Menu
 > レビュワー
 > 鱗歌 さんの口コミ一覧。2ページ目
鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3888
性別 男性
年齢 53歳

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1940年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234
投稿日付順1234
変更日付順1234
>> カレンダー表示
>> 通常表示
21.  壮烈第七騎兵隊
超いい加減なお調子者の主人公が登場、その名前はカスター。と聞けば、あーこんなにもいい加減だから後々、第七騎兵隊全滅するハメになっちゃったんじゃないの、と心配になろうってもんですが、こういう欠点も含めてカスター像をしっかり描いていくことで、彼の魅力も膨らんできて、クライマックスの死闘は大いに盛り上がるのです。それにしてもこういうテキトーな主人公役に、エロール・フリンはぴったりですな。 カスターをあまりに善人として描きすぎでは、とかいう批判はさておいて、この映画の中での「カスター」は完結した人物として、確かな魅力を放っている、それでよいのではないかと。クレイジー・ホース役の気難しげなアンソニー・クインとの対比。 クライマックスの戦闘シーンはかなりダイナミックで盛り上がります。側面から捉える騎馬の迫力ってのもあるけれど、戦闘の模様を幾何的に描く俯瞰の構図も面白い。そんでもって、それとは対照的に、屋内シーンでふんぞり返る軍人の姿を尊大ぶって描くような、ローアングルのカメラ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-07-01 02:33:52)
22.  アパッチ砦
優等生顔のヘンリー・フォンダが映画の中でヒドい目に合うと、大抵、なんだか溜飲が下がる気持ちになったりするもんで、そういう意味で貴重な俳優さんだと思っているのです。本作でもしっかりラストでヒドい目にあってくれるのですが、本作の場合にはどうにもやり切れなさ、虚しさが残ります。どっちかというと、ここでは超堅物の憎まれ役で、特にアパッチ族との間を取り持とうとするジョン・ウェインの存在により、ますます、困った頑固オヤジぶりが際立ちます(ジョン・ウェインが優等生役でも不思議と憎たらしくは感じませんね。似合わないけど)。 むしろ、中盤のユーモアやロマンスによって、物語に大きな幅を持たせていることで、ヘンリー・フォンダ演じる中佐の存在もうまく物語に包み込んでおります。そして、彼の言動が、単にエキセントリックなものではなく、何か、自らの弱さに裏打ちされた強がり、とでもいうようなものを感じさせるが故に、ラストの悲劇が、ああ、何とかならなかったものか、という虚しさを伴って、心に響いてくる。ま、自業自得と言えばそうなんだけど、それでもなお彼の悲劇を悼むような、このラスト。 これ、ニューシネマの先駆けとか言っちゃあ、ダメですか。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2017-05-16 22:58:27)
23.  わが青春に悔なし
冒頭、京大事件(滝川事件)をモデルにした物語であることが示されるけれど、内容的にはその後日談のような展開が中心で、弾圧による夫の死と、残された妻が力強く生きていこうとする姿が描かれます。後半、スパイの身内として冷たい視線を浴びつつも、農作業に励む原節子の姿が、これでもかこれでもかと描かれる、このあたりのプロレタリアートな感じが、例によって例のごとく、もうホラー一歩手前なんですけれども。 あまりこの路線を突き進むと、都会生活よりも田舎の農作業の方が尊いんだ、みたいな感じになってきちゃって、胡散臭くもなるのですが、農作業の後、川で休める手と、ピアノを弾く手とが呼応し、うまく回帰していく。いや、それより何より、後半の迫力自体が、そんな胡散臭さなど吹っ飛ばしてしまう訳ですけれども。もの凄い「怒り」のようなものが、感じられます。 そして実際、この泥まみれで働き続ける原節子の美しさ。最初の方でうわー変な髪型だなあと思ってたら(失礼)、その布石だったか、と。 なんと、杉村春子ですら美しく見えてきてしまう、ってそんなアホな(って、そんな失礼な)。 ところでタイトルに「青春」なんていう言葉を入れちゃうのは、どうなんですかね。実際の内容よりだいぶ甘い印象になってしまいますが。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2017-04-23 09:43:07)
24.  郵便配達は二度ベルを鳴らす(1946)
原作の魅力を支えているのは、粗暴・粗野・素朴で、教養があるとは言えない主人公の一人称の語り(巧みな文章というよりも、ストレートで、であるが故にハードボイルドな語り)にあるのでしょうが、本作、どういう魅力をここで表現しようとしているのやら。多少のアレンジがなされているとは言え、一通りストーリーをなぞってみただけ、という印象。ついでにタイトルにも強引に意味を持たせてみて、その努力、涙ぐましくはあるけれど。 暴力性も感じさせず、虚無感も乏しく、総じて、張り合いのないくらいにおとなしい映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2016-10-24 14:37:31)
25.  三人の騎士
オムニバス作品、というか、個々のエピソードにストーリーが無くなっていって、もはやドナルドダックが悪いクスリやってトリップしてしまったような作品です。と思って観れば(そんな事思う必要ないですが)、賑やかに歌って踊ってドタバタして、楽しい作品。手描きした線路を汽車が走ったりする、アニメーションならではのハチャメチャな世界をスピーディに見せたり、はたまた一方では、実写とアニメとが絡み合い、のんきにじゃれ合って見せたり。 さすがにコレは脈絡なさすぎでしょう、と思わんではないけれど、楽しけりゃ脈絡なんて無くってもいいじゃないの。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2016-10-23 08:24:07)
26.  カンサス騎兵隊
ごんべさんの赤ちゃんがカゼひいた~でお馴染みの、奴隷解放活動家ジョン・ブラウンが、ここではだいぶイッチャッてる原理主義者として描かれてます。目をギラつかせたその顔からあふれ出る、強固な意志。そして、その彼に立ち向かう騎兵隊の若造ふたり、これがエロール・フリンとレーガン大統領。マヌケ面が(失礼)なんとも頼りないのです。逆に言えば、彼らのプチ成長物語でもある訳ですが、ま、さほど成長はいたしません、ハイ。 それはともかく、片や狂信的なジョン・ブラウン、片や甘っちょろいところのある若き兵士、その間には、騎兵隊を追い出されブラウンの手下になった者がいたり、逆にブラウンに愛想をつかす息子がいたり、そして何といっても、両者の争いに巻き込まれる形で運命を左右される黒人たちがいたりする、というあたりには、ドラマの多層性というものも幾分、感じられます。 が、理屈抜きに、やっぱり見どころは戦闘シーンですかね。ちょっとした戦争映画です、これは。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-09-12 22:25:28)
27.  白熱(1949)
冒頭の列車強盗、犯人を追う警察の追跡劇。次から次へと畳みかけるような展開と、衝撃のラストに、圧倒されます。古い映画は地味でツマラン、という偏見を吹き飛ばすには、格好の作品です。 とは言え、ひたすら煽るような描写ばかりが続く訳ではなく、例えば潜入捜査官にまつわる描写などは、比較的、抑制されていて、サラリと流してます。いまどきの映画なら、彼の焦りや戸惑いの表情を随所に織り込んで、もっと暑苦しい作品にしちゃうところかも知れませんが。その代わり、キャグニー演じるギャングの親分の描写はもう、容赦がない。脱獄した彼が、裏切った部下のもとにやってくる場面の、怖いこと。 何を仕出かすかわからんヒトってのは、怖いもんです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-06-09 22:38:06)
28.  ヨーク軍曹
何かこう、見ててハラ立ってきますね、こういうヒト(笑)。もとはチンピラだったのが、信仰に目覚めてイイ人になったら、周りとの関係もヤタラとうまくいくようになる。不本意にも戦場に送られてしまったと思ったら、今度は(自らの信仰にアッサリ折り合いをつけ)敵を殺しまくり捕虜にしまくり、もう大活躍。 しかも、顔がゲイリー・クーパーですからね(笑)。こういうヒトにはホント、かないません。 という、主人公が主人公なら、周りもいい人過ぎるやろ、というオハナシなんですが(脚本にジョン・ヒューストンが名を連ねてますが・・・?)、山あり谷ありの人生、そのターニングポイントを実に印象的に描いていて、波乱万丈、確かにこれは面白い。くそ~。 あえて難を言えば、ゲイリー・クーパーがこの主人公を演じると、最初からいささか分別臭いのと、あと最後のまとめ方はコレまとまり過ぎでしょ、ってなところでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-04-11 20:57:58)
29.  第三の男
この映画音楽と、シュトラウス2世の「ウィーンの森の物語」が無かったら、ツィターなんていう楽器、名前も知らなかったかもね。で、久しぶりに『第三の男』を観て、この音楽を聴くと、つい口ずさみたくなり、何となくビールが飲みたくなってくる。でもこの音楽が何のビールのCMで流れていたのかは忘れたので、とりあえず両方を合わせて「第三のビール」を飲むことにする。何のこっちゃ。いや、好きですよ、ヱビスビール。 本作、内容的にはミステリー。友人ハリーからの手紙を受けてウィーンにやってきた作家ホリー(この名前が似ている点も、後の展開で描かれる三角関係にうまく織り込まれる)、しかし到着早々、ハリーが事故死したことを告げられる。だが、何やら曰くのありそうなヒトから無さそうなヒトまで、様々な登場人物が、その事故のウラに何かありそうなニオイを漂わせる。事故の現場にいたという3人の男、うち2人は判明しているが、では3番目の男は誰なのか。 前半に提示される謎に対して、その謎解き自体は比較的アッサリと行われますが、作品のもう一つの見どころはウィーンの街における追跡劇で、後半における大きな見せ場ともなっています。作品自体がウィーンの名所案内(表も裏も)みたいな要素もあって、表がプラーター公園なら、裏は下水道といったところか。さらに時代を反映して戦争による破壊の跡も残っていたりして。そういうちょっと迷宮じみた夜のウィーンに、追うものと追われるものの影が交錯する。 この映画、画面が頻繁に傾けられて、これも不安で落ち着かない感じを醸し出してます。いや実際、あまり頻繁にカメラ傾け過ぎなのかも知れませんけれど(笑)、ふとしたとき(ハリーが、「ある男」を追いかけて、見失った瞬間など)、傾いていない画面がかえってどこか、取りつく島のない感じを出していたりも。 という訳で、やっぱり面白いですねえ、この映画。オーソン・ウェルズの斜め前向きのワルそうな表情も、有名なラストシーンも、いいんですけど、最高の名演は、あのネコちゃんということで。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2016-03-27 08:47:25)
30.  黄色いリボン
退役間近の老大尉を演じるジョン・ウェイン、当時はまだ40歳過ぎ。だもんで、ヒゲ生やしたり、老眼鏡かけたりした役作りで、時々あまり彼らしく見えない場面もあるのですが、しかし主人公のキャラに関してはまさにジョン・ウェインそのもの! というよりはもしかしたら、この作品が結果的に彼をその方向に引っ張って行ったのかも知れませんが。一見頑固で武骨で、でもどこか茶目っ気があって。後の『ヘルファイター』とか『グリーン・ベレー』とかにおけるジョン・ウェインも、この流れの中にあればこそ、何だか憎めない。本作、先住民族と一触即発の状況にある騎兵隊を描きながらも、派手な戦闘シーンはあまり無くって(でも馬の疾走シーンではちゃんと迫力を味わえます)、むしろ主人公の大尉は、無用な戦闘を避けるために先住民の長老との話し合いに臨む、この辺りは年の功とでもいいますか。若者に手を焼いているのは、敵も味方も同じ。引退を迎える最後の日まで、職務に忠実であり、それ以上に、仲間である隊に忠実であり続ける、名もなき老大尉の姿。つまり、国を守り支えてきたのは、決して「戦い」などではなく、「人間」そのものなんだなあ、と。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-05-05 09:54:32)(良:1票)
31.  バグダッドの盗賊(1940)
ディズニーアニメ『アラジン』の原点。というか、そのまんまですやんか。アブーにジャファーにジニー。いやそれより、ジャファーにたぶらかされる王様のおまぬけな表情が、あんまりソックリなもんで。それにしても特撮満載、アイデア満載の、実に楽しい作品。そりゃ多少はチャチなシーンもあるけれど、巨大クモの動きとか、人間を乗せてスーッと向うに飛んでいく空飛ぶ絨毯とか、目を奪われるシーンも多々。ヒーロー役がヘナチョコで何とも頼りなく魅力に乏しい点、これには目をつぶる必要がありますが。あとはツボから現れた巨人の赤フンがいろんな意味で目にまぶしい、1940年カラー作品。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-05-04 11:40:22)(良:1票)
32.  月下の銃声
どっちかというと低予算で小品の部類に入る作品だと思うのですが、これが何だか妙に面白い映画なのでした。基本的には、対立するグループがあって、その間に立つヒーローがいて、という図式なのですけれど、思わぬ人同士に思わぬ繋がりがあったりして、それが銃撃戦やら牛の暴走シーンやらを交えながら、徐々に明らかにされていく。その過程が面白いんだね。そしてオハナシはちゃんと勧善懲悪的な方向に落ち着き、最後は一軒家に立てこもっての銃撃戦。もう最高ではないですか。主人公を演じるロバート・ミッチャム、超然としたヒーローかと思いきや(いや実際、そういう役どころだとも思うのだけど)、時にどこかユーモラスな感じを受けるのも、若々しさゆえでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-04-07 22:06:41)
33.  青空に踊る
日本との戦争のさなか、アステア演じる撃墜王たる主人公にも休暇が与えられ、さっそく美人カメラマンにつきまとう。ジンジャー・ロジャースの相方の「フレンド」だ、などとウソ(?)をついたりして。で、相思相愛いい感じ、と順調に進んだのでは映画として面白くないけれど、変にモタついてばかり、これはこれであまり面白くない。いや、アステアのダンスが拝めりゃストーリーなんて二の次で楽しめるんだけど、ダンスシーンもあまり出てこないもんだから、さてどうしよう(でもダンスが始まればやっぱりスゴイのだけど)。そうこうしているうちにアステアは戦場に戻ってしまい、かなり「なんのこっちゃ」な展開で終わってしまう。ただ、1943年という時代背景が、ここにそのまま投影されているんだなあ、とは思います。まさに戦時下、休暇が終わればまた戦争なんだな、と。逆に言えば、こんな時代に、こんな生々しい題材を内包しながら、よくもこんな平明なミュージカルを作ったものよ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2015-02-19 23:14:28)
34.  天井桟敷の人々
第一幕、第二幕の二部構成。第一幕は登場人物が一通り出そろったところで終わり、という感じ。幕間の6年間に登場人物たちはそれぞれの道を歩み、第二幕で再び皮肉な再会を果たす。ドラマについては全体的に、ややセリフ過多な印象もありますが(ただし説明セリフに堕することはない)、劇中劇として繰り広げられるパントマイム劇が、それと好対照をなしていて、無言の舞台に引き込まれます。と同時に、セリフ劇にこだわるフレデリックと、パントマイマーのバチストとの対比もそこにはあります。飛び入りのように獅子の着グルミで舞台に立ったフレデリック、おそらくは肉体で客を沸かせる才能の持ち主でもあろうけれど、本人はセリフにこだわり、陳腐な詩を口ずさみ、後に別の劇団でシェイクスピア俳優として成功するけれど、その舞台はなんだかさらに陳腐。その一方、肉体で演じることに関しては雄弁だけど(パントマイムによる目撃証言!)それ以外はひたすら不器用なバチストの存在は、さらに純化されていき、それは周りにも影響を与えていく。映画冒頭の雑踏シーンが圧巻ですが、その雑踏から生まれ出てきたような登場人物たちが、映画を通じてその存在感を明らかにし、互いに複雑な関係で結ばれ、そしてラストでは、その雑踏によって引き裂かれていく。いやはやすごいラストシーンです。……映画中盤、ドラマを断ち切ってしまうような「省略」があり、もう少し描いて欲しかった部分もあるのですが……。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-09-27 09:32:32)(良:1票)
35.  腰抜け二挺拳銃
私がテレビでこの作品を観ていると、子供たちがやってきて、字幕が読めなくったって「ほんまアホやな~」とゲラゲラ笑いながら観ております。ちゃんと映像で笑わせてるんです。しかも笑いだけじゃない、ボブ・ホープ演じる主人公はアホな言動の末にアホな危機に何度も陥り、スリルある展開になってります。クライマックスの戦いなんて、ココだけ観たら“本格ウェスタン”かと思いますよね。何ともアホらしく何とも楽しい映画。ボブ・ホープが先住民の呪術医を投石で仕留めるワンカット、こういうバカバカしくも素敵な演出は、もう今の映画では見られませんね。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2014-01-03 21:07:04)
36.  ピノキオ(1940)
揺れる物体や回転する物体の3次元的な動きが実に見事。そりゃま現代ならCGでもってお手の物、の描写なんでしょうけれども、手描きならではのファジーさが味わい深くって、「CGって無機的だなあ」と改めて感じさせられもします。そりゃま、当時としては、今でいうところのCG並みの完璧さを目指したのかも知れませんが。さて、ディスニー長編第2作の、この『ピノキオ』。ウチの幼稚園の息子が、最初は喜んで観てるけれど途中から「コワイ」と言うのは、悪役が、怪物とかじゃなくて「普通のオジサン」というリアルさでしょうか。しかしこの作品では、コオロギのジミニーというお守り役がピノキオを見守っていて、ホッとさせれらます(『ダンボ』におけるティモシーの存在にも繋がる役柄の設定ですね。ただし本作のジミニー、見た目がコオロギだか何だかよくわからないのが難点?)。あと、女神様。ってセリフでは言ってるけれど、見た目は妖精さん。登場シーンで光が飛んでくる描写が、今観るといかにも『未知との遭遇』で、あの作品にはやはり相当影響を与えているんだなあ。と思いつつも、いざ登場した妖精さんはいささかリアル過ぎ、なんかキャバレーのママみたいな俗っぽさがあって、ちと夢が無いかも。しかしピノキオに与える教訓「嘘はだんだん大きくなる」ってのは、何とも身につまされます。
[CS・衛星(吹替)] 9点(2014-01-03 17:12:19)
37.  国定忠治(1946)
ご存じ、忠治親分の大活躍……と思いきや、正直、あんまし活躍してません。作品が作られて70年近くも経ってから言うのも何なんですが、もうちょっと戦後の日本を元気づけるような活力あふれる作品になってても良さそうなもんですが、GHQの陰謀なのか、それとも、予算不足、準備不足、はたまた、やる気不足なのか。70分ほどの短い作品ながら、工夫も盛り上がりもあんまり無くって、ちょいとつらい。これは“スランプに陥った国定忠治を描いた作品なのか”とでも言いたくなる…。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-09-05 23:18:43)
38.  チャップリンの殺人狂時代 《ネタバレ》 
ラストのチャップリンのセリフをもって、何やら教訓めいた映画として捉える向きもあるかも知れないけれど、いやいやいや。もっと得体の知れぬ、ぶっ飛んだ映画じゃないでしょうか、これは。だって、この主人公、殺人鬼ではありますが、要領が良いのやら悪いのやら、気がつきゃ結果オーライだけど、テキトーなことこの上なし。殺人鬼らしい凄みもなく、登場早々、毛虫を助けてあげたり、それこそサイレント喜劇俳優みたいに(!)ドタバタを繰り広げて見せたり。そんでもって、最後も悔い改める訳でもなく、澄ました顔で言う事にゃ「ワタシも人殺しですが、映画みてるアナタたちには敵いませんよ」って訳ですよね。誰がこんな「教訓」を素直に受け止めるもんですか。要するに、我々に喧嘩売ってますよね。そう、この映画の凄さは、この主人公の「規格外ぶり」にあるし、またその特殊さが、我々を悩ます点でもあると思うのです。こんな変な主人公、他ではなかなか見られません。またそもそもこの映画には、好感の持てる人物が(ひとりを除き)登場しない。困った登場人物たちが映画の中に散りばめられ、なかなかに入り組んだ構成(このため、一見、散漫な印象を受ける人もいるかも知れない)。例えば映画の最後の方での主人公逮捕のきっかけとなる一家、彼らの様子は映画冒頭で実にイヤらしく描かれるし、主人公を追う刑事の姿も映画早々に触れられ期待させておきながら、途中で実にアッサリと主人公に殺されちゃう。その他の登場人物たちのキャラクターもその多くはデフォルメされ、映画の中にゴチャゴチャと配置されているその中を、このヘンテコな主人公は、要領が良過ぎるのか悪すぎるのか、ただただ無感動に突っ走る。悪意も無ければ恐怖心もない。唯一、一度は殺そうとした女性に心を開き、財産を失った後に彼女に再会し、自首(?)を決意するあたりは、「ちょっとイイ話」に聞こえそうだけど、トンデモナイ、別に悔い改めた訳でもなんでもなく、むしろ、生きがいを失った彼が「自分が処刑される」ということに生きがいを見出し、処刑前には「映画を観ている我々に」イヤミのひとつでも言ってやる、ということに生きがいを見出したに過ぎない。うむ、これぞまさに規格外の男。規格外の映画。驚きの作品。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-07-24 22:48:37)
39.  素晴らしき哉、人生!(1946) 《ネタバレ》 
友人からの2万5千ドル(だっけ?)の融資の知らせ(セリフ)よりも、目の前に積まれた小銭の山(映像)の方が感動的、という、判り易い例ですね。しかしまた、天使からの「翼をありがとう」という“言葉”もまた、強い感動を呼ぶ訳で、今まで人々を当たり前のように助けてきた主人公が、人々に助けられ、天使に助けられ、その天使もまた「主人公がこの世に生を受け、いま、活きていることにより」、翼を手に入れることができました、今この瞬間にも助け合い、報い報われ合いが行われているのです、という、実に気の利いたオチ。天使が手助けしたのは、人生の価値を気付かせることだけであり、それで充分であった、というのミソ。ただ、握手した手を、まるで汚いものを触ってしまったかのように主人公に拭われるバイキン扱いのポッター氏、哀れ。このヒトだけは、「主人公のいない世界」では相当潤っていたようですね。主人公がこの世に復活(?)して残念でしたね(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-10 09:30:10)(良:1票)
40.  タバコ・ロード
汚いものを汚く描いてなお美しい。と言えば、何のこっちゃ、ですが、でもそんな映画なのです。主人公の一家がひたすら貧しく、そして容赦なくトコトン汚い。やることなすこと浅ましい限り。そこにはこの上無いバイタリティが溢れているのです。その厚かましさたるや、見てて頼もしさすら感じられてくる(まあ自分の身近にいないから言えることですが)、ある意味奇跡の存在(ジジイがあの不安定な板の上に何故か座れるような奇跡)。しかしそんなゾンビみたいな貧乏の神様みたいな彼らだって、万能ではない訳で(そりゃそうだ)、社会の無慈悲な残酷さには勝てない。たとえ、地主や銀行家といった社会のひとりひとりは悪い人ではなかったとしても。どうにもならない哀しみがあり、その時、そこに美しさが広がる。そして希望があり、またそこにも美しさがあある。え、やっぱり「何のこっちゃ」ですかね。いやホントにそんな映画なんです。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-11-05 21:48:47)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS