521. チャップリンの独裁者
《ネタバレ》 全体的に面白いシーンが続く中、ラストに、どスレレートな演説を持ってきたことは衝撃でした。 あれを持ってくることで作品のバランスが崩れかねません。 そこまでしてでも、あのメッセージを入れたかったというのが、ものすごく伝わってきました。 あのご時勢に、あのようなキャラクターのヒトラー(もどき)を出してきたことも驚きです。 2人が入れ替わった後の様子をもっと面白おかしく描写すれば、さらに笑える作品になったかもしれません。 それをせず入れ替わり後のヒンケルをほとんど映さなかったのは、皮肉った相手に対するせめてもの思いやりなのかと思いました。 [DVD(字幕)] 8点(2010-05-09 13:33:21) |
522. ガス燈(1944)
《ネタバレ》 序盤で犯人がわかり、もう少しして大半のストーリーの察しがつき、終盤に入る手前でほぼ全ての内容が読めます。そのままどんでん返しもありません。時代が新しくなるほどもっとひねりが必要になると思いますが、この時代の作品としてはこんなものでしょう。もちろん、ここで何か意外性があればもっと点数は高くしましたが・・・ ラストで復讐する気配が少しありましたが、結局無難に終わり、これはこれで後味が悪くなくてよかったと思います。 映像、音楽はベタなんでしょうが雰囲気を感じました。またバーグマンの美貌も個人的には高ポイントです。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-08 06:45:54) |
523. 遊星からの物体X
《ネタバレ》 異性人モノやホラーは、相手の姿が現れた時点で冷めてしまうのですが、この作品は相手の得体が知れないことで緊張感がありました。 また、周りが誰も信じられないという状況により恐怖感が増しており、生き残った2人も何となくお互いが信じられないような微妙な空気で終わったような感じがします。 リメイク作品ですが、前作とはかなり内容が違っています。 名作のリメイクはハードルの高さゆえ失敗し、凡作のリメイクはやはり凡作というイメージが個人的にはあるのですが、この作品に関しては前作をかなり宇上回っていると思います(特に緊張感の面で)。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-07 21:52:16) |
524. ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
《ネタバレ》 前作よりさらに合戦シーンが多くなったが、映像は相変わらずすごいものの、ここまで来るとさすがに免疫ができてしまい、いかにもCGという映像に嫌気がさしてきてしまった。 相変わらずフロドは何をしているのかよくわからず、相棒サムの活躍が妙に目立ち、3作通してサム、アラゴルン、ガンダルフくらいしか目立ってないような気がしました。 要するにフロドは指輪を運ぶだけで大変なんだということなんでしょう。 しかし、その割りに最後は誘惑に負けて指輪をはめてしまい、それをたまたま奪われただけであって、自分で何とか克服したわけではありません。 一番肝心なところで、存在感を示していなかったように思います。 全体としてストーリーが単純なため、映像に頼って大作として作りあげるしかなかった…そんな印象を受けました。 [DVD(字幕)] 6点(2010-05-05 22:08:27)(良:1票) |
525. ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
《ネタバレ》 1作目から興味をそそられ楽しみにしていましたが、結論から書けば、かなり裏切られました。 相変わらず映像、音楽はすごいですが、敵のキャラクターが気持ち悪すぎる…これだけで作品レベルを落としている気がします。 また、大集団で戦う中で主要キャラクターの個性が完全に埋もれてしまっていました。 個性が埋もれる以前にフロドは存在感すらなし(主役じゃなかったの?)。 そもそも敵キャラクターはほとんど個性なし。 悲壮な戦いのわりに、主要な登場人物が死ぬこともなく、裏切ることもなく、いわゆる少年ジャンプ的な展開を期待しましたが、これといった面白みはありませんでした。(ガンダルフが復活してきたことくらいでしょうか?はっきり言ってこれはどうでもよかったです。) これは原作が古典なので仕方ないのかもしれません。 鑑賞後に疲労感だけが残りました。 [DVD(字幕)] 5点(2010-05-05 21:41:55) |
526. ロード・オブ・ザ・リング
《ネタバレ》 3部作合計9時間超ということで覚悟して観ました。 いきなりプロローグから結構長く重厚な内容になっていてこれからの展開に興味をそそられました。 9人の終結がややあっさりした感がありましたが、少年ジャンプやRPGで育った世代としては、入り込みやすかったと思います。 パーティにこれだけの人数がいると当然気になるのが、これから誰が死ぬのか、裏切るのか・・・ そして終盤では2人悲壮な離脱、さらに仲間が3つに分断されるなど、定番とも思える展開がむしろ安心感を生み、今後に期待を抱かせてくれました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-05 21:23:07) |
527. 紳士協定
このテーマに取り組んだことは評価できますが、訴えるインパクトに欠けたような気がします。 ラストは安易な終わり方に落ち着かせていますが、このテーマはそんな簡単なものではないはず。 肝心の主人公の体験する描写が思ったより少なく、もっと泥にまみれさせてほしかったです。 [DVD(字幕)] 5点(2010-05-04 13:37:38) |
528. オズの魔法使
背景やセットは時代を感じさせますが、それがかえっておとぎ話的な世界のイメージと絶妙にマッチしていたと思います。 旅立ちから仲間との出会いまではけっこう丁寧に時間をかけていた反面、いよいよ本題のオズのもとにたどり着いてからは比較的あっさり話が進んでしまったような印象で、前後半の時間配分のバランスがやや悪かったような気がします。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-02 21:23:44) |
529. 雨に唄えば
《ネタバレ》 ミュージカル映画は食わず嫌いだったのですが、意識が変わりました。 素直に楽しかったです。有名な雨の中唄うシーンはもちろん、前半のコズモ単独のコミカルなパフォーマンスが魅力的でした。 トーキー映画の出現といったテーマも興味を惹きました もともとそれほど長い映画ではないうえにたかなりミュージカル部分に時間を割いているので、ストーリーは本当にシンプルです。 また、最後もベタベタに読めるオチ。そんなことは気にせず、力を抜いて思い切り楽しむ作品、元気をもらえる作品だと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2010-05-02 20:50:20) |
530. チャップリンの黄金狂時代
《ネタバレ》 開始直後の熊がついていくシーンから笑わせてもらいました。 ロールパンのダンスは笑いを超えて、そのアイディアに芸術性を感じました。 崖っぷちの山小屋のシーンは言わずもがな…。 エンディングがややあっさりした感じだったため、個人的にはもう少しインパクトがほしかったです(そもそも大金持ちになって、なおかつ、恋も実らせる必要があったのでしょうか)。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-01 22:18:39) |
531. 007/ドクター・ノオ
特に007が好きでも嫌いでもなく、このシリーズを初鑑賞しました。 定番の心地よさがあると思いますので細かい指摘はぬきにして、とにかく若いショーン・コネリーだけでも興味をひきました。 もう少しスパイチックな巧妙さや、展開の意外性などがあるイメージでしたが、意外と直球勝負で刑事物のように感じてしまいました。 それから、謎めいた存在だったドクター・ノオが、いざ出てきてみれば地味すぎ、かつ、大した見せ場もなく残念でした。 全体的にやや期待はずれでしたが、次回作以降も機会があれば観たいです。 [DVD(字幕)] 4点(2010-05-01 21:50:02) |
532. アイ・アム・レジェンド
《ネタバレ》 一人残された男が、多数の異形の姿になった元人間に囲まれる恐怖や緊張感、結末はどうなっていくのかなど、楽しみにしていましたが見事に裏切られました。 まず、元人間の身体能力があんなに上がらなくてもいいと思います。たくさんの敵に囲まれるだけで充分恐怖ですから。あそこまで強いと、人間の生き残りが何人いようが恐ろしくてしょうがないです。 また、その元人間があからさまにCGなので、非常に薄っぺらく感じました。 それから、ウィル・スミスの魅力が全く生かされていないように思いました。 最後にこれが一番失望したんですが、結局「地球最後に残った男」じゃなかった・・・これによって、この作品への興味が一気に削がれました。 [DVD(字幕)] 3点(2010-04-29 22:07:17) |
533. 市民ケーン
《ネタバレ》 もう何年も前に観ようとして途中で挫折、今回も観たが退屈・・・しかしラストの意味はわかりました。 そこがわかったところでもう1回見直してみると結構面白かったです(見直してよかった)。 結果的にはものすごくシンプルな答えだったわけですが、少年時代をボーッと観てしまい、 重要なキーをスルーしてしまうとラストが何のことかわかりません。 (映画は油断して観たらいかん、と反省^^;) 映像は、影の使い方による画面一部の強調や、時系列の切り替えの表現の工夫などにより、モノクロで暗い映像なのに苦痛なく観れました。 撮影手法など専門的なことはわかりませんが、たとえ素人でも感じられればそれでいいと思いますので・・・ ただ、作品レベルは最高でも、私のような映画ビギナーが1回観ただけではよくわからない、という点はマイナスポイントだと思います。 また、作品とは関係ないのですが、最近のわが国の状況をみると「絶対権力者」やマスコミとは怖いものだとつくづく思います(苦笑) [DVD(字幕)] 7点(2010-04-29 18:16:10) |
534. ブレードランナー
《ネタバレ》 近未来の描写に惹きこまれました。それに合わせ、SFアクションとはいえ、終始落ち着いた雰囲気です。 いわゆるドンパチは最小限なので、アクション、ヒーロー好きの人には物足りないかなと思います。 レプリカントによる殺害シーン描写はかなり抑えていて、 製造者を苦しげな表情で殺害したり、デッカードに止めをささず目の前で息絶えるなど、 どこか人間に逆らいきれないレプリの悲哀が印象的でした。。 デッカードが何とか最後のレプリを倒すという展開だったら、かなり平凡な作品だったと思いますが、 あの息絶えるシーン(真っ白の灰になった?)に救われました。 [DVD(字幕)] 7点(2010-04-29 17:28:29) |
535. 遠い空の向こうに
《ネタバレ》 心地よいストーリーでストレスなく鑑賞できました。 ストレスなさ過ぎで甘口カレーのように物足りなく平凡な作品という印象でしたが、 ラスト20分ごろからの展開で一気に2点アップです。 これは最初から徹底して理解を示さなかった頑固親父の存在あればこそです。 劇中に彼が笑ったのはあの1回だけでは?と思うくらいニヤリが印象に残りました。 多くの出来事について詳細までではなく、かなり省いて描いているので、全体としてサクサクと話が進みます。 長い作品苦手の私にとっては好都合でした。 主人公たちと同じ世代のときに鑑賞すれば、もっと感動したと思います。 高校生世代にはお薦めの作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2010-04-29 16:04:14)(良:1票) |
536. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
《ネタバレ》 もっとシリアスな展開かと想像していましたが、蓋を開けてみれば地球規模の壮大なコメディでした。冷戦時代にこれを作ってしまうのも凄いと思いますが、ここまでハチャメチャだと逆に潔さを感じます。 「なんだかんだ最終的には解決するんでしょ。この手の映画は。」と思って観ていたら、あっさり爆弾投下。「おいおい、ホントにやっちゃうのかい!」と内心突っ込んでしましました。 ラストに爆発が繰り広げられるなか流れる、ゆったりと平和ボケしたようなテーマソングがいい味出してます。 それにしてもこの作品、アメリカだから許されるような・・・ [DVD(字幕)] 7点(2010-04-27 23:47:58) |
537. 遊星よりの物体X
《ネタバレ》 リメイク作が高評価であることは知ってましたが未鑑賞で、こちらを衝動借りしました。 落下した物体に接近するまでは、映像の古さを感じさせず緊張感もありましたが、そこまででした。未確認物体にもかかわらず無防備に近づき、そのうえ氷を爆破しようとして宇宙船焼失…と、ここで興醒めしました。 異星人の姿をすぐに明らかにしなかったのは恐怖感をあおって良かったのですが、いざ現れてみれば中途半端なフランケンではないですか。宇宙から来たのに人間にほぼ近い姿というのは許すとして、宇宙船で来たはずなのに知性が感じられないのには拍子抜けでした。 モノクロでの恐怖感の表現やストーリー展開の緊張感を期待していたものの、全体的にのんびりした雰囲気でした。このため、序盤で下がったテンションが回復することは最後までありませんでした。 当然50年以上前の作品であるというフィルターを通して鑑賞しましたが、それでも「う~ん」です。 [DVD(字幕)] 3点(2010-04-25 14:32:48)(良:1票) |
538. ローマの休日
ベタな名作、ミーハーなイメージ、かつ、ラブストーリーなんか・・・という勝手な思い込みにより、今まで鑑賞したことはありませんでした。・・・が鑑賞してみてビックリ。こんなに楽しい映画だったとは。ストーリーは、今でこそ映画のみならず様々な作品で見たことがあるようなシンプルなものですが、何より主役と相手役が、輝いているというか、魅力的というか、うまく表現できないのですが、とにかくこの2人に惹きこまれました。ラストシーンは最高でした。甘すぎず辛すぎず、ハッピーエンドでもなくバッドエンドでもない・・・非常に心地よい余韻に浸れました。もっと早くアン王女に出会っていたかった・・・ [DVD(字幕)] 10点(2010-04-22 18:39:17) |
539. 自転車泥棒
《ネタバレ》 自転車一台をめぐって話が展開していく非常にシンプルなストーリでした。その中で、真面目そうな男が徐々に感じの悪い男に変わっていく変化がよくわかりました。もちろん、それは明日食っていくのも大変な時代背景ゆえにですが、そのため視野が狭くなっていく主人公の姿が印象的でした。結末を楽しみにしていましたが、私にとっては予想通りでちょっと残念でした。ただ、そのまま最悪な結末にならなかったことに救われました。戦後の混沌とした時代を描いた作品が、戦後の混沌とした時代にすでに公開されていたことに感服します。 [DVD(字幕)] 8点(2010-04-18 20:39:33) |
540. ポセイドン・アドベンチャー(1972)
《ネタバレ》 さすがにひっくり返っていく船の外観を表現することはしっかりできなかったみたいで、それほど感銘は受けませんでした(CG映像を見慣れているせいだと思います)。この映画の秀逸なところはそういうところではなく、やはり人間ドラマでした。生き残った者それぞれ個性があり全員印象に残っています。脱出過程はラストに近づくほどショボくなってきたので心配しましたが、あのような結末になるとは正直よい意味で裏切られました。また、そのアッサリ感にむしろ感動しました。最近のパニック物は映像を壮大している反面、登場人物の個性やドラマ性が薄れているものが見受けられますが、この作品を観て、これがなぜパニック物としての評価が高いのかわかった気がします。 [DVD(字幕)] 7点(2010-04-16 20:46:04) |