21. 極北の怪異
劇場用長編ドキュメンタリー映画の出発点にして、“ドキュメンタリー”という言葉を生み出した、映画史に名を残す本作。 しかし、本サイトに登録がない! レビューがない! なんてこった! さて、本作はカナダの原住移民であるイヌイト(エスキモー)の生活を記録したドキュメンタリー作品である。 監督はイヌイトと生活を共にし、長い歳月をかけて撮影したらしい。 その甲斐あって、非常に生々しい映像を観ることができる。 イヌイトの生活を観られること自体が貴重であるし、しかもそれが、今から80年以上も昔の時点の映像であるということが更に貴重である。 イヌイトは現在、移住生活から定住生活へと移行し、近代的な生活へと変わったらしい。 イヌイトたちがアザラシを刀でさばき、生肉と脂を食らっている最中の、飼い犬たちの牙をむく姿がとても印象的であった。 そして、この撮影に協力したナヌーク一族が、完成した本作を観ることなく、2年後に事故死したという事実も、また衝撃的であった。 [DVD(字幕)] 7点(2021-06-26 18:12:39) |
22. 学生ロマンス 若き日
《ネタバレ》 私が今まで観てきたサイレント作品の中ではかなり上位に入る面白さ。 失恋にともなう哀愁が巧く表現されていた。 しかし、嘘の貸間を利用しての女探しだなんてアイデア、有名なんでしょうか?? 現代では到底、実現不可能なアイデアではありますが、勉強になりました。 [ビデオ(邦画)] 6点(2021-06-19 14:52:10) |
23. あるじ
《ネタバレ》 『あるじ』という題名から、てっきりキリスト教モノかと思っていたら、現代にも通ずる話でビックリ。 これを見て、妻の偉大さを改めて思い知らされた。 心洗われる作品。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2021-05-05 16:38:32) |
24. イタリア麦の帽子
なんか、おそろしくつまらないサイレント作品でした。 というか、観ていても内容がつかめない。 致命的です。 字幕を排除しても、内容が把握しやすいサイレントなら結構なんですが、本作はとてもわかりづらいのです。 [ビデオ(字幕)] 3点(2021-05-04 22:38:50) |
25. つばさ
《ネタバレ》 大作ではあるが、大して面白くない。 メリーの眉毛が気持ち悪くて仕方なかった。 終始退屈で、長く感じた。 [インターネット(字幕)] 3点(2021-03-04 19:14:31) |
26. ゆすり(1929)
見始めて、あれこれもしかしてサイレント?と意表をつかれた。 もうヒッチコックのサイレントは大体は見たはずなのに、あれ? だけど、途中から音声が入り二度目のびっくり。 内容としてはなかなか入り組んでいて面白いが、展開の遅さで少しイライラしてしまった。 しかし終わり方は完全に予想を外された。 [DVD(字幕)] 4点(2020-09-20 22:12:25) |
27. 霊魂の不滅
《ネタバレ》 念願叶っての鑑賞。 まだ観ていなかった最後の大物サイレント作品。 サイレントの中で比較すると、『鉄路の白薔薇』に勝るとも劣らないダイナミックなサイレント作品だった。 数章仕立てになっていて、そこが案外分かりにくかったりするわけだが、最終的に話が収束していく感じは、作品としてのスケールを感じさせる作りになっている。 まあしかし、時代が時代だけに、かなり都合が良い展開のストーリー。 そこに難あり。 あそこまでの悪人が、ああなるかねぇ・・・ その妻も即、夫を許してしまうかねぇ・・・ 難ありだが、サイレント特有の魅力があり、画質も綺麗なところは特筆ものだ。 鑑賞後、帰宅してネット調べて知ったのだが、この作品の監督であるヴィクトル・シェストレムって、イングマール・ベルイマンの名作『野いちご』の主人公イサクを演じた爺さんだったとは・・・ その事実を知った時、時の流れもダイナミックに感じた瞬間だった。 [映画館(字幕)] 6点(2020-07-25 23:13:49) |
28. キートンの蒸気船
セットを壊しまくる終盤のスタントに呆然。 キートンにしか演じられない、もの凄いスタントに唖然。 恋する女性役の脚の綺麗さも特筆もの。 小柄で、とてもチャーミング。 時代を超えて、この女優さんに恋をしてしまった。 荒くれ者の父親だが、息子に対する愛情が感じられ、ほんわかとした気持ちにもさせられる。 見所にあふれた、キートン代表作の一つ! [ビデオ(字幕)] 7点(2016-05-05 03:13:35)(良:1票) |
29. キング・オブ・キングス(1927)
《ネタバレ》 キリスト教に伝わる福音の数々を、そのまま引用し、イエスが起こす奇跡から復活までを、コンパクトにまとめた内容。 特に面白いとか面白くないとか、そういう映画ではない。 ただただ、キリスト教映画である。 この映画を観て思ったこと。 それは、なんだか善玉と悪玉がはっきりし過ぎているということ。 そして悪玉は最終的に後悔する。 結局は皆、イエスの思うがまま、である。 宗教映画だから当たり前の成り行きだろうが、さすがにうまく行き過ぎていて辟易する。 この一方的な価値観の押しつけこそが宗教である気がする。 真っ向から反対論を展開し、それも正しいとする表現が、もっとあっていいのでは? この映画で表現されている内容は、とても独善的だ。 もし多角的な価値観を認める宗教が存在するならば、信仰してもよいとさえ思う。 だがキリスト教は、私が学んだ限りでは、価値観の押し付けが過ぎている。 閉鎖的な環境の下で、一方的にキリスト教を説かれれば、傾倒してしまう完成度はあるが、冷静になれば都合の良い講釈と感じる。 これが、この映画に限らず、キリスト教というものに関する、私の雑感である。 [ビデオ(字幕)] 4点(2016-05-05 02:59:21) |
30. パンドラの箱(1929)
おそらく、私が今まで観てきたサイレント映画の中でワースト。 サイレント映画は、文字を極力入れずに分かりやすい映像で見せるか、もしくは、映像だけでは分かりにくいので文字で補うかの、いずれかのパターンが多い。 しかし本作は、文字挿入が控えめであるにも関わらず、映像だけ見ていても、話の筋が分かりにくい。 あらすじは知ってはいたが、もし全くストーリーを知らなかったら、細かい部分はほとんど分からなかったに違いない。 それと、出てくる男どもが気持ち悪い奴らばかりで辟易した。 デブと汚いジジイばかり。 主演の女優も、特別キレイとは感じなかった。 話が見えにくいフラストレーションに加え、汚いおっさんばかりという世界に、ほとほと限界を感じた。 [ビデオ(字幕)] 0点(2016-04-26 23:29:46) |
31. 十月
《ネタバレ》 10月革命について詳しくは知らなかった。 ネットで調べ、少しではあるが、前知識をもって鑑賞。 帝政ロシアを打倒すべく、貧しさにあえぐ人々が一念発起する。 特にラストの冬宮に進撃するシーンは、映画とは思えぬほどの迫力に満ちている。 こうして社会主義国家「ソビエト社会主義共和国連邦」が誕生したかと思うと、非常に興味深いし、感慨深い。 現在は、そのソ連も崩壊してしまった。 こんなに熱い思いで誕生したソ連が、今はもう無い。 そんな、はかなき思いも感じることのできる作品である。 歴史的出来事を映画化したという意味では、エイゼンシュテインの功績は大きいが、映画として楽しめるかは別。 楽しいというよりも、ただただ、目の前に起きている歴史絵巻に圧倒されつつ、茫然と観続けたという感触。 映画の枠を超越した映画。 [ビデオ(字幕)] 5点(2016-04-11 22:31:49) |
32. 第七天国(1927)
《ネタバレ》 男女が恋仲になるまでの過程が、丁寧に描かれていて、とってもピュアな恋愛映画。 サイレント特有の集中力は要されるが、セリフは極力、抑えられている。 そして、戦争が恋人や家庭を切り裂くという悲劇も、同時に描かれている。 サイレント映画の中では、比較的見やすい作品。 妻の女性も美人ではなく、親しみやすさのあるキャラクターで、物語の信ぴょう性を高めている。 [ビデオ(字幕)] 6点(2016-04-06 23:43:13) |
33. 忠次旅日記
フィルムセンター所蔵作品。 全3部からなる作品のうち、部分部分をつなぎ合わせて編集されたズタボロ状態の内容。 鑑賞に堪える状態とは言い難かった。 [映画館(邦画)] 2点(2014-02-16 21:16:25) |
34. ヴァリエテ(1925)
《ネタバレ》 妻の浮気を知り、浮気相手との空中ブランコに臨む夫。 このシーンの緊張感がたまらない。 ラストで浮気相手に殺意を抱き、睨みつける夫の目つきに鬼気迫るものを感じた。 [ビデオ(字幕)] 6点(2011-06-11 09:16:42) |
35. ビッグ・パレード
《ネタバレ》 『ビッグ・パレード』と言うから、さぞかし派手で楽しいパレードを予想したのだが、まるで反対だった。 『ビッグ・パレード』とは、戦時下における車や兵隊の“大行進”だったのだ。 でも、このビッグ・パレードの演出に凄みがあった。 大量の兵隊たちが敵陣に向って突き進んでいくが、敵方の機関銃にバッタバッタと倒れていく。 そんな仲間たちを尻目に、倒れるまで敵陣に突き進む兵隊たち。 死をも恐れぬビッグ・パレードに、戦争の狂気をも感じた。 サイレントの音楽付きだったが、音楽もそのビッグ・パレードを盛り立てる様に躍動。 何だか得たいのしれない迫力を感じた。 サイレント映画だからこその、独特の迫力だったのかもしれない。 [ビデオ(字幕)] 6点(2011-06-10 23:37:38) |
36. ウィンダミア夫人の扇
サイレント映画特有のテンポのダルさはあるものの、サイレントにしては比較的観やすい作品。 内容の構成はいたってシンプル。 ウィンダミア夫妻と、その他二人が主要登場人物。 この4人の間に起るちょっとした恋愛劇が主軸となり、華やかなお金持ちの晩餐会などの見所もあり。 女優陣で気になったのは、そのボディライン。 ずん胴。 つまり、くびれなし。 そして、たるんだ二の腕。 この時代は、こういった女性が美しいとされていたんだろうか。 エルンスト・ルビッチ監督の作品はあまり観たことがないが、入り口としての感触はそんなに悪くなかったので、これを足がかりにして、今後も積極的にルビッチ監督作品を観ていきたいところだ。 [ビデオ(字幕)] 6点(2011-05-21 20:16:09) |
37. キートンの大列車追跡
これってそんなに良いかなぁ。 キートンのスタントは完全になりを潜め、ひたすら凍った無表情がキャラとして固定。 確かに、器用に列車を使ったアクションは凄いし、面白いけど。 キートンの初期短篇映画を沢山観すぎたせいか、冗長で危険なスタントの欠ける内容には違和感をおぼえた。 [ビデオ(字幕)] 5点(2011-04-17 00:42:08) |
38. 和製喧嘩友達
《ネタバレ》 短い断片のフィルムだが、人間ドラマがその分ギュギュっと凝縮されている。 惚れた女のコを複雑な想いで見送る“和製喧嘩友達”の二人。 十分ストーリーは理解できるし、人生の悲喜こもごもが巧く表現されている、小津サイレントらしい逸品だ。 [映画館(邦画)] 6点(2010-12-05 18:31:03) |
39. キートンの捨小舟
キートンのハードアクトはなりを潜めているものの、ストーリーが面白いので楽しめた。 キートンの映画によく出てくる大男との絡みが面白い。 [DVD(字幕)] 5点(2010-05-15 00:35:36) |
40. キートンの空中結婚
キートン作品に多分よく出てくる女優さん、でっぷりしていて気色が悪い! キートンは女性のセンスが悪い。 全体的にマッタリとした感じの作品。 キートン作品としては、異色作かもしれない。 [DVD(字幕)] 3点(2010-05-14 23:58:53) |