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ぐるぐるさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1305
性別 男性
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/20066/
ホームページ http://w.livedoor.jp/mushokamondai/
年齢 51歳
メールアドレス gurugurian@hotmail.com
自己紹介 ♪わたしの小さい時 ママにききました

 美しい娘に なれるでしょうか

 ケ・セラ・セラ なるようになるわ

 さきのことなど わからない


 大人になってから あの人にききました

 毎日が幸福に なれるでしょうか

 ケ・セラ・セラ なるようになるさ
 
 さきのことなど わからない


 子供が出来たら そのベビーがききます

 美しい娘に なれるでしょうか

 ケ・セラ・セラ なるようになるわ
 
 さきのことなど わからない ケ・セラ・セラ~


(2010.4.16記)


現在、ダイエットちう。腹筋、割れてるでー。




力を入れると。

(2011.8.28記)


↑ホームページのリンクを「朝鮮学校無償化問題FAQ」に張り替えました。特に「パッチギ!」ファンは、見てね。




これからもよろすく。





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61.  ソイレント・グリーン
つい先日亡くなったフライシャー監督の作品を今まで観た事がなかったので、今更ながら鑑賞(そういえばチャールトン・ヘストン出演作も初体験。あ、「ボウリング・フォー・コロンバイン」は除いて、だけど)。冒頭の、今観ると全然未来っぽくないテレビを見て、低予算B級SF映画なのかな?と思ったのだけれども、観ている内に何だかグイグイ引き込まれてしまった。何つーか、独特の空気感、重さ、暗さ、生々しさがあったなー。民衆の暴動シーンのホコリっぽさとか人の命が非常に軽く扱われている世相とか良く描かれてたと思うし、C・ヘストン演じる主人公の刑事が夜の街を走り回るシーンとか、迫力あった。あと冒頭の、ちょっとザ・バンドっぽい曲とラストのクラシックの曲の使い方とか、あーそれに健全に不健全(?)なお色気シーンも良いねえ。オチを前もって知ってて観ても十分面白かったけど、これ公開当時予備知識なしで劇場で観たらインパクト凄かったろうなー。
[DVD(字幕)] 9点(2006-03-31 19:04:47)(良:1票)
62.  アラバマ物語
他の方も言及されていますが、2003年アメリカ映画協会でアメリカ映画ヒーロー第一位に選ばれたのが本作の主人公。てなことでバリッバリの差別告発社会派ドラマかと思いきや、良い意味で裏切られました。大恐慌時代のアメリカの田舎町における日常が子供の目を通して淡々と、しかし陰影を湛えて描かれていて、派手さはないものの観た後深い余韻が残りました。余談ですがこの作品で何度も繰り返される印象深いメロディ、あれって「この森で、天使はバスを降りた」の音楽に似ていた気がするのですが気のせいでしょうか?そういえばこの作品の「ブー」と「この森~」の「ジョニーB」のキャラクターにも似通った点が多いように思えました。
[DVD(字幕)] 9点(2006-03-25 14:27:10)
63.  幻の湖
実は登録した時点では未見だったのですが(ゴメンナサイ)、今年のクリスマス・イブの夜、オールナイト上映で観ました。確かこの作品の上映は十時時半位からだったのですが、その時点でかなり眠くなっていて、その状態で無意味にねちっこくてかったるい描写を延々と見せられるのははっきり言って苦痛、いや拷問で、何度も気を失いそうになりました。しかし、主人公が東京で愛犬の仇・日夏と対決(?)するシーンですぱーんと目が覚め、場内もそれまでテンションが低かったのがここで一気にヒートアップ。場内は爆笑・歓声・拍手の渦、果ては走りつかれ、息も絶え絶えのヒロインに「頑張れぇ!」の掛け声まで。しかしそこから再びトーンダウン、やはりだらだらと続く戦国時代のシーンで再び襲い掛かる睡魔。しかしヒロインと日夏がトルコで再会し、白熱のリベンジマッチの幕が切って下ろされる所から再び盛り上がる場内。二人が良く分からない独白をつぶやきながら延々と続く不毛な追いかけっこ、いやクライマックス、そしていよいよ日夏を追い詰めた!背中の包丁を両の手に握り締め、日夏に詰め寄るヒロイン、そしてブスッ!ドーーーーン!・・・・・・「そ、そうか、、あの拷問のような時間は、この瞬間のためのものだったんだ・・・」という、カタルシス、いやエクスタシー!ワタクシはこの時、冗談ではなく「映画的瞬間」を味わったのでありました。・・・まあこの作品の駄目な所を挙げればキリがないのは充分承知しているし、駄作を殊更褒め上げてスノッブを気取るつもりも毛頭ないのだけれど、映画を「客観的に鑑賞」して語るのではなく「個人的な体験」として語る事こそ正しいレビューのあり方だろう(あくまで、自分個人の話ですが)と思うし、あんな場内の観客の一体感を味わったのも初めての体験だったので(もし家で一人で観ていたら、全然印象が違うと思うのだけれど)、この点数です。・・・しかし、今年最後のレビューが、こんなんで良いのだろうか?
[映画館(字幕)] 9点(2005-12-27 16:20:59)(笑:2票) (良:2票)
64.  パーフェクト・ワールド 《ネタバレ》 
イーストウッド作品の中で、特に突出しているとか異彩を放っているとかではないけれど、良い作品だと思います。ただ、どこが良いのか具体的に説明するのは難しいなあ・・・何というか、真っ当な監督が真っ当な脚本を元に真っ当なスタッフ・キャストを起用して真っ当に撮った真っ当な作品、という感じ、というか、武道の達人が、ただ突っ立ってるだけなのにどこにもスキがない感じ、というか、凄い書家がさらさらさら~と筆を走らせるだけで凄い字を書いちゃう、みたいな・・・うーん、うまく言えない。ともかく、ブッチが撃たれるシーンは泣きました。
[DVD(字幕)] 9点(2005-12-27 15:34:53)
65.  復讐者に憐れみを
「オールド・ボーイ」に衝撃を受けてすぐにこの作品も手に取ったのだけれど、個人的にはこちらの方がより心に残った。「オールド・ボーイ」はきわめて寓話性が高く、またサスペンス・エンタテインメントとしても優れていたのに対し、こちらは(映画作品としての質の高さが群を抜いているというだけでなく)とても「リアル」な作品だと思う。確かにその暴力描写は過激だけれど、このような不毛で不条理な復讐の連鎖は、世界中至る所で、例えば中東やアフリカ、南米の紛争地域では日常的に見られる光景である筈(余談だけれど、以前コソボ紛争で実際に行われたリンチ殺人の事を本で読んだことがある。ここには具体的には書かないけど、その実態はこの映画以上に残虐だ)。現在の日本の様に、一応平穏な社会においても、人は知らず知らずの内に被害者になり、また加害者にもなり得る(これから貧富の格差が広がれば、それはもっと顕著になるかもしれない)。そういう意味で、この作品は韓国という国で作られた作品ではあるけれど、「世界」を描き、射抜いた傑作です。
[DVD(字幕)] 9点(2005-12-01 18:22:20)
66.  オールド・ボーイ(2003)
んむむ、凄い。ごつい。そして痛い。15年間もの間主人公を監禁した理由は、冷静に考えれば納得できないのだけれど、それを「映画の力」でねじ伏せて納得させてしまう、その力量にただただ脱帽。井筒監督も言ってたけれど、物凄いフィクションを作ったものだ。
[DVD(字幕)] 9点(2005-12-01 18:02:34)(良:1票)
67.  ブレイブ
カンヌにおける不評(実際にはそれ程でもなかったらしいが)、アメリカ本国での劇場未公開、更には大スター初監督作品(コケるのが期待される)、とどうにも分が悪いこの作品。でも僕は、自分がジョニー・デップ兄貴の大ファンであることを差っ引いてもこれ、傑作だと思う。これは、シビアな現実を背景にしているけれど、というより、そういったどうしようもない現実を背景にしていればこそ説得力を持つ「寓話」なのだ。ジョニー・デップ兄貴演じるラファエルは、つまりは愛する事にも生きる事にも不器用なダメ男(ダメ親父)の象徴。彼の行動が適切であるかどうか問われれば、答えは否だ。しかし、彼の不器用な愛情表現(手作り遊園地や、スーパーでの子供じみた買い物の仕方)は、それが不器用であるからこそ、痛々しく、切ない。それに、例えば夕日をバックにラファエルが妻と愛を交わすシーンの、幻想的な影絵のような美しさといったらどうだろう。ストーリー云々よりまず、この映画は「美しい」のだ(それにはジョニー兄貴の盟友イギー・ポップの音楽の力も大きいが)。これからこの作品に接する方、或いは改めて観直そうと思っている方は、どうか現実的な倫理観はひとまず脇に置いて観て頂きたい。改めて言うけれどこれは(たとえばフェリーニの「道」と同じ様な)「不器用な愛の寓話」なのだから。こんな事を言うと笑われるかもしれないけれど、監督としてのクリント・イーストウッドの後継者を一人選ぶとすれば、それはジョニー・デップ兄貴を置いて他にないだろう、と断言する。しちゃうんだから。
[DVD(字幕)] 9点(2005-11-16 16:28:35)
68.  弥太郎笠(1960)
僕はマキノ雅弘って明朗快活で爽やかな活劇が得意な、ある種職人的な監督さんだと思っていたのだけれど、やっぱそれだけの人じゃなかったんだ、とこの作品を観ながら思った。上手く説明できないけれど、どこか過激で異様な(勿論良い意味で)要素が時々見え隠れして、それがとてもスリリングなのだ。これはもう、「映画的魔法」としか言えなくて「そうか、マキノの“マ”はマジシャンの“マ”だったんだな」とか思いながら酔いしれるしかないやね。とにかく中村錦之助演じる弥太郎と丘さとみのヒロインの美しさ(お祭りで二人が踊るシーンの美しさはある意味ミュージカルですわ)やら、何やら暗示的な「ひょっとこ」と「おかめ」のお面の異様さやら、何だか分からないけれど盛り上がってしまう、この説明不能な魅力。参りました。あ、そうそう、この映画「お米を研ぐ錦ちゃん」が見られるよ。だからどうしたと言われても困るけど。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-16 15:57:12)(良:2票)
69.  関東無宿
今まで何本か清順作品は観ていたのだけれど、初めて面白いと思えた、というか面白く観られた作品。何かね、「ピストルオペラ」とか「オペレッタ狸御殿」とかって、なんかもう、ぶっ飛び過ぎてて「ちょっとワタクシついていけましぇーん」ってなっちゃったんだけど、これって原作のある作品じゃないですか。だから一応ちゃんとした「任侠モノ」としての骨組みはあるけれど、微妙にヘンテコな構図とか、唐突な照明とか、不自然な演出とか、そういう「正統派任侠モノ」からズレてる所とか逸脱してる所とかぶっ壊れてる所とかが、途中から面白くなってしまって(あの小林旭の太眉も、まるで往年の「ダウンタウンのごっつええ感じ」でやってたシュールなコントみたいに思えてきた)、もう途中からストーリーはどーでもいいや、てかそのストーリーのうっちゃり具合までが面白く思えて、つまりは「ツボにはまった」という事なのですが、でも映画なんてそれで良いんじゃん、面白がって楽しんだモン勝ちよね、と改めて思いましたです。あ、そうそう、男に騙されて売られてしまったのにアッケラカンとしていた中原早苗が何だか凄く魅力的でした。清順監督の、女性を前面に出した作品も観てみたいな。
[DVD(字幕)] 9点(2005-11-08 17:33:30)
70.  ガントレット 《ネタバレ》 
僕もBSで観ました。観終わって「いやー、さすがイーストウッド。面白かったあ!」と思ってここを覗いたら・・・あり?うーん、確かにあの銃撃は凄いトゥーマッチで、ある意味バカバカしいし、最初はサスペンスタッチで始まるものの、オチは結局「要はこれ、汚職エロ長官が自分とマフィアの癒着の事実をもみ消すためにムチャしてただけじゃん」という事なんだけど・・・。きっとイーストウッドは、シンプルで力強いものが作りたかったんじゃないかなあ、分かんないけど。実はこれ、銃撃のところを除けば凄くオーソドックスなつくりですよね。パトカーが爆破される所とか、多分多くの観客が予想出来たと思うし、大体イーストウッドとソンドラ・ロックが出てきた時点で「どーせ最初は反発しつつも最後はくっつくんだろ?」とか思ってたらその通りになるし。でも、何と言うか、そういうオーソドックスな事もトゥーマッチな事も、衒いもなくやっちゃうのが、イーストウッドの凄い所でもあるんじゃないか・・・とか、思うんですけど(今思い出したけど、バスの運転席を鉄板で固めるというアイデアは、出世作「荒野の用心棒」を意識しているのかもしれないですね)・・・うーんどう言葉にしたら良いのか分からん。「単純に面白かった。また観たいです」でも良いんだけどね。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-11-05 20:07:07)
71.  シンバッド七回目の航海
ハリーハウゼン作品初体験でごんす。今まで彼の特撮のハイライトシーンはテレビで見た事があったものの、「いくら映画史上偉大とか、後のクリエイター達に影響を与えたとかゆわれても、やっぱ今観たらショボく見えるのはしょうがないよなー」と思っていたのだけど、実際観てみたらこれがビックリするほど面白~い!何というか、童心に返った気持ちで普通にドキドキワクワクしながら観ちゃいました。思うにこの作品の魅力って特撮云々よりも、その見世物的ウサン臭さや妖しさにあるんじゃないかなー。あの、侍女が蛇女に変えられてしまう所とか、その他大勢的な乗組員がバシバシ怪物に殺されちゃう所とか、良い意味で乱暴な感じ。あ、それに時には敵、時には味方の魔術師とか、その彼にちっちゃくされちゃったにもかかわらずそれを大して気にしてないような(笑)お姫様とかも魅力的で、オチも可愛くて良いよね。ところで知り合いの中学生からちょっと面白い話を聞いたのだけど、最近彼の周囲では「スーパーファミコン」の中古ゲームが流行っているのだとか。そう、もう十年以上前のゲーム機で、ヒロシが「最近スーパーファミコンを買いました。スーパーというだけあって、映像がとてもキレイです」と自虐ネタにも取り入れていたアレ。彼曰く「最近のゲームって、確かに映像は綺麗なんだけど、肝心の内容が面白くないんだよね。技術と面白さって比例しないんだよねえ」。そう言われてみると、映画もそうだよね。最近のCGバリバリ、内容ショボーンの作品に食傷気味の方、試しにこの作品なんか、いかがですか?少なくとも僕はハマりました。
[DVD(字幕)] 9点(2005-10-27 20:52:19)(良:1票)
72.  大喧嘩 《ネタバレ》 
たまたまBSでやってたのを観たのですが、面白かったっすよー、コレ。多分ビデオやDVDにはなってない、「隠れた名作」ってやつでしょうか(余談だけど映画、特に日本映画は名作、隠し過ぎ。そりゃ今の新しい作品や人材に力を注ぐことも大事だけどさ、こういうのを人目につきにくくしてるってのは文字通り「宝の持ち腐れ」でないかい?)。山下耕作監督の作品っていつも、人間のどうしようもないしがらみ(いわゆる義理人情であったり、好きな相手と結ばれないことであったり、好意を持った人間と心ならずも敵対することであったり)や、その中でどーにかこーにか自分なりに生きていこうとする人の哀しみとか孤独が、独特のビシッとした感じ(・・・久々にレビュー書くと、自分の表現力の貧困さが恨めしい・・・)で描かれてて、思わず居間のテレビで鑑賞してても背筋伸ばして正座しながら観なきゃ、という気分にさせられるのだけど、この初期の作品も同様。映像も、何というか凛とした佇まいで、例えば水車が前に映っててその後ろで登場人物二人が会話してる所とか(説明下手ですんません)、何とも言えずかっちょいいんだよなー。ストーリーは主人公の属する組と、その縄張りを狙うもう一つの組の対立というオーソドックスな形なのだけれども、さらにその両方に良い顔をしながら、この争いに乗じて漁夫の利を得ようとするもう一つの組の親分が出て来る所がミソ。なおかつ丹波哲郎演じる、やくざに恨みを持っているらしい浪人の存在がストーリーに深みを与えています。そしてこの作品の大きな見所が、タイトルにもある大喧嘩(でいり)のシーン。敵も味方も容赦なく殺し合う(どころか、怖気づいて逃げようとした味方も殺してしまう)このシーンは、仁侠映画というよりむしろ(戦争の空しさ・悲惨さを描いた)戦争映画のようでした。そうそう忘れちゃいけないラスト。ただ一人生き残った主人公(大川橋蔵)が、かつての想い人で今は未亡人となってしまった女(十朱幸代)の家に立ち寄る。人の気配に気づき視線を上げた時にチラッと見える主人公の影。黙って立ち去る主人公、そしてその前を横切る無邪気な子供たち・・・うーんシビれるう~!・・・だからさあ東映さん、「昭和残侠伝」みたいな人気シリーズのDVD化はもちろん大歓迎だけど、こういう一見地味な作品もリリースして下さいよ。したら「デビルマン」の件はなかったことにするからさ。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-10-15 18:15:22)
73.  チャップリンの殺人狂時代
チャップリンの作品の中では異色作、と言われているらしい。もちろん僕も「街の灯」とかも大好きなのだけれど、この作品の、まるで鋭いカミソリの様な怒りや、その怒りから生まれたニヒリズムにも強烈に惹きつけられ、シビれてしまう。チャップリンが強い人間愛に溢れていたからこそ彼の中で生まれた「デーモン」。その体現であるこの作品を、僕は愛さずにはおれない・・・危険な愛、だけどね。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-08-13 19:42:52)
74.  長い灰色の線
桃しゃ~ん、またまた素敵な作品を登録してくれて有難うごじゃいま~す。ところでこの作品、別に桃さんの言葉をまぜっかえす訳ではないけれど「巨匠の隠れた名作」という扱いを受けるにはあまりにもキュートでいとおしい(つまりもっと普通に人々の間で愛され、慈しまれるべき)作品だと思う。邦題は直訳なんだけど(多分グレーの制服を着た士官学校の生徒たちが整列してる様を言ってるのだな)、ちょっと地味で、損してる気がする。さて、若き日の主人公マーティ(タイロン・パワー)が士官学校に皿洗いとして雇われ、やがて教官になり、後に終(つい)の伴侶となるメアリー(モーリン・オハラ)と出会い・・・という物語がテンポ良く語られる前半は、何というかもう、登場人物の一挙手一投足がひたすら可愛らしくてニコニコしながら見入ってしまう。特にお互い素直になれないマーティとメアリーがブチ切れながら(!)愛の告白をするシーンは大爆笑必至。後半、二つの世界大戦を通過するくだりになるとさすがに話はシリアスになっていくけれど、それでも暗くて陰惨な印象ではなく「生きていれば必ず親しい者との死と向かい合わなければならない」という事実を穏やかなトーンで語っている、という印象。それに、あー、あのラストも素晴らしいやねぇ。人生の悲喜こもごも、そして家族というもののあり方、人と人とのあり方を教えてくれるこの作品、沢山の人に観て欲しいです・・・ところでこの作品、聞く所によるとジョン・フォードが初めてシネマスコープに挑んだ作品だとか。残念ながら僕が観たのは両端がテレビサイズにチョン切られちゃったビデオ版。せめてDVDで観たいっす~。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-07-13 16:32:12)(良:3票)
75.  村の写真集
最近稀に見る実直・誠実な作品だと思う。詳しい事はやましんさんがお書きになっているけれど(というか、↓そんな名文書かれちゃった日にゃワタクシ何も書けないですよ~泣)、僕はこの作品の中で何度も繰り返される村人の写真撮影の場面が印象に残った。写真家の父(藤竜也)は、徒歩で村人たちの家々を回っては彼らの「ささやかな幸福感」をカメラに収め、そして写真を撮り終えると必ず「ありがとうございます」と言って深々とお辞儀をする。ここでの「写真」は決して単なる記録でもなければ、後々振り返って懐かしむためのものでもない。それはきっと、人間の日々の営みをいとおしみ、慈しみ、感謝し、そして願わくばそのささやかで幸福な「現在」が永遠のものであって欲しい・・・という、言ってみれば「祈り」のような行為なのだと思う。そしてそれはきっと三原監督が「映画」に対して持っている「想い」の反映なのだろう。この作品を観る前にパンフレットをチラッと見た所「アジアでは家族の絆をとても大切にしている」みたいなことが書いてあって、これはひょっとして“昔は良かった”的な後ろ向き・懐古主義的作品、或いは“都会=悪、地方=善”というような図式的で説教臭い作品なのでは・・・という不安があったのだけれど(で、そういう風に取れる所もなくはないのだけれど)、これはそういう類のいわゆる良心的(で退屈な)日本映画ではなく、人間と、その生と現実を慎ましやかに、しかしはっきりと肯定した「賛歌」だと思う・・・・・・やばい、いつもの事だけど、何だかむっつかしい事を書いた挙句、どう収拾をつけたら良いのか分かんなくなってきた(汗)。だから要は、良い映画だから皆さん是非観てみてって事ですよ(あれ、このパターン前にもやったような気が…)!あと、僕が大好きなシーンは藤竜也と海東健の親子が黙々と歩く所。「山の郵便配達」とかが好きな方に特にお勧めです。あと「父と子」の関係が他人事じゃない方(つまりほぼ全員)にも。
[映画館(字幕)] 9点(2005-06-27 21:28:07)(良:1票)
76.  ミリオンダラー・ベイビー
うーん、どー書けば良いのか。別に難解なお話ではないけれど、何つーか、良い意味で頭が真っ白になってしまって、どう言葉にすれば良いのか分からないのですが・・・僕はこれ、いわゆる「悲劇」ではないのだと思います(もちろんハッピーエンドでもないけれど)。僕はイーストウッド作品は「許されざる者」と「ミスティック・リバー」しか観てないけれど、共通してるのは、登場人物の行為を正当化もしていないし、断罪もしていない、という事。彼はただ、人間の「ある姿」を映像に収めて観客に提示する。だからこの作品も決して「尊厳死」の是非を問うものではなく、あくまでシンプルで寓話的なラブストーリーなんだと思う・・・・・・うーん、やっぱしうまく書けん。また見直す機会があれば、改めて書きます。とりあえず僕はこの作品を見てる間、何度かまばたき出来なくなってしまいました。
[映画館(字幕)] 9点(2005-06-03 18:07:13)(良:2票)
77.  緋牡丹博徒 仁義通します
「緋牡丹博徒」シリーズというと、世間的には加藤泰が監督を手がけた作品の評価が高いみたいですが、いやいや個人的にはこの作品も良かったっすよ。斉藤武市という監督さんは日活アクションを撮ってた人だそうで、そのキャリアが良い影響を与えているようで、一言で言うとキモチ良い「活劇」。過剰になる事を恐れない演出はエネルギッシュでエモーショナルな躍動感があるし、脇役もきちんと描かれている所はちょっとマキノにも似てる気がする(いつもは割と三枚目っぽい長門裕之が、男気のあるかっちょいー役なんだ、コレが)。また、この手の任侠モノは「善玉・悪玉」の図式がはっきりしているので、ともすれば物語が単調になりがちなのだけれど、名脇役待田京介が、跡目を継がせてもらえない事を不満に思って悪玉側に寝返りつつも苦悩する代貸、という複雑なキャラを演じているおかげで、物語に深みが出ています。あーもっちろんの事、お竜さんはため息出ちゃう位素敵だし(長門裕之の助っ人に颯爽と登場するとこなんかサイコー!)菅原文太もかっちょいー、熊虎親分の登場で大爆笑、そして最後は殴り込みだぁ!うりゃあ、とりゃあ、ほりゃあ!と、やたら盛り上がってしまう作品なのでした。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-05-23 22:51:22)(良:1票)
78.  乱れ雲
昨日観ました。成瀬巳喜男作品初鑑賞でごんす。ホントはもう2~3回観直してから書こうと思ったんですけど、とりあえず、徒然なる感想。まぁ、どういう言葉で表現したら良いのか分からないけれど、「良い」とか「面白い」というより「気持ち良い」映画。や、別に後味爽やかな結末とかじゃなくて、何つうの、映画を観て、そこに浸る心地良さに溢れてて、お世辞じゃなく何回も観たくなりました。あの、山菜取りのシーンの鮮やかさ!司葉子の可憐さ!・・・あー駄目だ、言葉が足りん。一つ、間違いなく言えるのは「今まで敬遠してて損した!」<2005.5.24追記>どう書いたら良いのか分からないので、とりあえず箇条書き。■冷静に考えてみれば、こんなの嘘なんだよなあ。偶然も多すぎるし。んでも嘘を嘘と感じさせず、心地好くさせてくれるのが、映画の一つの醍醐味なのだ、と思う。■この作品、上品だけど、「はげしい」。性(さが)の哀しみというか、理屈で割り切れない人の感情で溢れている。加山雄三と、その婚約者のアパートのやり取りにおけるカーテンの開け閉めのシーンとか、良いよなあ。■二人の純愛と対比させるかのような周りの俗っぽさが印象に残った。加山雄三の判決文や、遺族年金について事務的に語る役所の人間、或いは周囲の人間のいやらしさ(森光子&加東大介カップルは、何かすっげー事してそう)とか。それにしても中村伸郎ってあーゆーやらしい中年の役が似合う。■加山雄三ってあれでしょ、「幸せだなあ」の若大将でしょ、ボンボンでしょ、という先入観で嫌ってたのだけれど、やっぱカッコ良いもんはしゃーないな。司葉子も、最初出てきた時は「いかにも昔の女優さんだな」と思ってたのが、どんどん素敵に見えてくるから映画って不思議。■これに限ったことじゃないけど、昔の邦画の名作を観てると、シーンが切り替わる毎に「スッスッ」と心地好い音が聴こえて来る様な気がするのだけれど、僕だけか?<2005.9.23>昨日BSにて再見。「良い作品は、ビデオで観ようとDVDで観ようと良いんだよ!」とは、とあるレビュアーさんのお言葉ですが(ただしご本人はかなーり酩酊されていたので覚えてらっしゃるかどうか・・・)、やっぱし両端が切り取られてしまったビデオ版より、ちゃんと見せてくれる方が良いやねえ、って事で1点追加。てか、観る度に発見があるよね、良い映画は。
[ビデオ(字幕)] 9点(2005-05-20 18:23:27)(良:2票)
79.  クイール
最近観た「いぬのえいが」でも同じ事思ったけど、やっぱ犬モノはずるいよ。ってか泣いたけどさ、それが果たして映画が良かったから泣いたのか、それとも犬に泣けたのか、わかんないんだもん。大体しょっぱなから生まれたばかりの仔犬のアップにあの音楽って・・・あれは臭わないニンニク(by若林豪「ミリオンパワー」)とかマジックマッシュルームを入れたスープ(by「鉄鍋のジャン」)と同じ位ずるいぞ。まあ、努めて冷静に考えてみると、もう少し人間に焦点を当てて欲しいとか(「ゲロッパ!」でデビューした吉田康平がちゃんと役名まで貰って出ている筈なのに、この俺が気づかないってどうよ?)あるけどね・・・あ、でも「クイールさ~ん」と呼びかける椎名桔平は良かったし、いわゆる「障害者」のイメージから外れた小林薫も良かった(ま、あれはモデルの人を忠実に再現してたかららしいけど)。しかしあれだよね、良く「死に目に会うのが辛いから犬は飼わない」って人いるけど、で、それは確かにそうなんだけど、でも人間より寿命が短いくせに別にその事をはかなむ訳でもなく、くっだらない事に悩む訳でもなく、毎日々々馬鹿みたいに懸命に生きている犬って奴は、やっぱしいとおしい存在だと、改めて思いましたです。
[DVD(字幕)] 9点(2005-05-06 18:59:16)
80.  アカルイミライ 《ネタバレ》 
あり?黒沢作品は今まで「神田川淫乱戦争」しか観た事なくて、あれは確かに訳分からん映画だったけど、これはすごく分かり易くてポップな作品だったと僕は思ったんだけどな。端的に言えばこれは象徴的な意味での「父と子の関係性の回復」の物語なのだと思う(そういう意味では「ビッグ・フィッシュ」にも通じるものがある)。僕は若者ではなく、そろそろ中年の階段を上るお年頃(いや~ん)なので、浅野オダギリの感覚も笹野高史(殺されるオッサン)や藤竜也の若者に対する感覚も分かる気がする。僕も多分若い頃にああいう形で「どんなCD聴いてるの?」とさほど親しみを感じている訳でもないオッサンに言われたら、殺意は芽生えないものの多少イラついたと思うし、自分の息子に対して父親らしい態度が取れずに困惑する藤竜也も凄く「そうだよなー」と思った。何故かと言うと、僕と父親も似たような感じだから。いや、別に「一千万出せよ」とか言ったりはしないけどね。ウチの父の場合、僕が子供の頃は仕事の都合で殆ど顔を合わせなかったし、大学入ってからは一人暮らししてて連絡もあんまりしなかったんだよね(因みに母親は僕が中一の時他界)。んでまあ色々あって今一緒に暮らしてるんだけど、やっぱコミュニケーションたどたどしいもん。親父は僕がどんな音楽を聴いているとか、どんな映画を観てるとか知らないし、僕も親父の事を実はよく知らない。ぶっちゃけた話感謝も尊敬もしてるけど、それをどういう風に出したら良いか分かんないんだよね・・・っていつの間にか告白タイムになっちゃった。映画に話を戻すと、つまりオダギリと藤竜也は自殺した浅野を介して擬似的な父と息子の関係性を獲得したんだと思う。んー、まーつまりさ、ぶつかり合えば良いじゃんって事だよ。あの「許す」のシーンは泣けました。僕が監督だったらあれをラストシーンにすると思うんだけど、そうしなかったのは監督の「照れ」かな。そうそう、最後の高校生のシーン、あれは監督の若者に対する「挑発」なんだと僕は解釈しました。「お前らはどうするんだ?これからの“ミライ”」っていう、ね。浅野忠信も言ってたけど、僕はこれ観て爽やかな気持ちになりましたよ。あと、もうちょっと親父と話しとこうかな、とも。僕は今の所自殺する予定も死刑囚になる予定もないけど、親父もう七十過ぎだからさ。あ、THE BACKHORNの主題歌も最高。 
[DVD(字幕)] 9点(2005-05-04 16:51:01)(良:2票)
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