281. チャップリンのカルメン
《ネタバレ》 バスター・キートンが「恋愛三代記」で「イントレランス」や「ベン・ハー」のパロディをしたように、それに先駆けてチャップリンもラオール・ウォルシュやセシル・B・デミルの「カルメン」をパロディした本作を撮った。 少なくともウォルシュのゼダ・バラやデミルのジェラルディン・ファーラーよりもエドナ・パーヴァイアンスの方が魅力を感じる。ストーリーはデミル版とそっくり。 でも抜いたサーベルが折れていたり、それをナイフ代わりにツンツンやったり、手の叩きあい、踊り、門の戸口でカルメンではなく男とブチュッとやってしまう、カルメンとやっとキスできるかと思ったら部下や住人が次々に来て中々情事を行えない、キャットファイトがボクシングに発展、石頭で曲がってしまうサーベル、踊るような殺陣、背負い投げ、レスリングにターザン、マタドール。 ラストも「これはコメディですから」という具合にデミル版と違う結末。 しかしその直前まで本当にシリアスな空気が流れていたからなあ。切り替えの凄さはやはり役者。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-22 23:56:13) |
282. チャップリンの掃除夫
《ネタバレ》 俺としてはチャップリンの短編の中では「犬の生活」や「偽牧師」辺りに匹敵する傑作の一つだと思う。 キーストンのドタバタ喜劇から、チャップリン特有の笑いに進化しつつあった転換点とも言える作品。 チャップリンが銀行に来ると、金庫を開けて取り出したのは何とバケツとモップ。船員の服装に着替えて銀行の掃除にあたる。船の舵みたいな金庫のハンドル。 それを意味ありげな無表情で黙々とやるんだから(キートンかおのれは)。 つうか金庫をロッカー代わりに使うなよ・・・安全だけどさ。この件だけでも大爆笑。 ビショビショのモップは鞭のように掃除夫仲間を襲う、ゴミの押し付け合い、殴り合い、プレス機?か何かで手を挟んでしまう、手紙が入らないから破って入れる(せめてハサミで切れよw)、つうか船員の格好をした意味は何なんだよ。 クライマックスで押し入った強盗と格闘・撃退してしまうチャップリン。この頃のチャップリンは戦闘能力が高い。 金庫に閉じ込めてしまう、エドナに言い寄っていた男は逃げ腰でだらしない、チャップリンに惚れ直すエドナ。この作品のエドナはいつもよりちょっと勝手な印象。 確かにいつものエドナに比べると可愛げがないけど、それでもこのエドナがブスだとほざく奴はテメエの見る眼の無い眼球をほじくり出した方が速い。 まあ、あの“オチ”の後にエドナを見るとちょっと殴りたくもなるけどさ・・・w [DVD(字幕)] 9点(2014-12-22 23:53:05) |
283. アルコール夜通し転宅
《ネタバレ》 チャップリンとエドナが初共演を果たした作品。 酔っ払いの仲間とともにフラフラ歩くチャップリン、杖はいつも通り鞭のようにしなる、手当たり次第突き飛ばし、生えた草で歯磨き、噴水でうがい、千鳥足で蹴りまくり、杖と首をグイとやられるのは痛いし苦しい、穴から覗き、酔いつぶれた友達をイスにする、階段特に段差で転ぶのは凄い痛い。角に当たると特に。 段差でコケる、必殺兵器レンガの四連打、クイを打つようにレンガで殴る&投擲、エドナの寝巻き姿はちょっと色っポイ、チャップリンもズボンが落ちれば窓から落ちる。何で生きてんだよww この頃のチャップリンはたまにキートン地味た事をするねえ。 歯ブラシで靴磨き。何と言っていいのやら・・・。でも髪の“ブラシ”じゃねえ! 犬が隣の部屋から侵入、奥さんもべッドの下から出現。 酔っ払い同士の殴り合い再び、風呂にドボーンッ [DVD(字幕)] 8点(2014-12-22 23:50:41) |
284. COWBOY BEBOP カウボーイビバップ 天国の扉
《ネタバレ》 大規模なバイオテロ事件をめぐりビバップ号の面々がシリーズ随一の賞金首・ヴィンセントを追う。 エレクトラvsスパイクのモップによる徒手空拳、「マクロスプラス」を思い出すソードフィッシュのドッグファイト、フェイのおっぱ(ry スパイクもワケ有りなモジャモジャ頭だったが、ヴィンセントはもっとワケワカメでヤバイ奴。 ヴィンセントがフェイを強姦しなかったのはナノマシンの後遺症で息子がアウトか単なる美学か女に興味がないのか脚本家の都合(ry 近未来では余計に全時代のクラシック・コレクションと化したているであろう複葉機がガンガン飛んでフィナーレを締めくくる。 [DVD(邦画)] 9点(2014-12-22 23:47:00) |
285. クラッシャージョウ
《ネタバレ》 富野以外の安彦が手掛けたアニメで最高を一つ選ぶなら、「巨神ゴーグ」とこの作品。 同時期の「幻魔大戦」はビジュアルにちょっと懲りすぎた?反面、コッチはスペースオペラとしてアクションもストーリーもスピーディーで面白い、安彦の作画やその他豪華な面子の遊び心も爆発。だって冒頭から宇宙基地を爆発しながら現れるクラッシャージョウ一味。ディスコでも何処でも最後までアクション目白押し。 ジャケットは「ガンダム」に通じるダサカッコ良さ、酒に酔ったアルフィンがすんげー可愛い。マチュアさんもエロいです。 ルパン三世のパイロットフィルムの音楽を手掛けた事でも知られる前田憲男のサウンドは神がかっています。 竹村拓のジョウの演技も素晴らしい。 「ヴィナス戦記」の主人公のキャスティングも竹村にすれば良かったのに・・・なんて思ってしまう。というか、全部安彦の作画で「ダーティペア」1本見たかったなあ。 [DVD(邦画)] 9点(2014-12-22 22:20:09) |
286. ヴイナス戦記
《ネタバレ》 安彦良和のアニメは富野が監督以外は「クラッシャージョウ」や「巨神ゴーグ」がかなり面白いが、脂が乗った作画という点でいえばこの「ヴィナス戦記」は一見の価値がある。 ストーリーは原作の1部だけを詰め込みすぎた感じだが、ラストのバイク対決や主人公達の微妙な心理変化を表情だけで語る演出、戦車の重量感など見て損なし。安彦ファンなら見るべし。 プロのキャストではなく、アフレコでは“ド素人”となる俳優の起用はこの頃からあったのか。 今でも続く悪しき行事となってしまった事は残念。 [DVD(邦画)] 8点(2014-12-22 21:58:51) |
287. 不可能な世界への旅行
《ネタバレ》 「不可能を通る旅(LE VOYAGE A TRAVERS L'IMPOSSIBLE)」。 または「不可能な世界への旅行」。 今回見たのはカラー版。 「日蝕と太陽」や「月世界旅行」と似たプロセスを持ち、特に「月世界旅行」は姉妹作と言っても過言じゃないほど似ている。 意見が飛び交う会議、巨大な歯車が回り続けるスチームパンク的装置、天球、解けた鉄が流れ込む様子は「月世界旅行」よりもインパクトがある。 着々と準備が進み、駅での“自動ドア”?のやり取りなど興味深い。 男が荷物につまづき中々前に進めないといったコメディ要素の強い場面も。 出発した列車はうねるように走り続け、乗換と脱線・大破を繰り返しながら宇宙へと飛んでいく。後の「銀河鉄道の夜」あるいわ「銀河鉄道999」である。 「月世界旅行」でも見られた対象に近づいていくシークエンス。 今回は太陽の口の中に突っ込んでしまう一行。落下の衝撃とあの熱で死なないのは化物すぎてツッコム気力も失せる。 熱くて服を脱ぐシーンも露骨な人間アピールにしか感じられない。氷漬けになっても平気な面々だし。 そんな化物御一行並に頑丈な宇宙艇で“落下”し脱出。潜水艦モードで爆発してダイナミック帰還。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-22 21:40:52) |
288. 常識はずれの新たな争い
《ネタバレ》 メリエスのマジックもの。 二人の女性が黒いドレスに早代わりしたかと思いきや、その次には屈強な男二人が舞台に立つ。 先ほどの女性たちが男たちの後ろから出たり消えたり。 一瞬にして人形になったり紙になったり風船になってしぼんだりなどトリック撮影の冴えを感じさせる。 メリエスはこの後「Le Papillon fantast ique」等でよりトリック撮影を極めていく。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-22 21:37:55) |
289. ゴム頭の男
《ネタバレ》 「幾つもの頭を持つ男」とプロットが似ている作品。 男が扉を開けた場所から机を持ってくる。箱の中から“首”を出し、空気のチューブによってそれを膨らませて遊ぶ。 最後はもう一人の男が現れ、急激に膨らませ爆発させてしまう。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-22 21:36:25) |
290. ロベール=ウーダン劇場における婦人の雲隠れ
《ネタバレ》 メリエスのトリック撮影。 マジシャン、現れた女性に縞模様の布をかぶせて消し去り、ガイコツになったり元に戻したりする。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-22 20:54:28) |
291. 幾つもの頭を持つ男
《ネタバレ》 メリエスが自ら自分の頭をもぎ取ってしまい、頭だけになった分身が増えて会話や演奏をしたりする。 肝心の歌はマズいものだったらしく、メリエスはマンドリン?でその分身たちを潰してしまう。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-21 22:54:15) |
292. 一人オーケストラ
《ネタバレ》 後にバスター・キートンが「既席百人芸(一人百役)」でオマージュ&より進化させたギャグを披露した事でも知られる作品。 サイレント映画が誕生した当時は当然音楽は出ないが、音を視覚によって観客に伝えようとするメリエスの趣向(「音楽狂」とか)。 並べられた7つのイス、一人ずつ分身して別々の楽器まで用意してしまう分身たち。演奏が終わると、真ん中に座るメリエスに向かって分身は戻っていき、イスも中央で一つに“戻る”。 終盤でバックに出た巨大な扇は何だったんだろうか。あれの中央にイスが消えていく感じだったけど・・・。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-21 22:52:59) |
293. 日蝕と満月
《ネタバレ》 ジョルジュ・メリエスが「月世界旅行」「不可能を通る旅(不可能な世界への旅行)」に関連するアイデアで撮った宇宙ものの作品の一つ。上記と比べるとSF色は薄く、ファンタジーの色合いが強い。 冒頭の授業風景、居眠りした生徒を叩き起こす様子、顔を持った太陽と月が重なり通り過ぎるまでのシークエンス、それを見つめる博士達の眼が心配(今の時代は日蝕を肉眼で見ると危険だという事がハッキリ解っているけど、当時はまだそれを知らない人間もチラホラいた事だろう)、星や流れ星、月たちに乗る人々の語らい、月に“乗船”した人々、星同士がぶつかり揺りかごのように揺れる星、流星群に夢中で落下してしまう会長(このシリーズは大抵何かが、誰かが必ず“落ちる”)。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-21 22:38:44) |
294. 呪われた城
《ネタバレ》 ジョルジュ・メリエスによる1分にも満たない作品だが、今回見たカラー版の鮮やかな色彩が忘れられない。 基本プロットは「悪魔の館」とほぼ一緒。 後の「悪魔の館」にも出てきた白い布をまとった魔女やガイコツに甲冑の騎士。 次々と切り替わるシーンを綺麗な色彩で拝められたのは嬉しい。 メリエスの作品にはメリエス自ら着色したフィルムが幾つかあるが、この作品は最も色合いの素晴らしい作品ではないだろうか。 [DVD(字幕)] 8点(2014-12-21 22:36:32) |
295. 11人いる!
《ネタバレ》 原作の古臭いデザインをあえて採用し、動きで結構カッコ良くみせてくれる。 脚本も変な脱線がなく、見やすい。 冒頭のシーン、本来は10人の筈が「おい、11人いるぞ!」という場面でまず冷や汗。え?そうなのと観客はビックリ。疑心暗鬼のまま協力や仲間割れなど定石どおりの展開。 性別を自分で決められるという発想は凄い。 出崎は原作から逸脱する事無くキャラデザもシナリオも丁寧に90分内に仕上げた。反面、余りに忠実にやってしまいちょっと地味な印象も拭えない。 あと挿入歌は確実にいらない。 [DVD(邦画)] 8点(2014-12-21 22:32:32) |
296. 遠い国
《ネタバレ》 ガンファイトよりもドラマが一番の見所と言える作品。 ゴールドラッシュに沸く山間という舞台は後の「ペイルライダー」を連想させる。 ワイオミングからアラスカへと牛を運ぶ男二人。 西部で育てた牛を寒冷地で力強く育てようというフロンティア魂を強く感じる。 一人でもやってやるぞと孤独な危ういステュアート、それを支えるお喋りだが老獪なブレナン爺さん。 船員を銃で打ち下ろして逃亡、上陸後に牛に乗って脱出するステュアートが面白い。 街に付いた二人は街を治めるギャノン一味と関わり合ってしまう。 酒場の女主人と主人公を慕う女性二人の対照的なキャラも魅力的。 雪に覆われた雄大な自然、 追っ手との銃撃戦、 雪崩で別れる運命(雪崩にして随分デカイ塊があったような・・・)、 珍しく重傷を負うステュアート(奇襲とはいえ主人公補正のステュアートはともかく、ブレナン爺さんに傷を負わせるとは相当の手練。「荒野の決闘」のワード・ボンド並みの実力者か。) そしてラストの馬と鈴を利用した奇襲と決着。 ブレナン爺さんのため、街の人々のため、自分のために引き金を引く覚悟を決めたステュアートが力強い。 見事な決着だが、あのタイミングであの人が死ぬのはいささか腑に落ちない。 ブレナンは一足先に旅立つか、残していった“鈴”は最後までステュアートを助けてくれた。 [DVD(字幕)] 9点(2014-12-21 22:13:37) |
297. 機動戦士ガンダムF91
《ネタバレ》 元々はTV放送で26話の予定だったけど、急遽映画化が決まって無理矢理詰め込みすぎた作品となってしまった。 一応ハッピーエンドで話も解り易いが、何処か途中の話が幾らか抜けているんじゃないかと思うくらいツギハギのようなものも感じて消化不良気味だ。 安彦良和による作画と戦闘描写は圧巻。特にシーブックが初戦闘をする件とか、とにかくMS同士の戦闘が見たい人にはオススメ。 バグとアーサーと薬莢に当たって死ぬ人々の描写は最凶レベルのトラウマ。 でも少し性急にしすぎたのか、作画のムラやミスもタマにあるのが傷だ。 ただ、シービックが初戦闘するまで長く、クロスボーン・バンガードと連邦軍の戦闘ばかりで少し飽きてしまうだろう。 ニコニコ動画で戦闘シーンだけ見て入った人からは、本編のバランスの悪さに四苦八苦する事間違いなし。 登場人物やストーリーもかなり魅力的な部分がある反面、もっと要点を絞って余裕のある造りにするべきだった。 本編に不満がある人は是非とも「クロスボーン・ガンダム」を読む事をオススメします。 [DVD(邦画)] 8点(2014-12-21 22:05:17) |
298. 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
《ネタバレ》 俺は劇場版が気に入らない。 そりゃあ三枝の音楽は神だったよ。 出渕と庵野のメカデザも素晴らしい。 戦闘描写も流石富野だ。 νガンダムとサザビーの斬り合いで燃えない奴がいんのかよと。 ブライトの核ミサイル弾幕はたまげたなあ。 けど、北爪の絵は何処か平べったく感じる。 「Z」「ZZ」の頃はもう少し質感があった気がするけど今回はTV版のような厚みを感じられない。 かといって、今更安彦にシフトチェンジしても微妙だった気がする(というより「ヴィナス戦記」で鬼のような神作画の真っ最中でガンダムの原画までやったら今度こそ過労死する)。 いっそ「Z」の神OPを手掛けた梅津に全部書かせて「イデオン」みたいな無機質と絶望感ただよう怖い絵で描いた欲しかったかな。ま、そんなifはどう考えたって個人の妄想にすぎない。忘れてくれ。 だがな北爪。ブライトまで白目いれやがって。 でもチェーンは可愛い。ストーリーが良ければチェーンの可愛さで総てを許してしまえるほどの可愛さだ。 俺が気に入らないのは絵だけじゃない。ストーリーも微妙だった。 確かに最初から最後まで引っ張る演出で退屈はしなかった。 けど、本当に「ガンダム」を初代から「ZZ」まで見ている奴しか楽しめないと言ってもいい。 少なくとも初代を見ないと劇中のシャアの行動は意味不だ。キチガイ電波のマザロリシスのオッサンが地球に隕石落すんだぜ?しかも本音はアムロへの復讐だ。ハタ迷惑すぎる。 そんなに闘りたきゃ廃墟のコロニーに二人で篭って殴り合うなり斬り合うなり勝手にやれっての。 個人的にベルトーチカに出てもらった方がストーリー的にも良かったんじゃないかな。 いや、チェーンが嫌いだというんじゃない。むしろあんな可愛いメカニックすらブッ殺せる富野オ・ノーレ。いや、チェーンの件でキレていてはキリが無い。 事もあろうにアストナージまで…富野!おまえだ!いつもいつも脇から見ているだけで!人を弄んで! 大体アクシズ落す必要ねえじゃん。 そもそも地球の俗物を一掃するとか言ってる奴が一番のケダモノ。 己の私欲のために地球滅亡の危機招いといてアムロにボッコボコにされて部下にも「うわあ…」でいいとこまったくなし。 この映画を見た後にいっつも「機動戦士SDガンダム」の「今度は劇場で仕返ししてやる」のセリフを聞いて心を癒しています。 [DVD(邦画)] 8点(2014-12-21 21:58:34) |
299. ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
《ネタバレ》 いやーまさかここまでTV版に忠実とは。余りに忠実すぎて、TV版を知る人はダイジェストを見ているようで退屈する人も出てくるかも知れない。 でも、「エヴァ」入門には打って付け。 そしてレミエル戦はふつくし・・・パーフェクトだ、庵野。レミエルファンには最高の1本だと思う。 [DVD(邦画)] 8点(2014-12-21 21:51:31) |
300. 彼奴(きやつ)は顔役だ!
《ネタバレ》 「白熱」ほどの凄まじさとパワーは無いが、ラオール・ウォルシュ特有のスピーディーな展開とドラマで一気に引き込まれる。 中盤における倉庫襲撃シーンは豪快だし、レストランにおける流れるようなアクションも見事。 極悪人の筈のキャグニーが持つ銃はあくまで「脅し」であり、この頃冷酷な殺し屋だったボガートの持つ銃は「殺人の道具」だ。 この映画のキャグニーは正に「汚れた顔の天使」なんだよな。表向きは極悪人だけど、本当は誰よりも優しさを持っている。 そんな彼が倒れるラストシーンは、とても切なく哀しい。 マイケル・カーティス&ベン・ヘクトの「汚れた顔の天使」もメッチャ良いです。 [DVD(字幕)] 9点(2014-12-21 21:48:40) |