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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 1489
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521.  あゝ声なき友 《ネタバレ》 
所属していた部隊でただ一人生き残った男が、復員後、亡き戦友たちが書いた最後の手紙をその親族に渡すために全国を渡り歩く姿を描いた今井正監督の反戦映画。今井監督の「喜劇 にっぽんのお婆ちゃん」に脇役で出演していた渥美清が企画の段階からかかわり、主演した作品で、この頃、「男はつらいよ」シリーズで人気を得ていた彼の寅さんだけではなく俳優としてもっといろんな役を演じてみたいという意欲が感じられる作品となっていて、コメディータッチのシーンは一切なく、非常にシリアスな展開だが、今井監督らしいメッセージ性の強い力作で、映画としては佳作といっていい出来。しかし、春川ますみや財津一郎、松村達雄など「男はつらいよ」シリーズでも何度か見かける面々が何人か出ている(倍賞千恵子も出てるし。)こともあってか、渥美清のシリアスな演技に妙な違和感を感じてしまうのも事実。確かに今井監督はこういうテーマの映画にはうってつけの監督で、さっきも書いたように見ごたえのある力作に仕上げているし、これも繰り返しになるかもしれないが、寅さんのイメージを打破したかった渥美清の意欲も分かる。だがもし、今井監督でなく、野村芳太郎監督や山田洋次監督など渥美清と付き合いの深い監督がこの映画の監督だったら、この映画の印象はまったく違うものになっていたかもしれないし、なによりも渥美清という俳優の持ち味がもっと発揮される映画になったかもしれない。見終わってついそんなことを考えてしまった。
[DVD(邦画)] 7点(2013-03-14 14:00:31)(良:1票)
522.  刑事コロンボ/祝砲の挽歌<TVM> 《ネタバレ》 
今回は完璧に事故にしか見えない殺人をどうやって暴くかというところが面白く、また犯人である幼年士官学校の校長の殺人の動機がいかにもアメリカの厳格な軍人らしい考えに基づいたうえでの犯行で、個人的な理由ではない動機はじゅうぶん理解できるものであるし、この校長のキャラクターもよく描けている。ただ、生徒の一人に濡れ衣を着せようとした行動は校長としてやってはいけないと思うし、ラストで言ったセリフもこれがあるためにふてぶてしく聞こえてしまう。でも理論的に犯人を追いつめていく展開がこの作品の最大のみどころで、結末は犯人の性格を利用してボロを出させるというのが見事で、かなり見ごたえのある作品だったと思う。ランニングシャツ姿のコロンボは「自縛の紐」の青ジャージ姿以上に普通のおっさんに見え、やっぱり思わず笑ってしまった。犯人役のパトリック・マクグハーンはいかにも厳格な軍人の雰囲気をうまく出していてハマリ役だと思う。(この後も何回かこのシリーズに犯人役で出てるみたい。)吹き替えは「水戸黄門」のご隠居役を演じた俳優の中でも善人役の印象が強い佐野浅夫が担当していて、彼の声は物腰柔らかな感じがするのでどうかなと見る前は思っていたが、とくに違和感は感じることなく見ることができた。吹き替えといえばこのシリーズの吹き替え版は過去の吹き替え音源の欠落部分をほかの声優で補ったものが使われていて、今まではさほど気にしていなかったが、今回はその部分がけっこう多く感じられ、さすがにちょっと気になってしまったことも書き加えておこう。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2013-03-10 15:00:17)(良:1票)
523.  君が若者なら 《ネタバレ》 
集団就職で上京してきた5人の若者を描いた青春映画。「若者たち」と出演者が似通っていて、つくりとしても「若者たち」の路線を目指しているようだ。だから深作欣二監督にはちょっと不釣り合いの題材かもと思っていたが、集団就職で田舎から都会に出てきた若者たちのその後の人生の厳しさがよく描けた佳作となっていて、なかなかいい映画だった。集団就職で入社した工場が倒産するという話は当時でも普通にあったことだろうと思えるし、同じ夢に向かっていた5人の運命がバラバラになってしまうのもリアリティーが感じられる。とくに最後まで一緒にがんばっていた石立鉄男と前田吟の考えが少しずつずれていき、刑務所を脱獄した仲間(河原崎長一郎)をめぐる二人の対立で考えのズレがはっきりと出るのだが、この展開も青春映画として非常に見ごたえがあり、「若者たち」でもそうだったが、この当時の若者の熱さが感じられる。ラストで爆発炎上し、灰となってしまった5人の夢であったトラックを見ながら石立鉄男が言う「トラックが焼けてよかった。」というセリフは「また一からがんばればいい。」という若者らしさが感じられていい。若いうちは何度でもやり直しが利くのだ。若いうちは。どうしてもアクション映画の印象が強く、後年の文芸作品でも激しい演出の多い深作監督だが、この映画ではそういう演出は控え目(深作監督らしさは回想シーンでのストップモーションとラストのトラックの爆発炎上シーン、室田日出男のチョイ役での登場など探せばあるのだが。)で、こういう映画もやれるのかと深作監督の作風の幅の広さもあらためて感じることができる映画となっている。
[DVD(邦画)] 7点(2013-03-07 17:43:06)
524.  刑事コロンボ/指輪の爪あと<TVM> 《ネタバレ》 
計画的でなく、偶発的に殺人が起こるのがいつもと違うが、その犯人捜しを被害者の夫から依頼された探偵が犯人。依頼を引き受けているが、どうやって事件を解決するつもりだったのだろうと思わず気になってしまう。まあそれは置いといて。シリーズ第4話という初期の作品にもかかわらず、シリーズとしてのフォーマットが既に完成されていて楽しめた。コンタクトレンズという手がかりから犯人に大胆な罠をはるという展開と解決シーンは強引さもなく見ていて痛快。ラストでコロンボが自分の少年時代のいたずらの話をして車の故障についても自分の仕掛けた罠であることをほのめかすシーンがユーモラスでいい。ただ、あまりにもコロンボの推理が当たりまくっているような印象があり、とくに本作は時間が短いせいか、コロンボが真相にたどりつくまでがサクサクとしすぎている感があった。このシリーズは70分ちょっとで終わる作品と100分近くある作品が混在しているが、もう少し長いほうがよかったかもしれないと思うのは100分の作品を見なれているせいかもしれない。吹き替え翻訳が額田やえ子ではないせいか、コロンボが自分の奥さんのことを「うちのかみさん」ではなく、普通に「家内」や「女房」と言ってしまっているのがなにか違和感を感じる。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2013-03-05 01:38:52)
525.  超電子バイオマン 《ネタバレ》 
二人の少年が持っていた夏休みの宝探しの地図がバイオマンの秘密基地の位置を示していたことから、地図がバイオマンの敵である新帝国ギアに狙われるストーリーで、戦隊シリーズの劇場版は映画といえどもテレビシリーズと同じ30分ほどの短編であることが多いが、これは45分ほどと時間も少し長め。ギアに捕えられた少年の一人を救出したと思ったらにせものだったという展開が捻ってあって面白いし、バイオマンと戦うギアの側の戦闘要員もヒーローのように名乗りを行うのにはつい笑ってしまう。これもテレビシリーズはよく知らないのだが、怪人が倒されて巨大化するというパターンでなく、ギアも最初から自前の巨大ロボットを使って戦うというのは考えたらこっちのほうが効率的のように思う。ギアの首領役の幸田宗丸がいかにもマッドサイエンティストな悪役という雰囲気をうまく出していて存在感がある。バイオマンのサポートロボットのピーボはCー3POにデザインがそっくりで、声の担当は太田淑子だが、思わず野沢那智の声でしゃべり出すのではと思うくらい似ているが、このテレビシリーズは「ジェダイの復讐(帰還)」の翌年の放送か。
[DVD(邦画)] 5点(2013-03-03 14:07:45)
526.  科学戦隊ダイナマン
和崎俊哉演じるある博士が開発したビルを一瞬で吹き飛ばすほどの威力を持った銃を狙うジャシンカ帝国とそれを阻止しようとするダイナマンの戦いを描いている。博士がなぜそのような銃を開発するに至ったかなどの背景は一切描かれていないため、大人になってから見るとかなり物足りない作品なのは確かだが、ダイナマンは小学生の頃、再放送で見ていたことをバッチリ覚えているため、懐かしさを感じながら見ることができた。ダイナマンという名称だけに派手な爆発シーンが多く、名乗りのシーンもそれぞれが名前を名乗ると背後でそのメンバーの色の爆発が起こるというもので、決め技も全員がひとつの火の玉になって怪人に体当たりする。再放送を見ていた頃はとくになにも思わなかったが、今、このダイナマンの劇場版を見てみると撮影に使われた火薬の量はすごいんだろうなということをつい考えてしまう。(実際はバンクも多そうなのだが。)小池一夫が「デンジマン」、「ゴーグルファイブ」に続いて主題歌の作詞を担当しているが、その歌詞もインパクトがあり、印象に残る。
[DVD(邦画)] 5点(2013-03-02 17:46:14)
527.  大戦隊ゴーグルファイブ 《ネタバレ》 
冒頭、敵の女幹部が仲間に追われているところを助けるゴーグルファイブ。その幹部から敵の新たなる計画を聞きだす。だが、女幹部の話を聞いて罠かもしれないと疑う二人と信用しようとする三人にメンバー間できちんと意見が分かれているのがいい。結局は信用することになるが、やっぱり罠だったという展開は王道すぎる。でも子供向けの映画なのでこれはこれでいいのだろう。それにしても敵の側もだまし討ち作戦とはいえ、あんなにしゃあしゃあと自分たちの計画をばらすのはちょっと疑問が残る。モグラの怪人相手にモグラたたきで戦うのはあまりにも単純な発想だが、こういうコミカルな戦いも子供向け映画らしくほのぼのとしている。
[DVD(邦画)] 5点(2013-03-02 14:17:16)
528.  太陽戦隊サンバルカン 《ネタバレ》 
テレビシリーズは小さい頃に再放送で見ていたおぼえがある戦隊シリーズの劇場版。「デンジマン」のそれよりも単純な作りで本当にテレビシリーズの一本として普通に放送してそうな内容。戦隊シリーズの怪人は倒されると巨大化してロボ戦というのがパターンだが、冒頭から巨大化してサンバルカンのメカと交戦するのにはこのままロボ戦かと一瞬驚いたが、さすがにそれはなかった。長官役の岸田森は特撮ヒーロー番組でもおなじみで、やっぱりかっこいいが、昔の日本映画を多く見るようになった今では岡本喜八監督の映画の常連俳優のひとりという印象が特撮作品での印象よりも強くなってしまったなあ。
[DVD(邦画)] 5点(2013-03-02 13:02:09)
529.  電子戦隊デンジマン 《ネタバレ》 
戦隊ヒーローものの劇場版。懐かしくなってつい借りてきて見たが、なんかテンポが悪く感じたし、シーンの前後のつながりもよく分からない。いきなりデンジマンの面々が子供の名前を知ってたりするのはいくらなんでも説明がなさすぎる。それにこの映画で初めてシリーズにふれる人を意識したのか、デンジマンのこれまでの経緯が描かれるシーンがあるのだが、ストーリー上必要であったとしてももう少し短く出来なかったのか。デンジマンの面々が西部劇、時代劇のコスプレを身に纏い、戦闘員と戦うシーンは面白いけど、ここがちょっと長く感じた。テレビシリーズをほとんどしらないのだが、曽我町子扮するへドリアン女王だけは知っていて、デンジマンといえばまずへドリアン女王のやつというイメージが強い。実際、彼女が演じるへドリアン女王はインパクトが強く、この後、東映特撮ヒーロー番組の悪の女王役が代名詞となる曽我町子だが、それはこのへドリアン女王役があまりのハマリ役だったからこそなのだろう。僕自身も子供のころにこの人のこういう役は何回も見たが、曽我町子ときいて真っ先に思い浮かべるのが、(デンジマン自体は先ほども書いたように馴染みはないにもかかわらず。)へドリアン女王だ。
[DVD(邦画)] 5点(2013-03-02 01:34:56)
530.  ロボジー 《ネタバレ》 
「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」で若者の青春を描いた矢口史靖監督が、一転して老人を主人公としたコメディーを作っているのがまず面白い。老人を主人公にしていれば自然と老いや死にテーマがいきがちだが、その老人が発表直前に大破してしまった本物のロボットのいわゆる「中の人」をつとめることになり、一回限りのつもりがそのロボットが大人気になるというストーリーがいかにも矢口監督らしいところ。前作である「ハッピーフライト」では後半欲張りすぎたという印象があったが、この映画ではそういうこともとくに感じることはなかった。最初は渋々やっていた偏屈な老人がだんだんロボットの中に入ることに楽しみを感じはじめるあたりは良かったし、ロボットの姿のまま孫と写真を撮るシーンがほろっとさせられる。そこをもう少し膨らましても良かった気がするが、そうするとあまり矢口監督らしさは感じられなくなるかもしれないので(あまり湿っぽい展開は矢口監督の映画に似合わない。)やっぱりこれで良かったと思う。こういう話だと最後は周囲に秘密がばれておわりというパターンが多いと思うが、最後までばれずに終わったのは強引に感じる(普通絶対ばれるだろというシーンがちらほら。)もののこういうのもたまにはアリかなと思える。ラストシーンで再びロボットの「中の人」を依頼された老人のあの笑顔がなんとも印象的。ミッキー・カーチスが別名で主人公の老人を演じているが、やはり演技は落ち着いていて、安心して見ていられるし、木村電機の三人もいい味を出していて良かった。この映画で初めて見た吉高由里子もそれほど悪くない。少し甘いかもしれないが、楽しめたので7点を。
[DVD(邦画)] 7点(2013-02-26 13:23:38)
531.  刑事コロンボ/自縛の紐<TVM> 《ネタバレ》 
コロンボといえばいつも温厚で、犯人に対しても丁寧な接し方をする印象があるだけに、このように犯人に対して怒りをあらわにする姿を見てビックリしてしまった。被害者の奥さんが担ぎ込まれた病院で犯人と会ってから、犯人に対する態度が変わっているのでおそらくは下の方も書かれているように、被害者を殺した上にその奥さんに対しても精神的に追い詰める犯人がどうしても許せなかったのだろう。犯人のアリバイ工作が実は犯人自身の首を絞めていたというオチで、ラストのコロンボと犯人の対決シーンも緊迫感があって見ごたえじゅうぶんなのだが、靴の紐の結び方を証拠にするのはちょっと強引で、トリックに電話が使われているのだからそっちを調べたほうが確実で早いのにと突っ込みを入れたくなったのも事実。笑いどころは事件の舞台となった健康クラブでトレーニングする青ジャージ姿のコロンボ。いつも同じ衣装なため、新鮮といえばそうなのだが、かなりの違和感があり、それが逆に笑いを誘う。コロンボ以外でピーター・フォークを見たことがないため、もし、彼がコロンボ以外の役で出演している作品を見ることがあったら、同じように違和感を感じて笑ってしまうかもしれない。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2013-02-24 14:06:17)
532.  夕陽に赤い俺の顔 《ネタバレ》 
篠田正浩監督は喜劇をやるイメージがないのでどんなものなのかと思っていたら、松竹マークの出るいちばん最初の部分から日活映画と見まがうような音楽が鳴り響き、中身自体も松竹というより日活、それも鈴木清順監督の「東京流れ者」のようなぶっ飛んだ演出が光るカルト映画としか言いようのないものになっている。先に後年の篠田監督の映画を何本か見ていると、これが篠田監督の映画とは信じられないほどの怪作ぶりだ。タイトルの出し方も凝っているが、そのバックに流れる主題歌が強烈で、ここからもう一気に引き込まれる。ストーリーは単純だが、それを独特の演出で描き、インパクトを持たせる手法や、突然ミュージカル仕立てになるところも「東京流れ者」と同じ。「東京流れ者」のほうがインパクトは上だと思うが、製作されたのは「東京流れ者」よりも5年ほど前というからすごい。篠田監督の映画は今まで見た範囲では、面白いと思えた映画は少ないのだが、これは本当にカルト映画の傑作の一本と言っていい作品で、今まで見た篠田監督の映画の中ではいちばん面白かった。本作は篠田監督にとって3本目の監督作で、はっきり言ってこの調子でずっといけば篠田監督は清順監督のようなカルト映画の巨匠になっていたかもしれないとさえ思えてしまう。変な映画だが、それでも夕焼けをバックにしたラストシーンは非常に美しい。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-02-20 23:28:50)(良:1票)
533.  刑事コロンボ/権力の墓穴<TVM> 《ネタバレ》 
今回の犯人はコロンボの上司ということで、この設定はなかなか面白そうと思ったものの、その部分をドラマとしてあまり活かすことなくほぼいつも通りの展開だったのは勿体ない気がするし、この上司のアリバイ工作も本当に警察の人間なのかよと思うほどにお粗末であるし、コロンボを捜査に参加させるという行動も、おそらく署内で名刑事と評判がたっているであろう彼の実力を知らないのではと感じてしまう。だからコロンボとの対決もあまり盛り上がらなく、イマイチ。せめて犯人はコロンボの上司という設定をもっと活かした脚本にしていればもう少し面白かったのではと思う。それでも作品そのものは見ていて安心感はあるし、ラストの犯人を暴くシーンに唸らされてしまうことは確か。でも、設定そのものが面白そうだっただけに、すごく残念な作品になってしまっているのはやっぱり惜しい。何度もいうが、コロンボの上司が犯人という設定をうまく活かしてほしかった。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2013-02-17 13:33:24)
534.  若者たち 《ネタバレ》 
「若者たち」という歌は好きな曲の一つだが、元々は同名のテレビドラマの主題歌だったようで、本作はその劇場版にあたるわけだが、全篇を通してとにかく熱く、とてもエネルギッシュな映画で、登場人物たちの言動も必死さと切実さがよく伝わってくる。昨今ではテレビドラマの劇場版というと、話題になった、ヒットしたというだけで安易に作られすぎているようにも思うが、この映画は事情で打ち切りになったドラマを映画化したものであり、独立プロダクションの製作。それだけに作り手のやり残したことをやりたいという思いが感じられる映画になっているのも良かった。(ドラマは知らないのだが。)両親のいないきょうだいが助け合って生きていく中で、それぞれのドラマが展開するという内容は「ひとつ屋根の下」を彷彿とさせているが、長男(田中邦衛)の単純バカな性格は柏木達也(江口洋介)に似ているところがあり、野島伸司はそうとうこれを参考にしてあのドラマを書いたのではないかと思われる部分が多かった。(それを考えると「ひとつ屋根の下」に本作の三男役の山本圭が出ているのは偶然ではない気がする。)クライマックスは激しい取っ組み合いのきょうだいげんかのシーンだが、ほとんど嫌悪感や抵抗感もなく安心して見ていられたのは「ひとつ屋根の下」でもこういうケンカのシーンが多かったためかもしれない。(関係ないが、また「ひとつ屋根の下」が見たいなあ。)長女(佐藤オリエ)が原爆症の恋人(石立鉄男)と付き合うのを反対する長男を三男が見事に論破するシーンが印象的だった。若い頃の山本圭は根暗な学生運動家のようなイメージがあり、あまり好きではないのだが、こういう役をやると若い頃の山本圭はものすごくはまる。古い映画だが、登場人物たちに共感してしまう部分も多く、とても見ごたえのある良い映画だったと思う。続編もあるようなのでもし機会があったら見てみようかな。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-02-14 16:49:36)
535.  マダムと女房
国産初の本格的トーキー映画として知られる映画で、冒頭のシーンなど見ていると、映像とセリフがうまくシンクロしていないように感じられ、かなり試行錯誤の中で作られた映画だということが分かる。初トーキーゆえか、赤ちゃんの泣き声、猫やネズミの鳴き声、そして隣の家から聞こえてくるジャズバンドの演奏などとにかく音を過剰なまでに意識した映画になっているが、ストーリー自体はほのぼのとした雰囲気の小品で、終始ニコニコしながら見ることができた。主人公の作家(渡辺篤)が周りの騒音が原因で仕事にならないという展開はまさにトーキーならではだし、奥さん(田中絹代)とのやりとりも楽しい。主人公が奥さんを「絹代」と呼ぶに至っては思わず大笑いしてしまった。この時代の田中絹代は小津安二郎監督のサイレント映画で何本か見ているが、後年の出演作で見せる味のある名演技とは違い、まさにもうアイドルという感じしかなく、素直に可愛らしいと思えるし、声も実にキュートである。映画自体の話に戻ると、この20年後に作られる国産初のカラー映画である「カルメン故郷に帰る」と同様に歴史的価値のある映画として語られる映画で、二本とも内容的にそれ以上のものはないかもしれないが、二本とも肩の力を抜いて気楽に見られる喜劇として評価できる映画だと思う。でも個人的にはどちらかと言えば本作のほうが「カルメン故郷に帰る」よりも単純に笑いに徹していて好きである。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-02-13 22:30:48)
536.  大江戸五人男 《ネタバレ》 
バンツマと市川右太衛門が共演した伊藤大輔監督の大作時代劇。序盤こそやや退屈するも、おきぬ(高峰三枝子)が皿を数えはじめるあたりから緊張感が増して、面白くなっていった。皿を割ったのがもとで水野(市川右太衛門)に斬殺されたおきぬの話を芝居で上演した(これが「皿屋敷」のはじまりか?)役者が水野に連れて行かれ、一人で来れば返してやると言われ、死を覚悟で水野の屋敷に出向くバンツマ演じる長兵衛はかっこいいし、いったん和解しかけた長兵衛と水野が一転して直接対決にいたる展開も無理がなく、ちゃんとドラマとして見ごたえのあるものになっている。最後は二人で三島雅夫演じる近藤を倒すという展開でも良かったかもしれないが、あえてそうはしていないことでドラマ性が高くなり、この映画を単にただの2大スター共演というだけのものにしていない。ラストの長兵衛の眠る棺を抱えた葬列のシーン、泣き崩れる権八(高橋貞二)に、長兵衛の妻(山田五十鈴)がかける言葉がいい。それに、長兵衛の息子の「もうケンカはございませーん。」と叫ぶ姿も泣ける。さっきも書いたように前半はやや退屈に感じる部分もあるのだが、名作時代劇の一本と言っていい素晴らしい映画だった。ただ一つ残念なのは「大江戸五人男」というタイトルの意味がよく分からないことで、これだけ見ると「七人の侍」のようにチームとしてまとまった複数の主人公の活躍を描く映画のように思えてしまう。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-02-12 17:25:19)
537.  妖怪大戦争(2005) 《ネタバレ》 
大映の妖怪三部作をベースにした妖怪映画だが、子供向けとしてもイマイチとしか言いようのない出来で、仲間内だけで盛り上がってしまっているような映画になってしまっている。(大映の三部作は「妖怪百物語」しか見ていないが、ちゃんと見ている人のことを考えたつくりになってたし、既に子供ではない自分が見てもけっこう面白かったのだが。)水木しげるロードや、記念館が登場するのはまだいいが、宮迫がビールを飲んでいるのは完全にCMとしか思えず幻滅。企画に参加している作家たちのカメオ出演もちょっとなあ。その作家たちのうち、原作としてクレジットされてるのが荒俣宏で、ボスとして加藤保憲が登場するのだが、演じているのは嶋田久作ではなく豊川悦司。悪くはないのだが、どうしても嶋田久作が頭をよぎってしまう。というか、「帝都大戦」でヒロインを演じていた南果歩が出ている(あんまりストーリーへの絡みはないが。)のだから、よけいに加藤役は嶋田久作が良かったと思えてしまう。おそらく、それだけで本作への自分の評価は少しは上がったはずだ。たぶん。
[DVD(邦画)] 3点(2013-02-12 01:34:43)
538.  刑事コロンボ/白鳥の歌<TVM> 《ネタバレ》 
今回は宗教にハマり、カントリー歌手である夫(犯人)のギャラをすべてその宗教団体に寄付してしまい、そのうえ、夫のある弱みを握っている妻(被害者)が本当に憎たらしく、見ながら、「こんなおばはん、早く殺っちゃいなよ。」と思ってしまった。犯行は、妻とコーラスガールが同乗し、自ら操縦する自家用機をわざと山中に墜落させるという命がけのもので、この犯行シーンはけっこうハデ。全体的には犯人に思わず感情移入してしまうストーリーで面白かった。なんといってもラストの車の中での犯人とのやりとりが印象に残り、すごく余韻のある終わり方である。「あなたは悪人じゃない。」というセリフと犯人にカーステレオで犯人自らうたう曲を聴かせてやるあたりにコロンボの優しさというものが出ていて、彼の人間性を感じることができる。犯人も自分のやったことを素直に悔いているのがよく、このラストシーンは素晴らしいものになっている。しかし、巻き添えになって死んだコーラスガールが実は最初から計画的に殺されたと思わしき展開がよけいで、このために少し脚本に無理を感じる。ここは変にいじらないほうが話的にはすっきりしたと思わずにはおれず、惜しい気がする。商売上手な葬儀屋や、仕立て屋のおばさんとのコロンボのとぼけたやりとりには思わず笑ってしまった。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2013-02-11 13:27:48)
539.  関の彌太ッぺ(1963) 《ネタバレ》 
「瞼の母」や「沓掛時次郎 遊侠一匹」と同じく長谷川伸の原作を錦之助主演で映画化した股旅もの。以前見た加藤泰監督による二作も良かったが、山下耕作監督である本作はとにかく泣ける。冒頭の川に落ちたお小夜を弥太郎(中村錦之助)が救いだすシーンから既にヤバかったし、殺されて帰ってくるはずのない父親をきっと帰ってくると信じて待ち続けるお小夜の姿も切なくて泣けてくる。はっきり言って序盤でこんなに泣けてこの先は大丈夫なのかと心配になってしまうほどだが、後半は10年後、成長したお小夜(十朱幸代)が名も知らぬ恩人に会いたがっているという話から、新たな展開を見せる。山下監督は、花を使った演出がうまいと定評のある監督だが、クライマックスのムクゲの花を挟んだ弥太郎とお小夜の再会シーン、弥太郎が子供時代のお小夜に言った言葉がきっかけで、お小夜に恩人だと分かるシーンも泣けるのだが、このシーンでは、二人をはさんだムクゲの花もすべてを知っているかのようにそこに咲いていて、まさしく立派に「演技」している。これはもう名シーンとしかいいようがない素晴らしさだ。ラストカットの彼岸花の使い方も、弥太郎の運命を暗示しているようで印象的だった。山下監督の映画はこれまでも何本か見ているが、間違いなく本作は山下監督の代表作であるとともに、日本映画としても屈指の名作と言っていい作品だと思う。もちろん、主演の錦之助もよく、最近見た出演作が脇役での出演が多かっただけに、やっぱり主役のほうが光る俳優なのだと再認識できた。とくにこういう股旅ものの人情時代劇の主役はハマリ役だ。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2013-02-07 14:59:20)
540.  地獄花(1957)
室生犀星の原作を映画化した伊藤大輔監督の時代劇。「地獄花」というタイトルと京マチ子がヒロインを演じていることから、大映が外国の映画祭での賞どりを狙って企画した映画だと勘ぐってしまう。確かに撮影や美術などは大映らしい素晴らしさであるが、物語的にさほど見るものはなく、イマイチ面白くなかった。京マチ子は勝気なヒロインを熱演していて、その濃い顔立ちもあってか、とても演技にインパクトが感じられるが、表情が怖く、少しひいてしまう部分もある。相手役の鶴田浩二はいいのだが、個人的にはこの頃よりももっとあとのほうが好みかな。山村聡は京マチ子に言い寄る男の役で、普段誠実で真面目な印象があるだけに違和感があり、がんばってはいたが、若干ミスキャストに感じる。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-02-06 12:52:13)
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