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wunderlichさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 284
性別 男性
ホームページ http://ameblo.jp/wunderlich/
年齢 42歳
自己紹介 気になった映画をつまみ食い的に見ています。
うだうだと考えるのが趣味です。

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61.  クワイエットルームにようこそ
内田有紀と蒼井優の存在感はものすごい。内容も深い。逆説的ではあるが、この映画のもっとも深い洞察は主人公の友人、栗田が閉鎖病棟を評したセリフに現れる。「こんなに人がいるのに、こんなに孤独な場所ってほかにないもの」実は、この台詞を発した時点で、栗田の精神の脆さが表れている。本当は、「閉鎖病棟よりも現実の世界のほうが孤独である」と感じる精神のほうが強いからだ。現実を生き抜くということは、ある種の人にとっては、それだけ大変なことなのだとこの映画は教えてくれる。たぶん、それを軽いテイストで描いているところが映画としては焦点ぼけな感も否めないが、あまりに重大なことは深刻な口調で語ることすらできないという感覚は分からなくもない。とてもいい作品だと思う。
[映画館(邦画)] 8点(2008-05-06 19:54:07)
62.  舞妓Haaaan!!!
すべては、小出早織のためにある映画!彼女を記憶するためにこの映画は語り続けるはずである。そのほかはすべておまけのように見えて仕方がない。
[DVD(邦画)] 5点(2008-05-06 19:24:41)
63.  包帯クラブ
「人が捨てたものを見る」とは庶民学を構築した宮本常一の言葉。この映画で描かれる「包帯を巻く」という行為は、まさに「人が捨てたものを見る」ことを具体化しているのだと思う。その行為自体ははたから見ていれば荒唐無稽に見える。けれど理屈としては、精神分析が抑圧されていたトラウマを物語に転化することで治療するのと同じように、包帯クラブでは「人の心の痛み」を「包帯を巻くという行為」に変換することで和らげるあるいは治癒するだけのことだ。だから、この作品も、精神分析が世間に受け入れられるのにかなりの時間を要したのと同じ理由で、あまり受け入れられないまま終わってしまう可能性がある。でも、この映画で描かれていることが人類にとっても普遍的な意義を持っていることは間違いないと思う。
[映画館(邦画)] 8点(2008-05-06 09:08:44)(良:1票)
64.  夕凪の街 桜の国
映画としての完成度は低いけれど、素材が文句なしによい。麻生久美子のセリフ「私らは、一度死んでしまえばいいと思われたのにも関わらず、生き残っている。それでええんやろか。」っが心に突き刺さった。「戦争は悲惨だとか、ひどいからやめよう」という言い方では、戦争の是非(=大義名分の正当性)をめぐっての論争になってしまう。この映画は、いままで人間たちが戦争についてあーだこーだ言ってきた言葉のなかに、決定的に欠けていたこと=戦う相手から僕らは死んでしまってもいいものと思われているという点を気づかせてくれたことで、一見の価値があると思われるが、端的にいってしまえば、原作の漫画を読めばそれで十分という気がするのも事実。
[映画館(邦画)] 6点(2008-05-06 08:58:30)(良:1票)
65.  虹色★ロケット
高校生の自主制作フィルムだから、映像とかそういうところにこだわると見ていられない。でも、ナイーブであるがゆえにまっすぐな思いは、実は大人たちが封印してしまった根源的な問いを呼び起こしてくれる。芸術が担う役割が「なんらかの社会が抱える悩みに答えてみせる」ことではなく、「問いそのものを喚起する」ことであるとすれば、「生きる覚悟はできたか??」というこの作品にある重いセリフは、この映画を、荒削りではあっても立派な一つの芸術作品にたらしめている。僕の高校時代を考えると、この映画を制作した高校生たちは、文句なくあっぱれなのである。
[DVD(邦画)] 6点(2008-05-06 08:35:06)
66.  宗方姉妹
小津映画の素晴らしいところは、登場人物を肯定的、否定的に決めつけて描かないところだと思う。この作品も他の小津作品と一緒で、田中絹江、高峰秀子、笠智衆、上村謙、三村聡など様々な雰囲気と考え方の人が出てきて、それぞれがそれぞれ考えて出した結論を小津映画はじっと見つめ続ける。個人的には、高峰秀子と笠智の掛け合いが醸し出すユーモアと、三村聡演じる夫の苦悩する姿が印象深かった。京都御所も薬師寺も現在と変わらぬ姿をしていて、「新しいもの=変わらないもの」とは、実は人間の価値観などではなく、幾世代もの人間を見つめ続けてきた日本建築のことのように感じられた。おそらく、小津映画の一貫した映像のスタイル、登場人物への静かな視線の送り方も、日本建築のように「新しいもの=変わらないもの」として記憶され続けることだろう。
[DVD(邦画)] 7点(2008-05-06 08:28:34)
67.  べクシル 2077 日本鎖国 《ネタバレ》 
アクションのスピード感・迫力は申し分なし。でも、脚本はどうか??単純機械と人間の違いがいまいち明確に描かれなかったし、苦しむのは半機械半人間だけで全機械達は無視っていうのも安直な感じがします。そしてなにより、正義を決めるのが結局アメリカだったってこと。日本映画でこのようなアメリカの描かれ方がされていることこそ、この映画を逆説的に興味深い作品にしてしまっている。
[DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2008-04-30 19:05:41)
68.  小早川家の秋
相変わらずの小津映画だけれど、すこし『浮草』の味わいに似た異色作。描き方は相変わらずの小津テイストだが、主人公(好色な酒屋の旦那)の存在が少し人情じみた風味を加えている。小津作品の本質のひとつである「あまり意味のないあいづちの応酬」がよく表現されている。でも、僕はデートで競輪場には行かない。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2008-04-30 18:49:15)
69.  ぼくたちと駐在さんの700日戦争
僕たち(高校生)と駐在さんの悪戯の応酬というアイデアだけで、十分に見る価値がある。「悪戯」に対して一生懸命取り組む高校生達は、すげー楽しそうだし、すげーカッコいい!!「駐在さんが困る悪戯を一生懸命にやる」という行為は、ほんとばかばかしく思えるけど、実は多くの人たちが、損得考えずに馬鹿みたいに一生懸命に何かをやってみたいと思っているのではないだろうか?? 実は、一見無駄ではないと思われている大人たちの仕事だって、たまたま歴史的な文脈の中で意味があることになっているだけであって、本当は悪戯と仕事を「意味あること」と「無駄なこと」に分けている壁は低いのではないか?? 仕事だって、悪戯みたいに単純に相手を考えて、なかなかいいアイデアが浮かばないけどうんうん唸る、そんな形で取り組んだっていいんじゃないか?と、この作品は思わせてくれる。だから、この作品は単なる1つのコメディー作品にとどまらず、現代を風刺する希望の清涼剤たり得ているのだ。
[映画館(字幕なし「原語」)] 9点(2008-04-30 18:35:11)(良:1票)
70.  殯の森
いろいろ言われているこの映画だけど、映像だけで何かしらの物語を語ろうとすると、たぶんこんな感じになる。描いているのは、お墓参りの話。しかも、どれだけ大げさに表現したとしても一回のお墓参りで、死者への弔いが完了する訳がない。その意味で、この映画は、はじめる前と終わった後で、とくに死者への弔いにまつわる事態は進行も後退もしていないといえる。むしろ、生き残った人間のどれだけ切実な行為であっても、それが死者に届くことはなくて、生き残った人間自身を癒す方面にしか作用しないのであれば、この映画の主人公二人は自分自身を癒しただけともいえる。「自分で自分を癒すしかない」というこの映画があぶりだす真実は、河瀬監督の表現スタイルをあらわしてもいる。そのことに共感できるかどうかがこの作品を楽しめるかどうかを決める。
[映画館(邦画)] 7点(2008-01-19 19:13:08)
71.  時をかける少女(2006)
もう青春なんて言葉、軽々しくいえない年齢になりましたが、口に出来なくても、こういう映画を見れば、ふと昔の自分を思い出します。「自分の行為がやり直せたら…。」これはだれもが思うこと。でも、人間の”行為選択の自由”が「自分の行為をもう一度やり直す」ということで実現したとき、「では僕は一体どういう風にやり直した行為の責任を取るのか?」という究極の問いに突きつけられる。この映画の主人公と一緒。そう考えると、巷で言われる「自己責任」なんて安直なもんだ。時間が巻き戻せない世界においては、なるようにしかならないことがたくさんある。ある意味固められた世界でどう行為したらよいのか。その問い自体が青春の産物であることをこの映画は思い出させてくれる。
[DVD(邦画)] 8点(2008-01-19 18:02:08)
72.  ギャラクシー・クエスト
わかりやすい幸せが、わかりやすく描かれている作品。つまらないわけがないが、人によっては物足りないかも。何はともあれ、これでもかというくらいに他人まかせな宇宙人に乾杯!!
[DVD(字幕)] 7点(2008-01-19 17:43:56)
73.  幕末太陽傳
気合、ノリ、テンポは一流。痛快極まる。逆に言えば、それが全てであり、見終わった後に余韻が残るような作品ではない。そういう気がする。おそらく、フランキー堺演じる主人公がクールすぎるのだろう。たぶん、主人公自身、人生に飽きてるよね。まわりは馬鹿ばっかしだし。そういう雰囲気を出している映画には初めて遭遇した。もしかしたらすごい作品かもしれない。
[DVD(邦画)] 6点(2008-01-19 17:38:27)
74.  マッチスティック・メン
感情をもてあそばれたのか、それとも本当に心のつながりがあったのか。それが本当かどうかは、その人が決めることだ。アリソン役の女優さんがものすごくかわいらしく、それに対して、ニコラス・ケイジが相変わらずな見た目で、二人のやり取りは十分に楽しめるし、素敵に描かれている。はしやすめ的な小品だが、悪くないと思う。
[DVD(字幕)] 6点(2008-01-19 17:24:27)
75.  転々
やわらかさと切なさがリンクしたすてきな作品だ。みんなで仲良く食卓を囲む、ご飯をつくる、買い物をする、同じ部屋で寝るというような普通のことが、ものすごく温かい感情の集合であることが分かる。おそらく、登場人物のみんなは、不思議女子高生「ふふみ」を除いて、結構タフな人生を送ってきたのではないかと思う。でも、そんなタフさの中に奇跡的に実現した「普通に」あたたかい時間!! この監督の作品は、画面上は幸せに満ちた雰囲気をかもし出しているが、その幸せな感じが限られた時間にだけ成立するものだったり、映画の終わりと共に終わってしまう幸せであるという切なさを描くのとてもうまい。だるまちゃんとてんぐちゃんのモチーフも出てくるし、ピアノの粉末や三日月しずかも出てくるわで、お約束の部分でも大サービス! ついつい岸部一徳を探したくなる一本になってます。
[映画館(邦画)] 9点(2008-01-19 17:17:46)(良:1票)
76.  天使の卵(2006)
この映画はなんとなくあらゆる点で予想通りだ。でも、原作の舞台が東京であるのに対し、ロケ地に京都が選ばれている点で、京都をよく知っている人にとっては、ものすごく共感できる映画となっている。”あの街ならなんか起こりえる”そう思ってみると、この夢のような物語も不思議な実在感というか空気感がある。それは、最近の日本映画に珍しく、映像や構図にこだわっている姿勢からもうかがわれる。その意味で、この映画は恋愛映画である前に、京都映画だ。逆に京都を知らない人にとって見たら、この映画の魅力は半減してしまうと思う。
[DVD(邦画)] 6点(2008-01-19 16:54:55)
77.  あなたになら言える秘密のこと 《ネタバレ》 
つらい経験を背負って生きていかねばならない場合、必然的に「息をひそめた生きかた」にならざるを得ないのではないか。外部の大きな力によって傷つけられた経験を持つものは、たとえその大きな力から逃れられたとしても、自分が傷つく可能性のある行為を試みようとはしないだろう。そうすると、つまるところ、自分の行動をおさえ、まるで高い標高で薄い空気を吸うような生をおくることにつながるのではないか? ただ、この映画のテーマは、そういったひそやかな生ではなく、そこからどう快復していくかを描くことにある。言ってしまえば、傷ついたもの同士が出会うことで、互いが救われることがありうるという事象をこの映画は描いている。単に互いの名前を呼び合い、呼びかけにこたえた相手に対して「なんでもないよ」と言い合うブランコのシーンや、主人公二人が再会するシーンなど、この映画には、人間の関係が生成していく原風景を見事に掬い取っている見事な場面がいくつかある。確かにある。 
[DVD(字幕)] 8点(2007-12-27 21:10:24)(良:1票)
78.  ただ、君を愛してる
宮崎あおいの稀有なキャラクターがなしえた奇跡的な映画。本当に大切なのは、玉木宏演じる主人公の映画の後の生きかただと思うけど、それをいっても始まらない。ここは、満足しておくべきところだろう。
[DVD(字幕)] 7点(2007-11-05 22:38:05)
79.  涙そうそう
祭りの場で、兄の愛情を重いと告白する妹とか、一人暮らしのために家をでていく妹とか、ちょっといいシーンもあったけでど、そういった濃密な時間を表現できている一方、ストーリーの安直さがもったいない。でも麻生久美子がでてるから、ファンにとってはそれだけでも一見の価値はあるだろう。
[DVD(字幕)] 6点(2007-11-05 22:35:43)
80.  東京フレンズ The Movie
偉大なる凡庸さにグサリです。  見る前と、見た後で全く世界に変化が生じないというすばらしき平凡な、ある意味稀有な作品でした。カットがうまいとか、そういう特徴もなく、出演者目当てでなければほとんど見る意味がないと思います。  「はじめに見た夢を追いかける」ってキーフレーズも、考えるまでもなく意味不明。なぜ、映画になったのかよく分かりません。でも映画になってる・・・。あるいみ不気味。
[DVD(字幕)] 5点(2007-11-05 22:23:39)
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