタバレ》 現在(いま)のアニメと違って当時のアニメの吹き替えは 経験のある声優さんがやっていただけあって声に迫力がありつい見入ってしまう。 原作とはまるで違う内容であるが自分はこちらの方が数倍面白いと思う。 大友克洋がまだ駆け出しの頃のキャラデザであるが 既にこの頃から他のアニメ作品と一線を画した特徴的なデザイン力だ。 超能力の見せ方としては一番オーソドックスな感じだが単純に楽しめる。 当時学生の頃、東丈が叫ぶ「絶対零度(ぜったいれいど)!!」とか ルナ姫の「円型誘導(えんけいゆうどう)~!!」とかの掛け声が クラスで流行った記憶がある。 また神の様な存在のフロイ役の吹き替えをしていたのは 『もののけ姫』でモロの君役をしていた美輪明弘が好演。 当時から妖しい声を出していて作品に強烈なスパイスを与えている。 カフーが丈の【絶対零度】にヤラれて凍りつき崩れていく様は 物凄い重量感に溢れていてアニメならではの描写だ。 美術も素晴らしく富士山の爆発して歪な姿やNYの街並みの崩れ方など 観る者に圧倒的な存在感を与えてくれる画力だ。 最後に東丈の姉・三千子の超能力【残留思念】には 背筋が凍るほどの怖さと猛々しさが両立していて一番印象に残っている。 母(丈の立場上)は強しといったところか。 [DVD(字幕)] 8点(2003-11-19 20:29:44) |
285. ミッドナイト・ラン
《ネタバレ》 デ・ニーロの演技極まれり!といった賛辞を拍手を交えて贈りたくなる良質なコメディ作品だ。 ロードムービーとしてこれ程の娯楽に徹した作品は数少なく正に珠玉の1本だと思う。 こういう完成度の高い作品に共通している事の一つとして、 いわゆる「心に残る名台詞」の多さがこの作品には見事に当て嵌まる。 追跡劇の中で度々ジャックに手玉に取られその度に部下から連絡が入った時の 「悪い知らせか?」と言うモーズリFBI捜査官。 何度も誤認逮捕されてしまうマービィンが空港でジャックに放つ言葉「タバコ盗まれるなよ。」 そして珍道中の中で奇妙な友情に芽生えたデュークに放つジャックの「来世で会おう!」。 どれも役者の顔が浮かび思わずニヤリとしてしまう。 私のレビューの評価方法の第一として挙げるとすれば忘れられないシーンの多さは その映画の評価に直結するものと確信する。 [DVD(字幕)] 10点(2003-11-19 00:00:15)(笑:1票) (良:1票) |
286. CUBE
《ネタバレ》 低予算映画ながらそつなくまとめている作品だ。バラバラに集められたかの様な登場人物達がそれぞれ一つの特殊技能を持っていて外界に閉鎖された空間を互いに力を合せながら(一方で疑いながら)ゴールを目指して謎を解いていく。およそ非現実的な殺され方もあるがドアを開けた瞬間のドキドキとした感覚は何ものにも変え難いスリルである。但し惜しむらくはこれだけ閉鎖空間を脱出する設定を軸に置いたストーリーにしたならば下手なサスペンスを盛り込まない素直な終わり方にして欲しかった。最終的に生き残った人物がおよそ一般的に考える主人公とは掛け離れた存在で感動【開放】には程遠い(差別をしている訳ではないので悪しからず)。 7点(2003-11-18 23:04:56)(良:1票) |
287. ザ・ワイルド
《ネタバレ》 アンソニー・ホプキンス=食べるという方程式がプンプン臭う。 まぁ別に狙った訳ではないと思うが、本人も些か乗り気なとこも(笑)。 それにしてもツッコミドコロ満載の作品で上げるとキリがない。 いくらサバイバル状態に追い込まれたからといって襲ってくる熊を 逆に襲って終いには食べるという発想をするか?とか 血が付いたシャツを樹に吊るして干して置いたからって嗅ぎ付けてくるのか?とか。 アレックとの疑心暗鬼+葛藤状態をもう少し深く掘り下げてくれたら 結構いい作品になれたのでは。 ラストあれだけの体験をして助けられて記者団に涙ぐみながら会見をしていたが、 涙ぐむ描写の背景が意味判らない。 単純に助けられたのが嬉しいという理由であるならば些か稚拙過ぎるのでは? 熊の演技に3点。アンソニー・ホプキンスの頑張りに1点。 [DVD(字幕)] 4点(2003-11-18 22:02:46) |
288. ソードフィッシュ
《ネタバレ》 トラボルタの非常識的な立ち廻りとヒュー・ジャックマンの常識的な感覚がぶつかり合う映像トリック満載の作品だ。 のっけから爆弾を体に括り付けられた女性が悲鳴と共に爆発して消えて無くなるシーンには 一人で見る分には耐えられるが彼女と一緒に観た私には何とも後味の悪さを覚えた。 ハル・ベリーが吊るされて死ぬシーンがあるがあの状態になりながら生きているのは何とも? いくら「錯覚=ミスディレクション」とはいえ(落ち葉を隠すなら森の中に隠せという格言もあるが)説明がつかないと思う。 それにしても長髪にして悪どさが増すのはトラボルタぐらいではないかと思うが皆さんは如何か? [映画館(字幕)] 6点(2003-11-18 20:55:00) |
289. セブン
デビット・フィンチャー独特の銀シャリ映像。 序盤~犯人自首までをアオリの視点で描き、 ラストの現場に行く過程をドン引きの俯瞰映像を多用し客観的にみせて臨場感をあおる。 相変わらず他の監督と一線を画したカメラワークで存在感がある。 ブラット・ピットの出世作であるが彼の殺伐とした演技が モーガン・フリーマンの演技と対照的でメリハリがある。 キリストの7つの大罪を見立てた猟奇的連続殺人事件を新人刑事と 定年間近のベテラン刑事がお互いに協力(時に反目)しあいながら事件の謎を解いていく。 冒頭からドス暗く陰鬱とした映像を『陰』の要素として印象付けておき 唯一、ブラピ&パルトロウ夫妻の明るい平均的な家庭を『陽』と描いておいて 最後に観るものを絶望のドン底に突き落とし激しく拒絶するという容赦の無さが 何とも秀逸でありサイコサスペンス物としては最高の展開だと思う。 [DVD(字幕)] 9点(2003-11-18 19:04:16) |
290. スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃
《ネタバレ》 エピソード1にてアナキンの少年時代を掘り起こし今回の作品でアナキンの青年時代を描いている訳だが、ダークサイドに陥る過程が余りにも稚拙なストーリーで新しさが感じられない。これでも一流監督(およそ世間一般的に)が練り上げ考えたストーリーなのかと疑ってしまう。オビワンのダメぶり(ホントにジェダイマスター?)やアナキンの普通過ぎる(単にオビワンの躾方がなってないだけ)ダークさ、ヨーダの意外なダメぶり(アナキンの行動には目を配っているが、皇帝の策略にはまるで気付けない)完全脇役のボバ・フェットが異常に目立ち(旧作ファンが喜ぶだけのキャラ?)先の読める展開の道化キャラC3-PO(古典的なギャグで眠くなるだけ)空飛んでる!R2-D2(飛んじゃいかんでしょ)等々挙げ出したらキリがない。唯一救いがあるのがドゥークー伯爵演じるクリストファーリー。相変わらず渋い役柄を演じているけど、この人の方が皇帝より強いのではないのかと思ってしまうぐらいの迫力。最後にヨーダが今まで想像もした事がない様な動きでドゥークー伯爵と一騎討ちを演じていたが、セガのゲームキャラ・ソニックを連想してしまったのは私だけではない筈(笑)。 4点(2003-11-17 23:37:24)(笑:1票) (良:1票) |
291. マトリックス レボリューションズ
結局このマトリックス3部作というのは最後までパクリだった。 自分がアニメ好きだからという訳ではないが強引なまとめ方をすると ドラゴンボール+ガンダム+ナウシカ÷3+α=マトリックス3部作となるのでは。 先ずネオ対スミスはドラゴンボールの悟空対ベジータ、 ミフネ操るプチモビルスーツはガンダム(ガンタンク)、 ネオが最後にマトリックスの親玉フェイスに取引してスミスを打ち破ったあとの 神々しいばかりのシーンはナウシカの最後のシーンそっくり! それぞれのメディアの良い所ばかりを集めて抽出し 暖め直したシチューの様な作品だと言ってしまえばそれまでか。 決して悪い(駄作)作品とは言えないが、オリジナリティの無い作品だと思う。 それにしてもオラクル役のグロリア・フォスターが1&2でいい味を出していたのだが 途中で逝去されたのが非常に悔やまれる。 もしかすると金儲け以外の目的で2&3を2つに分けなければならなかった理由は この女優が亡くなったが故の苦肉の策を余儀なくされたのか? スミスにドラゴンボール(くどくて御免)のセルの如く飲み込まれて ネオに打ち破られて開放されてしまう様な無様な扱いをされるのを 予見しての死だったのか・・・そんな事有り得ないと思うが、 映画のキーマンを取り違えた役割(ベインの様な脇役に映画全体の軸を担わせる程 印象付けられていない)を脇に与える様な監督というのは やはり未熟と言わざるを得ないのか。 何れにしろ一つの御祭りだったという事ですかね。 [映画館(字幕)] 4点(2003-11-17 21:20:37) |
292. ブレイド2
このキレのある剣技の僅か一片でもいいからルーカスに見習えと言いたい。 話はB級だけどアクションは超A級というアンバランスな作品。 でもそれがイイ(  ̄ー ̄)y-'~~~ [DVD(字幕)] 6点(2003-01-05 00:40:02) |
293. マイノリティ・リポート
いやぁ!映画興行のつらいところで観た後にお金を返して貰いたいなと思ってしまいました。 最近のCMのパターンで観た人(?)に感想を聞いてるけど あの人達は絶対配給会社の廻し者だと思う。 提灯評価の人の意見ばかりでなく私の様な人の意見もインタビューしてくれれば信用できる。 今回確信できた事は、やっぱりスピルバーグの映画は稚拙で見る気になれないと。 ただ単にオシリが痛くなっただけで何も得る物が無いという 典型的なハリウッド映画で締め括ろう。 [映画館(字幕)] 3点(2003-01-01 02:31:32) |