301. 自殺サークル
冒頭の集団飛び込み自殺シーンで一気に引き込まれる。この掴みからどう展開させるか見どころだけど、中盤のライブから雲行きが怪しくなって、ラストで「ハアッ!?」と叫んでしまった。謎を残したまま終わった映画は数あれど、これはただ意味不明なだけで、それすら投げ出して崇高な芸術と自画自賛しているあたり、かなりタチが悪い。 [DVD(邦画)] 1点(2015-01-02 11:34:42) |
302. シン・シティ
凄まじく暴力的で倫理的にダメな人は本当にダメな映画。自分は分かっているから、それでも構わないけど、原作に引っ張られたせいもあるのか、ユーモアはあっても陰惨さから抜け出ていない。それにロドリゲスも人の親になったのか、『フロム・ダスク~』のような勢いやパンチがなくなり物足りない。3つの物語のリンクも甘い。ただ、デジタル合成に新しい可能性を提示したことと見ている間は楽しかったので甘めな点数。続編は多分、見ない。 [映画館(字幕)] 7点(2014-12-21 12:12:09) |
303. キル・ビル Vol.2
「もっと暴れて欲しかった」というのが率直な感想。Vol.1で数多くのミーハーをドン引きさせる洗礼を与え、見る人を限らせてしまったら本末転倒。もっとも、観客に媚びさせることをしないタランティーノの姿勢には好感を持てるけど、最終章の尻すぼみ感が残念で仕方ない。「何で真面目になっちゃってるのよ?」と。Vol.1と併せて一本の映画として見ると正直バランスが悪い。3種類のエンドロールも流石にやり過ぎかな。パイ・メイの下での修行と対エル・ドライバー戦が良かっただけに消化不良感が残る。1・2を3時間でまとめたバージョンを希望。 [映画館(字幕)] 5点(2014-12-20 23:39:19) |
304. キル・ビル Vol.1(日本版)
高校生の時、「暴力描写が吐き気がするほど強烈」と聞いていたので覚悟はしていましたが、表現が漫画的である分、そこまで嫌悪感はありませんでした。ハイテンションでそうさせる暇すらない。むしろ時間軸シャッフルやアニメパート、表現としてモノクロ・シルエットの多用とありとあらゆる技巧を詰め込み、更にはプッシーワゴンから青葉屋までの美術の素晴らしさが行き渡り、相変わらずの選曲センスもあって、最後まで飽きさせないサービス精神で楽しめました。ただし、一見さん及びモラリストお断りの闇鍋パーティー。容赦ない人体破壊で笑いを取るのが許せない、意図的に日本を茶化す表現(エスニックジョーク)も許せない人にはまず無理ですし、劇画の世界なんだと許容できる人向けです。 今鑑賞したら評価が変わるかもしれません。 [映画館(字幕)] 8点(2014-12-20 23:24:24) |
305. ハンニバル・ライジング
ハリウッドはネタ切れなのか、何でもかんでも前日談がお好きなようで。結局、レクター博士のエピソード0も作られることになり、原作者が脚本を担当するも、信者が描いたような盲信ぶりに若きレクター博士に奥行きが感じられない。人食いになった理由が殺された妹の復讐という、映画史に残る悪役の割にはあまりにもショボすぎて。何故、怪物になったかは触れずに見る人の想像の余地を残すからこそ、そのキャラクターは永遠に輝くと思います。どちらかといえば、ギャスパー・ウリエルの熱演を堪能するアイドル映画として見れば楽しめるかも。これが成長するとアンソニー・ホプキンスになるのか……どう転んでもイメージが結び付きませぬ。 [DVD(字幕)] 4点(2014-12-20 22:08:26) |