321. レッツゴー!若大将
《ネタバレ》 あまり評判はよろしくないようですが、これもまた楽しめました。ここしばらく少なかった照子の出番が増えていて、澄子より照子派の私としては嬉しい限り(笑)。江口もただ出ているだけでなく、若大将に恋のアドバイスをして存在感を出しています。青大将もあいかわらず大活躍。損な役回りが多いのですが、本作ではスミちゃんを襲ったりしないし、若大将からは「親友」と呼ばれるし、最後の試合では澄子や照子から声援を送られたりと、いいところもあったりします。 本作でスミちゃんのライバルとなる美芳は、結局婚約者がいたというオチ。しかし、それで若大将に気があるように振る舞うのはどんなもんでしょうねー。あと、サッカーというのはボールの扱いだけで巧拙が出てしまうので、カメラアングルなどでごまかしていますが、隠しきれないところがあって残念。最後のゴールも、なにがどうなったのかよくわからずあ然としてしまいました。 岩内監督は、『エレキ』よりもよかったのではないでしょうか。二度目に「旅人よ」を歌う場面はセットの書き割りですが、この時の若大将の心理をうまく表しているようで、印象的でした。全般的に、このシリーズらしくサービス精神にあふれていたと思います。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-11-27 19:57:56) |
322. 薄桜記
《ネタバレ》 セリフが絶望的に聞き取りにくい。特にモノローグのところは、ぼそぼそ言っているだけでほとんど内容不明。テレビのボリュームを上げて対応しました。 お話の方はなんとも陰々滅々としていて、私の嫌いな「不幸の叩き売り」状態。しかしえてして日本人は、こういうのが好きなようですねぇ。「滅びの美学」(?)と言えば聞こえはいいんでしょうが、あまり高く評価できません。森監督の凝った映像はよかったです。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-11-25 22:23:49) |
323. アルプスの若大将
《ネタバレ》 冒頭、スキーをしたあと歌う若大将が延々と映し出されます。これだけ見れば、加山雄三のプライベートフィルムと言ってもおかしくない。ヨーロッパの観光地巡りなども、よく見ればドキュメンタリーっぽい作りなのですが、それがドラマとあまり相容れないです。若大将が歌うのはいつものことですが、今回は脈絡もなく歌いすぎという気がしてきました。見ているこちらが飽きてきたのかもしれませんが。後半のスキーの場面では、空撮でずっと追っていくのは面白いのですが、どうしても単調にならざるを得ません。スミちゃんのライバル2人は出番が少ないし、松原光子はちょっと華がない。ということでマイナス面も多いのですが、いつものパターンなのでそれなりに楽しめます。よかったのは、赤田を出して青大将がスミちゃんを襲わないようにしたことと、前作に続き、スミちゃんが自ら身を引く展開にしたこと。こうする方が、最後への流れがうまくいっていると思います。ただし前半のスミちゃんは、同じ人が監督した作品と同じく、わがまま勝手ぶりが目立ってこれも残念でした。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-11-22 16:54:21) |
324. 風雲児 織田信長
《ネタバレ》 全体は大きく3つに分かれていて、最初は平手政秀の自害まで、次が斎藤道三との会見、それ以降は桶狭間の合戦。やはり前半2つのエピソードがいいです。錦之介と月形龍之介・進藤英太郎とのやりとりが見もの。今川義元役の柳永二郎とは、からみがないですから……。それに、どうも後半は間延びした感じで、あまり面白味が感じられませんでした。お話の方は特にコメントするほどでもなく、役者の芝居を楽しむ映画でしょう。濃姫役の香川京子はとても奇麗なんですが、むしろ奇麗すぎ。蝮の娘らしい気の強いところを期待したのですが、それは感じられませんでした。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-11-19 21:46:57) |
325. 幸せのレシピ
オリジナル版でのマーサは依怙地で頑固で魅力にとぼしかったのですが、本作でのケイトはそのあたりが薄められています。演じたキャサリン・ゼタ=ジョーンズの個性もあるのでしょうが、親しみが持てます。対するニックも陽気で明るく、奇矯なところは見られません。ゾーイ役のアビゲイル・ブレスリンは、あいかわらず眼力があってお芝居も達者。ということで、『マーサの幸せレシピ』よりもよっぽど楽しめました。適度にユーモアがちりばめられているのもいいです。見ている方が幸せな気分になれそうな好編です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-11-17 19:21:06) |
326. エレキの若大将
《ネタバレ》 シリーズでも人気が高い作のようで、それは寺内タケシや内田裕也が出ていたり、「君といつまでも」のようなヒット曲が使われているということがあるのでしょうが、それを除いてもなかなか面白い。今回は音楽中心で、スポーツの方が脇にいって中途半端かとも思えるのですが、あまりそういう風には感じませんでした。この監督さんはいろいろとやりたがる人のようで、キャンプをセッティングする青大将の早回しは面白かったのですが、「君といつまでも」の場面でのシュールな演出は成功したかどうか疑問です。ただ、全体的にはよかったと思います。“ビートルズもどき”バンドの扱いや、若大将がアメラグ会場に戻ってくる方法など、笑わせてくれる場面も結構ありました。かなりサービス満点という気がして、そのあたりが高評価につながっているのではないでしょうか。久々に登場の北あけみは、お色気担当ではなく、お嬢様っぽい雰囲気が出ていてよかったです。しかし父親役は出番が少ないので、上原謙でなくてもよかったのではと思います。なんだか上原謙の扱いが悪いような気がします(笑)。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-11-16 11:17:18) |
327. 集団奉行所破り
《ネタバレ》 なかなかの秀作。大坂が舞台で、序盤はコメディタッチなのでお笑いものかと思いましたが、次第にシリアスな内容に。題名からするとアクションものに思えますが、話の芯には「人情噺」があり、主要人物の事情や背景が明らかになるにつれ、その比率も増えてきます。このお笑いからシリアスへの移行、そしてその両者を共通して支える、人としての情。そのからませ方がおみごとでした。メインの出演者はみな好演ですが、特に佐藤慶と桜町弘子は魅せましたし、大友柳太朗も格好良かったです。DVDが出ていないのがもったいないような、隠れた名編です。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-11-11 19:59:36) |
328. 十三人の刺客(1963)
《ネタバレ》 私もセリフが聞こえにくいところが残念でした。まあ、十三人もいると最初から全員にスポットを当てるのは期待していませんが、それにしても本当にどうでもいいような刺客もいましたねぇ。ほとんど区別がつかないのは、どうかと思います。 物語としては、「戦がなくなった時代の侍」を登場させ、それによって逆に侍のあり方や武士道を描く部分もあったのかもしれませんが、印象が弱い。戦いは全般的にリアルですが、どうもダラダラと長く続いたという気がします。舞台となる宿場の地理が全くわからず、今映っている場面がどのあたりなのか見当がつかないというのも、見ていて面白味が少ない。結局、物語もアクションも中途半端でした。 いちばんの見どころは豪華俳優陣で、特に千恵蔵VS内田良平はよかったと思います。アラカンの助演ぶりもおみごとですが、月形龍之介がいいところを占めていたと思います。西村晃もインパクトがありました。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-11-10 19:26:08) |
329. お熱いのがお好き
《ネタバレ》 ビリー・ワイルダーの作品って評判ほど笑えないものも少なくないのですが、これもそのクチ。当時はジャック・レモンが女装してるだけで大受けだったんでしょうけど。今見るとモノクロというのが致命的で、これは色々な意味でカラーでなければいけない映画ではなかろうかと思います。相手をだましてきたのにハッピーエンドとなるのも、好みに合いません。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-11-08 11:08:29) |
330. ボッカチオ'70
《ネタバレ》 基本的に、この手の話ってあんまり好みじゃないんですよね。つまらないというわけではありませんが。 印象的だったのは2話・4話。2話はお堅い人たちを揶揄しているバカバカしい話かと思っていたのですが、看板のモデルとの妄想あたりから雰囲気が変わってきて、かえってつまらなくなってしまいました。ミニチュアセットはよくできていたと思います。4話がいちばん楽しめました。あの若い男は物語の展開上必要なのでしょうが、演じている俳優のためか、あまり魅力的に感じられません。ソフィア・ローレンがなびくぐらいだから、もっといい男でないとね。しかし、彼女の仕事仲間の奥さんやクジに当たっちゃう気の弱そうなおじさんなど、それ以外の人物はなかなか魅力的でした。 1本約50分程度ですから、1時間ドラマを一ヶ月分続けて見たような案配ですね。そのせいか、長さの割にはボリューム感とか重厚さとかを感じませんでした。そもそも題材がそういう種類のものだと思いますし。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-11-04 21:00:51) |
331. イングリッシュ・ペイシェント
見終わってネットで調べた結果、アルマシーがハンガリー人だと気づきました。これでは内容についてきちんと理解できたかどうか、心許ないわけですが……。長時間でも見られましたが、それは撮影と音楽のおかげでしょう。時間に見合った作品だったかどうかは、「?」が付きます。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-11-03 09:37:19) |
332. 海の若大将
《ネタバレ》 監督がクレージー映画で有名な人に変わったためか、今までとはちょっと雰囲気が違う。なんとなくオーバーアクションというか、誇張されたように思われます。それが過ぎたるはなんとかで、やりすぎという感じ。終盤でのスミちゃんの暴走ぶりとか、何か違う気がする。このあたり、どこまでが脚本でどこからが演出の裁量なのか、よくわからないのですが。あと、停学を食らったはずの青大将が船を買ってもらったりとか、どうも強引な展開がみえます。そんなこんなで、今までのこのシリーズと比べると、ちょっと落ちるという感じ。あと、前作から丸2年経ったからか、スミちゃんが少々老け……、もとい、大人っぽくなった感じがします。藤山陽子も女子大生らしくなりましたね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-11-02 11:11:00) |
333. 劇場版タイムスクープハンター 安土城 最後の1日
《ネタバレ》 NHKの番組は、気になるテーマの回だけ見ています。「歴史に名を残さなかった人々の生活を取り上げる」というコンセプトは好きです。この劇場版でも、そのあたりはとりあえずキープできていたようで、その点はよかったです。 が、映画となるとやはり何か「大事件」を起こさないといけないようで、タイムスクープ社の社員が茶器を手に入れようとする展開になるのですが、無理やり感があってちょっとどうかと思います。これに伴って沢嶋たちが他の時代にもワープするわけですが、いちいち現地の人間と騒動を起こすのも、単に騒々しいだけでした。島井宗叱の改心など、お話としてはいい部分もありますが、全体としてかなりご都合主義の展開で、まあ半分コメディと思えば楽しめないこともないでしょう。出演者では、上島竜兵とカンニング竹山のお笑い2人がいい味を出していました。 結論としては、やはりテレビの30分の方が面白いと思います。作品のフォーマット自体が映画向きではないと思うんですよね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-10-28 19:51:33) |
334. 日本一の若大将
《ネタバレ》 これもなかなか面白かった。青大将は前2作と違い、江口に代わってマネージャー役を引き受けるので、出番も多い。しかもちゃらんぽらんなのでしょっちゅう騒動を起こす、澄ちゃんに横恋慕すると、作中で占める割合も大きいです。若大将と2人で話を引っ張っていくという印象。これは田中邦衛さんも人気が出るでしょう。女性陣では、団令子が田村奈巳に交代したのですが、星由里子・北あけみと並んでいると、違和感というかどうもしっくり来ない感じがしました。 話のテンポは速くポンポンと進み、観ているこちらを飽きさせません。前半の江口の恋愛話、後半の合宿での騒動など、展開が早くて楽しめました。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-10-25 19:41:04) |
335. 吸血鬼ドラキュラ
《ネタバレ》 まあまあ面白い。ジェームズ・バーナードの音楽がタイトルからしておどろおどろしく、戦慄するような内容を予期させるのですが、実際はどちらかというと雰囲気重視。ドラキュラが女性を襲う場面なども、あまりあからさまに描いていません。その一方で、序盤での女吸血鬼との争いや、終盤でのヘルシングとの対決など、見せるところはちゃんと見せてくれます。心臓に杭を打ち込む場面もしっかり2回出てきます。ドラキュラの最期も見ものでした。 それにしても、本作でのヘルシング先生(劇中では終始"Doctor"としか呼ばれていまぜん)は、知人の女性がドラキュラの被害に合うのを阻止できない、まるで金田一耕助のような役まわりでした。おかげでそんなに偉い先生とは思えなくなってくるのが少し残念。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-10-24 22:24:32) |
336. 銀座の若大将
《ネタバレ》 いやー、期待以上に楽しめました。本作では青大将の出番は少なく、単に嫌味な敵役という感じ。もっとも、試合で若大将を応援するあたりは、面白いです。お話はどちらかというと、若大将をめぐる恋のさや当てが中心。そのためか、今回は若大将も澄ちゃんに対して好意を持っていることを、はっきりさせています。こういうところがあるためか、明快な話なっていました。ライバル役では団令子が終盤でいいところを持っていきます(クレジットも、星由里子の前だし)。前作に比べると、かなり存在感が増しています。もうひとりの北あけみも、色っぽくてステキ。こうしたヒロイン連の競演が、本作の大きな魅力でした。 また、上原謙の出番も前作より多く、加山雄三とのからみも多くて楽しめます。久太郎と幼なじみという設定が利いていました。 最後の試合の場面では、細かいカット割りで、応援している客席を盛んに映していたのが印象的。めまぐるしいんですが、ボクシングをダラダラ映すよりはよかったと思います。ここでは妹役の中真千子がかわいくてチャーミング。全体として、女性が輝いている作品でした。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-10-14 19:22:21) |
337. クロムウェル~英国王への挑戦~
歴史物なので当然そのあたりの知識があった方が楽しめるでしょうが、なくてもそれなりに観られそうです。ただ、時代背景に関する説明は、ほとんどありません。 邦題はクロムウェルですが、内容的にはむしろフェアファックスが中心で、彼から見た清教徒革命とクロムウェルといった感じです。クロムウェルについては一応ニュートラルな立場をとっているようですが、後半はやや悪役じみた描き方をしています。 特に前半は話の進行が早く、飽きたりすることはありませんでしたが、筋を追うのが中心で人物描写に深みが欠ける気がしました。いわゆる「重厚さに欠ける」というやつです。原題が"To Kill a King"ですが、この"King"にクロムウェルも掛けているようなところもあり、そのあたりは興味深かったです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-10-12 18:10:48) |
338. 渡り鳥北へ帰る
《ネタバレ》 冒頭、滝伸次がなんと飛行機で函館へ。ここからして、これまでのシリーズとはまったく違います。また、旅先でたまたま出会った悪党を懲らしめるというのがパターンでしたが、本作では殺された親友の仇討ちという、個人的な理由で動いています。それやこれやでシリーズとしては異色作で、それで面白ければいいのですが、どうもいまいち……というより「いまさん」ぐらい? 内田良平は敵のボスとしてはなんだか頼りないし、ライバルも宍戸錠や藤村有弘のようなおちゃらけキャラでないので、爽快感に欠けます。終盤もどこかで見たような展開ですし。もう終わるから、その辺は適当にしといたのかもしれません。シリーズとしては、淋しい終わり方です。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-10-05 10:09:23) |
339. 北国の帝王
《ネタバレ》 なかなか硬派の映画ですな。男にとって重要なことは「誇りと品性」であるということを、2時間かけて描いています。大恐慌時代というのはあくまで背景ですし、列車の無賃乗車も単なる手段というか、「誇り」を描くための一例にすぎない。日本でも「武士は食わねど高楊枝」と言いますが、男には金がなくとも捨ててはいけないものがあるという、心意気がすばらしい(女性にあるのかどうか、それはよくわかりません)。たしかに無賃乗車というのは犯罪ですが、そうした行為にも誇りを持ち、品格を持って臨む。だからこそ、A・ナンバーワンは“帝王”と呼ばれるのです。シャックもシガレットも、帝王の前ではただの俗物。「高貴な魂」の輝きを見せてくれた作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-09-29 22:20:12) |
340. 大海原を行く渡り鳥
これまでの作品に比べると、かなりいまいち。やっぱり主人公が味方する側のドラマが弱いです。藤村有弘は面白くて、あれはあれなりによかったです。しかし「大海原を行く」って、最後だけだな……。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-09-28 10:27:34) |