41. 人間の條件 第三部 望郷篇
《ネタバレ》 小原のエピソードと妻と過ごした一夜のエピソードは見事。梶の顔が徐々に人間じゃなくなっていくような恐ろしくも悲しい表情になっていく様を仲代達矢が熱演。後半の吉田の話から少し微妙だった。 [DVD(邦画)] 8点(2008-11-04 09:59:48) |
42. 現金に体を張れ
《ネタバレ》 終盤まではなかなかテンポも良く、面白い作品だったが、オチで興醒めした。時間軸をいじる以外は特にこれと言った点もなかったのでオチに期待したのだが、犬とおんぼろ鞄のせいで捕まってしまうというエンディングはさすがに頂けない。画的にも、ストーリー的にもきれいな終わり方かもしれないが、そうでもなかった。 [DVD(字幕)] 5点(2008-10-05 22:57:20) |
43. 二十四の瞳(1954)
《ネタバレ》 戦争を知らない自分としては、これほど時代を反映した作品を観られただけでも満足。離島の小豆島までじわじわ戦争の波が押し寄せてくる描写がとてもリアル。特に当時の教育はとても怖い。子供の命を惜しんだだけで赤と見なされるとは恐ろしい。さすがに子供たちの死ばかりを見るのは苦しかったが、観て良かったと思える映画だった。 [DVD(邦画)] 8点(2008-10-04 22:53:05) |
44. 地球の静止する日
《ネタバレ》 描ききれないところは変に無理をせずバッサリ斬って作っているため、本当に脚本に無駄がないし、テンポも非常に良い。メッセージ性も分かりやす過ぎるぐらいに強調されている。まるでチャップリンの独裁者のように。ただ、そこまで響かなかったかな。まぁ当時観ていれば間違いなく違った感想を持っただろうが。それと、SFの割りに話がどこか小じんまりして終わってしまったのと、終盤のご都合主義は首を傾げてしまった。と言っても、古典のSFでは間違いなく傑作。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-03 22:58:59) |
45. ライムライト
《ネタバレ》 前作の「殺人狂時代」と同様、コメディはあまりないのだが、一つのドラマとしては前作をはるかに超えている。皆さんもおっしゃるとおり、チャップリン自身を投影した作品だろう。だからなのか、多少説教臭いセリフもあるのだが、だからこそ説得力もある。人生って素晴らしいと思わせてくれるし、頑張ろうって思える。そして、この内容の作品だからこそ、キートンの出演も頷ける。同じ時代に活躍し、それぞれ苦労をしてきた二人の共演は別の意味で感動的であり、映画史に残る名場面であると言える。 [DVD(字幕)] 9点(2008-08-19 10:57:18) |
46. 隠し砦の三悪人
《ネタバレ》 黒沢の時代劇は幅があって面白い。難点を言えば、百姓二人があまり活躍しなかったことと、ストーリーが多少強引なこと。それを除けば、なかなかのエンターテイメントに仕上がっている。リメイクとかこの足元にも及んでいないんだろうな。 [DVD(字幕)] 7点(2008-08-17 22:27:04) |
47. ベン・ハー(1959)
《ネタバレ》 多分今まで観た中で一番長い映画だが、飽きさせないな。緩急のつけ方が上手い。宗教色が強いため、ロマンスが主テーマとなっていないのも良い。そして、何と言ってもこの壮大感。スクリーンで観たいな。長い製作期間と巨額の製作資金を用意できたワイラー監督だからこそ出来た傑作だろう。どのシーンをとっても慌てて先を急ぐことなく、必ずと言っていいほどロングショットを使っている。むしろ余裕が感じられる。そして、戦車競技シーン。資金が豊富にあったこともあろうが、この迫力は映画史上未だ最高峰のものだろう。アングルの使い方が上手いし、顔のアップばかりでなく、競技場の中に入り込んでの、あるいは真上からの撮影が見事。そして、終盤はかなり宗教色が色濃くなった。最後のカタルシスは、宗教に疎い自分からすれば理解しがたいものだった。しかし、それを差し引いてもこの作品が傑作なのには間違いない。今の時代なら、こんなに製作期間を取ってくれるところはないだろう。そんな昔のハリウッド黄金期を支えたワイラー監督には拍手を送りたい。 [DVD(字幕)] 8点(2008-08-04 09:16:57) |
48. ビルマの竪琴(1956)
悪い映画ではないのだが、中盤少し冗長だったのと、視点を絞りすぎた点がダメだったかな。 [DVD(邦画)] 6点(2008-07-07 00:11:20) |
49. 欲望という名の電車(1951)
《ネタバレ》 生まれた世界とは違う世界があることと、どんな状況でも自助努力が必要だと言うことがよくわかる映画。どんな世界に生まれようと、どんな良い思いをしても、必ず訪れるどうしようもない状況。他のせいにしてもそれは虚無であり、自分のせいにもしたくない。その虚無を埋めるべく現れた男たちも虚無。結局行き着く先は精神病。救いのないラストかもしれないが、状況には適応しないといけないし、いろんなことに早く気付くべきだったのかもしれない。にしても、キャストが豪華。この演技合戦でマーロン・ブランドだけが敗れたのはかわいそう。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-24 22:25:57) |
50. シェーン
《ネタバレ》 西部劇としてはよくある話で、喧嘩で仲直りなどベタな演出も多いのだが、シェーンがやたらとカッコいい。よくある設定のキャラなのだが、ジョン・ウェインともイーストウッドとも違う雰囲気がものすごく良い。ただ、この主人公のシェーンについて言及するとすれば、中盤で出番が少なかった。でも、そんなことはラストで吹き飛んだからまぁ良い。あのラストは忘れられないな。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-10 23:43:12) |
51. ハーヴェイ
この映画でのジェームズ・スチュワートはまさにはまり役。ほのぼのした雰囲気にぴったり。彼の演技を楽しむだけの価値あり。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-08 23:14:12) |
52. 彼岸花
《ネタバレ》 小津映画によくあるお話だが、カラーであることを存分に活かした撮影と、小津らしい演出が光っている。普通なら披露宴のシーンで泣かそうとするものだが、小津はバッサリ飛ばしている。後の会話から連想させる辺りがニクい。頑固親父が妻との電話で内心を見透かされ、わかっていると何度も言われるシーンが非常に面白い。いつもの「結婚」がテーマだが、一味違って良かった。 [DVD(邦画)] 7点(2008-06-03 23:34:43) |
53. 第十七捕虜収容所
《ネタバレ》 本筋の話は見事な運びで素晴らしい。セフトンがスパイでないのはすぐにわかったのだが、その後の緊迫感ある展開は見事。ただ、この作品におけるコメディが微妙。アニマルはユーモアあるキャラであったが、何の象徴としての存在なのか。悪いとは言わないがこの一連のシーンは冗長に感じた。 [DVD(字幕)] 7点(2008-05-26 23:47:44) |
54. 人間の條件 第二部 激怒篇
《ネタバレ》 1部に続きこの2部もかなりの完成度である。前作に続き映画として日本の悪態をしっかり映しているのは変わらず評価できる。そして、植民地支配という根本的な矛盾の上に正義を見出さなければならない苦労がひしひしと伝わってくる。1部に比べかなり暗く、理不尽な現実の描写が胸をえぐる。そして難しい役どころもある中、主要キャストは見事な演技をしている。 [DVD(邦画)] 9点(2008-05-19 00:58:04) |
55. ゴジラ(1954)
しょぼいシーンはあるが、これほど大人の映画だとは思っていなかった。少し退屈するシーンもあったが、ゴジラの存在意義を考えるだけでも面白い。 [DVD(邦画)] 7点(2008-05-09 23:38:22) |
56. お茶漬の味
《ネタバレ》 冷め切った夫婦関係を描いている作品だと思ったが、このまま離婚して終わりなんてないだろうから、どんな展開になるかと思いきや、いきなり仲直り。この結末しかなかっただろうが、そこの辺りの展開が急すぎる。もう少しそのあたりの描写があれば良かったと思う。それにしても、ヒロインの役に節子という名を付けるのはどうか。よほど原節子に出演してほしかったのだろうか? [DVD(邦画)] 6点(2008-04-11 23:35:10) |
57. 生きる
《ネタバレ》 後半は若干説教じみた話になり過ぎたかな。公園を作るために尽力し始めると思いきやいきなり葬式、と言うのは度肝を抜かれたが、そのまま普通に描写しても良かったと思ってしまう。ただ、内容としては人生の教訓にしておきたいと思うもの。自分は学生自分だが、あんな風になってしまうのではないかと常に思う。変わるべき物が50年以上経っても変わっていないのだと痛感させられた。これから50年日本はどう変わっていくのだろうか、とネガティブだが痛いほど感じてしまうそんな作品。 [DVD(邦画)] 6点(2008-03-28 23:56:52) |
58. 手錠のまゝの脱獄
《ネタバレ》 やはり当時の社会状況から考えてこの内容は相当斬新だっただろう。手錠で繋がれた黒人と白人の二人はまさしく本来あるべき姿。心を開いて向かい合えば、これほどの友情が芽生えると言う監督のメッセージは素晴らしい。婦人が嘘をついた辺りからニューシネマっぽくなったが、死ななくて良かった。ポワチエの歌も良かった。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-28 12:27:32) |
59. 真昼の決闘
《ネタバレ》 ジョン・ウェインなどかつての西部のヒーロー像を覆すような作風は確かに斬新だ。しかし逆を返せば、主人公を疎む動機がそこまでしっくりしない。確かに主人公が逃げれば面倒はなくなるのだろうが、後で殺されたなんて知らせが入ればやりきれない気持ちになるはず。リアルタイムで進行していくため、これまでの主人公を取り巻く環境などの描写が足らず、全ての展開においていまいち納得がいかない。そのリアルタイムで進んでいくのもそんなに効果が得られていないように感じる。そして、主演のゲイリー・クーパーもオスカー獲るほどの演技だったとは思えない。しかし、内容自体はそれほど悪くないし、リアルタイムで進行すると言う設定にしなければそれなりのドラマは得られたと思う。 [DVD(字幕)] 4点(2008-03-24 12:57:15) |
60. 勝手にしやがれ
《ネタバレ》 大したストーリーではないのに結構引き込まれた。ニューシネマに影響を与えたという雰囲気と言い、ラストと言い、非常に洒落ていてカッコいい。自分が欲しいものを求めても、今の自分に気付いていないため上手くいかない。青春モノの良さが上手く表現されており、主演の二人も素晴らしい演技を見せている。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-22 12:05:10)(良:1票) |