21. 裸足の1500マイル
ただ荒野を歩いて家に帰るだけのストーリー。色彩は青(空)と白(大地)と茶色(子供達)ほとんどそれだけ。Pガブの音楽もいつになく控え目。ただ非常にシンプルな分、強烈な内容が際立っている感じ。 アラブ紛争見てると、英米の政策って今も昔も発想があまり変わらないんだなぁ…という印象。 最後に監視者を追っ払ったお母さんがニカッと笑うのは中途半端に演出じみていて減点、いい所だったのに残念でした。 [DVD(字幕)] 8点(2006-12-05 23:47:48) |
22. コラテラル
「10ミニッツオールダー」を見た後だったので、冒頭だけで「一編の映画だ…」と感心ました。最後にああ繋がって来るとは。黒人なのにジャズに全然興味の無い主人公の造形も面白い。淡々としつつ語り口の旨さで最後まで心地よく鑑賞できました。 ただ「隣人が死んでも気付かれない街(LA)は嫌い」と「地球上の砂粒が一つ二つ消えても問題ない」という考え方に整合性はあるのだろうか?とも思いましたが。 [DVD(字幕)] 8点(2005-08-28 23:46:22) |
23. 10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス
小説にも「珠玉の短編集」というのがある位だから、確かに映画にこういうのがあってもイイかも。エリセ監督の映像がこんなに美しいものだったとは。「ミツバチ」もう一回見てみようかなという気になりました。ヘルツォーク監督は「プログレと言って当たらずとも遠からず」って相変わらずの感じ、3つ目にこの絵があるのは大変イイです。ノリがよくお話として綺麗に纏まっているヴェンダース監督のが一番好きです。 [DVD(字幕)] 8点(2005-08-28 22:04:55) |
24. マッハ!!!!!!!!
《ネタバレ》 最初の木登り競争シーンからして魅かれました。見慣れたカンフーアクションとはやや違った動きとスピード感が新鮮。CGもワイヤーも無しというのはやはり凄い。粗く騒々しいイメージの香港とは違い、伝統国家タイならではのしっとりとした感じもイイです。伝統音楽を活かしたBGMも良。香港映画を意識し過ぎたのか、もう少し違う持っていき方があったのでは…という所が個人的に残念でした。 …ところでラストシーンは葬式でなく、助かった後出家する所であってハッピーエンドでは? [DVD(字幕)] 8点(2005-06-12 00:13:07) |
25. デッドコースター
悪霊の仕業なのか、純粋な物理的帰結なのか、ともかくも「人智を越えた」としか言いようの無い恐怖の発明が見事。結果がわかっているのにこれだけハラハラさせるというのも新鮮。後から1も見ましたが、1のように水がひとりでに引いていったり、電線が怪物のように襲ってきたりするような人為的な演出がない分、こちらの方が「得体の知れなさ」度もUPしているようでイイです。結末はちょっと苦しいかも。 8点(2005-02-15 00:41:24) |
26. ぼくは怖くない
《ネタバレ》 どこまでも続く青空。広大な麦畑。廃屋。子供達の秘密基地。こういうのはかなり好きです。あれだけ家族を愛する事を知る親父が誘拐犯…というのは何だか違和感ありましたが、ミラノの(つまり都会の)ゴロツキに純朴な村人がたぶらかされていた…という図式なんでしょう。最後に親父も以前の心を取り戻せて良かったという感じ。少年のピュアな勇気にも感動しましたが、ちょっと違う視点で、警察(公安?)はやはり頼りになるなぁというのも実感できます。特にこういう子供にとって警察はヒーローのようなものなんでしょうね。 音楽も「叙情的なスティーブライヒ」といった感のシンプルな音楽が、美しい情景にぴったりマッチしていてイイ。イタリアンニューウェーブとして注目されてるそうですね。 8点(2005-01-10 13:37:46) |
27. 座頭市(2003)
音楽の使い方が斬新で効果的。特に浜辺のシーン、音楽といい絵といい間の取り方といい…映画観てあんなワクワクした感じは久しぶりでした。一瞬ながら良く練られた高密度の殺陣も素晴しい。姉弟は無辜の民を殺害する時点で庇われる資格はないでしょう。(新吉も市が居なければ殺されてた)「子供の頃に酷い目に遭った」というなら蝮の親分にだって言い分はあるでしょうから。この辺がマイナス。 ラストの「神社でタップ」、下手にやると「よさこいソーラン」みたいにになってしまう所(好きな人スミマセン)ですが、ぎりぎりの所で「独創性」という事で評価できます。職人気質が揃った男優勢に比べて女優陣がちょっと映えなかったかな…とも思いました。 [DVD(字幕)] 8点(2004-09-18 20:30:03) |
28. キル・ビル Vol.1(日本版)
マンガ的発想?もここまで突き詰めれば一級のエンターテイメントになるんだなぁ…って感じで面白かったです。青葉屋のセットもイイ。やたら大味な殺陣が延々と続くのはちょっとダレました。確信犯的ワルノリや残虐性において、普通のアクションと「悪魔の毒毒モンスター」の中間辺りに位置する感じ。「バトルロワイアル」的な騒ぎが聞かれなかったのが不思議。 8点(2004-09-18 20:05:43) |
29. たそがれ清兵衛
とても気持ちの良い映画でした。こういうのも好きでがんす。 敵役が田中泯?新幹線にはりついて全裸で踊ってた男が…立派になられだのぅ。 両者とも娘想いとというのはちょっとどうかなとも思いました。息子に比べて娘は割合描き易いので。 8点(2004-02-22 02:35:45) |
30. 少林サッカー
総本山のアメリカで盛んでないせいか、サッカー映画ほんと少ない…そういう事もあってかなり面白かったです。何百メートルも離れた壁うち練習シーンなど本当に良くできてると思います。ギャグも結構ツボでした。ただ不必要な暴力シーンがあまりに多いのは確かに不快。バーで袋叩きに合うシーンをあんなにじっくり描かなくても… 8点(2004-02-01 11:20:46) |
31. ROCK YOU! ロック・ユー!
中世騎士の競技など滅多に見れないのでそれだけでも面白かったです。 サクセスものの王道を行くストーリーも爽快でした。 8点(2003-11-29 02:35:34) |
32. ギャング・オブ・ニューヨーク
イタリア系ではなしにもう一世代前のアイリシュ系というのが新鮮だった。スコセッシ監督にしては普通にまともな大作として楽しめた。それにしても当時はろくな防具なしにあんな斧みたいので戦っていたんだろうか… 8点(2003-11-23 10:35:06) |
33. ズーランダー
音楽も映像もスタイリッシュ。だけどお馬鹿という贅沢な映画。 名曲「リラックス」がこれからは、おもしろソングとしてしか聴けなくなるのか… 8点(2003-11-20 21:51:36) |
34. エリザベス:ゴールデン・エイジ
前作に劣らずメロドラマ的要素が大きく、かといって女性向きと言うには暗く陰惨な雰囲気。 メアリーの処刑に反対したけど部下が勝手にやっちゃった…という、主人公に要らざる斟酌も玉に傷。 大戦が勃発しても宮廷ドラマと同じようなテンションでお話が進むため、もう一つ盛り上がりに欠ける。もっとメリハリをつけてほしかった感じ。 ただ大戦の決着シーンは素晴らしかったです。寝着のまま夜明けの断崖を彷徨うエリザベスと、遥か沖合に壊滅的打撃を受け燃え盛るスペイン海軍の幻想的な美しさ。 この戦いにイギリスが負けていればラテン国家の覇権は続き、後のアメリカ合衆国も存在しなかった…そういった歴史の大転換点の象徴として良く出来ているシーンだと思いました。 [DVD(字幕)] 7点(2021-05-20 00:34:31) |
35. 16ブロック
《ネタバレ》 一見頭が弱そうに見えて実は切れ者という、いかにも犯罪者っぽい黒人のキャラが良。それゆえ彼が改心してケーキ屋を目指すと言う・・これが最後までホントか嘘か判らないというのも良かったです。アクションの方は、ダイハードのようなアクロバティックな手法は使えないので、一体ここからどうやって脱出できるんだ、と結構ハラハラして楽しめました。 裁判所で証言してメデタシメデタシというラストは何だか物足りない。警察があれだけ腐敗していて、裁判所も汚れてないと何故無条件に信用できるのだろうか・・とは思いました。日本の酷い裁判事例見過ぎかな。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-08-02 23:12:23) |
36. ココ・シャネル(2008)
《ネタバレ》 最初のショーがブーイングで最後のが大喝采なのは、門外漢の私には今一つピンときませんでした。フランス版「おしん」。シャネルNo.5ってウィンドウズ7みたいな意味かと思ってたら全然違うのですね。。丹念に描かれた第一次大戦前後の欧州の文化・風俗描写が良かったです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-11-17 01:09:41) |
37. アポカリプト
生贄の儀式というと「地獄の黙示録」の御牛様を思い出しますが、本作にははあのようなある種の神聖・荘厳な雰囲気が無い。一般的に生贄の儀式とは、大切なもの(例えば手塩かけて育ててきた家畜)をあえて無駄にしてしまう事に「神への捧げもの」としての意義があるんだと思います。そういう点、あんなに軽々とゴミを捨てるように次々殺してしまっては、有難味もへったくれもないような。どこまで歴史考証をやったのか知りませんが、「異教徒は野蛮人」という欧米式の偏見が抜けきっていないようで少々閉口しました。ファンタジー・アドベンチャーとしてみれば中々面白かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2011-11-06 17:03:02)(良:1票) |
38. イーグル・アイ
《ネタバレ》 ミステリーじみた面白いプロットだけど「ダイハード4.0」に全ていい所を持って行かれた感じ。同じような時期に同じような事考える人居るんですね。「マイノリティ・レポート」でもそうだったけど、スピルバーグの描く管理社会はどことなく設定が甘い。 [DVD(字幕)] 7点(2011-06-05 17:35:53)(良:1票) |
39. “アイデンティティー”
《ネタバレ》 推理小説で言う所の「嵐の山荘もの」は好き。ただ今では「意外な犯人とくれば刑事のどちらかか、ひょっとして子供かなぁ・・・。」とか思って見てしまう。普通のミステリーだったなら「やっぱりそんなオチか」程度の印象しか残らなかったでしょう。その点、こういうアイデアで一旦収束して更にコレ、っていうのは斬新で良かったです。でも実際の所、その性格で現実に生活してないと多重人格とは言えないのでは。本当に女装してオレンジ畑を耕しているとか。現実に体験をして、それがフィードバックされ、考えて、行動して、また体験をして・・・その無数の繰り返しによって初めて人格が形作られてくるものでしょ。売春婦として幾多の男性遍歴を重ねた体験なんて、あの容貌でどうやって人格として取り込めるんだ。アレは単なる脳内妄想であって、それで連続殺人犯が無罪になってしまう事が一番ショックだったかも。 [DVD(字幕)] 7点(2011-05-29 23:49:02)(良:1票) |
40. クローバーフィールド/HAKAISHA
こんな大惨事なら9.11よろしく世界に同時中継されて、もっと凄い映像が茶の間で見れたはず。こういう点で「手持ちカメラ映画」の醍醐味は薄い。ただ「臨場感」が目的のコレであるなら成功なのかも。確かに映画館で見たかった感じですね。残念なのはモンスター…何であんな眉が吊り上がって牙剥き出しで、これ見よがしな古典的悪役顔なのか。モンスターの造型は「エイリアン」や「物体X」辺りから一歩も前進してない感じ。ハリウッドは優秀なクリエーターがしのぎを削っているはずなのに…何故だろう。 [DVD(字幕)] 7点(2010-08-31 22:36:56) |