21. イレイザー(1996)
ここにお書きの皆様はアルノルト・シュワルツェネッガー(現・加州知事)の「落ち目」をどこだと考えますか?僕はこの作品で「落ち目がやって来た~!」と思いました。肉体派俳優が必ず通らねばならない衰え。僕はこの作品を見て、シュワちゃんはそれを乗り切れなかったと思いました。 それにしても出てくる武器はいい!レール・ガン!この映画は単なる「未来武器博覧会」ですかぁ? 5点(2004-06-28 10:31:20) |
22. 7/6 ソビエトの一番長い日
《ネタバレ》 部類:プロパガンダ映画。ソ連共産党の正当性を人民に再認識させる目的で作られたと思う。 点数の理由:つまらない映画。ああ、時代劇やってんだな~と言うにしては、感情の入れどころがない。ただ事実をドキュメント的に綴っただけのものである。だいたいこんな映画旧ソ連の人だって面白くなかったと思いますよ。点数をあげたのは、音楽が良かったからです。シュニトケが作曲した音楽は、社会主義リアリストの衣を被ったヒューマニスティックなものである。この映画でも、シュニトケ・ファンなら唸るような曲作りをしている。しかもシュニトケの音楽は入手困難だ。この音楽もCDで入手可能になったらランクが3点に下がるかも。 それにしても内容は平凡。一体これは教育の為のフィルムかニュース映画を間違って一般の映画館に出したものだろうと思ってしまう。ただ、ロシヤらしく映像は綺麗だ。 内容を詳解すると、議会が大もめになっている所から始まる。ブレスト条約によるドイツ帝国との和平は、ロシヤにとって屈辱だったからだ。バルト3国やウクライナを失い(これらは劇外でドイツ帝国の崩壊で独立してしまう。その後再びソ連に組み込まれ、ロシヤの属領にされてしまうのだ)、しかもブルジョワ政権との和平である*1。スピリドーノワ女史率いるSR等はこれに反対、議会で多数を得られないと見るや、ドイツ挑発を決意。ドイツ大使を暗殺し、一時的に軍事的に優勢になる所までは成功したが、会議場でSR党員全員が逮捕され、この時点で事件は終わったと見ていい。が、この映画ではご丁寧にもボリシェヴィキ支持各党首演説でクライマックスを迎え、そして軍事的にも反対者を鎮圧させて終わる。 *1レーニンは元々世界革命主義者だが、政権を取るに際し一国革命主義者に鞍替えした振りをした。その際、ボリシェヴィキ党内の世界革命派としてトロツキー一人を孤立させた。なお、トロツキーはレーニン死後、党の人物から抹消されていて、この映画ではあたかもボリシェヴィキには世界革命主義者なんていなかったのように描かれている。 4点(2004-06-13 01:21:13) |
23. ゴジラ FINAL WARS
怪獣島シリーズで散々シリアスゴジラ派に叩かれたミニラが落ちを食うという結末です。どうするかと言うと、X星人打倒に自分を利用した人間に怒るゴジラに、「まあまあ」と説得して世界のどこかへ引き下がらせる大立ち回りをやるのです。で、ラストクレジットに入る直前が「笑うゴジラ」なのであれ~?の一言です。 人間が怪獣と共存できるようになったのは、世界中の軍事力が轟天号一つのみになり、怪獣の跳梁で世界の人口の大半が死滅し、危険でなくなったからだとしか思えません。それでも「戦いはこれから」と言う主人公のセリフは、50年で終わりを告げるはずのゴジラシリーズをまだ続ける余地を残すもので、何かなあ。 今まで出てきた怪獣たちが特色を発揮する事無く殺されていく・・・ 救いはラドンの飛行シーンで、ラドンが超音速以上の速さで飛んだ後のビル街が、ガラスが液状化して(ソニックブームなんてものじゃない。こういう状況は人知では予測不可なので描けたのでは)、あたかもビル街の人が「溺死する」ごとく死んでいくシーンです。不謹慎ですが、幻想的なシーンと言えます。 [映画館(字幕)] 3点(2005-03-30 22:45:06) |
24. 機動戦士ガンダムF91
素朴な疑問。ファーストガンダムにおける大量殺人兵器はコロニー落とし・ソーラレイ、Zガンダムにおけるのはコロニー落とし、核兵器、G3毒ガス、コロニーレーザー。ZZではコロニー落としが出て逆シャアでは隕石落とし。これらは対コストで考えると比較的安価に人が殺せる。現実味が有って恐いのです。「戦争はいけない」というのが伝わってきます。しかしこのガンダムで出た「バグ」という対人センサー付きロボットは解せないなあ。だって制作費無茶苦茶かかりそうでしょ?「こんなの普通の戦争のセオリーじゃありえないよ!」と一喝したくなる。現実味が無いと、戦争そのものさえ絵空事に追いやられそうで困るなあ。スペースポートが襲撃された時の逃げ惑う市民も何か逃げ慣れている感じだったし。 主役の母親が「仕事に没頭して家族を忘れた」と言うのは、今の家庭そのものだが、これがこの作品の主題だと言うなら、何でロボット物という形式でそのテーマを隠蔽するのだ。家庭放棄が問題の今、もっと直に言ってやったらいいテーマじゃないか(説教にならん程度にな)。この後に「クロスボーン」と言う解決編を書いているが、そこでは家族愛は問題になっとらんぞ、大して(「クロスボーン」完結編は問題なく面白いんだけどね・・・)。何せこの後に「∀」がテレビ放映されてそっちの方が面白かったよ。 3点(2004-06-29 03:36:32) |
25. 新ドイツ零年
かの名作「ドイツ零年」とは似ても似つかない。監督は確かマルクス主義者か毛沢東主義者だったと思う。だから、東西統一による東側の敗北の時を、「零年」と名付けたはずだ。しかしこの映画で見られるようなあたかも自由主義陣営=ナチというモンタージュは時代錯誤もいいところだと思うし、建設的ではない。映画の内容自体よく分からない上に旧東側への未練だけが漂う内容とあっては、こちらもあまり見ていて面白いものではない。まるでかのショスタコーヴィチがその詩を用いた詩人、Ye.イェフトゥシェンコが、未だに社会主義時代を懐かしんで未練タラタラな詩を書いているのと同じような情けなさを感じる。 [ビデオ(字幕)] 0点(2005-03-30 22:15:13) |
26. 北斗の拳(1995)
《ネタバレ》 もう今更言う程の事でもないが汚い映画だ。シンが倒されても空が晴れないのが何よりいやだったなあ。でケンシロウがシンに替わってサザンクロスを服従させとるし。これじゃやってることはむしろラオウ。 「北斗の拳 アナザーストーリー ラオウ対シン」と改名したらいかがでしょう。あ、いかん。こんな弱いラオウはいない。 それと僕の背後からシンを神と崇めるカーネルのような弟が「あんな弱いやつシンじゃないですよ~」って。そういえば原作ではシンは部下に女を辱めることを厳禁してたからなあ。この実写版の「シン」の部下って一体・・・ いずれにせよ原作に対し何の敬意も払わないリメイクは、大なり小なりこうなる。 0点(2004-06-13 10:14:50) |