21. THE 有頂天ホテル
何が面白いのやらさっぱりわからなかった。「王様のレストラン」など過去の三谷作品にはいくつか大好きなものがあるが、話の展開や笑いは過去に使った手をちょっと変えたくらいのもので、進歩がない分数段キレが落ちている感じ。 キャストの人数が多いうえにいちいち豪華すぎるのも、作品にとってプラスになっているとは思えない。芸能人大忘年会の余興みたい。それが狙いです、と言われたらそれまでだけど。三谷監督が望んで超豪華キャストにしてるのか、興行的に仕方がないのかちょっとわからないけど、4番バッターばっかりの野球チームって魅力ないと思う。作品自体に自信がないのか、と疑ってしまいたくなる。 [DVD(邦画)] 2点(2008-03-06 19:47:33) |
22. A2
公開当時、森達也さんをあまり知らずにみにいったのですが、オウム真理教を題材にしたドキュメンタリーでまさか笑えるとは思わなくて驚いた記憶があります。 大手マスコミによっていかにオウム真理教が「料理」されてしまっていたのかがよくわかります。森監督は、オウムに体ひとつで飛び込んでいく驚くべき行動力と、彼等をひとつの正当性を軸に追及していくのではなくひたすら見つめ続けようとする「待ち」の姿勢で、ただそこにあるオウムの「事実」だけを差し出してくれました。 信者たちが自分達と同じ人間である、という気がついてみればあたりまえのことに改めて目を向けさせてられたのですが、それは森監督が吹き荒れる北風ではなく控えめな太陽であったからでしょう。静かな粘り強さに脱帽です。 [映画館(邦画)] 8点(2007-04-07 04:51:28) |
23. マンハッタン
映画をみようとしてもすぐ寝てしまう私が、最初から最後まで食い入るようにみてしまった。そしてそれがなんでなのか、はっきりとはわからないのがよかった。ウディ・アレン初体験でしたが、大満足です。 [DVD(字幕)] 8点(2007-04-06 20:38:44) |
24. 惑星ソラリス
《ネタバレ》 SF映画と思って観たので、その仕立ての質素さにちょっとびっくりしました。しかしドッカンドッカンした感じのSF映画があまり好みではない私にとっては良い驚き。よく考えると背筋の凍るような出来事が起こっているのに(何か背丈の低い人間が一瞬だけ出てきたがあれは何だったのだろう、すごく怖かったけど改めて観るの怖いからやめました)、そこんところは「ギャ~~~!」的なリアクションも音響も映像効果も何もなくサラッと流されてしまうところが逆にリアルでぞっとします。ちょっと間を置いてから「え、ちょっと待って今の何?」と考えてしまう。現実でもそんな感じじゃないでしょか。哲学的な面については考えるのに体力がいるのでここで語るのはやめておきます。しかし皆さん眠くなったとおっしゃってますが、確かにこうした雰囲気の映画は観るのにものすごく体力がいりますね。コンディションが良い時にしか楽しめないかもしれません。 [地上波(字幕)] 8点(2006-01-10 22:59:28) |
25. 茶の味
《ネタバレ》 最初に一くんの頭を電車が走り抜けるところで一気につかまれてしまいました。なんだかわからない人たちが、ほのぼのとした空気の中でなんとなくちょっとずつつながっていくのが楽しめました。家族という重くなりがちな題材をサラッと描いていたのがなんとも気持ちがいいですね。我集院達也がおじいちゃん役という違和感もこういうタッチなら全く抵抗なく受け入れられてしまいました。おそらく冒頭のシーンで「こういう映画だよ」っていう提示を監督がきちんとしてくれたからではないかなあと私は思います。「自然体」演技(台詞の言い方を可能な限り日常に近付けてあったことなど)が全体にうまくいってて好感が持てたのですが、正直若干鼻につくところも…。しかしいい映画なのでそのへんは忘れることにします。石井監督はしょーもないことを思いっきりやってくれるから私も好きです。 [地上波(字幕)] 8点(2005-10-28 22:43:25) |
26. タクシードライバー(1976)
主人公の英雄願望が狂気になっていく過程をデニーロが見事なまでに無気味に演じてました。彼の役者根性が怖かった。あとびっくりしたのがジョディ・フォスター。「ダウンタウン物語」でも相当びっくりさせられたけど余裕がありすぎてかわいくないところが凄い。最も印象に残ったのはこの2人の迫力演技ですが、2人の演技を引き出した監督の技量も評価すべきではないかと思います。しかし構成など映画全体を楽しむものとしてはもう少し工夫が欲しかったかも。ちょっと平凡に見えたし物足りない印象です。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-09-21 23:40:07) |
27. コントラクト・キラー
とても面白かった。生真面目だけど間抜けなところが魅力的な主人公はじめキャラクターがみんな素敵。普通ならすっとばしてしまうような細部を描いて、決めのところは敢えて隠して、という描き方が観る者の想像力を膨らませてくれました。笑わせてくれるのに最後はしっかりカッコよくきまったのはジャン=ピエール・レオの名演技によるところが大きいかもしれません。いい俳優さんだなあ。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-09-19 13:03:24) |
28. 血と骨
予想よりも面白くなかったです。関西在住の者としては、まず俳優さんたちの関西弁の不完全さがかなり気になりました。ビートたけしさんは大ファンなので楽しみにしてたんですが、彼の怖さ・無気味さはこの映画のように叫んだり過激に体を動かしたりすると打ち消されてしまう種類のもののような気がします。たけしさんが悪いというのではなく監督の領域だとは思うのですが、北野映画で静かにたたずんでるたけしのほうがよっぽど怖いと思いました。俳優さんの熱意を否定するわけではありませんが、何か観ながら「大変なことやらされてるなぁ」と終始感じてしまい、それを熱演ととるのは私としてはどうも違うような気がしてしまいました。シーンの描き方にも監督の美学が見えず、なんとも感想の持ちにくい映画でした。 [ビデオ(字幕)] 4点(2005-09-16 01:09:43)(良:1票) |
29. マッチ工場の少女
《ネタバレ》 面白かったです。主人公の女性に起こった事実を淡々とセンス良く配置した作品でした。感情を説明する描写を徹底的に省いていたので、悲惨さから一歩距離を置いて観られたように思います。普通ならみてられないような場面も滑稽さの方が際立って笑えたのはその演出のおかげかなと思います。妊娠を報告する手紙の内容が微妙にズレていく場面がとても面白くて印象に残ってます。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-09-14 22:25:49) |
30. ふしぎの国のアリス(1951)
子供の頃から何回みても飽きなかった映画です。大人になってから初めて観た方の目にどう映るのか全然わからないんですが、私にとってはとにかく小さい頃何十回も観た思い出深い映画なので10点満点をつけさせてください。最近見返してみたのですが細部までこれでもかというほどいろんな工夫が凝らされていて、50年以上も前の作品だなんて嘘みたいです。音楽もいい。日本語吹き替え版でしかみたことがないんですけど、この吹き替え版の声優さんたちがすばらしいことこの上ないです。過剰に演技臭くなく、しかもちゃんとイカレてます。どこにも名前が載ってないんだけど一体誰なんだろう。特に気になるのがドードー・いかれ帽子屋・チェシャ猫。どなたか知ってたら教えてくださいー。 [ビデオ(吹替)] 10点(2005-09-01 20:53:25) |
31. パルプ・フィクション
傑作だと思います。冒頭から登場人物たちがいつどんな突発的暴力をやりはじめるのか、はたまた暴力に巻き込まれるのかハラハラさせられるにもかかわらず、それが通り過ぎたと思ったらユーモアがやってきて、知らないうちに気持ちのいいジェットコースターに乗せられてるような感覚だった。時系列の区切り方にも監督のセンスを感じました。いうまでもないですが俳優さんがいいですね。トラボルタもいいですが、サミュエル・L・ジャクソンとユマ・サーマン、ほかの映画でも観てみたいなあ。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-08-09 12:51:16) |
32. ファーゴ
率直に言ってまあ悪くはないなあという感じです。1時間30分という短い上演時間は自分的にはとても好みだし、短い分もっと凝縮されたものを期待していましたが、それだけに全体的にとても平坦で印象の薄いものに感じました。あと、実話ではないらしいのですが、「実話を忠実に再現した。生存者がいるので実名だけは伏せた」といった内容の冒頭のコメントのためにかえって物語への入り込みを妨げられて、それが狙いだとしても結果私にとってはつまらないことになってしまいました。作り話だと割り切れたらもっといい意味で突き放して、その分入り込んでみられたんじゃないかなと思います。警官の女性とスティーブは魅力的でした。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-08-02 12:46:53)(良:1票) |
33. ハウルの動く城
《ネタバレ》 一番印象に残ったのは冒頭の空中散歩のシーン(久石譲の音楽効果は絶大)。そこを越えるラストシーンを心待ちにしながら観ていたけれど、遂にその瞬間は訪れなかったので拍子抜けでした。しかし木村拓哉の声優ぶりには驚きました。「2046」の冒頭のナレーションがとても良かったので期待してたんですが、それを裏切らない素敵な声でした。ただハウルと声がぴたりと合っていたかどうかは別でありまして、できればあれが木村拓哉だということを知らずに観たかったです。どうも「もののけ姫」以降、声優がかなりの著名な俳優ばかりで、観ていても本人の顔がちらつくのでがっかりしてしまいます。俳優が声優をやるときはなんか声優専用ネームみたいなので素性を隠してやってくれないかなあ。無理なんでしょか。 [映画館(字幕)] 6点(2005-04-03 18:23:43) |
34. アフリカの女王
《ネタバレ》 点数のすべては主演の2人に献上します。10点にしてたけど、さすがにあげすぎなので修正で7点。最初から最後までユーモア溢れる演技で楽しませてくれた。美男美女とは言い難い冴えない2人の不器用な恋愛にとても好感が持てる。合成映像の拙さなんて吹き飛ばしてくれたさ。ハンフリー・ボガートって、もっとキメキメな感じの人かとイメージで勝手に思ってたんですが、ほんとにいい役者さんだった。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-01 00:28:55) |
35. ダウンタウン物語
こんな映画があったのかぁ…という新鮮な驚き。かわいくて痛快で、邪気を持たずに観られました。ジョディ・フォスターはいい意味で可愛気がないほどズバ抜けた存在感。ファンの方は必見だと思います。ジョディだけでなくバグジー・マローン役のスコット・バイオなど、他の少年少女たちも素敵でした。子供しか出てこないギャング映画という秀逸なアイデアから派生する様々な小道具たちがどれも嬉しい心遣いで、とても楽しめます。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-04-01 00:19:39) |
36. 道(1954)
この映画をみていると「ジェルソミーナは本当はこうした方がよかったんじゃないか」などとつい言ってしまいたくなるが、そういう投げかけはどうも野暮に思える。なぜならジェルソミーナが必死だったからだ。 8点(2005-03-23 08:11:42)(良:1票) |
37. 蒲田行進曲
深作監督とつかこうへいは相性がいいと思う。作家のエネルギーと監督のエネルギーが合わさって最初から最後まで画面からいろんなものがほとばしり出る映画になっていました。古臭いんだけどそれが二人と俳優のエネルギーでねじ伏せられてしまってました。松坂慶子・風間杜夫・平田満の小手先を使わない体当たりの演技に感動。 あと、JACの3人最高。とくに志穂美悦子。女の人のアクションを観て素直にかっこいいと思ったのは初めてでした。 9点(2005-02-16 01:11:26) |
38. 初恋のきた道
シンプルで暖かみのある映画でした。恋する人への気持ちのひたむきさには頭の下がる思いでした。先生役の男性が男前でないところも良かった。しかしできたらチャン・ツイィーを知らないうちに観たかったです。なんか「2046」などの彼女を先に観てしまったせいで、どうも清純なイメージがダウンしてしまいました。全く彼女のせいではないんだけど。残念。 7点(2005-02-16 01:01:42) |
39. そして船は行く
《ネタバレ》 観終わった率直な印象としては、傑作の一歩手前といった感じでした。はじまり方がとてもよくて引き込まれました。オルランド役の俳優さんがとても素敵で、彼独特のユーモラスさが映画全体に柔らかい印象をもたらしていたように思います。特にこれといったストーリーがあるわけではないのですが、全体にフェリーニ監督の卓抜したセンスが感じられます。それだけでも楽しめる作品です。何でサイ?そのアップはなに?急に大合唱?など様々な?が浮かぶのだけど監督のセンスでそれがかっこよく見えてしまうのです。腕が良い方の作品って不思議。 8点(2005-02-07 23:17:47) |
40. シベリア超特急
投稿数100超えてるし、大人気映画ということで文句を言う者はおるまい。お世辞抜きにおもしろくなかった。 0点(2005-02-01 21:09:59)(笑:3票) |