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61.  家族の肖像
バート・ランカスターはアクション俳優だったんだよ、ということを知ったのは随分と後のことで、私の第一印象のランカスターは本作で、人生の晩年を迎えた老教授を演じた渋い俳優さん、という印象の方が強い。ヴィスコンティという監督は、ホントに女優さんを綺麗に撮る人で、シルヴァーナ・マンガーノの美しさはマジで綺麗。ランカスターの渋さとマンガーノの押し出しの強さ、二人の熟した演技の前にあっては、さすがにヘルムート・バーガーも色が褪せて見えた。それでも、最後、バーガー=コンラッドが爆死しちゃうところは、結構胸にくるものがあった。ある人生の斜陽、夢の挫折というテーマはいかにもヴィスコンティらしいけれど、どちらかというと「ヴェニスに死す」と同様、割りと淡々と物語を運んでいくので、「地獄に堕ちた勇者ども」や「ルードヴィヒ~神々の黄昏」などとは、ちょっと印象が違うかもしれない。
8点(2003-01-15 23:14:04)
62.  七人の侍
本作のどこが凄いといえば、やたらと人間性を掘り下げようとするあまり、却ってバタ臭くなりがちな当時の邦画の中で、「食わせてやる。だから奴等をやっつけてくれ」という頼みに、「敵」の人格など考えもせずに、やっつけていくところ。今でいうなら、シュワルツネッガーのアクション映画に通じるところでもあって、そんな描写がアメリカ人受けして、それが「荒野の七人」に繋がったのだろう。黒沢明監督が逝去した折り、幾つもの追悼本が出たが、その中の一冊に塩野七生氏の寄稿文が掲載されていて、塩野七生氏の著書「コンスタンティノープルの陥落」も、本作「七人の侍」をモチーフに使ったと書かれていて、結構、あっちにこっちに影響を与えた作品だったんだなぁと、今更ながらに驚いたのを覚えている。
8点(2003-01-12 23:37:19)
63.  スパイ・ゲーム(2001)
スパイ今昔物語も、当世スパイ事情も、時々の世界情勢や当時のアメリカの大国の事情やらをも含めて、とっても私好みではある。その時には、暗黙の了解というか、国家のための必要悪であったことも、情勢が変われば、「許可があったのか」と聞く身勝手さは、多分、どこの国家も同じなんだろうが、本作は公開時期が不運だった。国を挙げて大儀を寄せ集めて挙国一致を目指そうという御偉方には、歓迎されない作品だろう。ロバート・レッドフォード主演ということは分かってはいるが、ブラッド・ピット・ファンとしては、ムカついていいのか喜ぶべきなのか、迷う一作でもある。とにかくピットが地味なのだ。ハリソン・フォードと共演した、かの「デビル」と張り合うくらい、地味である。いや、スパイなんだから派手でも困るのだが、何もここまで地味にしなくてもと、思うくらい地味なのだ。反面、そのおかげで、ピットの抑制の効いた演技を堪能することも出来たわけで、ベルリンのロデオ作戦は、ほぼピットの独壇場だった。また、「デビル」の時とは違って、脚本も配役のバランスも取れているから、筋立ても安定していて、溜飲の下がる結末に収まっている。アクション劇ではなく、心理劇である。
8点(2002-11-30 03:01:40)
64.  ザ・メキシカン
「街頭インタビューに答えて、私優しい人が好きよと、優しくなれない女達が答える」という、中島みゆきの歌詞のフレーズを、ついつい思い出した。逆らえば組織に殺されるかもしれないジェリーに、約束が違うと怒るサマンサは、まるで、仕事が出来なきゃリストラされるかもしれない亭主と、仕事を言い訳に子供の面倒も見てくれないと怒る女房の構図が見えるようだ。要するに、現代の先進国夫婦あるいは恋人達が抱える一般的な擦れ違いを、コミカルに描いた作品である。ただ、ブラッド・ピットのファンとしては、別の意味で興味深い作品でもある。本作の興行の失敗、前評判の意外なほどの悪さ、同年に製作された「トラフィック」、そして、ジュリア・ロバーツの参加が「トラフィック」への出演を断られた腹いせ的なものだと思えば、全く興味深いが、真相は無論、出ないだろう。が、どう考えても、ハリウッド映画界の御偉方というのは、外個人俳優がハリウッド映画で活躍するのは○でも、ハリウッド・スターがギャラ度外視で外国映画に出るのは×らしいと、実感した作品でもある。それでも、あるいは、それだからこそか、ブラッド・ピットの演技は、気負いもなく、生き生きとジェリー役を楽しんでいて、おそらくは、素のままのブラピが楽しめる一作である。もっとも、気取ったジュリアよりは、こういうジュリアの方がいいなと思ってしまう辺り、女としては、自己弁護も出来ない、かも。そんなの我が侭だよと頭では分かっていても、パーフェクトに強くて優しい男を望んでしまうサマンサの気持ちも、分かってしまうんだな。
8点(2002-11-23 01:38:13)
65.  ブラッド・ピットのヒミツのお願い
先ず、本作の主演はブラッド・ピットではない。主演は二人の女優である。ついでに、別に名作でも大作でもない。現在の生活に倦怠した二人の女が刺激を求めて火遊びを夢見る狂騒劇で、その二人の女の夫であり恋人である男二人が振り回されるという、ワイド・ショー的なストーリーである。それを踏まえて見れば、糞味噌に言われる程の駄作ではない。確かにプロットに新し味はないし、先読みの出来る作品ではあるが、先読み出来る可笑しさが本作の持ち味でもある。登場する役者も、それぞれに好い味を出しているし、本作の出だしのコザックの、初恋の男との妄想に耽る表情から所帯染みた母親への顔へと一変する演技は見事である。ただ、ブラッド・ファンとしては、ピット=エリオットの個展のシーンには、製作サイドの作為が感じられてならない。もっとも、当時のピット(今も、かもしれないが)は「綺麗な自分」に対して屈折した感情を持っていたのは事実だが、デニス・ホッパーを連呼するのはやり過ぎだろう。ピットに関して言えば、この後に来る出世作である「リバー・ランズ・スルー・イット」のポール役より、「12モンキーズ」のジェフリー役の素地の方が覗けるのが興味深い。終始一貫、女のワイド・ショー的な狂騒劇で通しただけに、スクリーン向けというより、TV向けだと思うが、ビデオ映画を観て、久方振りにゲラゲラ笑った。というより、本作のような作品を観て笑えるような年齢のなった、というべきか。無論、男の側の意見は、また違うものだろうし、プロットは薄いものだが、少なくとも演じている役者のバランスは良く、言われる程の失敗作だとは、思わない。
8点(2002-11-14 01:47:06)
66.  ルートヴィヒ(1972)
ヴィスコンティ映画に嵌まっていた頃、上演されていた岩波ホールにまで観に行った唯一の作品であり、今後もそんなことはないだろう。本作に限らず、ヴィスコンティ映画は、ある意味面白いが、楽しめる映画ではない。だが、ルキノ・ヴィスコンティ本人がイタリア貴族の末裔であるのを反映してか、旧体制が滅んでいく残照を描いて右に出るものはいない。本作は、その集大成とも言える作品であり、史実であるだけに壮大である。ルードヴィヒの狂気と頽廃を追いながらも、全編をセピアで縁取り、決して品格を損なうことがない。ヴィスコンティにはお気に入りの役者というものがいるが、ミス・キャストというものがない。ルードヴィヒのヘルームート・バーガーは無論嵌まり役だったが、当時、絶世の美女と謳われたエリザベート=シシィを演じたロミー・シュナイダーの気品ある美貌は、シシィ役を見事に表現して見せた。ただ、気軽に観られる映画ではない。観る前に、「よし、観るぞ」という覚悟はいるだろう。完全版では、4時間だ。美術監督の苦労が偲ばれる、小物に至るまでの調度やセット、気合いの入ったコスチューム・プレイは、圧巻である。
8点(2002-11-11 01:04:01)
67.  スリーパーズ
ブラッド・ピットにとっては傍迷惑なほど、偉大な失敗作。重いテーマを紹介する少年時代は眉を顰めるほど丹念に描かれているとして、いざ復讐という青年時代の描き方が御粗末。青年時代は復讐をテーマにしているにも関わらず、なんだかマイケル一人だけが延々と根に持っていたようにも思えるほど、他の3人があっさりし過ぎている。法廷への発端となる復讐そのものが、銃弾数発打ち込んで気が済むような恨みなら、その前に何か考えろよと言いたいほど単純バカだし、進行役のシェイクスにしてさえ、マイケルの計画に巻き込まれた結果の便乗的な感が免れない。少年時代に割いた収録時間の関係もあるのだろうが、これで、マイケルの腹立たしさ、苛立ち、緊張した疲労、隠し切れない怒り、救いすら求められない切なさを見せた、ピットの抑制の効いた演技の全てが、宙に浮いてしまった。例えば、入廷してくるファーガソンを視線で追うピット=マイケルの目の動きに宿るほどの怒りすら、他の3人に執念が感じられないのだ。おかげで、テーマであるはずの復讐すら、嘘っぽく感じられてしまう。人生には、「あんな奴死んじまえ」と思うことは、ままある。でも、「奴を殺してやる」と思い、それを実行する為の術と手段まで考える事がないのが幸福な人生というものだろうが、本作中、それだけの執念を感じさせてくれたのは、残念ながら、ピット・マイケルだけである。映像的には、鏡を上手く利用しているな、ということ。
8点(2002-11-10 01:57:34)
68.  悪魔の棲む家(1979) 《ネタバレ》 
この作品で、一番印象的だったのは、ちょっと霊感のある人、神父だったり、叔母さんの修道女だったり、同業者の妻だったり、来る人来る人が皆、「この家は嫌」と言って去っていくところだった。「家」というものが、ただの箱ではなく、息づく所だという印象が強く残った作品だったことですね。ホラーにしては、ビックリするような展開(霊的映像が出たり、血が吹き出すとか)はないし、クライマックスは、今見ればいかにも陳腐ではあるのだけど、悪魔的な絡みは、リメイクよりも面白かった。1973年に製作された「エクソシスト」では、教会は悪魔祓いの許可を出すけど、本作は出していないし、助けようとした神父は、廃人同様になってしまう。何より、終盤、親父の頑張りが、いい。何だか、訳の分からないヘドロのような溜め池がまた陳腐だけど、変に理由付けしてないところが、「悪魔の棲む家」をリアルにしてた。リメイクと比べれば、実話っぽいドラマとしては、こちらの方が厚みがあるかも。ただ、やっぱり、当時の作風としては、限界があるので・・。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-08-09 01:28:59)
69.  スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 《ネタバレ》 
なんだかコマコマした作品だった。次から次へと場面が転換して、次から次へとエピソードが展開していく中で、その度に派手なCGIがあるから飽きることはなかったけど、アクションがスピーディ過ぎて、動きの速さに辟易した。なんでそんなに一々速いんだと思ったが、これだけのエピソードを詰め込もうとすれば、スローモーション効果なんてまどろっこしい真似は、してられないんだろう。とにかく、あのシーンもいれたい、このクリーチャーも出したいと、出血大放出なサマー・セールのような作品だった。ストーリー自体は、結末の定まっているお話だし、辻褄さえ合っていればいいのだから、こんなものだろうが、旧3部作に比べると、どうしてもグレードが落ちてしまうのは、ダーク・サイドに落ちる(らしい)アナキンの描写の足りなさか。クリステンセンの演技力不足とは思えない。証拠に、本作では、他の主要な俳優にしても、いかにもブルー・スクリーンの前で演技してる感がプンプン臭っていたし、それが効果的にもなっていない。科白の陳腐さは、初作EP4からのお家芸だから今更気にならないし、それがSWスタイルというものだが、本作のドラマの強引さは、いささか眩暈がした。各エピソードの対をなす手法は分かるが、ドゥークー伯爵の腕が切られたからといって、ドゥークーが何者であるかの説明はないし、EP6で瀕死のルークの命乞いにいきなり善に目覚めるベーダーに白けたというのに、再び、瀕死の爺の命乞いでいきなり爺に寝返られてもなぁ。極め付けが、瀕死のパドメが、生まれたばかりの我が子に、いきなり名前を付けるって。子供が腹にいるのに生きる気力がない女がすることじゃないだろぉ?白ける以前に、質の悪いギャグで、笑いすら白けた。ただ、ラストで、ルークを引き取るおじさんが、EP4のルークと同じ姿勢で二つの太陽を見ていたシーンは、グッと来たなぁ。何にグッと来たかというと、このときは未来への飛躍を夢見ていただろうルークのおじさんも、ルークを育てていく過程で、我が子は危険に晒したくないという思いで保守的になっていったのかなぁと。おじさんは、ルークを我が子のように愛した末に、ああいう死に方をすることになるのかぁと、グッと来てしまった。ただ、SWブランドとか、これが最後とかいう感傷を加味しても、やはり、これが精々だ。それでも、やっぱり、あのオープニングは、ワクワクするね。
[映画館(字幕)] 7点(2005-08-19 23:42:55)(良:2票)
70.  スパイダーマン(2002)
なんか久々に見た、「これぞアメリカン・スーパー・ヒーローの王道」って感じだなぁと思ったらば、よくよく思い返せば、プロットはスーパーマンと殆ど一緒。日常生活はドジで冴えないけど、いざ変身すると我が身を張って弱きを助ける。好きな人はいるけど、結ばれない運命の重さを背負ってたつ。でも、本作が受けたのは、主人公が少年から青年へとなろうとする年齢で、そんな過渡期の悩みをスーパー・ヒーロー&ハリーの悩みと上手くリンク出来たことでしょうね。それにしても、キルスティンってば、あんなに可愛い少女だったのに・・・。ヒロイン、他にいなかったのかなぁ。ピーターはともかく、そこまでハリーが入れ込む女には見えないよ。
7点(2004-10-29 01:35:22)
71.  デイ・アフター・トゥモロー 《ネタバレ》 
パニック映画らしい御約束映画だったけど、この歳まで、それなりにいろんな映画を見てきたから、御約束と感じるのかもしれない。狼脱走や、ロシア船の図書館の前での座礁。わざわざ図書館っていうところも、「図書館なら燃やすものには困らないなァ」と思っていたら、やっぱり、まんまだったし。ただ、本作は随所に散りばめられた、環境を顧みない便利生活優先主義への批判映画でもあるし、図書館を選んだのも、そのひとつなんでしょう。日本のシーンも、ある意味、うそ寒いものを感じた。街の作りはね、スタッフには明らかに日本名と分かる人達もいるんだから、「これじゃ、中国か韓国だよ」って言って欲しかったりしたんだけど、サラリーマンの行動形式は、いかにもだった。一杯やって、すぐ携帯電話を手にする。都市部ではもはや、老若男女を問わずに見慣れた風景。今はメールでカシャカシャだけど、まるで外部とのコミュニケーションを断絶するかのように、携帯だけがよすがのように、カシャカシャ。アップになった携帯が、監督が見た今の日本人の象徴なんだろうな。ところで、個人的には、売りであるはずの嵐が荒れ狂う映像自体には、あまり感銘は受けなかった。っていうか、煽ってくれたほど、特撮は凄いとは思わなかった。まあ、こんなものなのかな、くらいだった。ついで、皆様が既にコメントしているように、人間ドラマは薄かった。「インディペンデス・デイ」と比べてしまうと、人間関係のドラマ性は稀薄だったな。これは、前作は破壊された荒野を人々がさまよえるけど、本作は外に出ると凍死するだけに、人間の行動が制限されてしまうからなんだろうな。それでも、エメリッヒは、それなりに見せ所は心得ている監督だと思う。ショッピング・モールで自分から命綱を切ってしまう。吹雪の中、救急隊員が来てくれた。約束通り、父が息子を助けに来てくれた。父と息子が抱き合うシーンは、御約束と分かっていても、ちょっとグッと込み上げるものがあったものね。それにしても、ホワイト・ハウスでは、副大統領が物分りの悪い役だったけど、あそこで、軍高官が「台風の目に核を撃ち込もう」発言をしなかったのが、エメリッヒの良識?米軍人も、自然の猛威の前では、こんなもの?米批判なら、そこまでやって欲しかった気がしたなァ。そうそう。本作では、エミー・ロッサムが、良かった。何げな表情が、大袈裟でなく、とても可愛かった。
7点(2004-06-16 00:31:21)
72.  トロイ(2004) 《ネタバレ》 
ピーター・オトゥールの目は青い。オトゥールの目は、青かったんですよね。でも、本作のオトゥールの目の青さは、歴史を呑み込んできたエーゲ海のように、深く澄んで、憂いや悲しみを帯びて、それは綺麗な青だったなぁ。作品自体は、あの原作を、どう仕上げているかが一番の興味だったけど、当時の戦術を再現した(?)戦闘シーンは、よかったな。アキレスの黒部隊が陣形取るとことか、掛け声と一緒に1歩づつ踏み出してくとことか、火の玉転がすとことか。兵士の何げに惨い殺され方が、凄い。お話としては、アキレスというよりは、「トロイ」というだけあって、ヘクトルとパリスの兄弟物って感じ。特にエリック・バナのヘクトルは、実にいい味を出してた。オーランド・ブルームも、かの海賊物での妙な気負いも消えて、情けなくも憎めないお兄ちゃんっ子を演じて、バナのヘクトルと見事に呼応してた。この時点で、ヘレンはもはや蚊帳の外。逆に、アキレスのブラピは、ちょっとガッカリ。確かに見事な肉体美なんだけど、別に筋肉マニアではないし、あそこまで鍛えられちゃうと、なんか正しく彫像=置き物って感じで、むしろ白々しい。まあ、当時の戦士は、こんな感じなのかもしれないけど。それに、ブラッドって、こんな固い演技してたっけ?なんだか妙に力んでいるようで、一人浮いた存在って気がしたなぁ。確かに、一人浮いたキャラではあるからかもしれないけど。なんだか変に違和感を感じた。ブライアン・コックスは、さすがのアクの強さだけど、最終的に、アガメムノーンの一人悪に収めちゃう辺りに、ハリウッド大作の限界を感じたというか、いかにもな竜頭蛇尾で、オデュッセウスのナレーションで終わられても、「だから、何なの?」という感想しか持てない。まるで1ヶ月そこそこで終わっているような戦争だけど、「イーリアス」と「オデュッセイア」では、10年掛かっている。
7点(2004-05-30 23:49:39)
73.  つる-鶴- 《ネタバレ》 
吉永小百合出演作100作品目記念映画で、ネタバレも何も、ずばり、「鶴の恩返し」だもの。で、これもまた、市川崑の実験的作品かも。ほんとに、冒頭から「まあ、日本昔話」って映像で、「まんが、日本昔話」のオープニングが流れてきてもおかしくないくらい、それは綺麗な雪原の地平線に昔懐かしい一軒家って情景には、溜息した。でもって、白い衣装を纏う吉永小百合さんが、それは綺麗だったのよっていう記憶だけある。う~~ん。DVD化、しないのかなぁ。ただ、「細雪」でもそう思ったけど、本作も、多分「映画館の画面」で見ないと、溜息の出る雪原の綺麗さが伝わらないかも。
7点(2004-02-22 02:41:07)
74.  鹿鳴館
この作品を、どう評価すればいいのかなぁ。とにかく、映画館で初めて観た時には、最初、凄い違和感があったのを覚えてる。ストーリーではなく、画面が。そのうち、「ああ、これは、舞台形式を映画でやってるんだな」と思って、なんとなく納得した(ストーリーは、三島由紀夫の戯曲の映画化だしね)。市川崑の、実験的な映画のひとつだったんだな。でも、衣装もセットも、市川作品らしい、華美ではないけど優雅で、暗くはないけど時代の重みのあるものだった。当時、石坂・浅丘の初の夫婦共演が話題になっていたけど・・。「う~~ん?」って感じがしたかな、やっぱり。ただ、初めは違和感を受けた画面構成だった覚えがあるから、人によっては、ちょっと・・と思うかもしれないけど、評価としては、「DVDになって欲しいなぁ」と思ってはいるので、7点。
7点(2004-02-22 02:13:19)
75.  バックマン家の人々
子供はいつだって、親の期待通りには育たない。子供にだってジレンマがあって、そこから抜け出したいと足掻いている。親が手助け出来ることもあれば、そうじゃないこともある。親から捨てられることもあれば、親を見限ることもある。軽いコメディ・タッチで描かれているけど、内容は結構深い。ま、卒がなさ過ぎっていえば、確かに卒なく落としてはいるけど、そこがふんわりと纏まってて好きだな。当時のリーフ(ホアキン)は、ほんとにリバーに似てて、キアヌと犬ッコロのようにじゃれるシーンは、なんだかちょっと悲しくなってしまう。
7点(2003-09-20 23:09:49)
76.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
面白かった。うん、面白かったよ。ディズニーだし、「三銃士」でがっかりさせられた覚えがあるだけに、どうかなぁと思っていたけど、これは満足。映像は綺麗だし。ストーリーはこんなもんでしょ。でも、終盤の戦闘シーンはちょっと飽きた。ジョニー・デップは、なんだか柔らかくなったかな。ジョニ・デの、一種独特の、観客まで隔絶するような感じが消えてて、なんか「妹の恋人」の頃のジョニ・デに久し振りに会ったような気がした。オーランド・ブルームはねぇ、初めのうちは、新鮮だったんだけどねぇ。だんだんジョニ・デの演技に引き摺られてしまったな。娯楽作品としては、佳作なんではないでしょうか。
7点(2003-09-20 21:30:36)
77.  危険な関係(1988)
束縛されたくないけど、独占したい。独占されたくないけど、束縛したい。暇を持て余した男と女の見栄と虚勢は、いつの時代も同じかな。失って初めて気付く愚かさも、むしろ恋愛ゲームに徹していた方がなんぼかマシだけど、クローズとマルコビッチの、遊びに長けた中年過ぎだからこそ陥るジレンマは、「オバン、オジンが、何肩肘張ってんだよ」って感じが出てて、いっそ笑える。それにしても、「鳩の翼」でも思ったけど、清純な淑女が、ある一点を境に、あっという間に高級娼婦の顔になるって、なんだかなぁ。ファイファーの高潔さを際立たせる為とはいえ、女の立場としては、あんまり気持ちが良くないけど、そう思わせたユア・サーマンの表情の変化は見事。そんな中で、本作の救いは、キアヌ=ダンスニーの数少ない登場シーン。「ドラキュラ」でも、そう思ったけど、男と女が、欲望と策謀、好奇と打算でギンギンになっている中、ダンスニーが登場すると、ホッとする。マルコビッチが劇中で「純真な坊やだ」と言っている通り、「ああ、良かった。私、冷たいお水が飲みたかったの」っていう絶妙な登場には、救われる。それにしても、キアヌの純真さは、グラグラするくらい可愛い。コスチューム・プレイも、酷評されるほど似合わなくもないと思うけどなぁ。まあ、クローズのポンパドール婦人スタイルには、負けるけど。ラストは、化けの皮を剥ぐという意味合いなんだろうけど、結局、誰も幸福にはならなかっただけに、後味は悪いな。
7点(2003-08-22 00:20:02)(笑:1票)
78.  スウィート・ノベンバー 《ネタバレ》 
ちょっと待て。もしかして、ここで終わりか?と思ったら、本当にそこで終わりだった。本当に、「ちょっと待ってよぉ」ってな映画で、すっげぇ腹が立った。腹が立った理由は、もう皆様が書き尽くしている通り「ネルソン可哀想過ぎる!!」で、まだ元気に動けるうちは自由を満喫して、病状が重くなったら金持ちの実家に戻るんかい!!と、サラにはとても感情移入が出来ない。確かに、仕事一途で過熱気味だった男に、人間味を取り戻させるのは分かるんだけど・・・。病状が進んで病み疲れていく自分を見られたくないのも、分かる。実際、死期の近い人を見舞うのは、赤の他人でも辛いんよ。でも、でもねぇ。そこは映画だし、何より、サンタの格好までして乗り込んで来たネルソンの、こんなに愛してるよって姿を見ると、やっぱりサラには腹が立つしかない。「死」は辛く永遠の別れでもあるけど、残された者には「再生」の意味もある。「ある愛の詩」があれほど受けたのは、最後まで看取って、「愛は決して後悔しないこと」と言うからよ。拒否されたネルソンは、後悔しないまでも、未練を抱えて生きてかなきゃならないじゃない!!と、見終わった後は憤慨しきりだったけど、冷静になって思えば、そこまで腹が立つほど、キアヌ=ネルソンに、してやられたってことだな。でも、やっぱり、ラストの、マフラーに顔を埋めたキアヌ=ネルソンの姿が、あんまりにも痛々しいだけに、見終わった後の後味は「バカ野郎!!」な映画だった。死に際したら、自分ならどうするだろうと、いろいろ考えさせられるってことで、7点かな。
7点(2003-08-18 23:11:49)
79.  マイノリティ・リポート
「スピルバーグらしく無難に大衆受けする内容に纏まってたんじゃなかったんですかぁ?」って感じかな。でも、なんか、アメリカン・ビューティで始まって、リングで終わった感じってのも、正直なとこなんですけど。前半は、無理矢理アクションっぽくってダレたけど、アガサを連れ出してからは、それなりに緊迫感があって、それなりに楽しめた。プリコグの能力全開のシーンがいい。でも、聖域にしろ、収容所にしろ、目玉1個で簡単に入り込めていいんだろうか。それとも、これも未来の、ハイテクの盲点か? 自分の両手で画面が動くオーバー・アクションのトム・クルはカッコイイんだけど、コントローラーで操作した方が簡単だし、ロスもないんでないか? それにしても、「メメント」のガイ・ピアースの時も思ったんだけど、「セブン」のブラッド・ピットは余程印象的なんだろうか。コリン・ファレルが時々ミルズの演技にそっくりで、参った。あの蜘蛛メカは、働き者で可愛いぞ。
7点(2003-07-05 23:19:22)
80.  エバー・アフター
ダ・ヴィンチ先生には、やられたなぁ。「これで歴史に名を残す。扉を開けた男」って、確かになぁ。そのおかげで、当時の歴史的背景まで見えてしまうだけに、そんなに呑気な時代かなぁとも思ってしまうんだけど、ある意味、最も自己主張や自己の確立の精神の強い時代でもあったから、ダ・ヴィンチが魔法使いでも不思議と違和感がなかった。欧州は強い女性がゴチャマンといたしね。でも、フランス宮廷にナイフとフォークを伝えたのは、カトリーヌ・メディシスが輿入れをしてからだけど。「肩に担げるものならなんでも持っていけ」というジプシーが、当時の、あの辺りのヨーロッパの慣わしを映してて、結構細かい設定に感心した。元々、シンデレラ自体が、人にしたことは自分に返って来るんだよという寓話だから仕方ないけど、ラストの継母と義姉への処遇は、ちょっと無理矢理っぽい。でも、もう一人の義姉の対比が、人間的でいいなぁ。やっぱり、人にしたことは・・・ってことで、収まっているんでしょう。強い女のこが主人公だと、どうしても男はグレードが下がってしまうのが、ちょっと寂しいな。
7点(2003-06-09 23:59:03)
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