501. ジャンヌ・ダルク(1999)
《ネタバレ》 もともと私にはよくわからないのですが、宗教色を気にしないでエンターテイメントとして、フィクションとしてみればまずまずでは。ジョボビッチのジャンヌ・ダルクは非常に美しいし熱演でしたが、神懸かった少女の心理描写がうまく出ていたかというと、点数が下がります。しかし、マルコビッチの小さな動きに至るまでの気色悪さは天晴れなほどでした。火あぶりシーンで終わるので、後味の悪さはこの上ないです。 5点(2004-02-10 19:42:51) |
502. ファーゴ
《ネタバレ》 上も下も右も左も真っ白の世界に、目印としてブシェミがつんと突き刺す棒杭の意味の無さ・・・。犯罪の動機も薄っぺらで、犯罪の依頼人も実行犯もどこか抜けている。おまけに事件を捜査をする警官は妊婦さん。どこまでも慌てることなく、犯人も難なく捕まえる。ほよよんとした風体を保ちながら。この映画は起伏の無い犯罪映画で、婦警さんのさらにほよよんとしたダンナが登場し、おっとりした空気を投げてきたりする。薄っぺらな犯罪におっとり空気、新しいのかもしれないが、良さが私には引っかかってこなかった。 5点(2004-02-09 21:15:20) |
503. 誘拐(1997)
渡哲也一人脚光を浴びている感もあったけれど、推理映画としてなかなか力を持っていて楽しめた。現金抱えて街中を奔走する例のシーンは、迫力あったけれど、あんなに派手にやらなくっても・・・。でもおかげで後半の静かな捜査シーンが引き立っていた。 7点(2004-02-08 09:22:36) |
504. モンスターズ・インク
なかなか。キャラクターは今更言うまでも無く、モンスターズインクという会社の設定も面白かった。オープニングは洒落ててカッコ良く、エンディングのNG集は遊び心で溢れていましたね。ストーリーは、まあ普通に楽しかったけど、ブーちゃんはもちょっと意外なハチャメチャをしても良かったかな。 7点(2004-02-08 08:57:56) |
505. ベルエポック(1992)
いろいろ賞を取って評判は聞いていたのに、いざ見てみたらなんじゃらほいっていう内容だったのを覚えています。ある青年が小さなきっかけで滞在することになった家で、その家の4姉妹全員と仲良くなっちゃう、というなんだかけしからん内容だった。一番純真な4女はペネロペだったのかー。とにかく、大して愛嬌も感じず、ドラマも無い映画だった。でも田舎の風景はのどかで良かったかな。 3点(2004-02-07 23:56:05) |
506. 不機嫌な果実
美しい映像を狙っているのかなあ、というシーンもありましたが、心に留まることは無かった。一時話題になりましたが、んー、一言で言うと、ぼやーっとした映画。得るもの何にも無し。 1点(2004-02-07 23:46:29) |
507. 蜘蛛女のキス
《ネタバレ》 うわー、暗く、悲しく、後味悪く、だけどとても素敵な映画でした。ゲイと政治犯が監房の中で過ごすうちに、少しづつ心の糸を結び合う過程が描かれています。ゲイのモリーナ役、ウィリアム・ハートが特に秀逸で、落ち窪んだ目の囚人が、最後は愛のために走るレジスタンスに成り代わっていて、私にはとても美しく見えました。二人で房で語り合うシーンが多いのですが、モリーナの優しさやにじみ出てくるような悲しさが、刑務所という暗くて厳しい、硬い背景を和ませていました。二人の魂はどこに行ったのでしょうね。最後、空想の世界に旅立つバレンティノが愛しい女性と手をつなぎながらも「モリーナは?」と振り返るところがひどく印象に残っています。 9点(2004-02-07 19:36:40) |
508. あの子を探して
《ネタバレ》 素人の子ども、しかも本当に貧しい生活を送っているらしい子どもを使っての映画。走ったり、むくれたり、泣いたりの顔に役者では持つことのできない必死なものがあるため、こちらもついつい真剣に・・・。少女の代理先生が、出稼ぎのために村を出た生徒を探し、村まで連れて帰るお話。近年の中国は経済的に発展し、上海北京などの都市を歩く若者達は日本のそれとさほど変わらない風に見えるが、この映画はまだまだ本当に有りうる話らしい。チャン・イーモウがこんな形で世界に「中国」を見せる姿勢に感心する。 7点(2004-02-06 19:40:49) |
509. 天空の城ラピュタ
この映画が劇場公開されたとき、宮崎監督がある新聞のインタビューで「この映画を見終わった人が、あんな女の子が空から降りてこないかな、と空を見上げてくれれば嬉しい。」と語っていたのを覚えています。私も、この監督には、自分が物語の中に入りたくなるような、素敵な世界を描いて欲しいと願っています。 8点(2004-02-06 19:17:27) |
510. カミーユ・クローデル
この映画を見るまでは、カミーユの存在も知りませんでした。アジャーニが時折見せる子どものような目が美しいですね。ドパルデューはあまり存在感が無かったように思います。創作や恋愛に突っ走った末崩れ落ちていくというのは、芸術家の宿命なんでしょうか・・・。自身を削って何かを創り上げなければならない。「創作」という仕事は厳しいですね。 7点(2004-02-05 18:44:57) |
511. 私をスキーに連れてって
これからこの映画をご覧になる方、バブル期の日本がこんなでした、というのを見物するくらいの感じでどうぞ。当時も、中味より若いモンが美しいゲレンデで出会って恋して・・・というシチュエーションにみんな食いついたんでしょうね。これが大ヒットしたころ、バッジテスト合格のため躍起になって雪山通いをしていたらしい夫は、この映画を見るととたんに雄弁になります。だから機嫌の悪いときに借りてきて見せる、という手を使ったことがあります。その節はお世話になりました。 5点(2004-02-05 18:31:45) |
512. リプリー
「太陽がいっぱい」のリメイクと騒がれましたが、オリジナル未見で比べる対象がない私には、犯罪ものというより、陽の当たらない男が歩む日陰道での出来事を見ているような感じでした。きりりと美しいプレイボーイ、ジュード・ロウが死んでからは画面を引っ張るのがM・デイモンなので、ヨーロッパの風景もぐっと暗くなる。悪の魅力も無い男が刹那に生きているだけで、好きになれなかったです。しかしM・デイモンは原作に忠実に暗い男を演じていたらしいので、そうだとすれば評価できます。K・ブランシェットが、もう本当にただの添え物になっているのが非常にもったいないです。 5点(2004-02-04 18:40:47) |
513. ラジュー出世する
私この映画見ちゃったんですよね~。青春、ロマンス、アクション、サクセスストーリーみんなぶち込んでぐるぐるかき混ぜた、トムヤンクンを初めて食べたとき感じた不思議な味わいのある映画。インド映画なんだけどさ。5点にしましたが、まあ、ヘタな邦画よりはずっと笑えますヨ。 5点(2004-02-04 18:28:38) |
514. プリシラ(1994)
殺風景な砂漠の中を、3人のオカマちゃんが走りぬけるロードムービー。3人とも熱演だったけれど、個人的にこっそり応援しているアバ好きのガイ・ピアーズが一番のお気に入り。ちょっとした出会いと別れを繰り返す道行はなかなかしんみりするし、真面目なシーンだってちゃんとあるのに、ショータイムの行き過ぎなほどに度派手な衣装と踊りで唖然。でも、3人はいつでも真剣なのだ。こういった役をきちんとできる役者さんは優秀だと思う。 7点(2004-02-03 20:34:36) |
515. ペギー・スーの結婚
《ネタバレ》 私がこれをはじめて見たのは高校生のとき。感情移入云々は置いておくとして、女の子の視点から見るとなかなか楽しかった。キャスリン・ターナーが櫛も使わずにポニーテイルを結い上げるのは羨ましかったし、やったぜ、パンティストッキング発明!とホチキスぱちぱちしてるのも可愛かった。自身の暮らしている現代では亡くなっているおばあちゃんにたまらず抱きついたり、離婚係争中の現夫とは付き合わない、将来性のある男ゲットだ、と奔走する姿は、また別の意味で十代の時間を楽しんでいるように見えた。劇中、数学のテストを受けるペギーが「こんなもの将来役に立ちません!」と先生に言うシーンで、そうだよね、やっぱりねとほくそ笑む私は数学大嫌い娘だった。 [ビデオ(字幕)] 7点(2004-02-03 19:14:19)(良:2票) |
516. 危険な関係(1988)
アカデミー賞で話題になっていたのを覚えているけど、大して感じ入るものなど無かった。豪華俳優さんのコスチュームプレイですが、私には理解できない当時の貴族の、なんだかゴチャゴチャした男女関係。恋愛とは呼びたくない。恋って魂でするもんだぜ。衣装に3点。 3点(2004-02-02 17:03:26)(良:1票) |
517. オンリー・ユー(1994)
コメディのマリサ・トメイが大好きなので点は甘いかも。とにかくテンポが良い。思い込みだけでイタリアまで行っちゃうし、結構選り好みしてるし、彼女に共感したかと聞かれると・・・。でもコメディとして楽しく良くできてました。 6点(2004-02-02 16:57:03) |
518. 黒い十人の女
ストーリーよりも雰囲気を感じる映画でしょうか。女が11人出てきているけど、脚光を浴びているのはそのうち数人だった。船越英二の、芯の無い魅力の薄い男っぷりにこちらも薄笑いを浮かべた。別の映画を見たときも思いましたが、玉緒さんって可愛くてなかなかの女優さんですね。 5点(2004-02-02 16:44:41) |
519. ベイブ
「あの、すいません」だって!この前髪のある豚ちゃん。なんて礼儀正しいんでしょう。羊の奥様たちが言うこと聞くのも無理ありませんな。ただ吼えるだけではダメよ、という教訓が含まれているかどうかは置いといて、出演する人間たちがジタバタと大げさなことをせず、構えた演技で抑えているので大人も飽きずに見られます。そしてやっぱり可愛すぎます。ベイブちゃんが。 7点(2004-02-02 16:30:29) |
520. サイダーハウス・ルール
《ネタバレ》 堕胎に近親相姦、負傷兵まで登場し、テーマは「生きていくうえでのルール」。こんなに重たいものが揃っているのに、ちぎれ雲がぽかっと浮かぶ空みたいな、穏やかな流れがとぎれない映画だ。大きく貢献しているのは孤児院の子どもたち。ハルストレム監督の映画の特徴「魅力ある子ども」がわんさか出てくるのだ。老夫婦にもらわれていく女の子、病気で他界する男の子、主人公に片思いするお嬢さん、でき過ぎなくらい可愛いのだ。ホーマーを演ずるトビーがいつも抑え気味の表情なのに対し、寂しげな顔まで本当にこっちの心をギュウッと握るのだ。私は園児たちでキングコングを見るシーンが好きで、いつも同じシーンでフィルムが止まっちゃうときどうしても微笑んでしまう。だれでも経験したことのありそうな楽しい暖かな時間を感じる。みんなの優しい父代わり、ラーチ先生のオスカー受賞はこの子どもたちのおかげだと思っている。「井の中の蛙」ホーマーがリンゴ園での日々で何かを感じ取り、心を決めたときの顔も素敵だった。そして孤児院に戻り、亡きラーチ先生と同じように、ベッドの中のチビ達に「イングランドの王子・・・・」と語りかけるラストで、心からの笑みが漏れてしまう。優しい気持ちになってしまう。 8点(2004-02-02 16:07:22)(良:1票) |