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鉄腕麗人さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2597
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 43歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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381.  ニライカナイからの手紙
「手紙」には、とてもあたたかく、切ない“チカラ”があると思う。時間を超え、人々の元に留まり続けることができる。 現代人の範疇にもれず、僕も滅多に手紙なんて書かない。でも、たまたま今日、手紙を書く機会があった。口頭では伝えきれない心の中心の想いに、どうしようもなく胸が熱くなる。書き進める度に涙が溢れる。 手紙はその存在価値を見失われようとしている。しかし、やはり手紙はなくならないだろう。人間に“本当に伝えたい想い”がある限り、その素晴らしい伝達方法として、在り続けるだろう。 タイトルからストーリーについてのおおよその予想はつくと思う。そして、予想の通りの映画であろう。ただだからと言って、この映画が伝えるまっすぐなあたたかい想いが色あせることは決してないだろう。
[DVD(字幕)] 6点(2006-02-22 14:55:38)
382.  乱歩地獄
“乱歩地獄”と銘打ったこの映画が、もはや“まとも”な映画であるわけもなく、予想以上の錯乱ぶりが凄まじい。改めて、「乱歩」以外「乱歩」を評する言葉を持つものはいないと思う。 オムニバスの4作品すべてでパフォーマンスを見せた浅野忠信の存在感は、似合いすぎるほど乱歩ワールドにマッチして圧巻。 恐らく、江戸川乱歩映画が好きな人も、嫌いな人も、見たことがない人も、それぞれがある種の「地獄」を見るだろう作品だと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2006-02-20 16:46:44)
383.  ジャーヘッド
戦場現地の奥地で王国を築いたり、悲痛な戦場の惨劇の中で“生死”に対する感覚が麻痺しまっていくというような、仰々しいことだけが“戦争の狂気”ではないということを、この映画は雄弁に語る。 言うならば、「戦争」そのものが「狂気」であり、そこにそれ以外のものは無いのではないか?だからこそ、誰も死ななくても、誰も殺さなくても、“狂気”は生まれ、そこにいる者たちを急速に蝕んでいく。 ライトなテンポで敢えて感情的にならずに、主人公たちの心情の起伏を描き出すあたりに、サム・メンデスの流石の演出力が冴える。 テーマ性としては、映画によって散々描かれてきているもののようにも見えるが、「戦争」という「狂気」の“普遍性”とでも言うべき“何気なさ”を描いたこの映画は、非常に独特だと思う。
[映画館(字幕)] 8点(2006-02-16 23:53:08)(良:1票)
384.  ミュンヘン
きっと、“祖国を失うという喪失感”そして“祖国が存在しないという虚無感”なんて微塵も感じたことがない僕たちは、この映画の本当の「感情」なんて分かるわけがないのだろう。でも、だからこそ、客観的に冷静に見れる要因になるのかもしれない。おそらく、この「事実」に対して何らかの関わりを持つ民族の人たちにとっては、今作で描かれるものは非常にデリケートで、ある部分では大いに「反感」をかうのだと思う。 ただ、もし「客観視」が許されるのなら、やはりこの映画は素晴らしい。もちろんこの物語を客観的に観たままに終わってはならない。これは人間の歴史をそのまま形どっていると言っても決して過言ではない“憎しみの螺旋”の紛れも無い一端だからだ。 悲しいけれど、この“螺旋”は、人間が存在する限りいつまでもつきまとう“業”なのかもしれない。 非常に重く、繊細で難しいテーマ性と現実を孕んだ物語にも関わらず、その長尺をまるで感じさせないスピルバーグの映画術は流石だ。 ラストカット、彼方に見える貿易センタービルが、とても悲しく、感慨深い。“螺旋”はどこまでも続いている。
[映画館(字幕)] 9点(2006-02-11 00:06:06)(良:2票)
385.  ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer
最近初めてテレビシリーズを全編観たので、「特別篇」に続いてこの「映画」を観た。 まあ、テレビシリーズの終盤から感じてきたことだけれど、「謎」を引っ張るだけ引っ張っておいて、結局、悪魔的な要素で半ば強引に結論付けてしまうのはどうかと思う。 決してその要素自体が悪いのではなくて、シリーズ通して、「呪いにみせかけた殺人」や「犯人が仕掛けた意外なトリック」を主人公が見破っていくという主旨であるはずなのに、シリーズ全体のクライマックスでサイキックな精神闘争を見せられても納得できるはずがない。 主人公らのキャラクター性や、個別に見たストーリーは面白いのに、全体的なまとまりが激しく欠如している。製作サイドのあまりにいい加減で幼稚な“構想”が見えてくる。際どい部分ではあるが、こういうのは「ノリがいい」というのとは違うと思う。 ただ、中谷美紀はこのシリーズでかなりスキになった。
[DVD(字幕)] 1点(2006-02-02 19:23:55)(良:2票)
386.  ロード・オブ・ウォー
実在の武器商人の半生をシニカルに描きつつ、根本として示されたテーマは、もはや「悪」ではなく、この世界の「常識」となってしまった武器流通の実情だった。 “戦争王”と呼ばれた彼の生き方は、決して肯定されるべきものではない。だが、この世界の現状を示されれば、彼の言い分に対して一方的に否定はできない。それが、世界の現実であり、絡みついた蜘蛛の糸のように決して容易に逃れることができない人間全体の問題だと思う。 絶対に否定すべきだが安易に否定できないものを、ひとりの男の人生を通して、彼自信に肯定させることで、強く否定してみせた挑戦的な映画だった。
[映画館(字幕)] 7点(2006-02-02 19:09:41)
387.  フライトプラン 《ネタバレ》 
序盤から中盤までの映像から溢れるサスペンスフルな雰囲気は、観客を引き込むに充分なものがあったと思う。ストーリー自体も、常に「疑惑」がつきまとった良い展開を見せていたと思う。だが、クライマックスにかけて、荒唐無稽なアクション映画に転じてしまったのはどうかと思う。「母は強し」と言ってしまえばそれまでだけれど、いくらなんでもフォスターママが強すぎる。せっかく「航空機デザイナー」という面白味のあるキャラクター設定なのだから、もう少し理にかなったトラブルへの“対処”がストーリーとして用意できたのではないか?「真相」の設定も少々安易すぎるように思う。 テンポは悪くないので、ダレることなく終始見られたが、段々と粗が垣間見えてくる映画だった。
[映画館(字幕)] 5点(2006-02-02 18:18:14)
388.  THE 有頂天ホテル
今でこそ数々の映像作品にその活躍の場が広い三谷幸喜だが、やはりホームは舞台劇。ステージ上で展開されるような限られた空間を生かし描いた喜劇にこそ、彼の「笑い」に対する創造性が生かされることはもはや周知の事実であろう。そう一般に言う「グランドホテル形式」こそ三谷幸喜の独壇場なわけだ。ならば、その言葉自体を生んだ名作「グランドホテル」そのものをパロディ化した今作はが面白くないわけがない。 盛りに盛られた三谷流の“笑い”の伏線の数々に、問答無用に“豪華”なキャスト陣がそれぞれ絡み合い、爆笑を通り越してもはや「見事」と言うほか無い。 年越しを目前にして、様々なタイプの人間たちが集い、それぞれの悩みや葛藤を解消していく。笑いと同時に、素晴らしいドラマ性も含んだ映画世界は、愛すべき幸福に溢れていると思う。 ただ残念なのは、この年の瀬を描いた映画が、年明けの二週間後に公開となったこと。やはり、数日でも年末を含んで公開して欲しかったと思う。そして、リアルな年の瀬、もしくは正月に観たかった。
[映画館(字幕)] 8点(2006-01-17 00:23:17)
389.  トニー滝谷
素晴らしかったと思う。小説の映画化作品というものは多々あるけど、この映画ほど、小説の世界観が直接に伝わってくる作品は無かったと思う。まるで映像の中に、文体とそれが伝えるものが、うっすらと浮かんでくるようだった。 市川準監督らしい、淡々としたカメラワークの中で、二人の素晴らしい俳優が、これが映画であるということを忘れさせるくらいに、静かに、確実に、息づいていた。
[DVD(字幕)] 9点(2006-01-16 02:08:15)
390.  dot the i ドット・ジ・アイ 《ネタバレ》 
スリラーなのか、ラブストーリーなのか、序盤から中盤に至るまでなかなか作品の“真意”というかテンション自体が掴みきれない。もしかしたら、ものすごく中途半端な駄作なのではと思ってしまうほどに。しかし、まさにその掴みきれない曖昧さこそが、この映画の意図するものだったわけで。完璧に納得のいく設定だとまでは言えないけど、この作品が試みたアイデアと映画の展開性は、挑戦的だし小気味いい。 「演技」の借りは「演技」で返すという、ラストの顛末も映画のテンションにふさわしく小憎らしさがあって良し。
[DVD(字幕)] 8点(2006-01-12 02:21:58)
391.  皇帝ペンギン
自然界の動物の生態を指して、「親子愛」だとかそういう擬人的な価値観を押しつけることは出来ない。そんなのは、紛れも無い人間のエゴだ。そういう意味では、この作品のスタンスは少し過剰だとも思う。ただ、映し出されるペンギンたちの姿は、どうやったって「本物」なわけで、そのひとつの“生命”としての“生き様”には、純粋で力強い感動が生まれる。 もし、彼らの姿にどうしても、「愛」というフレーズをもって表現したいなら、それは、生命としての本能としての愛、すなわち「生命愛」であろう。
[DVD(字幕)] 7点(2006-01-07 02:49:24)(良:1票)
392.  マリといた夏
決して悪くはない。悪くはないのだけれど、何が良いかと言われれば、それもまた返答に困る。主題は、少年時代の不思議な記憶とノスタルジーなのだろうが、それがいまひとつ、全面に伝わってこない。 原因のひとつとして、おそらく、キャラクターデザインが少し平凡すぎるように思う。背景デザインのシンプルさは雰囲気があって良いのだけれど、そのままにキャラクターもシンプルなので、どうも感情が伝わってこないのだと思う。 加えて、ストーリーの展開もややまどろっこしい。シンプルなストーリーなのに、どうもテーマがそのままに伝わってこないのは、ストーリー展開のテンポの悪さゆえであろう。 逆に言えば、韓国アニメーションは、表現方法の部分でまだまだ伸び白があると思う。
[DVD(字幕)] 5点(2005-12-28 13:02:54)
393.  コーヒー&シガレッツ
自分が、コーヒーと煙草を好んでいないことが悔しくなる映画だ。苦々しい口当たりを表すような各シチュエーションの会話と、だからこそこみ上げてくる奥深い味わいがモノトーンの映像世界に溢れる。 シニカルなうわべだけのどうでもいいような会話が、なぜにこうも深みをもってくるか。たぶん、それがコーヒーと煙草の魅力なのだろう。 ケイト・ブランシェットの自演&一人二役をはじめ、ビル・マーレーのヌけた演技と出演者たちの存在感が、独特な世界観に拍車をかける。 コーヒー&煙草同様、まさに空いた時間に、何気なく、リラックスしてみるための作品だ。
[DVD(字幕)] 8点(2005-12-28 12:54:41)
394.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版
サスペンス映画で、これほど切なく、涙がじわりと溢れたことは初めてだと思う。 ストーリーの完成度が物凄く高い。主人公の能力についてのアイデア自体も斬新だが、それもよりも、物語としての整合性と全編通してのバランスが素晴らしい。「何が起きているか分からない」緊迫的な“恐怖感”溢れる導入部から紡ぎ出し、テンポのよい“緊張感”と“謎”を展開しながら、“切なさ”溢れるラストへと結びつける。作品のテンションにふさわしい、秀逸に練られたストーリーテリングだった。 日本公開され、DVDがレンタルされるようになってから少し経つが、今の今まで観ていなかったこと自体が悔やまれる“傑作”だと思う。 
[DVD(字幕)] 10点(2005-12-27 22:18:03)
395.  戦国自衛隊1549
最近の日本の大型娯楽映画には、以前と比べて随分良い作品が増えてきたのだが、今作の場合は、悪しい日本映画の典型を脱却できていない。それは、エンターテイメント映画のメッカであるハリウッドに対して、製作予算の絶対的差が生み出すものではなく、それ以前の問題であるように思う。 まず、とにかく演出があまりにチープ。もはや、まともに演技指導しているのかという風にすら感じてしまった。江口洋介にしても、鈴木京香にしても、それなりに達者な役者のはずである。それなのに、ああも自衛官に見えないのは、どういうわけだ。もちろん本人たちの役作りの甘さも大いにあるが、全体的に酷い演出が目に付く。特にラストの、意味不明な敬礼シーンなどは、失笑そのものであろう。 次に、映像的な工夫の無さ。(日本映画としては)それなりの製作費を投じて、それなりの大セットなり、CGなりを駆使しているのにもかかわらず、映像に説得力がまるでない。それは、あとほんの少しの、工夫と繊細さをサボっているからに他ならない。 ちょっといろいろな面で「酷い」映画だった。それにしても、良作だった「亡国のイージス」に対して、今作の方が圧倒的な数でレンタルビデオ店に並んでいるのは、一体どういうわけなのだろう?
[DVD(字幕)] 1点(2005-12-27 11:03:44)
396.  Mr.&Mrs. スミス
やっぱり最高だなこの映画。 激しい銃撃戦とスタイリッシュなアクションシーンに彩られているけれど、今作は見紛うことなき「夫婦映画」だ。 言うなれば、ジャンル的には、「夫婦善哉」だとか、「ブルー・バレンタイン」だとか、「ビフォア・ミッドナイト」などと並ぶ夫婦映画の傑作だ。  初見時から大ファンの僕は、たとえ年老いたとしても、ブラピとアンジーが夫婦である限り“続編”を期待していたのだけれど………。
[映画館(字幕)] 10点(2005-12-26 18:48:26)
397.  キング・コング(2005)
この映画は紛れもなく1933年の「キング・コング」のリメイクなわけだが、実のところ肝心な部分が大いに違う。それは、劇中の登場人物、そして映画を観る観客の“コング”に対する感情の相違だ。1933年版には、コングに対する“情”はほとんどない。終始「空想冒険活劇」が貫かれ、それが結果として製作者らも含めた人間の素のエゴイズムを表現している。 逆に今作には、コングに対する情が溢れている。いやむしろそれメインに描いていると言っていいだろう。そのこと自体は別に良いと思う。現代の時代性を考えても、コングをただの“怪物”として描くことは、良識的に不可能であろう。 ただしかし、あれほどまでにコングが、動物的な愛らしさを携えているのはどうなのだろう?あそこまで感情豊かに描かれては、そりゃどうやったって感情移入するし、悲劇を迎えればジワリと涙腺はゆるむ……。 果たしてそれでいいのか?やはりもう少し、“キング・コング”という“怪物”に何故か生まれてくる“情”を巧く描き出してほしかったように思う。 まあそれでも、これだけの容量で大スペクタクルを見せられては、娯楽映画として満足するしかない。ただ、ある種仕方のないことかもしれないが、全体的に“大味”な感が残ってしまったことは否めないだろう。
[映画館(字幕)] 7点(2005-12-22 19:05:10)
398.  ZOO(2004)
 オムニバス映画は大概評価が難しい。特に今作のように(同原作と言っても)話がそれぞれバラバラで、作り手も本職がバラバラなクリエーターたちとなると、尚更だ。少しずつでもそれぞれの物語がリンクしていれば、作品として一貫性も出てくるのだが…。なので、各話それぞれの評価をしようと思う。  「カザリとヨーコ」……題材は悪くない。“恐怖”という点では良い意味で趣味の悪さに溢れているし、映像化する意味もあったと思う。しかし結果として、ストーリーにまとまりがないまま終わってしまった気もする。<6点>  「SEVEN ROOMS」……明らかに「CUBE」の類似品。不条理な恐怖を描いたのは分かるが、やはり最終的にもう少し「理由」を描かなければ、物語としての完成度の低さは拭えない。全体的に“汚すぎる”点も個人的にはNG。<4点>  「So-far そ・ふぁー」……これは良かった。斬新なストーリーとして最終的にきっちりと「結末」が描かれていてまとまりがあった。映像的な感覚、小物の使い方(赤いソファー、緑のジュースなど)にもセンスを感じた。あとやはり、しっかりとした役者が揃っていたのが完成度を高めた要因だと思う。<7点>  「陽だまりの詩」……アニメーションであるこの作品が実は一番素晴らしかった。非常に繊細なアニメーションで、とても切なく温かい未来世界が繰り広げられる。「短編」という要素を最も巧く反映したのもこの作品であろう。Good Job!<8点>  「ZOO」……精神的な世界の恐怖を描いているので、中途半端なストーリーを指して一概には否定できない。雰囲気も悪くは無く、アリと言えばアリなのだけれど、正直腑に落ちない部分も大いにある。原作でも表題になっているほどなので、文体ではどう描かれているのか、そういう興味は生まれた。<6点>  という感じで平均をとると6.2点なのだけれど、出来不出来の幅が大きいので結局評価が難しい。
[DVD(字幕)] 6点(2005-12-22 11:25:26)
399.  チーム★アメリカ ワールドポリス
去年公開されるや否や、報道番組でも取り上げられる程に、ダイレクトで遠慮がない国際情勢批判(=アメリカ批判)や実在実名の国家、俳優を名指しで中傷したことが話題になった“人形劇映画”。  どんなものかと思ったが、スゴイ。本当に「限度」というものを、この映画のつくり手達は知らないのだろう。  とにかく、これでもかと繰り広げられる、自国批判、国際情勢批判、人権侵害を無視したブラックジョーク、人形にヤラセ放題の下ネタ・お下劣ネタのオンパレード。 それを、物凄くクオリティの高いパペット操作と精巧なミニチュアで完璧に描き出すのだから、尚更に(当事者にとっては)始末が悪い。  よくもまあ、これほどまでにあらゆる種類の人々を、あからさまに敵にまわすような映画が作れるなと、その大胆すぎる姿勢に感心してしまう。  そして、この完全なる「問題作」を公然と製作し、わりと(実際は知らないが)弊害なく、世界へと公開させてしまう、アメリカという国は、その“病的”な部分も含めて、やはり「強大である」と言わざるを得ないのではないか?  それにしても。こんなにも何もかもが可笑しくて滑稽極まりないのに、これほどまでに「笑えない」映画も初めてだ。 (実際は、終始笑いっぱなしなのだけれど……)
[DVD(字幕)] 8点(2005-12-21 01:10:04)
400.  男たちの大和 YAMATO
あえて言うが、この映画には、映画表現としての語り口の巧さだとか、映像的な巧みさ、小気味いい展開の妙など、表現としての工夫は何も無い。冒頭から繰り広げれるあまりに無骨な映画世界に一瞬“嫌な”予感がしたことは正直否めない。そして、その無骨さは、全編通して一貫される(戦艦大和上での圧倒的な戦闘シーンは別にして)。 しかし、涙が溢れ、止まらない。もはやあまりに普遍的な描写に、問答無用で涙がこみ上げる。そうして、次第に、「ああ、この映画には、表現としての工夫なんて必要ないんだ」ということを考える。 もちろん、ここに、映画的な巧さが加われば、それこそ物凄い映画になるのかもしれない。でもおそらく、この映画に携わった人々は、あえてそういうことに目を向けなかったのだと思う。それよりも、たとえくどかろうと、“事実”を明確に伝えることに力を注いだのではないか。 正直なところ、この映画の題材を聞いた時、時代に対して「古い」という印象がよぎった。戦後60年という時代を迎え、多くの人の中で、この国が経験した「戦争」という事実が確実に風化してきている。この映画は、そういう人たち、そういう時代に対する警鐘なのだ。 そして、この映画は無骨で語り口は非常に古臭いけど、描かれるテーマは今まで多くの戦争映画で描かれてきたものとは、確実に一線を画す。この作品は、日本が経験した「戦争」とそこに生き死んだ人たちを、美化も卑下もしていない。事実としての戦争を指してひとつの価値観で描くことはとても傲慢なことだ。この映画は、ただただ真摯に“そこ”で生きて死んでいった人たちを描き、生き続けることの意味、語り続けることの意義を、どこまでもまっすぐに訴える。
[映画館(字幕)] 8点(2005-12-20 00:51:05)
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