21. 椿姫(1921)
《ネタバレ》 椿姫(1937)DVDの特典映像であった本作。サイレントであるのを差し引いてもアラ・ナジモヴァとルドルフ・ヴァレンチノの大仰な表情にドン引きしてしまうものの、ギュッと濃縮されたストーリーは分かりやすく、マルグリットの最期の演出は本作が数段上回る。 [DVD(字幕)] 7点(2018-03-03 00:40:42) |
22. キートンの大列車追跡
《ネタバレ》 機関車の追跡劇。追う身から追われる身へ。のどかな雰囲気の機関車とキートンの躍動感の対比が不思議な感覚。機関車が鉄橋から落下する様は、監督としてこのシーンありきの作品だったのかと思える仰天のシーンだった。面白さより監督キートンの熱意を強く感じた作品。 [インターネット(字幕)] 7点(2016-01-22 00:03:12) |
23. 最後の人
《ネタバレ》 喜劇でなく字幕さえも無い無声映画が、現代にも通じるところのあるテーマを起承転結明快に描いている事に驚きます。プライドをズタズタにされた悲嘆ぶりに胸を衝かれます。しかし、汚職したのではありません。職業に貴賎はありません。何時までも嘆き続けることはないのです。その事を教えてあげるべきは家族です。本作の家族は言語道断でした。ハッピーエンドバージョンは他愛なさ以上に下品さを感じ、ない方が良かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2009-08-20 13:49:09) |
24. 戦艦ポチョムキン
人海戦術を駆使した映像並びに音楽の凄まじい迫力にただただ圧倒され、観終わってからも暫くの間、頭がク~ラク~ラしていました。かの有名なオデッサの階段シーンは一見の価値がありました。「超ド級」「一大スペクタクル」「気合だーっ」の異様なハイテンションは国策映画ならではなのでしょう。容認出来ない内容なのですが、今まで映画からこれほどまでにエネルギーを感じた作品はなかったと言うところにこの点数です。 [映画館(字幕)] 7点(2009-05-01 02:52:24) |
25. 伯林 大都会交響楽
1927年ベルリンの街並みは96年前とは思えない機能的で美しく行き交う人々が生き生きとしている素敵な大都市でした。 2年後の大恐慌からヒトラー台頭からベルリン大空襲で廃墟となる。カメラに収めた人収められた人々誰一人として夢にも思わなかっただろうと胸が詰まります。 [インターネット(字幕)] 6点(2023-09-06 23:39:24) |
26. ジャズ・シンガー(1927)
《ネタバレ》 「世界初のトーキー映画」のはずがサイレントでビックリ。いきなり歌いだしたのでビックリ。歌だけトーキーかと思ったらいきなり親子の会話が始まってビックリ。この先はトーキーかと思ったら再び歌だけトーキーでビックリ。高名な歌手だというアル・ジョルソンの歌は私の胸にはそれ程響かず。ストーリーはベタながらもしっかりとした起承転結。ただ、息子の晴れ舞台の日であるにもかかわらず贖罪の日だから歌えと迫る母にイライラが募る。ここまでユダヤ教を前面に押し出した作品は初めてか。黒塗りメイクと併せてヘイズコード以前の作品の自由さにこれまたビックリ。映画史に於いてのみ貴重であって秀作とは思えない一品。 [DVD(字幕)] 6点(2019-05-06 13:07:58) |
27. 眠るパリ
SF要素を採り入れた初の作品という点に+1点。他愛のないストーリーに於いてドタバタ動き回る者達より、ピクリとも動かない人々の見事な静止演技に魅入りました。96年前のパリの無法地帯のような道路状況も印象深いものがありました。 [DVD(字幕)] 6点(2019-04-18 14:35:20) |
28. ナポレオン(1927)
3時間42分版鑑賞。こんなに長尺でのサイレント作品とは知らなかった(泣) 兵学校時代からイタリア遠征までがじっくりと描かれているのですが、一つ一つのシーンが長過ぎて、絶え間無く流れるBGMに何度も意識が遠のきそうに。 自ら出演している(なかなかの美男子)監督のナポレオンへの思い入れを感じる、一体幾ら製作費を費やしたのか、何千人のエキストラを起用したのか、唖然とする超大作。 [DVD(字幕)] 5点(2019-08-10 20:02:02) |
29. 死の銀嶺
「氷壁の女」の元ネタのような山岳映画。安っぽいメロドラマ無しの登山・遭難・救助が描かれています。当時を考えると困難が想像される迫力ある映像ですが、テンポが悪くて重厚な音楽(後年につけられたよう)も相俟って眠い事この上なし。珈琲飲みまくりの鑑賞になりました。90分程にまとめてもらいたかったです。クラフトの安らかな顔が余韻を残します。 [DVD(字幕)] 5点(2019-05-27 01:28:33) |
30. 紐育の波止場
《ネタバレ》 ジョージ・バンクロフトの持ち味なのか、本作でも俺様キャラ炸裂に苦笑。展開が性急過ぎるのと登場人物全てがやさぐれ感満載でメロドラマとしての味わいが乏しい。結末が示す二人の明日への希望は私には実感出来なかった。 余談ながら、サイレント作品に於ける怒りの表現での凄い形相で手足激しく振り回す姿に笑わされる。今作では宿屋の女将さんの怒りっぷりに大笑い。「そんなに怒らんでも」 [DVD(字幕)] 5点(2019-05-07 23:45:33) |
31. 血と砂(1922)
《ネタバレ》 闘牛とは人間がよってたかって牛をなぶり殺しにするイメージを持っていて、闘牛士に熱狂する感覚が分からない私。闘牛士としてのヴァレンティノに惹かれる事は無かった。ベティ・デイヴィス、バーバラ・スタンウィックを遥かに凌ぐニタ・ナルディの悪女ぶりは特筆ものであり、当時のヴァレンティノファンの憎悪を一身に浴びてたんじゃないだろうか。彼女の毒牙にかかって滅んで行くヴァレンティノのヘタレっぷりはなかなかの見応え。学者と山賊は蛇足なキャラに思えた。 [DVD(字幕)] 5点(2019-04-28 01:47:46) |
32. ウィンダミア夫人の扇
お目当てロナルド・コールマン若かりし姿は、そこそこな美男子であっても哀愁の「あ」の字も無く、あの渋みのある声も彼の魅力の一つなのだと実感する拍子抜けな脇役ぶりでした。「オバハンの風上にも置けない腐れ・・・(以下自粛)」なアイリーンを軸にした物語は、ヤドンの如きテンポで進んでゆき、哀れみさえ誘う有閑階級の姿にリタイア寸前。これがアイリーンのたった一つの善行(4点)の前振りだとしたら、「監督さん、焦らし過ぎでっせ~」と言いたくなる出費の元は辛うじて取れた一品。 [DVD(字幕)] 4点(2021-03-17 16:51:26) |
33. 聖山
レニ・リーフェンシュタールと男二人の三角関係が描かれた山岳ドラマ。当初に謳ってあるように登山シーン、スキージャンプシーン、クロスカントリーシーンの実写の迫力はなかなかのもの。だけど、ドラマパートは3人とも幼すぎて目もあてられない。レニ・リーフェンシュタールのダンスシーンは見せ場なのだろうけど、ダラダラと見せつけられてウンザリ。「もうエエって! 何時までやってんのよ!」 [DVD(字幕)] 3点(2019-05-23 01:26:33) |
34. アッシャー家の末裔
冒頭、皆がアッシャー家に恐れ戦いている様子に膨らんだ期待は裏切られた。生身の妻より絵の妻に執着する狂ったロデリック。恐怖や無常感など皆無で、その思わせぶりな表情に、志村けんのバカ殿が思い浮かび笑いがこみあげてくる始末。映像と物語が一体となってこその恐怖である事を実感。呆れ返るだけの作品だった。 [DVD(字幕)] 1点(2014-09-07 14:27:19) |