61. ビルマの竪琴(1956)
悪い映画ではないのだが、中盤少し冗長だったのと、視点を絞りすぎた点がダメだったかな。 [DVD(邦画)] 6点(2008-07-07 00:11:20) |
62. 欲望という名の電車(1951)
《ネタバレ》 生まれた世界とは違う世界があることと、どんな状況でも自助努力が必要だと言うことがよくわかる映画。どんな世界に生まれようと、どんな良い思いをしても、必ず訪れるどうしようもない状況。他のせいにしてもそれは虚無であり、自分のせいにもしたくない。その虚無を埋めるべく現れた男たちも虚無。結局行き着く先は精神病。救いのないラストかもしれないが、状況には適応しないといけないし、いろんなことに早く気付くべきだったのかもしれない。にしても、キャストが豪華。この演技合戦でマーロン・ブランドだけが敗れたのはかわいそう。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-24 22:25:57) |
63. 彼岸花
《ネタバレ》 小津映画によくあるお話だが、カラーであることを存分に活かした撮影と、小津らしい演出が光っている。普通なら披露宴のシーンで泣かそうとするものだが、小津はバッサリ飛ばしている。後の会話から連想させる辺りがニクい。頑固親父が妻との電話で内心を見透かされ、わかっていると何度も言われるシーンが非常に面白い。いつもの「結婚」がテーマだが、一味違って良かった。 [DVD(邦画)] 7点(2008-06-03 23:34:43) |
64. 第十七捕虜収容所
《ネタバレ》 本筋の話は見事な運びで素晴らしい。セフトンがスパイでないのはすぐにわかったのだが、その後の緊迫感ある展開は見事。ただ、この作品におけるコメディが微妙。アニマルはユーモアあるキャラであったが、何の象徴としての存在なのか。悪いとは言わないがこの一連のシーンは冗長に感じた。 [DVD(字幕)] 7点(2008-05-26 23:47:44) |
65. 人間の條件 第二部 激怒篇
《ネタバレ》 1部に続きこの2部もかなりの完成度である。前作に続き映画として日本の悪態をしっかり映しているのは変わらず評価できる。そして、植民地支配という根本的な矛盾の上に正義を見出さなければならない苦労がひしひしと伝わってくる。1部に比べかなり暗く、理不尽な現実の描写が胸をえぐる。そして難しい役どころもある中、主要キャストは見事な演技をしている。 [DVD(邦画)] 9点(2008-05-19 00:58:04) |
66. ゴジラ(1954)
しょぼいシーンはあるが、これほど大人の映画だとは思っていなかった。少し退屈するシーンもあったが、ゴジラの存在意義を考えるだけでも面白い。 [DVD(邦画)] 7点(2008-05-09 23:38:22) |
67. 手錠のまゝの脱獄
《ネタバレ》 やはり当時の社会状況から考えてこの内容は相当斬新だっただろう。手錠で繋がれた黒人と白人の二人はまさしく本来あるべき姿。心を開いて向かい合えば、これほどの友情が芽生えると言う監督のメッセージは素晴らしい。婦人が嘘をついた辺りからニューシネマっぽくなったが、死ななくて良かった。ポワチエの歌も良かった。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-28 12:27:32) |
68. 真昼の決闘
《ネタバレ》 ジョン・ウェインなどかつての西部のヒーロー像を覆すような作風は確かに斬新だ。しかし逆を返せば、主人公を疎む動機がそこまでしっくりしない。確かに主人公が逃げれば面倒はなくなるのだろうが、後で殺されたなんて知らせが入ればやりきれない気持ちになるはず。リアルタイムで進行していくため、これまでの主人公を取り巻く環境などの描写が足らず、全ての展開においていまいち納得がいかない。そのリアルタイムで進んでいくのもそんなに効果が得られていないように感じる。そして、主演のゲイリー・クーパーもオスカー獲るほどの演技だったとは思えない。しかし、内容自体はそれほど悪くないし、リアルタイムで進行すると言う設定にしなければそれなりのドラマは得られたと思う。 [DVD(字幕)] 4点(2008-03-24 12:57:15) |
69. 勝手にしやがれ
《ネタバレ》 大したストーリーではないのに結構引き込まれた。ニューシネマに影響を与えたという雰囲気と言い、ラストと言い、非常に洒落ていてカッコいい。自分が欲しいものを求めても、今の自分に気付いていないため上手くいかない。青春モノの良さが上手く表現されており、主演の二人も素晴らしい演技を見せている。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-22 12:05:10)(良:1票) |
70. 麦秋(1951)
《ネタバレ》 小津監督特有の映像的ゆとりが全体を覆い、伝統的結婚が影を潜める時代を見事に映し出している。結婚したくなければしなくても良い、そんなこんなで28歳。家族みんなが心配するのを他所に、本人はのんき。途中までは「晩春」にも似たような展開であったが、終盤は意外な展開。誰にも相談せずにあっさり別に結婚を決めてしまう紀子。個人として、子供としての独立が人間関係、家族関係の希薄を暗に意味するこのシーンは何とも切ない。母親が納得しきれないのはわからないでもない。結局は本人次第となってしまった個人の時代を見事に描写した素晴らしい作品。 [DVD(邦画)] 8点(2008-03-17 11:50:17) |
71. 道(1954)
《ネタバレ》 押し付けがましい感じが一切なく、淡々と描いている。前半は少々退屈したが、人ひとりがいないと困る人がいる、どんな人でも役に立てる、という「素晴らしき哉、人生!」とは一味も二味も違うアプローチはなかなか。がらがら声のザンパノに、変わり者のジェルソミーナは最高のキャスティング。心優しい音楽も印象的だった。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-21 15:33:08)(良:1票) |
72. 人間の條件 第一部 純愛篇
《ネタバレ》 人間の條件というタイトル以上に日本人による日本人批判が目を引く作品。何のためらいもなく捕虜を殴る日本人を堂々と描いている。こんなシーン他ではお目にかかれないと思うのでそれだけでも評価できる。そして、タイトルでは第一部純愛篇とあり、梶の奥さんはなんて素晴らしい女性なんだと思わせてくれたのだが、やはりこのタイトル以上のものが目立っており、純愛篇と一口に言えるものではないと思う。それでも、支配と暴力、正義に嘘など戦争という状況をうまく描き、これ一本だけでも非常に見応えのある作品だと思う。 [DVD(字幕)] 9点(2008-02-08 23:30:34)(良:1票) |
73. 羅生門(1950)
《ネタバレ》 結局、黒澤監督の言いたいことはラスト10分に凝縮されている気がする。そう見ると、その前フリが少し長いかなと感じる。特に武弘の証言は完全に浮いている。無くてもよかったのではないかと感じる。そして、黒澤監督の画へのこだわりもよくわかる。ただ、音の劣化で何を言っているかわからないのが多々あったのが残念。 [DVD(字幕)] 6点(2008-01-27 16:06:44) |
74. エデンの東(1955)
《ネタバレ》 混乱の時代、善と悪の区別もつかない。ベタな話だとは思うが、キャストと演出の良さがこの作品を名作にしていると思うし、今観ても胸に響くものがある。ただ、キャルが悪人でないにせよ、ラストにアロンが救われるシーンは欲しかったな。 [DVD(字幕)] 8点(2008-01-27 15:55:36) |
75. 突撃(1957)
《ネタバレ》 既出ですが、やはりフランス人、ドイツ人と特定する必要はなく、むしろ無国籍映画とした方が良かったと思う。そこを除けば、素晴らしい反戦映画。一兵士の弱さ、軍上層部だけが持つ強さ、非常な命令に裁判、そして処刑と、無駄のない展開で一映画としての完成度は高く、公開時20代だったとは思えぬキューブリックの才能が随所に見られる。 [DVD(字幕)] 8点(2008-01-20 09:23:42) |