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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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901.  ディヴァイド 《ネタバレ》 
戦争勃発。地下シェルターに避難した人々。既視感のあるシチュエーションですが、なかなか上手い状況設定だと思いました。とりあえず、水と食料はそれなりにある模様。数週間、いや数か月は、持ち堪えられます。でもそれも救出の望みがあってこそ。助けが来なかったら。生き残ったのが、自分たちだけだったら。そんな不安を押し殺していたところ、まさかの襲撃。子供が拉致され、しかも出入り口直結で(ココ重要!)調査設備を設営。何やら実験までしている様子。もう謎だらけです。微かな希望は一転白紙状態となりました。外は地獄、さりとて内も地獄。さて、あなたならどうしますか?という問いかけです。“恐怖と謎が渦巻く外界”よりも“シェルター内で生き延びる事”を選択する人々。いや正確には決断したワケではありません。単に外界へのチャレンジを先延ばしにしていただけです。水も食糧も底をついたら、流石にシェルターからの脱出を試みるのでしょう。でも、それでは遅いのです。人間は家畜でもペットでもありません。希望ゼロの人間の精神は腐っていくのみ。壊れ方が実にリアルでした。おそらく現代日本にも、極めて近い状態に置かれている人が沢山いるはずです。時間の浪費は万死に値する愚行。戦慄しました。内なる地獄からの脱出チケットは防護服分限定1名様のみ。いち早く、それに気づいた者のみが脱出できた結末は納得です。サスペンスとしての出来は悪くありません。ただし、武装兵や少女を拉致して実験など、ミステリーの真相解明は完全放棄。これには参りました。ラストシーンに唖然としたのは、脱出者より、むしろ観客の方だったのではないかと。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2014-02-09 18:59:48)
902.  グリーン・ホーネット
セールスポイント不在が本作最大の問題点と考えます。アクション重視なのか、キャラクターで売りたいのか、ガジェットで惹きつけたいのか、ストーリーで魅せたいのか、謎です。例えば『キック・アス』みたいにヒットガールの魅力一点突破の映画の方が分かり易くて評価を高くつけやすいです。
[地上波(邦画)] 5点(2014-02-07 18:56:01)
903.  いつかギラギラする日
バブル崩壊の翌年1992年製作の本作。何処となくバブル景気の欠片が感じられるような。爆破シーンも火薬の量も豪勢に。カークラッシュも盛り沢山。それに豪華キャストの無駄遣いですか。今見返すと単純に『馬鹿映画』の一言で片付けられる気がしますが、当時はエンターテイメント大作と位置付けられたのではないでしょうか。エンターテイメント。実に便利な言葉です。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-02-04 18:27:01)
904.  ライフ・アクアティック 《ネタバレ》 
彦摩呂が映画評論家なら、「豪華俳優陣の玉手箱や~。これは、好きな人にはタマラン味ですなあ~」と宣いそうな映画だと思いました。要するに、コメディとして微妙な出来だと。日本人には馴染の薄い笑いの体裁ですから。例えば、ドリフターズ、ひょうきん族、吉本新喜劇、ごっつええ感じ。私世代の日本人なら、これらが代表的な笑いの教科書でしょうか。あとオールナイトニッポンかな。ボケがあってツッコミがあり、フリがあってオチがあり、スカしあり、天丼あり、ナンセンスあり……。笑いのスタイルは刷り込まれています。学習済みのオモシロ信号なら、何時だって受信感度抜群です。バッチコイ。ところが未知の笑いはチューニングが大変です。巨人がルーキー投手を打てないのと同じ理屈。中盤まで球筋を観察するのに必死でした。ついにリズムを掴んだと確信した瞬間は、研修生が斬られる場面。爆笑でした。結論。とっつきは悪いが、コメディとして十分笑えるという評価です。演出面でのお気に入りは、船の断面描写。もう無条件でワクワクです。宮崎駿監督が撮りそうな画だと思いました。音楽は文句なく一級品でしょう。音楽が素敵な映画は、それだけで採点が甘くなってしまいます。しかし、それ以上に心を掴まれたのは、主人公ズィスーのパーソナリティでした。自分勝手な目立ちたがり屋で、家来を従える裸の王様。彼の根底にあったのは孤独感だと感じました。一人ぼっちで海の中に潜っているような。降って湧いた息子に肩入れしたのも、寂しさゆえのこと。それにしても、まさかあんな別れが待っていようとは。運命とは無慈悲なものです。でもズィスーは遂に手に入れました。いや既に手に入れていたのです。どうしても欲しかった家族を。孤独極まれる深海で、そっと寄り添ってくれる仲間は、紛れもなくファミリー。富や名声よりも、ずっと価値があるはずです。エピローグも素晴らしい。お揃いの赤い帽子と制服で、今日も冒険を始めよう。一人ぼっちじゃないライフ・アクアティック。息子ネッドの魂と共に。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2014-01-31 18:59:26)
905.  映画 怪物くん 《ネタバレ》 
4歳の娘にせがまれ地上波TV放送版を2日間で3回(!)観ました。実は今4回目(!!)を観ています。本当につまらなければ却下するところですが、なかなかどうして、そんなに悪くないのです。コメディとして結構笑えました。上川隆也の話を聞かずにモメ出す一行。北村一輝のノリツッコミ。教科書通りの笑いは和みます。必要以上にBGMを使用しない演出も上品でした。イチイチブーメランになっている大野や川島の会話劇は楽しく、キーワード“わがまま”も上手く脚本に取り込めていたと思います。意味不明な設定も散見されますが、粗は概ね子供向け映画の範疇内。『アンパンマン』に付き合わされて、ナンセンス設定の耐性はだいぶ付いたみたいです(笑)。ドラゴンもCGを使わず現物を作成したところが、イイ味になっていたと思います。さて、キャスティングについての注文。TVドラマのときから気になっていたのですが、チェ・ホンマンの違和感が半端無いです。確かにアニメ(マンガ)版のキャラを忠実に再現していますが、台詞が無いだけにむしろ役者の技量が試される役かと。素人では厳しいです。宇梶剛士、高島兄弟、阿部寛、照英、阿藤快、佐藤二郎、宅間伸、ピエール瀧。ハマリそうな俳優さんは沢山います。何ならジャン・レノでもいいです。ドラえもんをやるくらいですから、フランケンだって引き受けるでしょう。其処にいるだけで雰囲気を作れる役者さんにフランケンをお願いして欲しいと思いました。
[地上波(邦画)] 6点(2014-01-28 18:58:38)
906.  ヒドゥン(1987) 《ネタバレ》 
地球外生命体(イカモグラみたいな奴)の人への寄生場面を早々に披露してしまったのは勿体無いと感じました。本作最大のセールスポイントとなるSFXであり、かつ物語の肝となる設定。最終ターゲットへの寄生シーンまで具体的な描写は温存しても良かったと思います(あれやこれやと観客の想像力を利用する意味でも)。また、エンディングのサプライズは、描き方に少々問題あり。余計なオブラートです。あれではアイツと彼が同族ではない印象を与えかねません。彼の中身もまたイカモグラである事は、物語の余韻を左右する重要ポイントと考えます。グロテスクな描写を避けたいのなら、単純にカットで問題ありません。不満点は以上の2点。それ以外の設定・描写は見事に自分のツボにハマりました。スーパーカーとロックを嗜好する宇宙人(?)なんて遊び心の効いた設定は、まさに大好物。カントリーミュージックのレコードプレイヤーを投げ捨てる姿に大笑いしました。またアイツは女性のボディ(おっぱい)に興味を持っていましたが、性的な意味を持たせなかったのも大正解。企画ものAV紛いの下品な描写は要りませんし、結末の価値も保たれました。それにしても『ゼイリブ』、『トレマーズ』、『ドクター・モローの島』とか、B級カテゴライズながら本当に面白く、且つ大衆性も備えた映画を数多くローテーション放送していた日曜洋画劇場って凄い番組だったなあと改めて感じました。吹き替えの出来も神懸かり的。当時は淀川さんも作品選出に携わっていたのでしょうか。若干、懐かしさ込みの採点ですが、映画ってそういうものだと思うので。
[CS・衛星(吹替)] 9点(2014-01-25 19:58:36)(良:2票)
907.  その男、凶暴につき
主人公の行動原理は単純です。殴りたいから殴る。躾されていない子供のようです。自分は彼に賛同できません。暴力=悪だと躾られてきたから。でもその一方、無茶をする彼に爽快感も覚えるのです。しかし行き過ぎると、また眉をひそめてしまいます。この矛盾。戸惑い。それは社会が抱える矛盾でもある気がします。問題解決の手法としての暴力を人は認めています(もっとも、暴力という言い方はしません)。その代表が公権力=警察です。主人公が警官である意味が此処にあると考えます。人は生まれながらにして、問題解決手法としての暴力を獲得しています。教えなくても子供は叩くことを知っています。生まれ持ったものなのに、押し殺すように教育されのです。そもそも其処に無理があるのかもしれません。暴力を容認された警察でさえそう。力を振るえず、挙句チンピラに殺される姿は滑稽ですらありました。主人公の“正しくない”行動は、現代社会が抱える矛盾を明確に表していました。本作は北野武の初監督作品。処女作で、これほどスタイルが完成されているのは驚きの一言。監督の“人となり”が伝わってくるのも素晴らしいです。やはりベースは芸人「ビートたけし」の顔でしょうか。シニカルなコント風味の演出が、陰鬱な作品に上手く同調していたと思います。自分が特に気に入ったのは、たけしの蹴り。「バカヤロ、コノヤロ」と聴こえてきそう。芸人、監督、役者の顔が全て垣間見られる、見事な蹴りだったと思います。「長渕キック」と併せて『日本3大キック』と名づけたいくらい。残る一つは…後で考えます。暴力に対する問題提起はOK。これに対する監督の答えは何なのか。それが伝わってくれば、完璧でした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-01-24 17:52:30)(良:1票)
908.  逃走車 《ネタバレ》 
『M:i:Ⅲ』は、主人公イーサン・ハントの妻が囚われているショッキングなシーンから始まります。いきなりクライマックス。インパクトは絶大です。さらにどのような経緯で絶体絶命の窮地に追い込まれたのか、観客は興味を惹かれるワケです。ミニ予告編を本編に取り込むようなもの。ツカミとしては効果的な手法と言えましょう。ただし、マイナス面もあります。大切なハイライトシーンを晒してしまうこと。『M:i:Ⅲ』の場合は出し惜しみする必要がない程見せ場は盛り沢山ですし、その後の展開も二転三転するので全く問題ありません。しかし本作の場合はどうでしょうか。時間軸を巻き戻し、物語再開。でもすぐさまトラブルが発生し、冒頭のカーチェイスシーンへの繋がりは容易に想像出来てしまいます。また、セールスポイントとなるはずのカーチェイスが少ないので(!)同じシーンを“2度観させられた”という感覚になり兼ねません。正直言って、本作では奇策を打つメリットは無いと感じました。いや、もしかしたら貴重なカーチェイスを2度使用することでアクションの嵩増しを試みたのだとすれば、辻褄は合いますが、そんな映画が面白いはずもなく……。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-01-22 18:28:48)
909.  プラチナデータ 《ネタバレ》 
DNA捜査システムが金科玉条の如く扱われる設定に違和感を覚えます。確かに髪の毛一本で容疑者が特定できたら便利でしょう。しかしあくまで物証の一つ。しかも神楽の場合は被害者(早樹)と日常的に接点があったので、彼のDNA素材が検出されたとしても有力証拠となりえないケースのはず(彼が疑われたのは監視カメラのトリックが判明した故の事)。『マイノリティ・リポート』で主人公が犯人として追われたのとはワケが違います。しかもNot Foundの問題をさて置いても、冤罪を誘発してしまう危険なシステムなのは明白でした。犯罪捜査ツールとしては、防犯カメラ集中管理システムの方が余程価値があるでしょう(『踊る大捜査線THE MOVIE2』で披露された監視カメラ捜査の完成形ですね。一体どんなスーパーコンピューターを使っているのやら)。これで神楽が逃げ切れてしまうのは、流石に無理があるような。特に物語後半、全くカメラの網に引っ掛かからなかったのは、都合が良すぎた気がします。逃走劇における追手と逃走者の距離感もダメダメでした。ミステリーの命タネ明かし、“真のプラチナデータの真相”や“犯人とその動機”も、期待値に遠く及ばぬものだったと思います。設定のバランスの悪さ・詰めの甘さ、脚本のアイデアの無さ(特にアクション)、良くない部分が目立ちます。せめてキャラクターに魅力があれば救われるのですが、こちらもパッとしません。トヨエツのオールドタイプな刑事像は悪くありませんし、その相棒役の役者さん(遠藤要)も存在感バッチリなのですが、キーパーソンン早樹に魅力がありません。あれではただのファッションモデルです。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2014-01-19 21:59:40)
910.  YES/NO イエス・ノー 《ネタバレ》 
(ネタバレしています。一部伏字にしていますが、オチを知ってしまうと観る気が失せるお話ですので、鑑賞後にお読みくださると有り難いです)  机やベッドといった長期監禁用の設備はあるのに、何故トイレは設置されていないのか?これが謎でした。物語序盤で推測された仮説は以下の3つ。①監禁主はうっかりトイレを作り忘れた(カラオケボックスにカラオケ機器が入らなかった荒井注レベルの大失態。便宜上、荒井注説とします。)②監禁主は、人間の生態を理解していなかった(宇宙人説)③全ては主人公のアレだった(アレ説)。今時、サスペンスで禁じ手とも言えるアレ落ちは無いでしょうし、当初は宇宙人説が有力と考えていました。ところが、浮気や遺言といった生々しい話が出てきた時点で宇宙人説は消えました(そこまで人間社会を理解しているなら、ヒトが排便する事を知らないはずがないですよね)。まさか犯人は荒井注?!ところが仰天、本当にアレ落ちでした。それ以外では説明がつかないですもの。正直ガックリです。でも気を取り直して、真相を推理してみます。主人公(奥さん)は、何故このような悪いアレを見たのでしょうか。考えられる理由は次のとおり。①奥さんは飼い猫を胸に乗せて眠ってしまった(胸を圧迫して眠ると悪いアレを見ますよね)②奥さんは二度寝をした(寝過ぎると結構アレを見ますよね)③奥さんは旦那さんに対してヤマシイ気持ちがあった。…奥さんの首のキズ。あれは猫が付けたものと睨みました(金持ちは猫を飼うものです。そして猫を撫でながらワインを飲むのです)。また、②奥さんの実家は資産家なので長時間睡眠に決まっています(あくせく働かなくてもいいですからね)。③はドラマの常識として大本命。奥さんは夫以外の子を身籠り、罪悪感に苛まれていたと。夫も罪人であれば、自分だけが責められなくて済む。その願望が発現したと推測出来ます。というワケで、本作のコトの真相は以下のとおりと勝手に結論付けます。“資産家の奥さんが血統書付の高級猫を胸に乗せたまま、二度寝か三度寝。寝過ぎて悪いアレを見た。その内容は夫に対する罪の意識を反映したものだった”。以上でございます。フザケ過ぎですか?ごめんなさい。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-01-16 18:59:13)
911.  ロボジー 《ネタバレ》 
コメディとしてはほとんど笑えませんし、木村電器の3人は保身の為に嘘を付いているので、お仕置き無しの結末はスッキリしません。ただし、ミッキー・カーチス爺さんの立場に立ってみると、なかなか沁みる物語だと思いました。老人会の出し物を見ても分かるように、爺さんはいつも脇役だったのだと思います。生まれながらにして主役になれるタイプと脇役に回らされるタイプが分かれてしまうのは、私たちが身に染みているように世の道理。年を食っても、そのルールは変わりません。年寄りの中心にいるのは、やっぱりダンディなハンサム爺さん。でも本音を言えば、脇役だってステージの真ん中でスポットライトを浴びてみたいのです。今回のお話は、そんな脇役一筋の爺さんの人生に奇跡のスポットライトが当たったファンタジーと捉えるのが正解という気がします。ですからシリアスな現実など無用なのです。3人組に吉高が加わり、詐欺師はマジシャンに進化。瓢箪から駒を出し、嘘をまことに変える準備は整った模様。でもそう上手く事が運ばないのはロボット開発も人生も一緒。ちょっとくらいのズルは、脇役人生に免じて許して頂戴な。そう思えてしまうくらい、ラストの爺さんの笑みは最高でした。個人的には、最期の仕事を終えた爺さんが、両の手の平で4つの磁石を一つにくっ付けた場面が大好きです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-01-13 16:58:46)(良:1票)
912.  コロンビアーナ 《ネタバレ》 
杉良太郎が『江戸の黒豹』ならば、カトレアちゃんは『コロンビアのピューマ』だすなあ~なんて軽口をたたくのも憚られるくらい、本当はシリアスな復讐譚です。ところが、後口は意外や意外、そんなに悪くありません。まるで小洒落た失恋ラブストーリーを鑑賞したかのような余韻。これにはきちんとカラクリがあります。それは復讐の“角”や“棘”を落としているから。殺人シーンは尽く排除。エグい描写は一切ありません。最もカタルシスを得られるはずの仇討の瞬間さえ見せません。それに殺人マシーン完成までの課程も全カット。そりゃそうです。子供が人殺しの術を身に付ける描写なんて、胸糞悪いですもんね。と言うわけでお子様でも安心鑑賞の復讐物語が完成と相成った訳です。こう書くと腰抜け描写を批判しているように見えるかもしれませんが、違います。凄惨な描写で観客の心を掻き乱す事など簡単なこと。それより娯楽映画としての体裁を整えた事の方を私は評価します。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-01-10 19:27:08)(良:1票)
913.  デッド・サイレンス(2007) 《ネタバレ》 
(結末が命の映画です。未見の方は観賞後にお読みくださいますようお願いします。)  ワン監督はサスペンスにおける“どんでん返し”の使い方と意味をよく理解していると感じます。①種明かし→②フラッシュバックで伏線回収→③間を置かず終幕。出世作『SAW』と全く同じ手法ですが、その手際の正しさを再確認しました。まるで極上のマジックを観ているような。特に重要なのが③と考えます。“そう言えば○○はずっと××の側に立っていたな”とか“××の顔色は異様なほど悪かった”という監督側の言い分のみを聞かされ、驚いているうちにすかさずエンドロールへ。余韻など無し。でも、じっくり検証されると粗が見つかってしまう訳ですから、このやり方が正解。詐欺や違法商売の店舗の店仕舞いが早いのと同じ理屈です。DVDにはアナザーエンディングも収録されていますが、オリジナルが○○=自動人形(byからくりサーカス)と読み取れるのに対し、アナザーエンディングでは“魂を売り渡した人間”と定義しています。後者の方が理に適いますが、その分説明に時間を取られています。ここで重要なのは、前述した通り速やかにお話を終わらせる事。1分でも30秒でも早く。観客に考える暇を与えないために。そういう意味で、オリジナルの結末が選ばれたのも納得なのでした。また感心するのは、どう転んでもバッドエンドにしか行き着かない脚本ではなく、主人公の選択次第ではハッピーエンドも望めた点。例えば人形が届いた段階で警察に引き渡していれば、主人公夫婦は無事だったはずです。酷い目に合うには、それ相当の理由があるのも自分好みでした。キャスティングも満点級。中でもメアリー・ショウとエラ役の女優さんのハマリ具合が素晴らしく、世界観構築に大きく貢献していたと思います。主人公は彼じゃなくても良かった気がしますが。勿体なかったのは、奥さん妊娠の件をさらりと流してしまったこと。あそこは旦那(主人公)がキレなきゃいけません。ドラマ要素をおざなりにしたのは、いただけません。本作は初見が全て。内容確認のために二度観る映画ではないでしょう。手品のタネは追求しても良い事はありません。素直に騙されておくのが正しい見方かと。
[DVD(吹替)] 8点(2014-01-07 18:31:53)(良:1票)
914.  アダプテーション 《ネタバレ》 
物書ならば、おそらく誰でも一度は考え付くであろうアイデア。でもほとんどの作家が実際に作品化しないのは、作品にしても面白くないから。寝てみる夢を他人に語ってもつまらないのと同じように、この面白さは当事者でないと理解できない範疇のもの。それに、どうしても独り善がりな表現になりがちです。そういう意味では、本作は作者の体験(脚本家の苦悩)を客観的な娯楽性を担保しながら具現化出来ていたと思われます。及第点以上。夢と現が混在しているのに、それを観客に意識させないのは高等テクニックと言えましょう。もっともその大部分をニコラスの頭髪が担っている気がしないでもありませんが。「志村、うしろ~」と同じノリで、「ケイジ、あたま~」と何度口にしたことか。ニコラス・ケイジの鳥の巣ヘアーに敬意を込めて+1点進呈。自虐的過ぎて、イマイチ笑うに笑えないのがもどかしいところ。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-04 17:58:53)
915.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
アルフレードがトトに村から出ろと諭す場面の古びた碇。帰郷したトトを出迎える年老いた母に繋がる毛糸。これぞ映画ならではの語り方。胸が震えました。観客各々の“想い”と“思い”に照らし合わせ染み入るに相応しい、素晴らしい技量を備えている映画でした。美しき郷愁と懐古で泣かせる映画ではない点にも感心します。得たものもあれば、失ったものもある。後悔こそ人生のメインロード。それがこの映画の良心と考えます。最後に本作を鑑賞した全ての皆様(親御さん)へのお願い。子供から預かったお年玉は、子供が大人になったら返してあげましょう。大人だって約束を守るんだって事を、お父さんお母さん銀行の格付けはAAAだって事を、子供に教えてあげましょうよ。アルフレードのように。えっ、当たり前だって。失礼しました。
[ブルーレイ(字幕)] 10点(2014-01-01 00:00:00)(良:1票)
916.  脳男 《ネタバレ》 
生田斗真の相手役に、松雪泰子をキャスティングしたのがお見事でした。カウンセリングで対峙する2人。特徴的に鼻の高い両俳優の横顔は、実に画になります。まるで合わせ鏡のよう。感情が無い男と、感情を理性で封じ込めえる女。2人は外見だけでなく、内面にも共通点がありました。そんな2人が出会った事の効用。女医の涙はロボットの中に眠っていた感情の欠片を掘り起こしましたし、鈴木は女医の過ちを正しました。「善悪の基準を勝手につくって審判を下す権利なんか誰にも無いわ」女医の台詞は、彼女の理性が言わせている模範解答。でも感情は、また別モノです。それが女医自身を苦しめている事に、彼女自身気づいていません。理性と感情、果たしてどちらに従うのが正しいのでしょう。いやこの2つを切り離す事に無理があるのだと感じます。どちらも等しく大切なもの。女医最後のつぶやき「(あなたは)何処へ行くの」は鈴木だけでなく、彼女自身にも向けられていると感じました。一次救護に当る訳でもないのに、ただ「救急車を早く呼んで」と泣き叫ぶ医療関係者や、「死んでも償い切れない」と涙を浮かべる加害者は“うそ臭くって信用できない”が私の持論。案の定、化けの皮が剥がれ落ちる結末は腑に落ちましたが、後味はかなり悪いです。でも因果応報の原則は守られているので不快感は低め。暑いけど湿度は低い、寒いけど乾燥していない、そんな余韻を味わえました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-12-30 18:55:00)(良:2票)
917.  ヒルズ・ハブ・アイズ 《ネタバレ》 
胸糞悪い物語を“面白い”と評することに若干の躊躇はあるものの、率直に言ってしまえば面白かったです。家族が惨殺されたにも関わらず、心安らかなのは何故でしょう。それは命に代えても守りたい幼子を無事救出できたからです。また自らの手によって復讐が成し遂げられた事にも価値があります。同監督の『ハイテンション』、あるいはイーライ・ロス監督の『ホステル』でも描かれていますが、つくづく報復は甘美だと思います。その爽快感は麻薬。道徳や倫理、法律といった“人間の知恵”で普段は本能を抑制していても、一旦タガが外れれば歯止めが効かなくなります。ムコ殿の場合は、指を切断された事がキッカケでした。拳銃を握ることさえ嫌悪していた彼が、躊躇無く人の頭に斧を振り下ろせるのです。敵を痛めつけることに快感を覚える自分が恐ろしいと感じました。もっとも其処まで追い詰められなければ、殺し合いに踏み切れないとも言えますが。先進国の民は恵まれています。意識せずとも生存権が保障されているですから。でも、自分と家族の命を守る覚悟を失うのは危険で愚かなことだと思いました。銃器を有し訓練を受けていた元警官が不覚を取り、犬が一番役に立った事実をどう受け止めるべきか。本作は意外なほど重いテーマを孕んでいると考えます。最後に「被害者家族が取るべきだった正しい行動」を日本の政治家にたずねたら、どんな答えが返ってくるか想像してみました。A議員「脅威を確認した時点で速やかに先制攻撃を仕掛けるべきだった。アジトに乗り込んで敵を殲滅せしめれば被害は最小に食い止められたはず。」B議員「紛争地域に赴く事は賢明ではない。この家族は専守防衛に徹し、警察に無法者の確保を依頼するのが望ましい。」C議員「加害者もまた核実験の被害者だという事を忘れてはなりません。憎むべきは核兵器です。亡くなられた皆様には哀悼の意を表しますが、被害者家族が問題解決の手段を暴力に求めたのは如何なものか。対話による相互理解こそが平和な世界を創り出す唯一の道だと信じています。」あなたなら、どの議員に投票しますか?
[DVD(字幕)] 7点(2013-12-27 19:37:33)(良:1票)
918.  スピーシーズ/種の起源 《ネタバレ》 
人間の遺伝子を乗っ取り、さらにその繁殖方法を利用して勢力拡大を図る侵略者。ホモサピエンスの嗜好を取り入れた外見に擬態する抜かりなさ。科学者たちが危惧したように、シルの子供は男の子でした。野放しにしたら、一体どれほどの女性を孕またことか。きっと人類は駆逐されたでしょう。宇宙人が侵略してくる物語は数々あれど、本作のような侵略の形態は斬新だと思いました。そして見た目以上に怖いお話だと思います。ただの『B級映画』で終わる素材ではありません。であるにも関わらず“エロB級SF”のレッテルを貼られてしまうのは、エロ描写が勝ちすぎているからかと。シルの美しいこと美しいこと。あの美貌の前では、男の理性は簡単に吹っ飛んでしまいます。本当にB級なのは、バカな男の性欲なのかもしれません。
[地上波(吹替)] 6点(2013-12-27 19:28:07)(良:1票)
919.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
宇宙空間の等速直線運動はまるで“運命”の暗示。己が意思とは関係なく、無慈悲に、ひたすら、流されていく。娘を失った主人公の人生も、おそらく同じだったのでしょう。そんな彼女が必死に生きようと足掻く姿は実に感動的でした。大気圏突入の際の彼女の言葉が印象的です。「誰も悪くない」一生懸命やった結果が成功だろうと失敗だろうと、それはもう仕方のない事。それこそ運命です。しかし、諦めて受け入れる結末と、努力して手に入れる結末とでは、同じ結果でも値打ちが違います。邦題には内容を分かり易くする為に“ゼロ”が付いていますが、原題は単に“GRAVITY”です。そう本作は重力の意味を問う映画でした。ラストシーン。覚束ない足で大地を踏みしめる主人公。彼女は重力に“囚われている”とも言えますし、“守られている”とも言えます。同じものでも、捉え方次第で、その姿を変えるのです。オーソドックスなソリッド・シチュエーション、パニック映画の体裁ですが、多くの示唆が含まれている良作だったと思います。映像技術の評価は二の次で。ただ、もし続編が出来て『キャスト・アウェイ』みたいな話だったら、大笑いしますが。
[映画館(吹替)] 8点(2013-12-24 18:34:44)(良:2票)
920.  太陽の王子 ホルスの大冒険 《ネタバレ》 
小学生の頃、初めて通販を利用して手に入れた本が『宮崎駿・大塚康生の世界』でした。そこで本作の存在を知ったワケです。何せ生まれる前の映画。当時レンタルビデオなど無く、セルビデオは高級品。動くホルスを目にすることなく、実に30年以上の歳月が過ぎ去りました。この度、W●W●Wのおかげで積年の夢を叶えられたのですが、観賞前は期待よりも不安の方が勝っていました。想像の傑作に太刀打ち出来るものかと。しかしそんな心配は無用だったようです。何と言っても、アニメーションの質の高さに驚かされました。45年前の作品が近年製作のアニメに全く見劣りしていません。本作の技術が最高水準である証。ご指摘のレビュワー様もおられるように、中でもヒルダの表情の表現が絶品でした。グルンワルドを倒した後のこと。呪縛から解き放たれた少女の心象を表す作画の繊細さ(特に眉の動き)に、胸を打たれました。このワンシーンだけで、本作を傑作認定したいほどです。アクションシーンで多用された“止め画”の手法は、経費削減の為かもしれませんが(参考文献:藤井青銅著『愛と青春のサンバイマン』笑)、世界観が完璧ゆえ、芸術的な演出のひとつと捉える事ができます。作画・動画・背景といった基本的なアニメ制作技術は10点満点です。ただし、演出については少しばかり不満が残ります。太陽の剣を鍛え上げる過程、グルンワルドを倒した瞬間。カタルシスを得られるはずのクライマックスが些か物足りないのです。子供向けの“冒険活劇”を謳うならば、子供が観たいと願う決定的な場面を真正面から表現して欲しいと感じました。本作を子供の頃に観られた人は幸せだと思います。でも私の場合、きっと縄付きの斧を振り回すガキになっていたと思うので、これで良かったのかもしれません。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-12-21 00:32:15)
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