521. トゥルーマン・ショー
《ネタバレ》 ジム・キャリーってば、またなんて気の毒な役を…と思って見たら、意外にも感動的で良かった。エド・ハリス扮する番組Pはトゥルーマンの一生を演出し、彼の死をもってエンディングを迎えようという意気込みでした。それが視聴者に一番喜ばれる番組の形と思って。と同時にトゥルーマンのことをまだ産まれぬ胎児のように扱っていたのではないでしょうか。出口から外界に出たときがまさに、彼の誕生なのです。Pも視聴者も、今母体から産み落とされたかのように喜んでいるのも理解できます。最後は、演出されてきた「今までの人生」という番組を、初めて自分の言葉でエンディング出来た事が素敵で泣けました。実際こんな話があったら大問題だが、平凡でちょっとおちゃめなトゥルーマンというキャラはジム・キャリーにぴったりで、SFチックなラブコメディーに仕上がっていると思う。 9点(2003-09-09 14:41:17) |
522. ファミリービジネス
評価低いですねー!なかなか良かったと思うんですが。「泥棒稼業」を甘く見、憧れすら抱く孫、幼少期のトラウマとなり汚い面を嫌というほど味わった父、違法ながらもそれに誇りを持ち、最後は自分一人が責任をかぶり、生業として全うした祖父。彼はこの稼業に命を捧げ、尚且つ身をもって、見事に三代で終わらせた。そんなジェシー・マクマレンの生き方が短い時間でよく分かった。強盗に押し入るとき、互いのマスクを直し合うシーンが楽しかった。「お前、鼻がデカすぎるぞ。」と言わんばかりに。 8点(2003-08-29 21:24:32) |
523. グッドナイト・ムーン
イザベルはジャッキーの代わりではないし、そうなる必要もない。こんな家族の形があってもいいと思った。ジャッキーが死ぬという設定なしに、この形は出来上がらなかったものか。お話ながらそれが悔やまれてならない。だが死を覚悟しての熱唱(マービン&タミー)だからこそあの場面が生きたわけで。ラストは感動的。死ぬところまでやらなくて本当に良かったと思う。関係ないけどジュリア・ロバーツって水野美紀に似てると思った。そのせいで二人が嫁姑にも見えた(byお義母さんといっしょ)。そう思った人いません? 8点(2003-08-28 17:30:41)(良:1票) |
524. もののけ姫
私の周りにはこれ好きって人が全くいない!それに反論します。だから長くなります。この作品は単に自然破壊や環境汚染を非難するエコロジーアニメではない。人間と自然の共生の難しさ、そしてそれは可能か、たとえ不可能としても、そうする努力を惜しまない事こそ、人類に課せられた指名ではないか、というメッセージだと思う。浅い見方をしたならば、エボシやジコ坊は「悪」と取られてしまうのか。だがエボシはいわゆる開発促進派で、周囲の労働者からは絶大な信頼を得ている。そのエボシを利用したジコ坊達だって、強欲ではあるが極めて現実的で最も人間らしい。「不老不死」という人間の永遠のテーマの為に、そこまでする勇気に感心する程だ。それぞれのエゴから勃発した抗争は、今始まった事ではなく、これまでも、これからもずっと続くだろう。どれが悪でどれが善だなんて結論はつけられない。作品の終わり方について「だから?」とか「問題提起だけの終わり方」とか言われるけど、シシ神は、シシ神の森とタタラ場の対立的な環境を全てリセットし、ゼロからのスタートを望んだんだと思う。そして人間たちが今回の騒動を教訓に『人間も自然も』住みやすい新たな環境を、人間の手によって築く事を課題にしたんだと思う。作品で問題を提起されたら、それについてそれぞれが考え、自分なりの答えを出せばいい。だからここまで書いた事も私個人の考え。当たりかはずれかなんて分からない。あともう一つ。かなりハリウッド的なストーリーだと思う。以前BSで「スターウォーズ」に大きな影響を及ぼしたジョーゼフ・キャンベルという神話学者の事を言っていたのでそのまま書きます。→彼は世界各地の神話や民話を検証して「英雄は旅をする」という共通項を見出した。それによると、1.若者は重要な使命を告げられて故郷を追われる。2.若者は旅の途中で永遠の女性と出会い、魔物と戦い、困難をくぐり抜けて最後に故郷に帰る。 まさにこの構想にのっとって作られている(帰ってはいないが)。ここでの英雄アシタカは最初から英雄だった。彼の成長記にしなかったのも「自然環境の再構築」が最終テーマだったからだろうと思う。 10点(2003-08-09 17:10:46)(良:3票) |
525. モル・フランダース
回顧録を読み聞かせるという形式で、どんどんストーリーに引き込まれていった。それからそれから?ってな感じで。怒涛の人生がさらりと語られてしまい、感情移入出来ないとか、真実味を帯びないとか、そんな欠点もあったかと思われるが、女の一生を上手に語っている。ドラマッチックな音楽も良い。 8点(2003-08-08 13:36:59) |
526. トレーニング デイ
後味悪っ!「セブン」の次ぐらい!ここで描かれるデンゼルの悪は「必要悪」であって、甘ちゃん新米刑事はその存在を認めざるを得ない、ってそんな感じの話かと思ったのに。意表をつかれて最期の悪あがきは見るに耐えない。あれじゃアロンゾかっこ悪すぎる。対してイーサン・ホークはなかなか良かった。ただのアイドル俳優かと思ってたけど撤回します。ラストの目つきは狼になってた。主演はイーサンでしょう。そう思って観れば違和感なかったろうに。アカデミー賞取って主・助演がはっきり提示されいたからそれも無理になったわけで。その選定は慎重にやって欲しいと思った。見る目が変わってしまう。 7点(2003-08-06 12:59:18) |
527. がんばれ!ベアーズ
お馴染みチーム建て直し奮闘記。よくあるこのパターンはこれが元祖でしょうか。監督はア○中の割りに結構普通。ウォルター・マッソーの「ろくでなし」っぷりをもっと期待してたのに。子供たちが皆、生意気でかわいい。あの横分けはすごい。花輪くんかよ! 6点(2003-08-04 17:02:20) |
528. 奇蹟の輝き
家族があっという間に崩壊しちゃって、どうするんだろうと思ったら、後から断片的に思い出していく。なかなかニクい演出だな~。出演者がみんな死者ってのが暗くて重いけど、アノ世での再会は感動した。ダンテの神曲とかキリスト教の概念とか、不勉強なのでその辺の所はよく分からないけど、分かったらもっとおもしろいのかな。 6点(2003-08-03 12:34:39) |
529. ウエストワールド
マイケル・クライトンが監督をやっていたとは知らなかった。おっしゃるとおりジュラシック・パークの原点。さらにT2のT1000はこのユル・ブリンナーがモデルとしか思えない。パクリだったのかー!とびっくり!この頃のSFは猿の惑星しかり、発想が斬新で今見てもすごい。の一言。 8点(2003-07-29 12:46:35) |
530. ブラック・レイン
突っ込み所の多さは、見る前から想像がついていた事なので。ブレード・ランナー同様サイバーパンクな世界も想像通り。でもこのキャスティングとストーリーの分かりやすさで、ブレード~より好きです、私は。 7点(2003-07-28 16:44:56) |
531. ハリウッド・ミューズ
素直におもしろかったと思う。ロブ・ライナー、J・キャメロン、M・スコセッシ。家に来たら落ち着かないよ。ジム・キャリーも出演してくれたら良かったのにね。ラストは最悪。減点対象はこれ。 6点(2003-07-27 16:52:31) |
532. バーティカル・リミット
父の死を受け登山を止める者、父のために登る者。他人のために自分を犠牲にする者、自分のために他人を犠牲にする者。対極ではあるがどちらの命も尊い。恐れるべきは大自然である。荘厳な雪山には圧巻だったが俳優陣が弱いような…。スコット・グレンのみ存在感があった。 5点(2003-07-21 15:07:55) |
533. トワイライトゾーン/超次元の体験
なぜかTVでやる度に見てしまう。そんなにおもしろい!ってわけでもないのに。オムニバスは気軽に見れるからもっと作って欲しい。ヴィク・モローはどこらへんで亡くなったのだろう?同様敬意を表します。 6点(2003-07-17 16:51:11) |
534. PARTY7
邦画はあまり見ないのですが、笑えた。セリフやシーンの連続性、ネイティブにしか分かり得ない独特な間、そんな面白さを発見する事が出来ました。この作品のテーマはずばり「のぞき」。映画自体が覗き見的で、誰もが持つ本能をくすぐったのではないでしょうか。オープニングのジャパニメイションもかっこ良かった。 7点(2003-07-16 14:14:57) |
535. 靴をなくした天使
知られていないわりに良い作品だったと思います。ダスティン・ホフマンが演ると、こんな無責任でいいかげんな男でも安心して見ていられる。さすが。 8点(2003-07-16 13:50:41) |
536. お熱いのがお好き
お熱いのがお好き? あー、マリリンモンローのね。違います。間違ってないけど、ここは、ジャックレモンの、と言いたい。喜劇俳優ジャックレモンの、あの振り切った演技があってこそ、ビリーワイルダーはあそこまでコメディ色に振り切れたんだと思う。もちろん当時のモンローは良くも悪くも世の注目を集めたし、その後突如この世を退場してしまったから、図らずも本作への付加価値にはなったでしょうが(悪い言い方をすれば。でももちろんモンローも最高に魅力的だったことは確信する事実です)。とにかくジャックレモンのダフネが最高に面白い。ジェリー→ジェラルディンのはずが、勝手にダフネと名乗り、「好きな名前なのよ!」って案外ノリノリだったり。ちゃんとたくましいのに、その仕草でギリギリ女性に見える絶妙さ加減とか、もう最高。皆さん言うように、タンゴのシーンとキスシーンの、あのくるくるってなるスイッチング(きっとその手法には専門用語があるのでしょう)の繰り返しは芸術的に面白く、文字どおり腹を抱えて笑ってしまのです。シナリオも良く、ラストもキレイに落としてくれます。何回観ても楽しめる作品です。 [インターネット(字幕)] 10点(2003-07-14 14:13:49) |
537. ジョンQ-最後の決断-
親子愛への感動ももちろんだけど、これはかなりいろいろなメッセージ盛りだくさんで。医療保険システムの不備、病院、警察、マスコミの不誠実さ、ミーハーな野次馬、お役所仕事の頭の堅さ、不況への不安と憤り等々。現代社会に対するメッセージをここまで集約させると、感動よりもむしろ怒りが。だからと言って犯罪肯定的なのはどうかと思うが。でも銃口頭に向けたときなんかは結果知ってても「ヤメテ~!」とか叫んでしまったくらい、父に感情移入してた。デンゼルも素晴らしいけど、アン・ヘッシュはいろんな役をこなす良い女優だなぁ。 8点(2003-07-07 16:58:47) |
538. ポストマン(1997)
しょぼいタイトルからは想像出来ない、なかなかスケールの大きな作品。ポストマンに成りすますまでの主人公は少し姑息で日和見主義の普通の人。でもこんな役でもケビン・コスナーが演るとヒロイックな人間性を期待してしまう。故に村人達は彼の嘘を疑わず、信じ、尊敬し、本物のヒーローに仕立て上げてしまったのか。正義を信じる村人、合衆国再建を信じる若者によって、ポストマン自身忘れかけていた勇気と正義を思い出した。共に希望を取り戻し始めたのだ。この作品のおもしろさは、ケビン・コスナーが最初からヒーローではないところ。最後の銅像はちょっと笑えた。 7点(2003-07-05 13:23:21) |
539. スパイ・ゲーム(2001)
若い頃のロバート・レッドフォードはブラピに似てるなぁと前から思っていたので、まさに夢の共演…。のわりには良い評判を聞かないので期待しないで観た。が結構良かった。特にラスト近くなってからの$282、000の所と、ブラピが作戦名を聞かされた所はゾクッとした。トニー・スコットの映像もさすが。 8点(2003-07-05 12:40:04) |
540. 奇跡の旅
動物たちの演技に感心した。ピューマやヒマラヤンのサシーが川で溺れたりするシーンは「動物愛護団体に怒られるぞー」という思いも含めてハラハラしながら観た。ラスト、エンドロールで「動物の演技指導は愛護団体の監視の下に云々」とあったので、ゴールデンレトリバーのシャドウが帰ってきたときと同じくらいほっとした。無事に生還したシャドウが、自分の身より主人ピーターの事を心配して“言う”セリフは、作り手が勝手にあてた言葉と知りながらも感動してしまった。オリジナル「三匹荒野を行く」も見てみたい。 8点(2003-07-03 10:24:32)(笑:1票) (良:2票) |