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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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61.  あした来る人
川島雄三監督の映画、かなり久しぶりに見る気がする。あまり期待はしていなかったのだが、三橋達也、月丘夢路、新珠三千代、山村聡のドロドロとした複雑な人間関係がリアルに描かれていてなかなか見ごたえがあって面白かった。こういうドロドロとした話だと暗く重い雰囲気になりがちなのだが、「洲崎パラダイス 赤信号」がそうであったように見ていてそこまで暗い映画だなという印象がないのはやはり川島監督らしいし、「洲崎パラダイス 赤信号」の主演コンビである新珠三千代と三橋達也が本作でも共演してるのは嬉しい。三橋達也は本作でもダメ男役なのだが、やはりこの俳優は誠実な役柄よりもこういう煮え切らないだらしないダメ男のほうが圧倒的にはまっていると思うし、そういう男に妻(月丘夢路)がいることを分かっていながら不倫に走ってしまう女を演じる新珠三千代もまたはまり役で、やっぱり川島監督の映画でのこのコンビは最高だと思う。しかしやはり川島監督の映画としては「洲崎パラダイス 赤信号」のほうが出来としては上のように感じる。冒頭の回想シーンから現在に戻るときのつなぎ方が面白い。三國連太郎扮するカジカの研究に没頭する男はどちらかといえば傍観者的立場に描かれているが、彼がいることによってこのドロドロとした物語を比較的冷静に見られるという側面もあると思う。
[DVD(邦画)] 7点(2014-03-29 01:52:07)
62.  大江戸五人男 《ネタバレ》 
バンツマと市川右太衛門が共演した伊藤大輔監督の大作時代劇。序盤こそやや退屈するも、おきぬ(高峰三枝子)が皿を数えはじめるあたりから緊張感が増して、面白くなっていった。皿を割ったのがもとで水野(市川右太衛門)に斬殺されたおきぬの話を芝居で上演した(これが「皿屋敷」のはじまりか?)役者が水野に連れて行かれ、一人で来れば返してやると言われ、死を覚悟で水野の屋敷に出向くバンツマ演じる長兵衛はかっこいいし、いったん和解しかけた長兵衛と水野が一転して直接対決にいたる展開も無理がなく、ちゃんとドラマとして見ごたえのあるものになっている。最後は二人で三島雅夫演じる近藤を倒すという展開でも良かったかもしれないが、あえてそうはしていないことでドラマ性が高くなり、この映画を単にただの2大スター共演というだけのものにしていない。ラストの長兵衛の眠る棺を抱えた葬列のシーン、泣き崩れる権八(高橋貞二)に、長兵衛の妻(山田五十鈴)がかける言葉がいい。それに、長兵衛の息子の「もうケンカはございませーん。」と叫ぶ姿も泣ける。さっきも書いたように前半はやや退屈に感じる部分もあるのだが、名作時代劇の一本と言っていい素晴らしい映画だった。ただ一つ残念なのは「大江戸五人男」というタイトルの意味がよく分からないことで、これだけ見ると「七人の侍」のようにチームとしてまとまった複数の主人公の活躍を描く映画のように思えてしまう。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-02-12 17:25:19)
63.  ハリーの災難 《ネタバレ》 
アルフレッド・ヒッチコック監督と言えばサスペンス一筋で有名な監督だが、この映画は森の中で発見された一体の死体をめぐる騒動を描いていて、緊迫感などはなく、実にほのぼのとしたタッチのブラックなコメディーに仕上がっている。死体を発見したら普通は驚くと思うのにこの映画の登場人物たちはすごくあっけらかんとしていて終始明るい雰囲気なのがいいし、みんないい味を出している。死体が登場人物たちの都合によって何度も埋められたり掘り返される展開は、死体に思わず同情しながらも実にブラックで、思わず笑わされてしまった。シャーリー・マクレーンのデビュー作とのことだが、なんともコケティッシュなかわいい風貌で魅力的。でもだからこそこんな若い美人が死体を前にしてもあっけらかんとしているのがある意味すごく、そのギャップも笑えたりする。でも、彼女がほとんど初対面の男といきなり結婚するというのはコメディーといえどちょっとやりすぎな感じがしいないでもない。舞台が秋の村なのだが、紅葉の映像も印象に残る。サラリと軽く作られたような映画ではあるし、傑作とも言い難いのだが、出来はよく、あまり見ていないのだが、サスペンスだけではないヒッチコック監督の幅の広さを感じることができる。個人的にちょっと疲れぎみでちょうど軽めのコメディーを見たいと思っていたところだったので、何も考えずに見て、楽しめる本作のような映画はちょうどいい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-29 19:33:39)(良:1票)
64.  三等重役
社長シリーズの原点的作品で、シリーズにおいて先代社長の写真として登場する河村黎吉が社長を演じ、のちにシリーズの顔となる森繁久彌は人事課長を演じている。社長シリーズはそれほど見たというわけではないのだが、のちに量産されることになるシリーズに比べると、河村黎吉演じる社長が戦後の公職追放で社長の座を追われた前社長(小川虎之助)が追放解除になるまでの間、暫定的に社長になった身(これを「三等重役」という。)であるという設定が社会派的であり、これがいちばん社長シリーズとは違うところ。このあたりは今の目線で見るとやや時代を感じてしまったり、そもそも公職追放が何であるかを理解していないと話にややついていきづらい可能性もあるが、河村黎吉はそんな社長を実にうまく演じており、人生の悲哀すら感じさせていてハマリ役で、この映画が公開された年に亡くなったのが惜しいし、実際この映画を見てもとても同じ年に死んだ人とは思えない。森繁久彌も社長シリーズと比べればとぼけたところがなく、実直な部下という印象であるが、主役である河村黎吉を食うほどの存在感があり、この役で森繁久彌という俳優がブレイクしたというのも頷ける話だ。ところで河村黎吉が食べているそばを森繁久彌がハサミで切っているのを「社長三代記」の先代社長の思い出フィルムを見るシーンで見たおぼえがあるのだが、これは続編でのシーンなのかな。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-12-08 17:39:48)
65.  あにいもうと(1953) 《ネタバレ》 
成瀬巳喜男監督による文芸作品。タイトル通り兄と妹を描いた物語なのだが、これがけっこうドロドロとしている。それでもこの映画に出てくる兄妹はどこか他人事ではない気がしてしまうのも事実で、兄(森雅之)が妹(京マチ子)を妊娠させた男(船越英二)に暴力を振るうシーンはこの兄の妹に対する素直な思いが伝わってきて感動したし、もしぼくが同じ立場なら相手の男に対して同じことをするのではないかとつい思ってしまった。だから、そのことを巡って起きる終盤の二人の凄まじいケンカのシーンは、兄と妹、双方の気持ちが理解できるような気がする。しかし、ラストのもんがさん(久我美子)に兄に対する思いを打ち明けるシーンがこのドロドロとした兄妹愛を描いた映画のラストとしては実に後味がよく、このシーンがあるからこんなドロドロとした映画を見終わったあとでもさわやかな印象が残り、成瀬監督の余韻の残し方のうまさを感じる。大映作品であるためか京マチ子や船越英二が成瀬作品に出演していているのが珍しいし、ほかの成瀬作品と比べてストレートに感情を表現するシーンが多く、終盤のケンカのシーンの凄まじさもあり、映画としてはなんだか同じく成瀬監督の「あらくれ」に近い印象。兄を演じる森雅之が少しミスキャストのような気がするのが惜しいところだが、それでも成瀬監督らしい人間の描写が素晴らしく、じゅうぶんに佳作といえる映画だと思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-12-24 14:44:51)(良:1票)
66.  大菩薩峠 完結篇(1959) 《ネタバレ》 
内田吐夢監督、片岡千恵蔵主演の「大菩薩峠」三部作の完結篇。今回は千恵蔵演じる龍之介の狂気が一作目のように戻ってはいるが、残したわが子を思う気持ちが描かれていたのは良かった。嵐によって橋が崩壊し、龍之介が奈落の底へ堕ちていくラストシーンは凄まじく、ちょっと複雑な気持ちにさせられるが、長い物語のラストとしては見事だった。兵馬役の錦之助が一作目に比べて随分と貫ろくがつき、「宮本武蔵」シリーズ同様に彼の役者としての成長が見られるシリーズでもあるのだなと最後まで来ると感じられる。この完結篇は大映版の完結篇と比べてもこっちのほうが違和感がなく、話としても納得がいく。(少し宗教臭いのはちょっと抵抗があるが。)でもシリーズ全体としては大映版のほうが入っていきやすいのも確かという気もする。これで三人の机龍之介を見たわけだが、三人それぞれの龍之介像というのがあって三人とも印象が違うのが面白い。中でもやはりいちばん印象にあるのは仲代達矢の異様に殺気を帯びた龍之介かな。それにしてもこの東映版が終わった翌年からもう大映の三部作が始まってるのはすごいと思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-05-30 14:01:48)
67.  大菩薩峠 第二部
内田吐夢監督、片岡千恵蔵主演による「大菩薩峠」三部作の第二作。今回も千恵蔵演じる机龍之助は独特の存在感を放っていて他人を寄せ付けない得体の知れないオーラを放っているのだが、前作に比べるとやや丸くなり月を見ながら子供と戯れるなど前作からは想像もできないような一面が描かれているのが意外。龍之助が前作ほどの狂気を感じさせていない分ソフトな印象となり、前作よりは見やすくなっているが、大映版を先に見ているにもかかわらず登場人物のあまりの多さにはちょっと混乱した。(大映版ではそんなに混乱しなかったのになあ。)今回龍之助を助けるお徳を演じる木暮実千代がやはり素晴らしかった。ラストの千恵蔵の殺陣も見ごたえ充分。ところで本作は子供と戯れる千恵蔵や、ラストの槍を使った殺陣などどことなく同じ監督の「血槍富士」を思い起こさせる部分がある。きっと内田監督は意識して演出しているんだろうなあ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-05-22 00:19:18)
68.  大菩薩峠(1957)
内田吐夢監督、片岡千恵蔵主演による「大菩薩峠」三部作の一作目。何年か前に見た時は話についていきづらく、途中で屈折してしまったが、大映(市川雷蔵)や東宝(仲代達矢)で製作されたものを見ているなら、この東映版も見ておこうと思い、再挑戦。千恵蔵の机龍之介は、この頃の千恵蔵の年齢が50歳を超えていたこともあり、先の二人がそれぞれ20代、30代だったのに比べれば若さという点ではだいぶ劣っているが、狂気じみた独特の存在感とオーラがあり、不思議と違和感を感じない。映画としてはまだ三部作の最初だというのに展開がやたら早く同じく三部作だった大映版のほうがややゆったりとしてる印象ではある。しかし、大映版と東宝版を既に見ているのもあるのかも知れないが以前見た時のような退屈感はなく、むしろ本作は本作なりに見ごたえがありけっこう面白かった。のちに「宮本武蔵」五部作で内田監督と組むことになる錦之助が兵馬を演じているが、その初々しさも印象的。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-05-16 14:32:01)
69.  死刑台のエレベーター(1958) 《ネタバレ》 
冒頭の有名な「ジュテーム、ジュテーム(愛してる、愛してる。)」の電話口のジャンヌ・モローのせりふからもうかなり印象的で、シンプルなサスペンスながら、白黒の映像が緊迫感を出しているし、ルイ・マル監督の演出はこれがデビュー作とは思えないほどにスタイリッシュで、見ていて思わず惹きこまれた。映画全体の雰囲気がかなりよく、ストーリーそのものよりはこの雰囲気で魅せられてしまう映画だと思う。マイルス・デイビスのジャズも非常に効果的で、この音楽がなければ映画の魅力が半減してしまうのではないかと思うくらいにこの映画の雰囲気に合っていて、特にジャンヌ・モローが夜の街を歩くシーンは彼女の美しさと音楽が見事に調和していて、とても印象に残るし、またこのシーンだけで彼女の心理描写がうまく表現されているのもよかった。実はこの映画を見るのは初めてではなく2回目だったのだが、最初に見た時はまだ中学生(15年くらい前。)でハリウッド映画を中心に映画を見ていたため退屈だった記憶があるのだが、久しぶりに見てみると、このなんともいえない雰囲気に魅了されてしまい、とても良い映画だと思った。やはり映画の感想というのは時を経て変わるものなんだなあと実感できた。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-11-08 15:39:44)
70.  弁天小僧
のちに「切られ与三郎」でも歌舞伎を題材にした伊藤大輔監督がそれ以前に同じく歌舞伎の世界を映像化した時代劇で、主演も同じく雷蔵。歌舞伎のワンシーンがそのまま雷蔵らによって演じられる劇中劇のシーンもあって雷蔵の映画俳優としてだけではない歌舞伎俳優としての魅力も伝わってくるし、相変わらずの演技のうまさも感じられる。伊藤監督の演出ぶりや、宮川一夫の作り出す映像美、西岡善信による美術セットも素晴らしくいかにも大映らしい完成度の高い映画で、なかなか楽しめたものの、個人的には「切られ与三郎」のほうが好きだな。あと説明台詞が多いのがちょっとくどく感じてしまったのが残念。遠山の金さんを演じているのはまだ下積み時代を送っていた頃の勝新であるが、やはり勝新はこういう白塗りメイクの二枚目風より座頭市のような濃いアウトロー役のほうがかっこいいと思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-05-14 19:40:24)(良:1票)
71.  次郎長三国志 第七部 初祝い清水港
第7作。前回と比べてこのシリーズらしい明るさが戻っていて気楽に楽しめるものの、涙なくして見られない展開だった前回の続きの話と考えた場合にあまりにもギャップがありすぎると感じるし、前回ラストに登場した長門裕之演じる喜代三とお仲さんが泣いているシーンは確かに少ししつこい。でも、次郎長一家がお蝶さんの位牌の前で、百か日が過ぎたら久六を討つと誓うシーンや、親分が「お蝶を殺したのは俺だ。」というシーンは良かったと思うし、大政のところへ前回もちらっと出ていた妻 ぬいがやってきたり、佐太郎夫婦も再登場するというのはシリーズをずっと見ているとなんだか嬉しい気持ちになる。最初に書いたように前回とはギャップがありすぎるし、お仲さんと喜代三のシーンはもう少し短くてもいいと思うものの、それでも見る前に思っていたよりは楽しめたので一応満足ということでこの点数。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-01-26 12:42:32)
72.  次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港
第4作。今までのシリーズと比べると間延びしていて、やや中だるみと言った感じ。とはいえ、石松、三五郎、お仲さんらが清水に集まってくるのは見ていてワクワクするし、ここでも前回と同じく森繁久弥演じる石松が最高。そして、次郎長一家の仲間に加えてほしいとやってくる加東大介演じる漁師・豚松もなかなかいいキャラクターで、このシリーズらしい(というか、マキノ雅弘監督らしい)お祭り的雰囲気もあって面白かった。でも全体的に見て明らかにつなぎに徹している印象はぬぐえず、楽しめる作品にはなっているのだが、前回までと比べるとやっぱり何か物足りないなあ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-01-07 02:36:56)
73.  浮雲(1955)
成瀬巳喜男監督の映画はまだそんな見てなくて、高峰秀子とのコンビ作を見るのが初めてならば、林芙美子原作の成瀬作品を見るのもこの「浮雲」が初めて。腐れ縁の男女を見事に描ききっていて、主演の高峰秀子と森雅之のうまさもあって暗い内容ながらもなぜか引きつけられた。特に森雅之が川島雄三監督の「風船」で演じた役柄からは想像もできないダメ男をうまく演じていて、実に憎たらしい。本来、彼はこういうダメ人間の役の方が多いのは知っているが、思わず「風船」とのギャップに少し驚いてしまった。俳優の演技もそうだが、味のある渋いモノクロの映像(撮影 玉井正夫)や斎藤一郎による音楽、そしてなにより成瀬監督の演出力の高さを証明するような質の高い作品になっていて、名作と言われる理由も分かるのだが、やっぱりちょっと全体的な雰囲気が暗すぎて、また見たくなるかは微妙なところ。個人的には同じく男女の腐れ縁を描いた作品ならば川島監督の「洲崎パラダイス 赤信号」のほうが好み。
[DVD(邦画)] 7点(2008-04-29 15:16:32)
74.  鍵(1959)
市川崑監督の谷崎潤一郎原作ものといえば80年代に作られた「細雪」があるが、あれとは全く印象の違う映画。冒頭映画を見ている観客側に向かって話しかけてくる仲代達矢をはじめ、京マチ子や叶順子の表情と視線など主要な登場人物たちがとにかく不気味で怖く、映画自体の雰囲気も異様な感じがしてインパクトがありなかなか面白かった。ちょっと題材的に数年後に同じ谷崎作の「卍」を手がける増村保造監督向きかとも思うが、「卍」よりも楽しめた。市川監督らしい凝った映像は本作でもいかんなく堪能できるし、皮肉めいたブラックなラストシーンも印象的だった。
[DVD(邦画)] 7点(2008-03-18 14:31:33)
75.  美女と液体人間
ストーリーに核実験が大きく関わっているところは「ゴジラ」を思わせるが、人間を襲うのが核実験によって生まれた巨大怪獣ではなく、核実験によって突然変異した液体人間ということで、怪獣映画とは違うサスペンスホラー的な恐怖感を生み出すことに成功していると思う。円谷英二監督をはじめとした特撮スタッフによるドロドロと動き回る液体人間の描写は今見ると「ターミネーター2」のT1000型を思わせていて、さかのぼること約30年前の日本映画に先駆的作品があったことに驚いた。
[DVD(邦画)] 7点(2007-12-11 14:21:30)
76.  くちづけ(1957)
溝口健二監督作品の脚本などで御馴染みの川口松太郎の原作を映画化した増村保造監督のデビュー作。この時代のほかの日本映画にはないタイプの映画と書いてたのを見たけど、まさしく増村監督がデビュー前にイタリアに映画留学していた経験が見事に生かされた作品で、日本映画というよりも同じ頃に作られたヨーロッパ映画でも見てる気分になった。のちに結婚することになる主演の川口浩と野添ひとみ(実は二人ともあんまり自分にとっては馴染みない役者だったりする。)の二人も実にいい芝居を見せていて印象に残る。とくに野添ひとみが妙に可愛い。川口浩と三益愛子の親子共演(しかも親子役。)もあって今になって出演者と原作者の名前だけ見ると川口ファミリーの映画のような感じを受けてしまうかもしれないけど、増村監督ののちの作家性をじゅうぶんに感じさせる傑作だと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2007-08-13 14:48:59)
77.  乳母車
裕次郎初期の文芸もの。それまで映画スターだった頃の裕次郎に対しては不良っぽい印象が強くてあんまりいいとは思ってなかったが、この映画で初めて良い俳優だと思った。芦川いづみも顔を覚えたのがこの映画で、非常に可愛らしかった。新珠三千代や宇野重吉もさすがにうまく、手堅くまとまったこの時代らしい邦画で安心して見られる映画だと思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-04-27 20:47:53)(良:1票)
78.  赤線地帯 《ネタバレ》 
売春防止法が施行されるか否かという政治的な背景をバックに娼婦として生きる女たちの日常を描いた溝口健二監督の遺作。実際に売春防止法が施行される以前に作られているので題材としては当時非常にタイムリーな作品だと思う。ドラマとしての見ごたえも充分でインパクトもあるし、決して完成度は低くないと思うけど、それでも溝口作品としてはちょっと物足りない気がする。(こちらの求める要求が高すぎるのかもしれない。)ラストの女の子がちょっと怖かったのと黛敏郎の音楽が印象に残る。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-09-01 22:34:46)
79.  浮草 《ネタバレ》 
小津安二郎監督が蒲田時代に手がけた「浮草物語」を「彼岸花」で山本富士子を起用したお返しに大映でセルフリメイクした作品。実は初めて見た小津監督の映画が本作だったのだが、松竹での作品を何本か見た後になってあらためて見ると確かにいつもの小津作品とは何か違う印象を受ける。旅役者の一座を描いているが、リメイクだけあって座長(中村鴈治郎)が実の息子(川口浩)に父親と名乗り出ないで伯父さんとして接しているとか、ラストの展開などは松竹的と感じる部分もあるものの、話が妙にドロドロしているのをはじめ、主人公である座長がドスの利いた関西弁でまくし立てるのも上品すぎるほど上品な印象がある小津監督の映画では異色な感じ。そして冒頭からロングショットがあるのも毛色が違う印象で、中でも座長とすみ子(京マチ子)が大雨の中、道一本隔てて向かい合って口論するシーンの激しさは小津監督よりも撮影の宮川一夫や大映自体のカラーが出ているような気がしたし、宮川一夫撮影作品での大雨のシーンということもあってか、「羅生門」を思い起こさせるものがある。京マチ子、若尾文子、野添ひとみといった大映の女優陣がそれぞれ良く、ここは松竹の小津監督の手腕のせいもあるのだろうと感じられた。この時期の大映で川口浩の相手役といえば野添ひとみというイメージがあるのだが、(増村保造監督の「くちづけ」の印象が強いのかも。)本作では一座の若手女優役の若尾文子が相手役。この数年後に増村監督の「妻は告白する」で共演しているのを先に見ていて、そのイメージが強いからか、本作のこの二人はイメージがかなり違って見える。ラストは少々強引にキレイにまとめた感がなくはないが、見終わってみればちゃんと小津監督らしい映画になっていたと思うし、せっかくよそでやるんだから、いつもと違うことをしようという小津監督の思いもあったのかもと感じられる。ところで、本作は最初にも書いたように「彼岸花」で山本富士子を起用したお返しに小津監督が大映に出向いて手掛けた作品。でも、その「彼岸花」に出ていた山本富士子が本作に出ていないのはなぜだろう。どうでもいいことかもしれないが少し気になる。(2024年2月25日更新)
[DVD(邦画)] 7点(2006-01-25 00:23:53)
80.  空の大怪獣ラドン
小学生のときに見た怪獣映画の一つ。怪獣映画としては日本初のカラー映画で、当時としては破格の予算をかけたラドンの博多襲撃シーンがいちばんの見どころ。だが、「ゴジラ」や、「モスラ」と比べるといささか内容が地味で印象に残りにくい。でもじゅうぶん面白い映画だと思う。
[ビデオ(邦画)] 7点(2005-09-24 17:18:17)
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