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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 542
性別 男性

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401.  悪魔のような女(1955) 《ネタバレ》 
ヒッチコックに影響されたのか、はたまたこの映画がヒッチコックに影響を与えたのか、どちらかわからないくらい雰囲気が似ていますよね。 殺人を終えて自首しようか迷っているクリスティーナに対してそれを思い留まらせようと説得するニコールですが(これは「ロープ('48)」に似ている)、実際に毒を盛ったのも水に沈めたのも像を重石として実際に使ったのもみんなニコールなんだから、「自首してしまえば刑は軽くなるぞ~」と、いつの間にかクリスティーナに感情移入してしまい、最後のどんでん返しではクリスティーナ同様に完全にノックアウトされました。このように、騙される側の人物に感情移入させることによって観客にウラを読ませない筋書きと監督の手腕に脱帽です。 名シーンの宝庫ともいうべき本作ですが、ドアが閉まった瞬間にミッシェルのグレーの背広が老刑事の目の前に出てきて「こんな感じ?」と言うシーンが特に好きなんですけど、何かゾッとしますよね。 それと、プールの水を干した時、下からのアングルでクリスティーナが卒倒するところを映したシーンなんて芸術的じゃないでしょうか。 ニコールはあれだけ巧妙にクリスティーナをだまし、徐々に心理的に迫り、最後には心臓発作を起こすくらいまで追い込んだのですから、まさに“悪魔のような女”でしょう。 ラストで、少年が言ったセリフにいまいちピンとこないのですが、トータルで見ると映画全体でモノクロ画面のとても良い雰囲気が味わえたのと、数々の映像のテクニックに大いに魅了され、ラストのインパクトもしっかり衝撃を受けたので、久々に満足のいく映画に出会えたと思いました。
[映画館(字幕)] 8点(2006-07-02 01:23:30)
402.  モンパルナスの灯 《ネタバレ》 
ジェラール・フィリップ特集なる企画で本作品を観ました。それまでに観た彼の作品は女性を口説くシーン満載だったのに対し、この映画での彼はちょっと影がある役柄で新鮮な感じもあって(他の作品とは違い)最後まで飽きずに観れました。 この映画で好きなのは、主人公モジリアニの周りの人に対する誠実さでしょうか。 序盤のベアトリスに対しての暴力を見ると、一見悪い人間のようにも見えるかもしれませんが、ジャンヌに対しての思い遣る気持ち、自分自身が貧乏であるにもかかわらず道で通りかかったバイオリニストにお金を置いていくところ、花を二人分買ったりするところを見ると、実はすごく芯の通った人間なんだと思います。また、アメリカの富豪の所に絵を売りに行ったときに言ったゴッホの言葉を語るシーンなんかは、あぁやっぱりこの人は芸術家だなぁと思い、彼の芸術家としての信念を見ることができて感動しました。 当時のモジリアニの絵を高く評価する人は、アメリカの富豪のように芸術や芸術家を理解しない人だったり、モレノ画商のように非情な人物が多く、彼自身は不運な人生だったかもしれませんが、ジャンヌをはじめとする多くの人に支えられたのは幸せだと思います。 最後にモジリアニの絵を買ってくれて、笑みがこぼれたジャンヌですが、真相を知って自殺してしまったという事を聞くと、何ともやるせなさがこみ上げてきます。
[映画館(字幕)] 7点(2006-06-25 17:39:38)
403.  しのび逢い(1954) 《ネタバレ》 
ストーリー前半までは、いつものジェラール・フィリップだなぁ~(笑)などと、楽しめたのですが、よく観てみるとただ淡々と回想をたどるだけのストーリーなので、ちょっと退屈してしまいます。他に出てきた女性達よりもパトリシアが一番綺麗だったのに、登場回数が少なかったのがやや不満。最後、車椅子に乗っているジェラール・フィリップは頭までやられちゃったのでしょうか?それでもなお、女性を目で追っているところが何とも哀れでした。
[映画館(字幕)] 7点(2006-06-10 18:28:25)
404.  ひまわり(1970) 《ネタバレ》 
自分にとっては毎度のことなのですが、またしてもやっちまったという感じでした(ToT)  ジョヴァンナがロシアまで夫を探しに行って一組のロシア人親子に出会った時、子供が「ボンジョルノ」と挨拶し、さらに、家に入ってダブルベッド(&枕×2)を見た時点で「ハハ~ン、成る程ねぇ・・・そういうことか~」と、その時点である程度状況を察していないといけない訳なんですよね。 ジョヴァンナが電車に乗り込み、号泣してるところを見るまで状況が掴めなかった自分には殺意すら覚えますよ全く。 こういう自分みたいな鈍感な人間がレビューすると、どんなに優れた作品でも必ず評価が低くなってしまう(-_-;) この映画の関係者の方々やレビューで高評価なされた方にはちょっと悪いなぁって思います。 さて、自分がこの映画で一番気になってしまったのが、最後の別れのシーンなんですけども、何か妙に過剰な演出に思えてしまうのです。ちょっと捻くれた考えかもしれないですが、映画の後半のストーリーを構成するためにわざわざあの別れのシーンを組み込んだ感じに見えてしまい、そもそもアントニオがイタリアに戻ってきた時点で、最後の見せ場を作ってるんだ、というハリウッドの映画によくあるようなわざとらしさみたいな感覚を覚えてしまって、あのシーンには特に何も感じることが出来ませんでした。 また、その一方、画面全体に夕陽を浴びたようなやや赤みがかった画面が終始非常に美しく、特に画面全体に果てしなく広がるひまわりの風景がとても綺麗で、あの印象的なテーマ曲と共にとても心に染み入りました。このテーマ曲とひまわりの映像だけでも十二分な価値があるのではないでしょうか。 ところで、オープニングとストーリー半ばで出てきたひまわりが堂々とした様子で咲き誇っているのに対し、エンディングで出てきたひまわりは、心なしかうつむいているような気がして、ちょっと切なくなってしまいました。
[映画館(字幕)] 7点(2006-06-07 22:55:28)
405.  ウイークエンド(1967) 《ネタバレ》 
何となく好きです、この映画。ストーリーがあるのかないのかよくわからないような感じなのですが、その道中に出てくる一つ一つの場面がみんなブッ飛んでいて面白いのです。中盤あたりになってくると、「おぉっ!また出てきたな(笑)」と変なヤツが出てくるたびに嬉しくなっちゃったりしてしまいます。 一番の圧巻はやはり300メートルと言われる渋滞シーンの長回しでしょう。この映画では長回しのシーンがよくあるのですが、このシーンには度肝を抜かれました。この渋滞の先には一体何があるんだろう・・・という風な、ちょっとドキドキさせられるシーンがある映画って好きなんですよね~。 あと、オープニングの「WEEK END」の文字のトリコロールカラーのタイトル画面が最高にカッコイイです。 個人的な好みとしては、出来れば、終盤におけるクライマックスをもう少し大胆にして盛り上げ所をつくってもらいたかったです。けど、この映画でちょっとゴダールが好きになったかもしれません。ゴダールってストーリーを無視して観た方が面白いかも・・・。
[映画館(字幕)] 7点(2006-05-27 21:48:40)
406.  ローラ(1961) 《ネタバレ》 
この映画の製作された1960年といえば、カラー映画が台頭してきている頃ですが、初恋というノスタルジックな題材を描いたこの映画には、むしろモノクロで撮ったのが正解でしょう。 この映画のモノクロ画面の面白いところは、屋外だろうが家の中だろうが、撮影のための照明を一切使わずに、全て自然光で撮っているということ。人物の表情が捉えにくいシーンもありますが、あたかも自分が実際にその場所にいて、その場で会話をしているかのような妙なリアリティーがあります。夜8時のシーンにもかかわらず、部屋の中に太陽の光が差し込んできたりしますが、そういうとこはまぁご愛敬ということで(笑)。 この映画を観たのは2回目なのですが、1回目に観たときと同様、冒頭のカフェに来たおばさんの息子ミシェルのくだりがどうも弱すぎるような気がします。そのおかげで、映画中盤でローラの初恋の相手がミシェルだと言われても、しばらくその繋がりに気づかなかったりします。 ところでこの映画、女目線で見ればハッピーエンドなのかもしれませんが、自分は男なので、最後に一人トボトボと歩くローラン・カサールを見て、どうも不公平なエンディングのように思えてしまいます。ジャック・ドゥミがこんな映画を作るわけがない。こんな理不尽なエンディングがあってたまるかと思い、もしかしたらローラは本当は幸せを掴んだように見えて実はそうじゃないのかもとか、ローラン・カサールはどこかしらで幸せを掴んでるのかも、とかいろいろ考えてみましたが、この監督の後の映画でローラの行く末を語る場面があります。何もそんなにしなくても…というほどですが。
[映画館(字幕)] 6点(2006-05-07 22:47:54)
407.  美しき運命の傷痕 《ネタバレ》 
てっきり、映画を観ている最中は自分も、母の車椅子を引く女性が長女なのだろうとばっかり思っていたので、家に帰ってきて見てみてちょっとビックリしました。 自分はまだ結婚もしていないので結婚生活とか不倫とかって、イメージでしかわからないのですが、いずれのパターンにせよ、辛い思いをするのって女の方なんですよね。 男って、女よりもトラウマにつきまとわれにくかったりと精神的に強い分、女よりも人の痛みに鈍感なところがあって、それが浮気の根本的な原因なのかなぁなどと考えてしまいました。この映画以外の世界でも、そう言えば男って鈍くて身勝手だよなぁ・・・と、何かを悟ったような気になってしまいました(笑)。
[映画館(字幕)] 6点(2006-05-05 15:59:34)
408.  ぼくを葬る(おくる) 《ネタバレ》 
SARAさん、お先に失礼します。 さて・・・、 もし、自分がこの主人公みたいに余命あと何ヶ月と宣告されたらどういう行動をとったでしょうか。恐らく、この主人公みたいに周囲の人間に対して攻撃的になるでしょうし、独りの時間が多くなって自分を見つめなおすのではないでしょうか。 また、主人公は交際中の恋人に別れを告げています。八つ当たりのような態度でしたけど、きっとそれが正しいような気がします。 交際していた恋人のことを大切に思い、新たな恋を探してもらうべく、この主人公のように冷たくあしらうのが最良の方法なのかもしれません。 姉と喧嘩した後も、ちゃんと謝って仲直りして心残りがないようにするのも何となくわかるような気がするし、祖母を訪ねたりっていうのもすごくよくわかります。 けど、やっぱり自分にはどうもピンとこない映画なんです。ごめんなさい。死を意識したことがないわけではないけど、自分にはちょっと難しかったです。 ただ、この映画の中で気になるのが、主人公が同性愛者だという事。特に同性愛者でなくても物語は成立するはずなのに、いまいちその意図が読み取れません。というか、フランス本国ではそんなことを改めて考える必要もないほどに同性愛者が世に認められているということでしょうか。それと、(毎度のことですが)露骨なセックス描写があったのもマイナスポイント。愛のないセックスって見ていて苦痛じゃないですか?いや、自分がまだ大人になれていない証拠ですわ(>_<)
[映画館(字幕)] 6点(2006-05-03 17:44:01)
409.  やかまし村の子どもたち 《ネタバレ》 
子供好き&動物好きの私としてはこの映画は堪りません!この映画を見ていると、この監督は本当に子供が大好きなんだろうな~というのが画面から伝わってきます。ストーリーは無いようなものですが、一つ一つのやりとりがとても可愛くてほのぼのとしていて、この映画を観ている間ずっとニコニコしながら観てました。童心に返れます。 2つほどツッコミ所を挙げさせていただくと、まず、主人公のリサが宮里藍に似ているという事。そして、あれだけ平和な村に番犬なんかいらねぇ~だろ!という事です(笑)。 それはともかくとして、この映画を観て感じたのが、子供たちの創造力の凄さです。足の親指につけた紐や手紙のロープウェーなどモノを作ることに関してはもちろんですが、修理してもらった靴を宝物に見立て海賊ゴッコを考え出してしまったり、「ソーセージの歌」を作ってしまったり「道を歩かなきゃいけないって誰が決めたの?」や「ホコリは素晴らしい!」のような、既成概念にとらわれない柔軟な発想って歳をとってしまうと絶対に考えつかないものですよね。新しいものを創造する能力って、実は子供が一番才能あるんじゃないかなぁ~なんて思いました。若いって素晴らしい!!
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-15 14:56:56)
410.  猫の恩返し 《ネタバレ》 
ここにある皆さんのレビューを読んで初めて、そういえば絵がちゃんと描かれてないなぁと気づくくらいアニメには詳しくないですが、自分なりに感じた点を挙げるとすると、まず一番気になったのが、ストーリー展開やキャラクター設定が幼児向けに作ったのではというほど、深みがないという所でしょうか。ストーリー展開で言うと、特に終盤。猫の国から脱出するために塔に登らなければならないという事実が“突然”出て来る。さらに進むと、そこへ行くまでには巨大迷路が実は存在する。やっと、塔に登り始めたと思ったら今度は塔の中に兵を隠しているということが登っている最中に発覚。と、何もかもが唐突で、行き当たりばったりの印象がするため、ストーリーがとても安っぽく感じられてしまうのです。しかも、迷路を抜ける時も塔の兵が襲ってきた時も自らの力でピンチを乗り切ったのではなく“乗り越えることが出来てしまった”という切り抜け方であるため、感動もなければ驚きもなく(違う意味での驚きはありますが)、しかも、あの一連のアクションをギャグとして解釈したとしても非常に低レベルであるのは明らかであり、どう転んでも秀作と言える余地はないでしょう。このような都合よく行き当たりばったりに進んでいくストーリーを見ると、この作品を作った人も何事も軽はずみでものを進めていく人なんだろうなぁ、なんてことを考えてしまいそうですね。
[DVD(邦画)] 3点(2006-03-16 23:29:23)(良:2票)
411.  ギブリーズ episode 2
登場人物が立体的に浮き出て見えたりと、実験的に作った作品であることはわかるけど、もう少しストーリーを組み立てて欲しかった。エンドロールが見えにくくてわからなかったが、おそらく複数の人がそれぞれ短編を作り、繋ぎ合わせて作ったように見えた。そう考えると、ストーリーが繋がっていないのも納得がいく。私はDVDで観たからまだ良かったけど、映画館でこれを見せられた方は本当に気の毒だと思う。「シベリア超特急」ばりに続いて欲しくない作品。
[DVD(邦画)] 2点(2006-03-12 22:42:06)
412.  イベリア 魂のフラメンコ 《ネタバレ》 
この監督は舞台の演出家としても優れた人だと思う。 最初の、グランドピアノから始まる長回しは、まぁ、挨拶みたいなもの。鏡を駆使して人の動きを多角的に捉え、光と影を使いこなして巧みに人物の表情をつかみ、さらに、真っ白なスクリーンを背にしてダンサーの表現するものを最大限に“魅せる”カメラワークは秀逸の一言。 また、ダンサーの背後にあるスクリーンに写し出されたダンサーの分身との“共演”も素晴らしいが、極めつけは、ラストシーンでの雨粒の演出。もう、とにかくカメラワークがカッコイイ! できれば、ストーリーを語って欲しかったけど、それを拒否したところが残念でならない。このくらい素晴らしい演出ができる監督ならばきっと見事な作品を作ってくれるに違いないのだが・・・非常に惜しい。
[映画館(字幕)] 7点(2006-03-05 14:33:37)
413.  ワルツ合戦 《ネタバレ》 
訳あって(-_-;)後半のあたりしか覚えてないのですが(マイナス1点)、法廷での討論の際にランナーが指を叩いて出来たリズムをヒントにシュトラウスがピアノを弾いて、それをランナーも一緒になって曲を奏でるシーンが特にいいです。 エンディングもまた序盤の伏線もあってか、実にお洒落な締めくくり方で、これがまたイイ! 是非、機会があればもう一度観てみたいです。※
[映画館(字幕)] 7点(2006-03-05 00:55:29)
414.  會議は踊る 《ネタバレ》 
ナポレオンって、実際には国に帰って来たんでしたっけ?確か、そのまま地中海の島で余生を送ったんじゃなかったかなぁ・・・と思い調べてみると、ナポレオンは一度フランスに帰ってきたらしいです。しかし、またもや敗戦し、今度は脱出不可能な大西洋の孤島に送られて、そこで生涯を終えたそうです。 私はといえば、世界史はほとんど勉強したことがなかったので、この映画の背景に関する知識も全くなく、しかも理解力にも乏しい為、何故ナポレオンがフランスに帰ってくるとロシアの皇帝がウイーンを去らなければならなかったのかがわかりませんでした。それほどナポレオンが恐れられていたということでしょうか? ↓のレビューを拝見すると、先に書かれている方々が仰るとおり、「ただ一度だけ」の馬車のシーンの延々と続く長回し撮影は、よくもまぁこんなに長々と、しかもちゃんと表情を捉え続けたまま撮ったなぁ~と、このシーンは妙に印象に残りました。あと、もう一つ個人的に好きなところは、メッテルニッヒオーストリア首相が水をグラスに注ごうとした時にロシア皇帝が現れ、驚きの余りピッチャーを傾けたまま固まってしまっているところを元に戻したのがロシア皇帝だった、というシーンです。 トータル的には、華やかなシーンあり、ユーモラスなコメディあり、楽しく歌を歌うシーンありで、素直に楽しめた映画だったと思います。欲を言えば、幼なじみの彼と一緒になってハッピーエンドで締めて欲しかったんですけどね。
[映画館(字幕)] 7点(2006-02-26 23:05:24)
415.  嘆きの天使(1930) 《ネタバレ》 
「最後の人」から6年、エミール・ヤニングスもどれだけ老けただろうかと思って観てみましたが、意外とそんなには老けてなかったのでちょっとびっくりしました。それどころか、逆に若返ったような風にも見えたと思います。 ところで、この時代のドイツ映画って何故か恐ろしくテンポが悪い。間が悪い。必ず途中で眠くなってしまうのですが、この映画もその例に漏れず、途中までは全然面白くなくて、後半くらいになってようやく(“嘆きの天使”の店に戻ってきた辺りから)徐々に面白さを増していきます。E.ヤニングスの凄まじい演技はまさに鳥肌モノ!前半でのダラダラした展開が嘘のように感じられてしまうのですが、よく考えてみると後半のシーンは監督の手腕というよりもE.ヤニングスの怒涛の演技力によるところが大きいような気がします。 ストーリー的には、E.ヤニングス扮するラート(元)教授が見ていて情けないというか哀れといった感じで感動とは程遠く、心に深く残るものはなかったので、ややイマイチな評価になってしまいまして、前半までは5点、後半は9点、時間配分を考えて全体で6点くらいなんですが、ローラの脚線美とE.ヤニングスの迫真の演技にオマケして7点としました。
[映画館(字幕)] 7点(2006-02-25 23:47:24)(良:1票)
416.  禁じられた遊び(1952) 《ネタバレ》 
どこかで前にも書きましたが、良い映画は最初の10分でわかる。 まず、冒頭の爆弾投下の資料映像と逃げまとい阿鼻叫喚する人々のカットバックが凄い。全く違った二つの映像が何の違和感もなしに一つのフィルムとなってストーリーを形成している。また、それとは対照して、女の子の純真無垢な表情が収められ、さらに、犬や馬や牛などの動物までもが完璧に監督の思い通りに動いている。ルネ・クレマンの手にかかれば動物までもが役者と化す、とまで思うのです。 ところで、この映画って幼い男女の恋愛を描いたという風に捉えることも出来るようですが、私がこの映画の二人から感じたのは、異性に対する恋心と言うよりも兄と妹の関係で生まれる感情の方が強いような気がするのです。自分に妹がいるからかもしれませんが、自分の小さい頃ってよく妹と一緒に遊んだりして、今思えば、この映画のミシェルの様に妹のわがままをよく聞いていたような気がします(今は喧嘩ばかりですけど・・・)。だから、何となくですが、教会の十字架を取ろうとしたりっていう気持ちはわかるような感じがするし、それだけに、終盤近くの、水車小屋での少年の涙、そして、少年を暖かく見守るフクロウの瞳が強烈に印象付けられてしまいました。あれはラストシーンよりも心に焼き付いています。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2006-02-22 00:03:48)
417.  肉体の冠 《ネタバレ》 
大工という職業柄、庶民的な顔でなければならなかったのかもしれないが、マンダ役の俳優がちょっと存在感に欠けていたように感じられた(マリー役の人は適役だったけど)。 また、マンダとマリーがお互いに惹かれ合う心理的描写もはっきりとしてなかったと思う。 序盤くらいまでは気が強い女に見えたマリーが「私のこと好き?」なんて聞いたり、結婚式を覗き見しているときや髪をおろしたときは普通に可愛く見えた。女って、一見強そうに見えてもそういう可愛らしさがどこかにあるんだなぁ・・・って思った(勘違い?)。
[ビデオ(字幕)] 5点(2006-02-12 22:19:14)
418.  プラーグの大学生(1926) 《ネタバレ》 
鏡のシーンにちょっとビックリした。鏡の左端に写っている女はちゃんと写ってたのにバルドゥインだけが消えていましたよね。あれはどうやって撮ったんだろう?? 他に印象に残っているのは、自分の分身が行く手を阻み執拗に追ってくるシーンでしょうか。確かに追っている方も顔つきが怖くて、追われているほうも鬼気迫る表情でこれまた怖い。この、一人二役を演じたコンラート・ファイトとかいう役者に拍手(ちょっとフケ過ぎだけど^^)。あと、スカピネリ役のおっさんもなかなか怖い。いやむしろ、こっちの方が怖いかも。 やっぱり、昔の役者さんは現代の役者には絶対に出せない顔があって、見ていて凄く面白い。こういう怪奇な世界を味わうんだったら、やっぱりこの時代の作品に限ります。これもまた、クラシック映画の醍醐味と言えるでしょう(結論!)。
[映画館(字幕)] 7点(2006-02-04 17:19:30)
419.  サウンド・オブ・ミュージック 《ネタバレ》 
何か、ストーリーの構成が「大脱走」に似ていると感じたのは私だけでしょうか。上映時間もほぼ同じだし、作られた年代も近い。シネマスコープだし、ナチが絡んでいるところや、前半までが面白く感じられたところまでも似ているような気がします。 私より前に書かれたレビューを拝見すると“健全な映画”との評価が多々ありますが、それはクラシック映画に存在する独特な秘めたる魅力なのだと思います。それがクラシック映画ならではの魔力(?)であり、健全さを感じるのはそのためだと断言しちゃいます(私の「ローマの休日」のレビュー参照)。 さて本題。この映画で一番大事なのは、マリア(←名前もすごくイイ!)の子供たちへの愛ではないでしょうか。父親の絶対的な規律により抑圧された生活を送っていたことの反動もあるかもしれませんが、子供たちのために服を作ってあげたり、歌を教えてあげたりと、人間らしさを呼び起こさせるような、マリアの愛情に満ち溢れた接し方に感動してしまいました。この映画は子供向けの映画などではなく、むしろ人を指導する側の立場の人間にこそ是非観て欲しい映画です。この映画を観てると、何か自分も教師になれちゃうような、そんな気さえしてくるようです。 それと、この映画の終盤で、ロルフという青年が自分の職務に忠実で、最後までトラップ一家を逃がすまいとしていたのが凄く悲しくて、何とも言えない寂しさに襲われた。前半であれだけリースルと愛し合っていただけに、軍の規律に恐ろしいほど忠実になってしまい、序盤の父親の教育方針もそうだったが、軍隊の規律というものは一人一人が持っている人間性というものを極限まで奪い取ってしまう恐ろしいものだと感じた。つまり、この悲しさや寂しさが“反戦映画”としてのメッセージなのでは・・・と思いました。 ところで、私が観に行った映画館には子供連れで来た人もいたようで、ドレミの歌を一緒に口ずさむ子供がいたのにはちょっと嬉しくなってしまいました(チョットうるさかったけど^^)。
[映画館(字幕)] 8点(2006-01-29 22:48:19)
420.  鴛鴦歌合戦 《ネタバレ》 
「んもぅ~」、「お父さんのばかッ!」、「アナタなんて嫌いよ」・・・などのような、お春さんの愛嬌たっぷりに喋るところも可愛らしいですが、片思いの彼が他に婿養子として行ってしまうと言われた時、涙を流し袖のふちで涙を拭う仕草がとても可愛くて、普段洋画しか観ない自分としてはあの仕草にコロッとイってしまいました(^_^) 外国じゃ絶対あんなふうに泣かないですもんね。 歌を唄っているシーンも、コミカルで楽しいシーンばかり。序盤の、傘が画面いっぱいに広げられているシーンでの歌(傘を作る者あれば使う者あり…って歌)と、大名が自分の家来のことを“ガラクタばかり”と言っているシーンの歌が特に好きです。 そして、ラストの大乱闘。コメディということもあってか、やや“作った感じ”のする戦いぶりでしたが、なかなか迫力があり見ごたえ十分のシーンでしたので、こちらもしっかり楽しめました。 一点だけケチを付けさせて頂くとすると、オフレコであるところがハッキリとわかってしまう部分がちょっと多かったため、少し減点させていただきます。俯瞰で撮ったところに歌を入れるとちょっとキビシイか・・・。
[映画館(字幕)] 8点(2006-01-28 17:47:58)(良:3票)
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