21. 青いパパイヤの香り
たしかにオリエンタリズムの香りが避けられない作品です。でも、それは現代ベトナム映画の出発点において不可避の宿命だとも思えます。こうした事情は、たとえば、日本映画の代表ともいえる黒澤明の作品にも言えることでしょう。よく黒澤を欧米人がぱくったと言われますが、そもそも黒澤は欧米人にも受容できる人物設定をしていたことによります。似たような事情がこの作品にもあるようです。こうした「西洋」が染み込んでくる状況下で、土着性を感じさせる要素として、わたしは色使いと全体のスピード感に注目しているのですが、本作品ではやや優等生すぎるきらいはあるものの、合格点に達していると思います。ノスタルジーをめぐっても、抑えが効いていて好感が持てました。 7点(2004-01-16 23:11:56) |
22. 打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1993)<TVM>
時間的にも内容的にもほどよい佳作です。主人公の及川なずな(奥菜恵)が一番演技が下手だというのもご愛嬌です。しばしばなずなを指して「あんな小学生おるかいっ?!」って言われますが、いますよ。実際。わたしは知っています。もうオバサンになってしまいましたが。。。 (かろうじて面影は残っているようです) 8点(2004-01-16 22:48:11) |
23. PiCNiC(1994)
あの精神病院は健常者というよりも患者の目から見たイメージに近いと思う。個人的には、神父のような牧師のような「神父」が出てきたシーンが好き。そうそう、神父さん、塀に自ら上らなきゃなにも見えませんよ。彼らのあとをついていったら、もっと良かったんだけど。。。 7点(2004-01-16 22:35:56) |
24. シコふんじゃった。
遅まきながらこの作品ではじめて竹中直人を見て、そのあくの強さに驚き、また感動しました。もっとも彼の役柄はどの作品でも同じに見えるのですが。今となっては。ま、それはともかく、やはりよく出来た娯楽作品です。大学生当時ガリガリに痩せていたわたしは、大会シーンで登場した本日医科大の相撲部員に自分を見るようで、なんか恥ずかしかったです。いまでは腹回りは相撲部員に近づきつつあります。それ以外は相変わらず本日医科大なみですが。。。 7点(2004-01-16 18:15:58) |
25. ポンヌフの恋人
ジュリエット・ビノシュがどうも苦手なもので。。。彼女が出ている作品はどれも好きなのに、主演が好きになれない。この作品もそう。なんでやろ。それにしても運河をボートで爆走ってシーンが全部セットだったなんて、やっぱフランスやのぉ。 7点(2004-01-15 21:23:43) |
26. 教祖誕生
下條正巳の教祖様ってのが、よい。宗教にはそこそこ詳しいほうですが、下條正巳とビートたけしという組み合わせの弱小宗教には、興味半分でつい関係してしまいそう。なんか恐いです。わたしって変?ともかくみなさん、宗教をバカにしてはなりませぬぞ。結構好きな1本です。 8点(2004-01-15 20:46:20) |
27. 幻の光
最近新聞紙上で是枝監督自身がこの映画を撮るに際して小津安二郎を意識していたと述べていました。やはり小津のイメージに引きずられてしまったところがありますね。それに気づいた監督が、自家薬籠中のドキュメンタリー・タッチに戻って行ったことは理解できます(少し残念でもありますが)。でもわたしはこの作品好きですね。人物描写にやや深みが欠ける気がしますが、他方画面の暗さ(ビデオはよく見えないほど暗い)が結果的に程よいバランスをかもし出していました。いっそう経験を深めた是枝監督自身の手になるリメイク版をいずれ観てみたいと思います。 8点(2004-01-15 20:32:42) |