Menu
 > レビュワー
 > 彦馬 さんの口コミ一覧。3ページ目
彦馬さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 450
性別 男性
自己紹介 大阪府出身、岡山県在住、阪神・下柳と同年月日生

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
212223
投稿日付順1234567891011121314151617181920
212223
変更日付順1234567891011121314151617181920
212223
>> カレンダー表示
>> 通常表示
41.  ミュンヘン 《ネタバレ》 
ミュンヘン→ニューヨークの双六のような感覚を受けます。「美女に騙される、一回休み」、そんな各都市のマス目は、空間設計、色彩に仕掛けの楽しさが見え、各都市の異相は「みんな違ってみんないい」違いではなく、「みんな違って」悲惨な違いとして目に映ることになります。それは、無国籍で不詳なパパの家が、庭を駆けずり回る子どもたちと一家団欒に差し込む暖かな光線に包まれ、終盤で主人公とこのパパが電話で話すシーンは画面があからさまな寒暖を際立たせていることでそう見えました。あたかも一家族を一国家とすることで国家というHOMEと家族というhomeをぴったり貼り合わせホームを消し去る=ホームレスをユートピアとして描く。HOMEとhomeを交錯させながら、homeを選択しHOMEを拒絶した主人公とhomeに招かれることを拒むHOMEなイスラエル高官、その対称と曇天のニューヨークで閉められるラストに、人類はけっしてアガリのない絶望的な双六ゲームで遊ぶ愚者であるかのように感じます。くもり空を覆ったアメリカ糾弾の物語は、何度トライしても「ふり出し(=ミュンヘン)に戻る」マスに止まる人類を遠く笑い、描いたユートピアをはるか彼方に絶望の姿として見せながら、我々の喉元に鋭利な現実を突きつける、しかしけっして少女を消し去らなかったことに絶望中の希望を見たい。
[映画館(字幕)] 9点(2006-02-10 17:10:44)(良:1票)
42.  フットライト・パレード
これはもう前半のドラマ部をすっ飛ばして、後半の3本立てショーを見てやってください。その前に、そうそう途中でネズミの格好をして登場する坊や、あ゛っ、あの子だ!「ゴールド・ディガース」で誰やねこの子と私がベタ惚れした坊やだ、嬉しいな~。ショーはもう2つ目の水中レビューが圧巻、バークリー炸裂。照明のオン・オフによる万華鏡水中花はただただ見とれてしまいます。合間のエロチックなアングルもバークリーで、いったいレビューガールが何人いるのか数えてみるときっちり100人でした。バースデーケーキのような舞台を上から捉えた立体的なショットも迫力あります。そして「上海リル」に流水のように繋がっていくわけですが、いよいよギャグニー登場(ギャグニーだと分からせるまでが憎い見せ方)、リルに扮するのはルビー・キラーで、彼女のチャイナドレス姿の美しさには「オリエンタル~」と呟いてしまいます。温存していたルビー・キラーのタップが始まると、ギャグニーも応酬、アメリカ万歳で舞台は幕を閉じ、バークリー万歳で私のレビューは閉じるのでした。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2006-02-07 12:50:18)
43.  運動靴と赤い金魚
私は映画において路地裏の登場するシーンがとびきりのお気に入りで、表通りにはない繊細な感性の行き交いに魅了されてしまいます。最たるが「赤い風船」の風船と少年ですが、この「運動靴と赤い金魚」も路地を走る幼い兄妹の姿に魅せられます。「もっと早く来いよ」「すぐに走ってきたわ」、学校が終わってすぐに駆け出した妹を見ている我々は、ひどいことを言う兄だな~、と思ったりするわけですが、兄は兄で遅れまいと必死なのがよく伝わってきます。始終悲哀に満ちた兄の表情と喜怒哀楽のグラデーション豊かな妹の表情、この表情が貧しい家族の断面を切り取っていくのですが、シャボン玉に二人揃って嬉々とするシーンは生活を離れた子どもの表情が見えたりしてほっとしますね。ラストの赤い金魚は、「赤い風船」の少年に群がる風船にダブってしまいました。
[DVD(字幕)] 8点(2006-02-06 13:05:13)(良:1票)
44.  マリヤのお雪
西南戦争を背景に“お雪”=山田五十鈴と“おきん”=原駒子の田舎芸者2人の女の意地と悲哀が、官軍と賊軍の対立軸の周りで細やかに滲む傑作です。官軍の前線と床下に潜む賊軍密偵、杉木立で上から下から挟まれる賊軍密偵などの上下空間の利用、全編に見られる奥行きある被写界、「じれったいね」と山田がアップになりその向こうに小さく写る官軍将官の構図など見事なショットの数々に惚れ惚れします。杉木立のシーンでは美しいピンストライプの杉が写り、この縦の線が後半になると格子戸や窓の木枠、すだれなど縦のラインごしの山田や原に引き継がれます。これは賊軍密偵の潔き最期と芸者の一本気を直線的に表現したものではないでしょうか。また銃声、襖を閉めた向こうから聞こえる会話などの画面外を意識させる音の利用、緊迫したシーンから一転小川のせせらぎや菜の花畑、雲流れる空への転調、また官軍と賊軍の対立を無益に笑い飛ばすかのような馬、豚、犬、小鳥のさえずりもいいですね。そしてなんといっても、マリヤ像のシガレットケースのショットから繋がれた山田が官軍将官の元へ現れた時の、急須やコップに仄かに光る十字、ラスト付近で官軍将官のサーベルに光る十字・・・しびれます。乗船を拒否された山田と原が縦にゆらゆら揺れる船の中からのショット、その山田と原の無言の表情は涙なくしては見られず、ラストシーンの手前と奥の無言の2人・・・「マリヤのお雪」が深深と私の奥に降り積もっていくのでありました。 
[CS・衛星(字幕)] 10点(2006-02-03 13:25:06)(良:2票)
45.  パッチギ! 《ネタバレ》 
「ゲロッパ!」を見て「パッチギ!」を敬遠していたワタシに告ぐ。アンタは馬鹿だ。そうです、こいつには感動しました。人が一人死ぬ、人が一人生まれる。アンソン軍と大西軍の対抗戦は、勝ったり負けたり、やったりやられたり。鴨川を挟んでの大乱闘は「引き分け」。この大乱闘が象徴するようにこの映画はヒキワケの映画ではないか。直接的には「イムジン河」が南北朝鮮統一の悲願、日本人と在日朝鮮人の幸福な共存を謳い上げるのですが、敷衍して、この広い世界のあらゆる対立や、この長い歴史のあらゆる事象が、勝ったり負けたりといった概念を超えたところに本質、意義、求むべきものがある、つまりはすべてヒキワケなんだと。人生の勝組や負組などとほざいている連中にはパッチギかまして一歩でも前に進もうぜ、命かけてと誓った日からすてきな想い出は生まれるのだ、とそんなことを通勤電車の中で叫びたくなる映画であります。
[DVD(字幕)] 10点(2006-01-31 13:12:56)(良:4票)
46.  アイアン・ホース
アメリカ大陸横断鉄道建設の夢と希望の固まりに、冒頭10分で愛と復讐の人間ドラマが絡みつくことが予示され、レールが延びるとともに待ち受ける苦難困難に、遥か大平原のロングショットが詩情的に絡みつくサイレントという名の饒舌な映画です。その舌の上で、大量エキストラの鉄道工夫、インディアン、勇壮な牛の大群、酒場の喧騒、ロッキーの雪山が豊潤に溶けていき物語を彩ります。オマハから出発したユニオン・パシフィック鉄道とサクラメントから出発したセントラル・パシフィック鉄道が金のスパイクで結ばれ祝福されたのは、小文字な男と女の再会と、大文字なアメリカ、リンカーン大統領であり、実際使われた本物のアイアン・ホースのキッスは、人間ドラマという小文字の物語と国家という大文字の神話の甘い蜜月関係の始まりであり、“ランド・オブ・プレンティ”なアメリカの始まりにも見えたのでした。媒酌人はジョン・フォード。
[ビデオ(字幕)] 10点(2006-01-23 18:19:56)(良:3票)
47.  博士の愛した数式
ベストセラーをただ撮った、だけの作品ではないかな~。まったくメリハリのない室内照明、単調なカメラワーク・・・。熱烈な阪神ファンとして、92年の新亀(新庄と亀山)ブーム快進撃を巧みに取り入れていた原作をどう映像処理しているのかが楽しみでありました。冒頭、75年の事故以来10年間博士の記憶は80分しか持たないことが語られ、ここで阪神ファンなら、85年優勝時に設定変更しているのかと想像するわけですが、なんと全くそのシーズンの阪神の試合が登場しないという肩透かしにバッタリ。家政婦の息子の誕生日を5月18日と設定し祝うシーンがありますが、江夏豊がモチーフなら出来すぎでも江夏の誕生日=5月15日に一致させてほしいな~。朝丘ルリ子が木戸門を開け放つことを語るシーンも、事前に閉まった木戸門を数ショット捉えて見る物に意識させておいたら、朝丘はただ開け放つという無言の行為が絵になったりもするのに。見所は深津絵里のエプロンが毎回変わるところぐらいでしょうか。
[映画館(字幕)] 2点(2006-01-22 01:04:34)(良:1票)
48.  罠(1949)
開始早々の街頭の時計は午後9時5分、それが終末では10時17分を指しているように、上映時間72分のこの作品は同時進行という手法で有名ですが、なによりも秀逸なボクシング映画に仕上がっています。マネージャー同士で八百長(SET-UP)成立、どうせ負けるからとロートルボクサーの主人公には伝えずピンハネするマネージャー、さてゴングが鳴ると・・・。その試合は誰も注目しないメイン戦の後のラストゲーム、ポップコーン売り、ピーナッツ売りの声が空しく響く中、そのボクサーの奮闘と街を彷徨う恋人とのカットバック、その動と静が良い。またその試合が始まるまで、ひたすら控室に据えたカメラはリングを一切映さず、試合前後に出入りするボクサー達の恐怖に怯える表情、自信に漲る筋肉を切り取り、ボクサーという職業の宿命を描き出す。フィルム・ノワールの雰囲気を全編にたぎらせた画面がラストに見せる「PARADISE CITY」と「DREAM LAND」の電光に、祝福の暖かな光が見えるのです。
[ビデオ(字幕)] 10点(2006-01-18 13:23:13)(良:1票)
49.  プルーフ・オブ・マイ・ライフ
グウィネス・パルトロウが始終わめいていて少しやかましい。夢、幻想やフラッシュバックで亡くなった博士を登場させる脚本、編集以外に、「これぞ映画」というプルーフがどうも見当たりませんでした。
[映画館(字幕)] 5点(2006-01-16 17:30:16)
50.  間諜X27
フォン・スタンバーグ+ディートリッヒのベスト1にはこの作品を推したい。仮装パーティ、鏡面、二重露光でスパイの二面性を徹底的に描き、獲得された愛をもって、その二面性を徹底的に破壊する。国家への忠誠→愛への忠誠、ディートリッヒの中に低温的で静かに燃える焔が見える。ラスト、娼婦の衣装を身に付けた彼女は同時に孤高な誇りを纏い、青白き焔がフィルムを焦がすように燃え続ける。我々はその仄かな煙を、流す涙の言い訳として受け入れるだけなのです。
[ビデオ(字幕)] 10点(2006-01-16 17:29:11)
51.  鴛鴦歌合戦
これを見れば紅白歌合戦などショボすぎて見られなくなってしまうほど面白い。中でもみのもんた、いやいや市川春代の甘ったれた喋り方とけっして巧くはないがどこか惹き付けられる歌声がとっても魅力的。「ちぇっ!」ではなく「ちぇ」と毒を吐く彼女の口調を真似て、その後何か不愉快なことがある度に「ちぇ」と独り言を呟くほどになってしまいました。恋敵の傘をこれでもかと破る仕草もかわいい。短期間でもアイデアと編集でこれだけ楽し過ぎる映画を仕上げるマキノさんの職人気質に拍手を、傘を持った登場人物をドリーに乗って流れるように撮り上げた宮川一夫に喝采を、そして春坊(市川春代のあだ名)に思いを寄せて、春よ来い。
[DVD(字幕)] 10点(2006-01-12 13:02:11)(良:3票)
52.  綴り字のシーズン
すっかりフローラ・クロスにキュ~ン。スペリング競技会で自分の番になると、小さいもんだから必ずマイクを下げなければならず、単語が出題されてからゆっくりと目を瞑り一語一語発声するところの彼女の無表情に惚れちゃいました~。
[映画館(字幕)] 6点(2006-01-05 17:36:42)
53.  歴史は夜作られる
そりゃ~シャルル・ボワイエに見つめられたら落ちますわな。そんな気品あるフランス男 のボワちゃんとアメリカ女ジーン・アーサー嬢のメロドラマですが、二人の洒落た会話に洒落た行動が殺人事件や海難事故といったイベントを突き抜け、グレッグ・トーランドのカメラにとろ~りと溶け込んでいます。靴を脱ぐアーサー嬢、そして二人で踊り見つめ合いながら「フランスの男は女性に軽々しく自分の思いを口にしない。少なくとも一年は待つ」「カンザスでも女性は半年は待つわ」「夜を一年とすれば半年過ぎた」「じゃあ半年待てばいいのね?」、どうぞ勝手にやってやがれ~、靴がなくなっても知りませんよ・・・と軽々しく自分の思いを口にしている私は日本の男です。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-03 18:02:36)
54.  亀も空を飛ぶ
作品全体を貫く力強さと繊細な細部、ドキュメンタリータッチとファンタジーのパッチワークが鮮やかに織り込まれた映画でした。たくましいやひ弱いといった形容を拒むように生きるために成すことを成すクルドの人々が描かれ、結果、同情や共感を拒むような屹立としたフィルム空間が生まれているのです。赤い金魚や亀、サテライトや目が見えない赤ん坊が比喩的でありながら、その意味を探ることが無意味であるかのように全てを無化しグレーで包み込んでしまうような曇天の空に、もしかしたら世界中のすべてが曇天であるかのような錯覚さえしてしまうようなその空に、青空にはない普遍性を感じながら映画館を出るとそこは曇天の冬空。この空はクルドにつながっているのか。
[映画館(字幕)] 9点(2006-01-03 18:02:01)(良:2票)
55.  ゴールド・ディガース(1933)
どうも私はエディ・カンターものなどバズビー・バークリーの振付で作品自体を高評価してしまう傾向があるのですが、今作もグー! 前半のナンバーは、ステージに風が吹き、雪が舞い、雨が降る。雨でズブ濡れになったショウガールたちが着替えるシルエットのエロさにニタ~っと見ていると、3才くらいの坊やがシルエットの幕を上げようとする。私の表情を見透かしたようなその坊やのニタ~っとした表情はすでに男のそれで、あれはバークリー自身の表情でしょうな。濡れたドレスを脱いだルビー・キラーは鉄の衣装を身に着けていて、これでは抱きしめることもできないと困ったディック・パウエル、さて鉄切りバサミを二タ~っと渡すのがまたこの坊やで、誰やねこの子、生きてりゃ会いたいな~。後半は「シャドウ・ワルツ」にのせたうっとり~のステージ。照明が落ち、ヴァイオリンのイルミネーションが輝き出す俯瞰ショットには、うわ~っと神戸のルミナリエが点灯された瞬間のような歓声を上げてしまいました。そんな光輝く一年になるよう今年もたくさんの素敵な映画に出会えまうように。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2006-01-01 20:50:05)
56.  男たちの大和 YAMATO
今秋、呉の大和ミュージアムを訪れた時、ある展示物の前で一人の若い女性が落涙で頬を濡らしており、数分後、私も同じ態となる。そこでは艦員達の遺書の美しき直筆の、その字面の向こうにそれぞれの人生と、個人を超越した圧倒的な覚悟の物語が見えました。この映画ではその圧倒的な覚悟が見えない。個々人のそれぞれの物語に治まっており、壮麗壮大な大和の物語が見えない。迫真の戦闘シーンの前に、艦員の静かなる覚悟、ただ黙ってそこにいるだけで個人を突き抜けるといったシーンがない。反町や中村たちはただ己の覚悟を大声でわめいている。おそらくこの映画、全編目をつむっていた方が終わった時の感慨はより強いのではないかと思われる。それだけ言葉と音楽が過剰に悠々としている。
[映画館(字幕)] 5点(2005-12-20 20:23:50)(良:3票)
57.  マダムと泥棒
これはアレック・ギネスを中心とする5人組のキャラ、マヌケぶりに堪能させられる映画ですが、婆さん役のケイティ・ジョンソンのとぼけた魅力が溢れてもいて、邦題が“泥棒とマダム”ではなくて“マダムと泥棒”であるのも頷けるところです。あっさりと序盤で成功する現金輸送車襲撃後の展開の面白き脚本は、冒頭の警察署でのエピソードが伏線となりラストに生かされるところなどでもその力を発揮していて、マダムと泥棒たちを演じる役者の力量と相乗となりこの上質な英国式ブラックコメディを完成させています。ピーター・セラーズとハーバート・ロムが泥棒役で出ていますので、ピンク・パンサーファンには是非お薦めの一本です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-12-19 13:06:23)
58.  江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間
奇形人間のビジュアルだけで突っ走る映画でもなくて、謎解きのストーリィはしっかりとあります。でもやっぱりこの映画は、奇形人間の造形と暗黒舞踏の祖、土方巽の怪演に吸いこまれる作品ですね~。「白虎社」や「山海塾」を思わせるような舞踏も登場しますし、好きな方にはたまんない、はずです。この映画の前ではどこまでがエログロでどこからがアートなのか、といった問いが成り立たないような感覚を覚えました。石井輝男さんの作品はほとんど見ていない私ですので追悼的なレビューは書けませんが、成瀬巳喜男さんや清水宏さんの下につかれていた実績、そしてオリジナルの石井ワールドを確率された形跡をこれから彼のフィルムに求めていきたい、ということで映画の旅に終着はなさそうです。
[映画館(字幕)] 7点(2005-12-18 23:57:04)(良:1票)
59.  Mr.&Mrs. スミス
これは最強の男と最強の女とを夫婦喧嘩させ、家の中が破壊尽くされる、そのド迫力映像を撮りたかっただけのように見えながら、ピストルやナイフなど武器を失った二人が生身の肉弾戦を繰り広げながら一転、愛の肉弾戦へと突入する様子を窺いますと、タナトス=攻撃衝動=死からエロス=性衝動=生への反転がそこに見え、滅茶苦茶に散乱した家屋に透けて想像させられるのは二人の距離が縮まったキッチンテーブルと湯気あふれるスープだったりして、破壊の裏の建設が堂々と微笑んでいたのでありました。
[映画館(字幕)] 8点(2005-12-16 17:17:49)
60.  SAYURI
「ゲイシャを通してジャパニーズビューティ、オリエンタルエモーションを描くのだ、さあ桜だ、雪だ、五重塔だ、相撲だ、舞だ、踊りだ~! 主役? 西洋人には東洋人の区別はつかん、どうせ英語を喋らすのだからアジアンビューティのチャン・ツィイーだ! ミシェル・ヨーにコン・リーも使おう。台詞が多くても構わん、尺が長くなっても構わん、行け~マーシャル、撮れ~!!」とスピルバーグが言ったかどうかはわかりませんがそんな感じの映画でした。日本料理に例えるなら、寿司、すき焼き、天ぷらをどっかと食卓に並べられたようで、何かが足りない。そうだ、“お茶漬けの味”が足りないのだ、きっと。佐分利信と小暮実千代が卓袱台で涙を流して食べるあのお茶漬けの味が・・・。
[映画館(字幕)] 7点(2005-12-16 12:55:10)(笑:2票) (良:1票)
010.22%
130.67%
271.56%
392.00%
4153.33%
5255.56%
64810.67%
77115.78%
89621.33%
910022.22%
107516.67%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS