921. 群衆(1941)
多少お説教くさい気はしないでもないが悪くない。ジョン・ドーに込められたキャプラの思いが伝わってくる。隣人愛と言葉にしてしまえばきれいごとになってしまうが実践はとても意義あるものだと思う。彼を純粋に支援する人たちの心に感動を覚えるし、何と言ってもラストが感動的だった。それにしてもエドワード・アーノルドの悪役ぶりには恐れ入る。キャプラの映画には欠かせない人だ。 [DVD(字幕)] 8点(2012-12-03 22:52:32) |
922. 失われた週末
「酒とバラの日々」も強烈だったけど、この映画も決して負けていないし、レイ・ミランドの迫真に迫る演技はさすがアカデミー主演男優賞。どうしようもないアル中だけど、周りは決して冷ややかでないし、決してあきらめないヘレンには頭が下がる。この映画で笑えたのは唯一オペラシーンだけ。開幕早々「乾杯の歌」で始まる「椿姫」とはなんたる皮肉。 [DVD(字幕)] 7点(2012-12-02 21:16:18) |
923. 幕末太陽傳
登場人物が多く最初の方はごちゃごちゃして落ち着かなくせわしない感じだったが、中盤フランキー堺が活躍し始めて途端におもしろくなった。品川心中、三枚起請など落語の世界が映像化され痛快きわまると言ったところだし、さすがフランキー堺である。長州藩士も入っての大騒動になるかと思いきや、その方は・・・。石原小林の大スターを引っ張り出したのは良かったが、映画にちょっと溶け込んでいないような気がする。 ところで「起請文」といって今の若い人たちにはわかるのだろうか、ちと心配。 [DVD(邦画)] 8点(2012-12-02 07:05:27) |
924. 恋しくて(1987)
昔見たときはもっといい映画だと思ったが、改めて見てみるとさほど感動がわかない。やはり若いうちに見る映画なのだろう。心理の微妙なところがいまいち理解できない。 [DVD(字幕)] 5点(2012-12-01 20:17:27) |
925. 雨の中に消えて
1軒の借家で共同生活をする若い3人女性の物語で、主演は吉永小百合。原作は石坂洋次郎で、いかにも青春ものという感じがする。選挙運動のアルバイトをする中盤が非常におもしろい。伊藤雄之助もなかなかだし、弁の立つ高橋英樹がとても良い。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-12-01 10:46:43) |
926. アメリカン・プレジデント
政治的なことはからきしダメなのでコメントできないが、それでもこの映画の大統領が立派だということは十分わかる。政治的なかけひきや中傷合戦になりやすい政治の世界において、信念の熱い真摯な大統領だと思う。ラブロマンスももちろん悪くないが、それ以上のもの(大統領の分刻みの忙しさ、決断力判断力の大切さなど)を感じた。 [DVD(字幕)] 7点(2012-11-30 22:12:47) |
927. つづり方兄妹
実在の兄妹の物語だけど、作文がコンクールで1等になったとしても決してハッピーエンドではない。貧乏人の子だくさんの生活は今後も決して楽ではないだろうし、ふうちゃんだってちゃんとした医師に診てもらっていたら助かっていただろうと思うと悔しさもある。頭師孝雄は実年齢では小学校高学年のはずだが、それでも演技は並外れているし、久松監督お気に入りの仁木てるみもとてもかわいい。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-11-30 16:23:34)(良:1票) |
928. 妖婆の家
1960年代のベティ・デイヴィスの映画はどれもすばらしい。「何がジェーンに起ったか?」とか「ふるえて眠れ」などまさに怪演でありこれもそれに近いと思う。どれもがモノクロ映像であり、それがすばらしい緊迫感を与える。子役のウィリアム・ディックスもなかなか良い。ただタイトルの妖婆はどうも好きでない。 [映画館(字幕)] 7点(2012-11-29 23:34:08) |
929. 赤頭巾ちゃん気をつけて
最初と最後に安田講堂事件の東大紛争シーンが入るが、時代背景を物語っているとはいえ、映画とは直接関係ない。あるとすればその事件によって、東大入試が中止になったということだけ。 映画のストーリーはあってなきがごとしの散文的スタイルだが、これは当時のベストセラー芥川賞小説を映画化したものだから仕方がない。おもしろくも何ともない部分もあるが、同年代で大学紛争にも巻き込まれた当時の私にとって感じるところも多かった。 改めて見てみると、主題歌を歌っている佐良直美をはじめ、いしだあゆみ、ピンキーとキラーズなどなつかしい。 [映画館(邦画)] 6点(2012-11-29 20:32:40) |
930. 続・サラリーマン清水港
前作と比べると残念ながらおもしろくない。フランキー堺がいなくなったのも一つの原因だが、清水次郎長らしさが失われ歯切れがいまいち。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-11-28 21:18:34) |
931. サラリーマン清水港
しみーずみーなとのめいーぶつーはー♪ 次郎長、大政、小政に森の石松。柳屋金語楼の寿司屋の板前さんに、寿司食いねえ江戸っ子だってね、次郎長ってそんなに強いのかじゃなくて、そんなにうまいのかってくれば、もうご機嫌だ。 社長シリーズの中でも好きな映画のひとつ。社長でなくてサラリーマンの名前がつくのはこの清水港と忠臣蔵だが、かったるい忠臣蔵に比べ、歯切れ良くテンポが良く調子が良い。例によって浮気すれすれ路線だが、毎度おなじみでも気持ちが良い。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-11-27 22:03:23) |
932. 霧笛が俺を呼んでいる
私が見た唯一の赤木圭一郎主演映画だが、やっぱり私好みではない。喧嘩や銃をぶっ放すシーンが多いし、内容が薄っぺらい。魅力的な芦川や初々しい吉永は良いと思うのだが、赤木圭一郎自体が台詞が堅い。 [DVD(邦画)] 3点(2012-11-26 20:22:48) |
933. 隣りの八重ちゃん
とても仲の良いお隣さん同士だけど、昔はさほどめずらしいものではなかった。だが隣家におじゃまして飯までとなると格別、恵太郎と八重ちゃんも兄妹同然というかそれ以上。割って入るのが高杉早苗の女友達かと思いきや出戻りの姉とは。そうか岡田嘉子と言えば実生活でも波乱に富んだ人生を送ったんだったっけ。このモーションをかける姉と落ち着かない態度の妹の心理描写が実に良い。 [DVD(邦画)] 6点(2012-11-25 19:18:15) |
934. キートンの大列車追跡
CGも特撮も何もないサイレントの時代に、平然とやってのけるキートンにはただただ脱帽。何回も何回も撮り直したのかどうかは知らないが、いつも絶妙なタイミングで笑いを誘い、そしてあっと驚くどえらいことをやってのける。何度見てもおもしろい映画だ。最近は久石譲音楽のリマスターDVDも見たが一長一短で少しせわしい。 [映画館(字幕)] 7点(2012-11-25 12:55:13) |
935. デイライト
パニック映画でも随分荒っぽい映画だ。もっと細やかな表現が必要だと思う。ポセイドン・アドベンチャーと比べるなんて無理。 [DVD(字幕)] 3点(2012-11-24 14:11:04) |
936. コント55号と水前寺清子の神様の恋人
理屈抜きでたいへんおもしろい。私が子どもの頃人気があった欽ちゃん、二郎ちゃんのコント55号のコンビに、チータこと水前寺清子が加わっての大爆笑コメディ。益田喜頓、伴淳三郎を初めとする脇役陣もコメディアンが多数だ。そうそう、ザ・タイガースの人気もすごかった。 [映画館(邦画)] 6点(2012-11-24 08:25:48) |
937. 真実の行方
どうもよくわからない映画だ。動機もピンとこないし、第一マーティンがなぜ頼まれもしないのに弁護を引き受けたのかとか。本当に敏腕弁護士なのだろうか、自分でそう言っている事自体おかしいし、ただの売名家、単純な事件を複雑にしただけに思える。それはそうとドゥルス・ポンテスが歌う「Cancao do Mar」が印象深かった。 [DVD(字幕)] 5点(2012-11-23 22:14:35) |
938. 夜ごとの美女
夢と現実が入り交じったハチャメチャなストーリーだけど、よく見るときちんと筋は通っているし、何と言っても美女が3人も出てくるが大変良い。私のお気に入りの映画の一つ。他の人も書かれているように、夢と現実の行き来が大変スムーズで監督の手腕がすばらしい。笑えるところも十分笑わせてくれるし、夢の世界と現実の世界の人たちが同人物なのも良い。 [DVD(字幕)] 9点(2012-11-23 11:30:34) |
939. 鶴八鶴次郎(1938)
鶴八鶴次郎で人気を博していた前半は、何でこの映画評価が高いのだろうかと思いつつ見ていたが、喧嘩別れをしてからの後半はぐっと深みを感じた。佐平の藤原釜足が良い。このときまだ30代の若さなのだが老け役がすばらしい。名脇役たるゆえんがすでに感じられる。もちろん20歳を過ぎたばかりの山田五十鈴の貫禄はもっとすばらしいが・・・。ラストのあっけなさに驚くとともに、情の深さに恐れ入る。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-11-21 23:28:04) |
940. 北のカナリアたち
物語には少し不満もあるが子供たちの歌声がすばらしく悪くない。吉永さんは若く美しく私より年齢が上にはとても見えない。ラストは感動させようという意図がありあり。 [映画館(邦画)] 7点(2012-11-21 15:42:25) |