781. ELEVATED(エレヴェイテッド)
この作品は短編だからこそ成功した作品になったんだと思いますね。これを長編作品にしたならば余計な設定やエピソードが色々とくっつけられて蛇足の極みみたいになっちゃうでしょうから。ストーリーは下の皆さんが仰るとおり「世にも奇妙な物語」みたいな作品ですけど、短編ながらにまとまりもあるししっかりと見せるポイントも押さえた良作だと思います。CUBEをビデオで見ているアナタ、ちゃんとエンドロール(のあと)まで見ないとダメですよ?(笑) 7点(2004-07-05 19:35:14) |
782. CUBE2
《ネタバレ》 前作のような、次の部屋(キューブ)に移動する時の緊張感がまるで無かったり、大して謎解きも無かったりと、前作の良い所は見事に消えうせてしまったけど、結果的にはなかなかな出来をしていると思う。特に今回目を見張るのが、前作にも増して難解になったキューブの構造。前作はまだ3次元の立方体だったのに対し今回は4次元立方体(超立方体)つまり時間と空間が入り乱れた構造になっているところ。重力の向きが全く異なったり、時間の流れが違ったり、果ては平行宇宙(パラレル・ワールド)までの概念が存在したりと、正に某映画の宣伝文句「驚異の超立体ホラーシステム、キュービック・ショック」である。しかし、本作が前作に及んでいない点はやはり、脱出後の無駄なストーリーを用意してしまった事である。ここに来て今まで積み上げてきたものがすべて崩れ去っていく感じである。こういう描き方をするなら、観客全員が納得するストーリーを用意するか、最初から描かないで欲しいものである。 6点(2004-07-05 19:26:04) |
783. CUBE
《ネタバレ》 その昔、アルジェント&バーヴァ(息子)の師弟コンビが放った某映画で「驚異の超立体ホラーシステム、キュービック・ショック接近!」という宣伝がなされていたが、その文句はこの作品に使われるべき代物だと思う。キューブに閉じ込めた人々がどうやってそこに来たのか、何故キューブが存在するのか、そして、脱出した後のエピローグをすべて廃し、全てがキューブの中でのみ展開するというものが斬新。しかも全く無名の役者を配することで一体誰が生き残るかが最後までわからず、また隣の部屋(キューブ)に移動する際のトラップの有無を確かめるための謎解き、回避、そして徐々に崩れていく人間関係などと最後まで飽きずに一気に見れてしまう。しかし最大の勝因はやはり、何故キューブが存在しているのかという理由が全く描かれていない事。このため登場人物たちの不条理な運命がより一層強められている。ここはそのまま彼らと共にこの不条理な世界を体験する以外ないのだけれど、あえて解釈を加えるとしたら、劇中に少しばかり登場する軍、又はそれに類する機関の陰謀か、又は我々の理解を超えた大きな“存在”が彼らにキューブを作らせ、また彼らを使い所謂“ゲーム”をしているか。どちらにしても、今までのパニックとは一味違った作品という事は確かだ。 7点(2004-07-05 19:14:12) |
784. 2010年
《ネタバレ》 前作の哲学的な要素が殆ど消え去っているため、前作を崇める方々からはイマイチ教評価のよくない作品ですが、前作の難解な世界が把握できなかった自分としては、作品の質とインパクトでは敵わないにしろなかなか良く出来た続編だと思います。これといって惨事も起こらず淡々と話が進んでいきますが、激しい演出無しで静かな音響によって作り出された宇宙空間はどこか居心地がいいとさえ思いました。前作で残った謎も上手く解消されていると思いますし、個人的に、HAL9000とチャンドラ博士との別れのシーンが、ある意味での犠牲愛を表現するもののように思え、実に感傷深いシーンであると思いました。そしてこの作品が出来たのは丁度冷戦真っ只中。その中での人々が抱いていた平和という願いを、気取ることなく実に自然体で描いているのにも好感が持てました。 8点(2004-06-30 21:13:19) |
785. 吸血鬼ノスフェラトゥ(1922)
今を去ること約80年前に、既に吸血鬼映画、いや恐怖映画の決定版的作品が登場していたという事実に先ず驚かされる。冒頭のこけおどしの音響を使わずに白い文字で映し出させるタイトルにはこれからの出来事を予想させるような恐怖感を煽る効果があるし、いきなり手や顔が飛び出してくるような演出ではなく暗闇の中、白い顔、ギョロリとした眼、長く伸びた爪を持った怪物が淡々と歩み寄るという心理的恐怖を増幅させる演出で、見る者を恐怖の世界へと引きずり込むその演出の素晴らしさ。今の映画に登場する、恐怖の帝王としての威厳を捨て、宙を飛びよくわからん格好をして神に背く事もやめた似非吸血鬼と違い、真に恐怖を植え付け、闇を支配する邪悪の王としての吸血鬼を描いた正に正統派。恐怖映画とはかくあるべきというお手本を見せられた作品であった。 8点(2004-06-30 21:05:36) |
786. キラーコンドーム
なんかもう、避妊具じゃなくて去勢具だよね、これ…。 3点(2004-06-28 15:08:58)(笑:1票) |
787. 梟の城
まあ確かに話はパッとしないんですけど、例えば【陰陽師】や【千年の恋 ひかる源氏物語】のようにあからさまにCGと判る描写が“それほど多くなかった”のが個人的には好印象でした。中井貴一も、某CMのキャラとは違って格好良い役を演じてましたし。ただ、和製スプラッタといいますか、あの刀で斬った時に血がブシーッってありえないくらい飛び散って…あの時点で出血多量で死んでると思うんですがねぇ(笑)まあ侍映画(これは違うけど)には付き物?みたいなものなんで、突っ込むのもアレなんですがね(笑) 5点(2004-06-28 01:15:37) |
788. ゾンヴァイア/死霊大血戦
《ネタバレ》 あぁぁぁぁ…また意味不明な邦題つけて…“ゾンヴァイア”って一体…?“ゾンゲリア”とか“ゾンビドローム”よりも凄い題名だなぁ。まあ、“ゲロゾイド”よりはマシだけどさ…。さて題名はこれくらいにして…といっても肝心の中身が殆ど…ない。大体はフロム・ダスク・ティル・ドーンの二番煎じみたいなモンなんだけど、演出の下手さもあって何がなにやら全然わかんない。それに、指をぶった切ったり、車に轢かれたり、爆発したりと笑いを狙ってる事はわかるんだけどこれが全然笑えない…しかも夢オチなんて…まあでも、この監督については誰もマシなストーリーは期待してないので、残虐描写だけ見ればいいんだけど、今回はそれすらも全くオハナシニならない。バーニング・ムーンや、かの“ブレインデッド”を超えたとまで言われる新ゾンビ(未見)の勢いは何処に…?あぁこれでまた一人、職人さんが消え去ったわけか… 4点(2004-06-27 15:51:13) |
789. ダーティハリー
《ネタバレ》 イーストウッドはこれでスターダムにのし上がったと言っても過言ではないくらいの刑事モノアクション映画の傑作。なんと言ってもイーストウッド扮するハリー・キャラハンのアンチ・ヒーローぶりが魅力的だし、後半のキレぶりがなんとも凄まじいアンディ・ロビンソンもまたはまり役。犯人を殺してサンフランシスコ市警のバッジを川に投げ捨てるという、“ダーティ”の名に恥じないくらいに一筋縄ではいかない終わり方だけれども、それがかえって男臭さを強調して、今のヒーローモノとは違う凄みを生み出している。 8点(2004-06-26 04:26:12) |
790. ギブリーズ episode 2
《ネタバレ》 うひゃーーー評価低いのねぇこれ。ま、猫の恩返しと一緒に見た人の気持ちも判らなくも無いけど、僕はそれなりに面白かったですよ。カレーのエピソードとか、宇宙までぶっ飛ぶ辛さってどんなのか一回体験してみたいし、初恋のエピソードも、あの木造の校舎がなんとも古きよき時代の“淡い思い出”感を出していていいと思うなぁ。でも、「つづく」ってどこまで続くんだろう…? 6点(2004-06-23 19:00:11) |
791. 猫の恩返し
なんていうか、展開がご都合主義って言うか、行き当たりばったりって言うか、でも、それ以上にバロンとムタ、トトがなかなか(かなり?)良いキャラ(バロンについては格好良い)してるのでそれだけでも見ていて面白い。猫王のエロオヤジっぷりもなかなかだけど、“ミスター・ティンクルス”みたいなキャラでも良かったかも(笑) 6点(2004-06-23 18:54:59) |
792. トロイ(2004)
久しぶりに登場した正統派の史劇って感じですね。トロイの要塞都市とか宮殿内とかは壮大ですし、戦闘シーンもなかなか迫力あって良いですけど、けど!ブラットもブルームも、確かにカッコいいんですけど、やっぱり“死ぬ思いでガレー船を漕いだ”ヘストンや“大奴隷反乱を起こした”ダグラス、“リヴィウスと覇権を争った”ギネスたちの気迫には敵わないんだよなぁ。まあ、この手の映画が大好きな僕にとっては、こういう作品が登場するのは嬉しいんですけどね。 [映画館(字幕)] 6点(2004-06-21 19:28:35) |
793. デーモン・ナイト
話題性ばかりが先走りして、全く怖くなくなってしまった近年のホラーですがこれはその中ではかなり良く出来た作品だと思います。冒頭からテンポよく展開されていくストーリー、篭城、キリストの血が入った鍵、そして人間を配下に置くために“誘惑”する悪魔などといったオカルト要素、そして程よいスプラッタ描写など、最後まで飽きさせずにきっちりと見せてくれるので、近年のホラーに飽きた人にはお薦めの作品です。 7点(2004-06-21 18:49:25) |
794. 我が道を往く
《ネタバレ》 既にこの作品については↓の皆様がありったけの賛美の言葉をお贈りになっておられるので、もう僕のようなボンクラが付け加えるような事も無いんですが、ここはあえて失礼して…こんなに信仰厚き人が沢山登場するのに、偽善だとか、そう云うことを全く感じない。自己流のやり方で教会復興に、司教区の人々に奉仕するオマリー神父、最初は彼のやり方に不満をもち、まるで子供のようなことをやるのが妙に可愛いフィッツギボン神父。この一見全くタイプの違う2人の神父が、徐々に心を通わせていく、その全く不自然さを感じさせない展開の上手さ!随所に挿入される歌の数々…そして、長年の夢であった、フィッツギボン神父と母との再会、そしてそれを窓の外から眺め、静かな余韻を残してマオリー神父が去っていく、物静かながら、心にいつまでも残るようなラスト…もう言う事はありません、これは間違いなく、映画史に永遠に残る不朽の名作です。 [DVD(字幕)] 9点(2004-06-20 03:39:51)(良:2票) |
795. 少林寺三十六房
↓の方達のコメントを読んで先ず謝りたいです。皆さんはこのDVDを10年以上待ったのに、俺は全く待たずしてこれを買えてしまった事を。もうとにかく面白い。確かにアクション面ではリンチェイ主演の「少林寺」よりは“やや”劣るものの、エンターテイメントとしては抜群にこちらの方が出来が上!三十五房の修行場もどれも印象深いし、後半の敵の将軍との戦いもとにかく激しい!「カンフー映画の最高傑作」という看板に偽り無しの、正に傑作です! [DVD(字幕)] 8点(2004-06-20 03:16:09) |
796. キャッスル・フリーク
ゴードンとコムズって、なんかいつもつるんでるような気がするんですが…大ゲテモノ大会をやらかした初監督作品の「ZOMBIO/死霊のしたたり」よりは大人しめで、「ドールズ」のようなオカルトみたいな作りで、魔女のような老婆が蝋燭を持って薄気味悪い地下に降りていくところで、ゴードンにしては、ちゃんとホラーに取り組んでるな、と思ったものの、その後いきなり怪物の姿(というか正体)が映し出されたときは「あぁ、やっぱり真面目なものを期待した俺が馬鹿だった…」と思ってしまいました。せっかく設定とかは良かったのに、ちょっと怪物(ジョルジョっていう名前)を出すタイミングに失敗してると思います。それと、実はこれもラヴクラフトが原作(ほんの少しだけらしい)なんだそうですが、死霊のしたたりといいフロム・ビヨンドといいこの人って本当にラヴクラフトが好きなんですね(笑) 5点(2004-06-20 03:05:08) |
797. ポリス・ストーリー3
珍しくジャッキーが銃火器を使ってたり、列車の上でのカンフーバトル、ヘリコプターも交えたカーチェイスそして潜入捜査云々は面白いけれども、やっぱり肝心のカンフーが少ないし、そもそもジャッキーが食われてる。まあ、近年と比べてジャッキーのアクションにまだ鋭さがあるのがせめてもの救いだけど、できればミシェル・ヨーとの闘いを見せて欲しかった(きっと激しいものになっただろうに…) 6点(2004-06-18 19:32:59) |
798. 続・荒野の用心棒
《ネタバレ》 さすがイタリアです。冒頭からいきなりの早撃ち、ドロレス、鞭打ち、耳削ぎ、手潰し、挙句はガトリングガンでの大虐殺…さすがイタリアです。棺桶を引きずった黒ずくめのガンマン…一見滑稽だけれども、よくよく考えると恐ろしい。西部劇=明るい旋律に乗った勧善懲悪の物語、ではなく、荒廃した街での悪と悪の物語。そして最後には必殺の十字架撃ち…しかしここで疑問に思ったのが、リボルバー銃なのになんで7発撃ってるんだ?ってこと。しかし、そんな細かい事抜きにしても、ストーリーはなかなか良いし、ラスト、十字架に背を向けて去っていくジャンゴの後姿が凄く印象に残る。正当なウエスタンとはまた一味違った面白さがある。 6点(2004-06-17 18:08:47) |
799. ロスト・イン・ラ・マンチャ
映画という一つのものにとらわれずに、何かを作り出すときのその困難さを垣間見た気がする。別にこの「ドン・キホーテを殺した男」にかかわらず、すべての映画やその他芸術作品が、このような不慮の事故、運命の悪戯と隣り合わせであるという事、そして、その中で完成されたものは、出来栄え以前にやはり一つの作品として賞賛されるべきものなんだという考えがよぎった。これを見てしまっては、ただその作品をつまらない、駄作と切り捨てるのが、非常に惜しまれる事になるだろう。 7点(2004-06-16 21:39:08) |
800. ナイトウォッチ(1997)
《ネタバレ》 オリジナルの方(モルグ/死体消失)も、ホラー慣れした人にはそれほど衝撃を受けるようなものでもなかったんで、それのリメイクであるこの作品が普通の作品になってしまっているのも半ば仕方の無い事。まあ、オリジナルに物凄く忠実ってのは評価できるが、あまりにも忠実すぎってか全く同じ展開(細部まで殆ど同じ…)なのは、既にオリジナルを見てるものにとっては物凄くかったるい。同じ監督のセルフ・リメイクなんだから仕方ないといえば仕方ないのかも知れないが、せめてリメイクなりの味付けを加えるとか、そう云うことをして欲しかった。そして、オリジナルにあった“イカしてるラスト”、あれをすっぱ切ったのが一番の痛手… 5点(2004-06-15 03:30:41) |